2017/4/20にワシントンでG20(20ヵ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)で元インド中銀総裁がこう発言した。英フィナンシャル・タイムズから引用します。
嵐の中の春休み―種々リスク残るも世界経済は金融危機以降で最強だ。これまでと違うのは、初めてエンジン全てが点火していることだ
2016年はBrexit(英国のEU離脱)やトランプ(米大統領)誕生が一時的に株式市場を混乱に陥れたが、一瞬のうちに回復ましたね。そして、いまではアメリカのダウ平均は過去最高値を更新し続けています。
世界最強を牽引するアメリカ
完全雇用に近づく米国ですが、これからもまだまだ景気拡大を望むトランプ大統領のもと、大幅な減税とインフラ投資を中心とした財政出動が予定されています。
FRBの利上げのスピードも予想よりも落ち着いており、まさにアメリカ経済は飛ぶ鳥を落とす勢いです。
アメリカ経済が好調だと、基本的には世界経済も好調になるというのは今も昔も変わらない。
トランプさんが大統領に就任した直後は、世界中のマネーがアメリカ一国に集中することで、新興国から資金が流出しました。ただ、アメリカ経済の好調が続くに連れ、原油・資源価格も反発に転じ、新興国経済も上向きになっています。
なんだかんだ言ってもやっぱりアメリカって最強ですね。
僕も最初はトランプ大統領はGoogleやAppleに代表されるアメリカのIT企業にそっぽを向かれて、結局はアメリカの競争力が削られていくのかと心配していましたが、今のところ杞憂ですね。一時は険悪だったトランプさんとIT起業家達との仲も良くなってきていると聞きます。
トランプさんは極端な物言いでマスメディアに訴えかけるのが上手な人ですが、実は対人間関係にもものすごく気を使うバランス感覚な優れた人物なのかもしれません。
ここで採用すべき投資戦略とは
世界経済絶好調な今、誰しもマネーをつぎ込んでいます。世界中の株式指標が高値を更新し続けています。日経平均ももうすぐ2万円を回復しそうですね。
不動産にも相変わらずマネーが流入し続けています。昨年末は一時的に円高に振れた影響からか、中国人を始めとする日本の不動産購入の勢いが減りましたが、ここに来て復活基調です。
5月は、フランス大統領選挙でEU離脱を掲げていたルペン候補がマクロン候補に敗れました。これによって、さしあたりEU崩壊のような極端な事変は避けられる見込みとなりました。
まさに、世界経済どこを見渡してもスキ無しです。過去最強と言っても過言ではないですね。
さて、このような状況で僕たち投資家はどのような投資戦略を取ればよいでしょうか?
僕は敢えて、「様子見」だと考えています。もっと言うと、リスクマネーからは手を引き現金か金のような現物資産に換金しておくことをオススメします。
確かに1~2年は世界経済は成長を続けるでしょう。その間に株式指標はひょっとしたら20%程度上昇するかもしれません。
でも、経済学の基本原則は、景気は循環するです。
好景気が永久に続くことなんて絶対にないのです。
バブルというのは、誰も気が付かないうちに生まれるものです。
そもそも、気がついていたらバブルに対して手を打てるからバブルにならないのです。
このように、完全に死角が無い状態の世界経済でこそ、バブルが生まれつつあると感じるのです。
というわけで、僕は不動産以外の資産は全て現金化しています。
幸いなことに不動産収入から着実にキャッシュフローが積み上がってきているので、数年生きていける分くらいの現金が貯まっています。
ただ、ここで、勝負をかける気にはなりません。
数年後に来るかもしれない、最大の買い場(暴落時)を虎視眈々と狙いたいと思います。
それまでは、ガマンガマンですね。