年度末を控え、不動産会社からの営業メールが毎日のように来る。そんな中で、最近良く見る文言が次のとおりだ。
- ローンキャンセルにつき、大幅指値可能
- 売り主売り急ぎ案件につき、大幅指値可能
指値歓迎の物件が多くなってきた
割合で言うと、紹介される物件の2/3はこちらから切り出しても無いのに、指値可能だと案内が来ている。
以前は、指値なんてもってのほかで、中には買い上がり(売値以上の金額で購入すること)する物件もあった。そろそろ売り手に焦りが見え始めているということだろうか。
不動産会社から紹介される物件の指値可能金額は約1割といったものが多いので、売値の90%では確実に購入できるということだ。
熟れた投資家であれば、そこから更に1割は値下げを要求するだろうから、実質的には2割引くらいで市場で取引されていると思われる。
そろそろ買い場がやってくるのかもしれない。
一方で土地価格は横ばい
全国宅地建物取引業協会連合会が先日発表した2017年1月1日時点をベースの「不動産市況DI調査」によると、土地の価格取引の好調状況は続いているようだ。
土地価格のDI指数とは、好調から不調を引いた数字。プラスであれば、好調だと感じる不動産会社が多いということだ。
全国ベースで5.5ポイントのプラスなので、未だに好調状態のようだ。
ただ、土地価格については3カ月前とほとんど変わらないと回答した業者が70%を超えている。
また、今後の土地価格の見通しについても7割が「横ばい」との見通しをしている。そのため、土地価格はそんなに簡単には下がらないことがわかる。
投資家サイドから値下圧力は始まっている
投資物件では指値が増えてきているのに、土地は値下げしない。
この違いはどこから生じるのだろうか? 理由は、投資物件価格は主に買い手側の投資家のニーズを反映するのに対して、土地については、土地を仕入れて販売する売り手である不動産業者側のニーズを反映しているという違いがある。
つまり、土地については、不動産業者同士でまだ安売り競争にはいたっておらず、高値を維持している。
一方で、最終的な買い手である投資家の需要は明らかに減退してきている。そのため、先に投資物件から値崩れが起きていると思われる。
好条件の物件はまだまだ高値
ただ、指値が通りそうな物件の大半は、首都圏でもわりと郊外のほうである。
駅で言うと都心から1時間くらいかかる乗降客数が2万人程度の駅のエリアに建つ物件が多い。
しかも、駅からの距離がバスだったりして少々不便な立地だ。
それ以外の都心や駅チカの物件に関しては指値が通らない状況はまだ変わらないようだ。
つまり、投資家のニーズの少ない物件から徐々に価格下落が開始してきていて、ニーズの高い物件はまだ健在という状況だ。
だが、いずれこの価格下落の流れは好条件の物件にも波及すると思われる。物件の売却を考えている人は、早めに動いたほうが良さそうだ。
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