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最近、築浅アパートが市場に大量に放出されている 高値で購入した個人投資家が手放し始めた

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最近、少しずつだが不動産投資の潮目が変わり始めているのを感じている。

その一つの証拠が築浅のアパートが大量に市場に放出されている点だ。

通常、築浅のアパートが売りに出されることはあまりない。

基本的に木造アパートはマンションとは違い、売却益狙いではなく、家賃収入(インカムゲイン)狙いで投資されることが多いからだ。

購入して、1,2年であれば、初期費用すら改修できていないことが多く、よほどの理由が無い限り大家は物件を手放そうとは思わない。

では、築浅アパートが売りに出されるケースはどのようなものがあるのだろうか。

新築時に売れ残ったアパートを不動産会社が販売しているケース

築1,2年程度で売りに出されているアパートを見ていると、売り主が不動産会社というケースが最近増えてきた。

このケースは、アパートを建築した不動産会社が新築時に個人に売り切ることができず、やむなく自己所有し続けているパターンだ。

この種の物件は、「新築」と名打って売りに出すことができないため、築浅中古として売りに出すしかない。

このように売れ残った「新古アパート」が最近、市場に多く出てきている。

その理由は、買い手である個人の動きが鈍ってきているからだ。

最近、金融庁が増え続けている新築アパートの供給にようやく懸念を示し始め、一斉に金融機関に調査を進めている。

その影響で、ここにきて金融機関が個人への不動産融資に厳しいスタンスを取るようになった。

具体的に言うと、今まではフルローン出ていたものが、ここにきて頭金1割を要求するようになってきた金融機関が多くなっている。

まだ、耐用年数オーバーで融資を出している地銀は多いが、それもいつまで続くか分からない。

新築時に個人に売り切ることができなかった不動産会社は仕方なく、築浅としてアパートを継続販売し続けるしかない。

そのようなアパートは新築のアパートに比べ一見利回りが高い(価格が安い)ケースが多い。

例えば、私の投資エリアである東京都品川区では、現在新築の利回りは5%を切ることも珍しくない。

それなのに、このような新古アパートは利回り6%程度で売りに出されていることも多い。

一見お買い得なように見えるが、トリックがある。このようなアパートは大体において新築時から一度も埋まっていない空室を抱えていることが多い。

つまり、利回りはあくまで、不動産会社の想定利回りでしかない。

逆に言うと、新築にも関わらず空室が埋まっていないため、売れ残っているのだ。

空室が埋まっていない理由は簡単に言うと、想定家賃が市場価格よりも大幅に高く設定されているからだ。

この手の新古アパートのセールストークに、以下のものがある。

空室は売主にて満室まで家賃保証

空室があっても、満室になるまでは売主(不動産会社)が面倒みるから安心だよ、ということだ。

初心者は安心するかもしれないが、ここにはカラクリがある。

売主は利回りを良く見せるために設定した大幅に高い家賃で空室を埋めるために、フリーレント半年分くらいつけることはザラである。

こうして無理やり満室にして引き渡しをしたとしても、最初の入居者が退去すれば大幅な家賃下落(利回り下落)は避けられない。

初心者はこのような物件には手を出さないほうが良い。

個人が購入したが、入居付けが困難で売りに出されている

次に多いのが、個人が購入したが、1,2年賃貸経営を行ってみた結果、売却しているケースだ。

このような物件の特徴として、12-15m2 程度の狭小ワンルームタイプが多い。

バストイレこそ別だが、お風呂ではなくシャワーブースで、居住面積は大人一人が横になれるのがやっとという間取だ。

このような物件の特徴として、新築時には新築プレミアムで客づけはできるが、2回転目から急に客づけが困難になることが多い。

特に最近都内では利回りが急激に低下しているため、少しでも利回りを確保するためにこのような、狭小アパートが乱立している。

ライバルが増えているから、当然客づけは困難になる。ベテラン大家であれば、このような狭小アパートの客づけが難しいのは重々理解できるため、手を出す人は少ない。

だが、初心者は利回りの高さに目がくらんでこのようなアパートを購入してしまう。

その結果、想定以上に空室が埋まらず、購入して数年で売りに出すということである。

このような物件はよほどの高利回りか、客づけに自信がある大家以外は購入しないほうが身のためである。

また、狭小間取は、入居者の回転率が異常に高い。金融機関によっては、狭小アパートは新築であっても融資をしないところも多い。

このように、築浅で販売されている物件には、それなりの訳がある。

全ての物件が上記のパターンに当てはまるわけではないと思うが、必ず「その物件が築浅で売りに出されている」理由があるはずだ。

しっかりと理由を見極め、自分自身で克服できる「理由」かどうかを判断した上で、購入を検討したい。

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