実を言うと、僕はシェアハウスに対してはあまり良い印象を持っていなかったです。
貧困ビジネスの温床のような感じがしていたし、不動産投資家が利回りのことしか考えずに運営していると考えていたから。
ある時、知人から、「面白いシェアハウスの運営会社があるよ。入居者の集客方法がとてもユニークなんだ」と話を聞いた。
ちょっと興味が出てきたので、一度営業担当の人を紹介してもらうことにしました。そして、昨日さっそく話しを聞いてきたので、皆さんにも紹介しますね。
結論から言うと、本当にユニークなシェアハウス運営会社で、僕のシェアハウスに対するイメージが180度変わりました。
いつものようにランチタイムに面談してきました
いつものように僕の職場の近くの喫茶店にランチタイムで営業担当者とアポを取った。この時間帯なら平日でも不動産関係者と情報交換ができる。職場の近くまで来てもらうのは業者さんに気の毒だが、その分時間を融通できる。しかも、大体の不動産会社さんはランチを御馳走してくれる。ありがたいことだ。このアポイントの取り方はオススメです（笑）
さて、今回面談した会社の名前は株式会社グッドシェアーズ。
正直聞いたこと無い会社だったが、シェアハウス運営業界では、業界２位らしい。ちなみに業界1位はスマートライフ。実はこの会社すら僕は知らない。どんだけシェアハウスに興味ないんだと、自分でもあきれる。
喫茶店に現れたのは28歳の爽やかな男性。結構イケメンだ。元々美容系のコンサルタントをしていたというから、どことなくオシャレな雰囲気で物腰も柔らかい。しかもプレゼンが得意なので、テンポよくヒアリングができる。さすがコンサル出身。
ある職業に特化した入居者募集
この会社の特色は、特定の職業に特化した入居者ばかりをターゲットにしているという点。
それは、女優、タレント、モデルを目指している女の子。または、美容師やエステシャンを目指している女の子。
そう、女性専用のシェアハウスで、さらに同じ職業を目指す女の子ばかりを入居者に選んでいる。
このように同じ芸能・美容系を目指す女の子にターゲットを絞っている理由は、このようなターゲットは明確な夢を持っているからだ。
芸能・美容系の仕事はとにかく最初のころは給料が安い。少し前に、清水富美加が長時間の割に薄給のため芸能活動を引退したことがニュースになった。確かにテレビに多少出てくるくらいの女優さんでも、月給5万円とか普通らしい。その代わり、芸能事務所が住宅や食事は面倒をみているらしい。
このような女の子は夢は持っているが、お金がない。そのため、少しでも住居費を節約したいというニーズがあるため、シェアハウスは最適だ。
更に美意識が高い女性が多いため、古いシェアハウスというよりも、新築の綺麗で清潔な建物を好むという傾向がある。
そのため、このグッドシェアーズという会社は新築のシェアハウスを投資家に販売し、自らターゲットを絞った入居者を獲得する営業活動を行う。
同じ職業を目指す入居者だけが居住する
このシェアハウスは基本的にB to Bモデルだ。つまり、企業への一棟貸しとなる。例えば、芸能系であれば、タレント事務所や、モデル事務所に寮として借り上げてもらう。
そうすると、シェアハウスに住む入居者はモデルの卵ばっかりになったり、美容師の卵ばっかりになったりする。つまり、同じ夢を抱き、同じ訓練を受けている人間ばかりが集まることになる。
これは入居者にとって大きなメリットがある。
それは、シェアハウスの共有部を同じ目的で利用することができるから。
例えば、美容師を目指す女子ばかりが住んでいるシェアハウス。美容師になるためには、沢山髪を切って練習しないといけない。そのためにはカット練習用の首から上だけの人形が必要になる。
普通のシェアハウスのリビングに、首から上だけの人形がズラッとならんでいたらどうだろう？
絶対に他の入居者から気味が悪いといってクレームがきてしまうよね。
だけど、美容師を目指す入居者にとっては皆にとって必要な道具なので、誰も反対しないし、むしろ喜んで使う。
これが共用部を同じ利用方法で活用するメリット。
他にも声優の卵ばかりが集まるシェアハウスでは、共用部を防音にしてボイストレーニング室に改装している。
そして、今手がけているのが、ユーチューバーの卵向けのシェアハウス。ユーチューバーに必要な動画撮影機材をフル装備した共用部を作ろうとしているらしい。
このように同じ夢や目的をもった入居者同士が集まるシェアハウスは入居者にとって非常に大きなメリットがある。
通常と違う入居者募集方法
さて、ではどうやってこのような特定の夢や目的を持った入居者を探すのだろうか？
ここでも、この会社は特徴を持っている。普通、シェアハウスと言うと不動産仲介会社で入居者を募集してもらうのかなと思うだろう。
でも、実際のところ、普通の街の不動産屋さんはシェアハウスを扱いたがらないようだ。
理由は簡単で、入居者からのクレームが仲介した不動産屋さんに来るケースを嫌がるのと、賃料が低いので仲介手数料が安いからだ。
そのため、一般的にはシェアハウスの入居者はインターネットで募集するという形態をとっている運営会社が多い。
ところが、このグッドシェアーズは違う。例えば、芸能人の卵のシェアハウスの企画・建築が始まると、専門の営業担当者が芸能事務所やモデル事務所を片っ端から訪問営業する。
そして、シェアハウスを事務所の寮として売り込むのだ。
美容師の場合も同じで、大手美容チェーンに営業に言って、寮として売り込む。
そのため、基本は一棟貸し契約を取るため、入居率が安定する。基本的には法人契約が切れなければずっと満室経営だ。
僕はこのやり方はとても頭が良いと思う。
最初にターゲットとなる入居者像を明確にし、そのターゲットがいそうな場所に自ら営業にいって入居者を獲得する。入居者募集は基本的に待ちであることが多いので、この発想はとてもおもしろい。
女性限定にしているワケ
既にお気づきのようにこの会社、入居者は女性限定にしている。理由は簡単で、女性のほうが部屋を汚さないからだ。
実は過去に男性向けのシェアハウスを実験的に運営してみたことがあるらしいが、共用部の汚れ方がハンパなかったみたい。
確かにターゲットとなる20-30代の独身男性の生活を考えてみると良い。
自分の部屋すらろくに掃除しないのに、他人を共有しているバス・トイレやキッチンを掃除すると思えない。
僕も自分の独身時代を思い出すと、あまりの部屋の汚さにぞっとする。良くあんな部屋で恥ずかしげもなく暮らしていたものだ。
また、女優や美容師を目指している女の子というのは、とにかく忙しい。基本的に学校に行っているか、仕事（バイトも含む）をしているかのどちらかなので、シェアハウスにいる時間が少ない。その結果として、部屋が汚れないし、共用部も痛まない。
聞けばきくほどよく考えられたビジネススキームだなあと関心する。
仕事の紹介もする
女優やモデルの仕事を目指していても、すぐに収入に結びつかない子も中にはいる。というよりほとんどの子が最初は稼ぎが少ないだろう。
そのため、この会社は派遣会社とも提携しており、仕事やアルバイトの斡旋までする。もちろん、モデル事務所や美容室チェーンとも太いパイプがあるので、将来その職業になりたい女の子からシェアハウスの応募があれば、このような事務所に初回もできる。
入居してから、派遣先の仕事を始めるまで少し時間があく場合は、この会社でアルバイトをすることもできる。
シェアハウスの運営には色々と人手が必要だ。トイレットペーパーの交換から、掃除まで。とりあえずお金のない入居者はこのようにして入居費を稼ぐことも可能だ。
大量の運営スタッフを抱えている
ただ、入居者が女性限定だと一つ問題がある。それは、入居者同士の不仲が原因で起こる様々なクレームだ。特に女性同士だと洗面台の利用時間が長いとか、洗濯機を回す時間帯が違うという理由でクレームにつながりやすい。
そのため、同社は大量の運営スタッフを抱えている。もちろん全員女性だ。
この女性運営スタッフが毎日シェアハウスを巡回したり、LINE＠のようなメッセージ機能で常に入居者とコミュニケーションを取っている。
このあたりの運営に力を入れているあたり、さすが業界２位だなと関心した。
夢を応援するシェアハウスは素晴らしい
このように、夢を実現するための一時的な節約のツールや、訓練の場としてシェアハウスを使うというのは、入居者にとってもとても有益なサービスだと思う。
僕はこの話を聞く前までは、シェアハウスに対してはどちらかというとあまり良い印象を持っていなかった。
ただ、このような若者の夢応援に特化したシェアハウス運営をしているグッドシェアーズという会社には好感を抱いた。
僕も将来は人間が自分の夢を実現するためのサポートをする仕事をしたいと考えている。
大家をやりながらこの種の仕事に携われるのであれば、シェアハウス運営も悪くないと感じた。
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