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イオンが消えたらどうなる? ショッピングモールに依存する街に投資するリスクとは

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こんにちはJOJOです!

地方で不動産を探す時のポイントに、『大手商業施設に近い立地かどうか』というものがあります。

実際に、大手商業施設の近くの土地は人気があり、不動産価格も高いです。

ただ、ある日突然、大手商業施設が撤退したらどうなるでしょうか?

実際に、佐賀県上峰町にある大型商業施設「イオン上峰店」が2019年の2月に閉店することを発表し、地元では大きな波紋を広げています。

朝日新聞などの大手メディアにも取り上げられたので、知っている方も多いかもしれません。

今回は、大手ショッピングモール付近に不動産を購入することのリスクについて見ていきたいと思います。

地方では駅前よりも、ショッピングモール近くのほうが人気

僕は地方出身なのですが、地方は駅前が必ずしも人気とは限らないんですね。

むしろ、駅前の商店街は寂れてしまって、閑古鳥が泣いているなんていう地方都市も少なくありません。

じゃあ、どこが人気かというと、『大手商業施設近く』のエリアなんです。

地方は基本的に車での移動がメイン。

駐車場スペースが十分にない駅前の商店街よりも、大型駐車場が完備してある郊外のショピングモールのほうが便利だと感じる住民が多いのです。

イオンに代表される大手ショッピングモールの新規出店が決まると、その付近の土地の値段は急上昇します。

なぜかと言うと、ショッピングモールに魅力を感じたファミリー層が引っ越してくるからです。

そのため、不動産会社がショッピングモール近くの土地を買い占め、宅地造成して、戸建てを販売することも珍しくありません。

ショッピングモールがある地域が市街化調整区域(基本的に再建築はできない)だったとしても、そんなのお構いなしに近くには新しい住宅がどんどんとできます。

市街化調整区域は、基本的に市区町村といった行政が、『そこはもう街として開発しないから、近くには住まないでね』と意思表明しているエリア。

なので、市街化調整区域には、学校や病院といった公共施設が新しく作られることはありません。

でも、ショッピングモールが新しくできると、周りの人口が一気に増える。

しかも、子どもが小さいファミリー層が増えるので、学校や病院といった公共施設も整備せざるを得なくなります。

ショッピングモールを起点に新しく街ができるといったイメージですね。

ショッピングモールは若いファミリー層が支えている

ショッピングモールの主要顧客はどういった層でしょうか?

答えは、小さなお子さんがいる30~40代のファミリー層です。

なぜかというと、30~40代のファミリー層は一番購買意欲が高く、沢山お金を使ってくれるからです。

実際に、地方のショッピングモールに行くと分かりますが、どのモールも子連れのファミリー層で大変賑わっています。

入っているテナントも、生鮮食品を扱うスーパーを中心に、子供服、本屋、玩具店、そしてゲームセンターといったファミリー層に人気なお店が中心です。

そして、このようなファミリー層がショッピングモールで沢山買い物をするからこそ、モールの経営が成り立つのです。

若いファミリー層も、いずれは高齢化する

ショッピングモール開業と同時に、近くに家を購入し移り住んできた若いファミリー層も、10年もすれば消費行動が変わってきます。

最初の頃は、ベビー用品を購入したり、子どもたち用に大量に食料品を購入すると思いますが、10年も経つと子どもたちも徐々に巣立っていきます。

そうすると、ファミリーの購入総額がぐっと下がってくるんですね。

昔からある住宅地なんかだと、様々な年代の住民が入り混じっているので、特定の年代が突出して多いということはありません。

でも、ショッピングモール付近の住宅街に住む住民は、みんな同じ時期に引っ越してきた人たちなので、世代や属性も似たり寄ったりです。

そのため、住民全体が年をとると、一気に消費行動が変わってしまう傾向にあります。

そのため、ショッピングモール付近のファミリー層が高齢化しだすと、モールの経営は徐々に悪化していきます。

車が使えない高齢者はショッピングモールに行けない

さらに高齢化が進むと、車が使えないお年寄りが増えていきます。

ショッピングモールは基本的に郊外に立地しているので、公共交通機関が整備されていません。

そのため、基本的に車で来るお客様がほとんどです。

ただ、高齢化が進むと、自分で車を運転できない人が増えてきます。

すると、車でしか行けないショッピングモールのお客様が徐々に減っていきます。

これが、近隣住民が高齢化すると、ショッピングモールの経営が悪化するもう一つの理由です。

主要なファミリー層がいなくなったショッピングモールは撤退する

こうして、主要顧客である若いファミリー層が減少した結果、経営が悪化するショッピングモールが増えつつあります。

冒頭に紹介した、佐賀県上峰町にある「イオン上峰店」の撤退はその代表例です。

もともと、ショッピングモール付近の住宅地は、ショッピングモール目当てで移り住んできた住民の方がほとんどを占めます。

そのため、もしモールが撤退すれば、その付近に住む意味はありません。

つまり、近隣不動産の価値が暴落する可能性が高いということですね。

高齢化が進展する日本で、ショッピングモール頼みの街は危険

このように、高齢化の進展とともに、撤退するショッピングモールは増え続けると思われます。

それは、日本で一番有名なショッピングモールであるイオンレイクタウンですら、その例外ではありません。

埼玉県越谷市では、日本一大きなショッピングセンターであるイオンレイクタウンがあります。

更に越谷市やJRまで協力して、近くに越谷レイクタウン駅まで作られました。

ショッピングモール誘致のために新しく駅まで作るなんて、本当にイオンってすごいですね。

2008年の開業以来、越谷レイクタウン駅の人気は上昇し、人口も増えています。

駅近くには大型マンションも沢山できました。

現時点では、街が衰退する兆候は一つもありません。

でも、越谷レイクタウン駅近くに住んでいる住民の多くは、イオンレイクタウン開業と同時に引っ越してきた人々。

イオンレイクタウン開業である2008年に越谷レイクタウン近くにマンションを購入した層が多いということは、当時35歳くらいでしょう。

それから10年以上経っているわけですから、最初に引っ越してきた住民の方は45歳以上にはなっているはずです。

30歳で第一子が生まれたと考えると、お子さんはちょうど中学、高校生くらいでしょうか。

あと5年もすれば成人です。親元である越谷レイクタウンを離れる子どもたちも増えてくるでしょう。

そうなった時に、イオンレイクタウンが今までと同じだけの売上を確保できるかどうかはかなり疑問です。

4人世帯が夫婦だけの2人世帯に減るだけでも、食費は半分になります。

実際は育ち盛りの子どもたちがいなくなることで、食費の減少幅は半分以上でしょう。

すると、食品スーパー部門だけでも確実に売上が半減します。

食品スーパーがメインテナントであるショッピングモールにはかなりの痛手ですよね。

このように、日本最大のショッピングモールであるイオンレイクタウンですら、経営が悪化する可能性があります。

となれば、もっと前に開業し、近隣住民の高齢化が進展しているショッピングモールの中で、経営が苦しいところはかなり多いと予想されます。

ショッピングモール頼みの不動産は売却したほうが良い

ショッピングモールが街から撤退すれば、利便性以上に深刻な悪影響があります。

それは、大量の雇用が失われるということ。

ショッピングモールが生み出す雇用は、数千人と言われています。

実際、僕のクライアントに島根県で求人情報雑誌を発行している企業の社長がいます。

10年ほど前に、地元にイオンが新規オープンした時は、彼の発行している求人雑誌の半分以上がイオンの求人で埋め尽くされたと言います。

それほど、働き口の少ない地方では、ショッピングモールが生み出す雇用の影響は大きいのです。

ショッピングモールが撤退し、雇用が失われれば、労働者の数も減ります。

つまり、ショッピングモールで働く人へのニーズがあった、モール近くの賃貸マンション・アパートのニーズも減るということ。

そう考えると、ショッピングモール近くに立地している収益用不動産はとてもリスキーなことがわかります。

休日にもなると多くの家族連れで賑わうショッピングモールを見ていると、この賑わいが半永久的に続くかのように思えますが、それは幻想です。

そのため、いくら利回りが高くても、ショッピングモールにだけ依存している郊外の物件を購入するのは避けたほうが良いでしょう。

もし、ご所有の物件が、そのようなショッピングモール特化型の物件であれば、不動産価格が高値で推移している今のうちに売却したほうが良いかもしれません。

特定の施設のニーズに依存した物件はリスクが高い

今回はショッピングモールを例に取り上げましたが、特定の施設の賃貸ニーズに依存した収益物件はリスクが高いんですね。

大企業の工場や、大学だって、移転しないとも限りません。

それよりは、商業施設、企業、公共機関が複数集積している厚みのあるエリアのほうが、長期間に渡って賃貸ニーズを確保することができます。

これが、投資するなら東京のような大都市を勧める理由です。

大都市は確かに利回りが低いですが、それは将来に渡って確実な賃貸ニーズが存在することの裏返しです。

東京での不動産投資に関心がある方は、次の記事もどうぞ。

首都圏での不動産投資の優位性について、詳しく知りたい方は次の本もオススメです。

利回りだけに惑わされずに、長期間に渡って収益を上げ続けることのできる物件を選んでいきたいですね。

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