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僕が地方物件を購入しない理由 高利回り=儲かるとは限りません

こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

『不動産投資するのなら、利回りが高い地方物件のほうが大きく儲けることができるんじゃない?』

初心者の方の中には、このように考える人も多いです。

実際に地方物件は都市部の物件に比べて利回りが高いです。

例えば東京23区ですと中古アパートの利回りは5~6%程度しかありません。

一方で、地方に行けば利回り10%超えも珍しくありません。

バス便の不便な立地にいけば利回り15%以上の物件も見つけることができます。

東京23区と比較すると利回りが3倍も高いんですね。

そのため、最初は都市部で物件を探していたのだけど、高利回りな地方物件に徐々に惹かれていく方も多いです。

ただ初心者の方の夢をスッパリ否定してしまいますけど、『地方物件は儲かりません』

正確に言うと、地方物件でも儲ける方法はありますが、難易度が高いため万人向きではありません。

今回は地方物件が儲からない理由を初心者の方向けにわかりやすく説明したいと思います。

地方物件が儲からない理由

地方物件が儲からない理由は次の4つになります。

  • 繁忙期を逃すと空室期間が長期化する
  • 家賃に対する修繕費用が高い
  • 建物維持コストが高い
  • 売却するのが難しい

それぞれ説明していきます。

繁忙期を逃すと空室期間が長期化する

地方物件の場合は、2月,3月の繁忙期に入居需要が集中します。

逆に言うと繁忙期に新しい入居者を見つけることができないと、次の繁忙期まで1年近く空室が続くことも珍しくありません。

そのため、地方物件を所有している場合、満室経営は現実的ではないことを理解する必要があります。

地方物件に投資している大家仲間がいますが、だいたい次の入居率であることが多いです。

セミプロ大家(投資歴5年以上) 入居率90%
一般的な大家(投資歴3年未満) 入居率80%

かなりの経験もノウハウを持っているセミプロ大家さんですら入居率は90%程度です。

彼らは部屋のリフォームも手を抜かずに行いますし、仲介会社への広告料もしっかり支払っています。

JOJO
JOJO
広告料とは、大家が不動産仲介業者に支払う仲介手数料のことです。東京だと広告料は家賃の1ヶ月分が相場です。

平均すると家賃の3ヶ月分の広告料を支払っている人が多いですね。

このようにしっかりとした入居対策を行っているセミプロ大家でも入居率90%行けば良い方です。

何のノウハウももたない初心者が地方物件を購入する場合、入居率はせいぜい80%程度となります。

ちなみに東京23区の場合、一年中入居ニーズがあります。

そのため、家賃設定さえ間違えなければ入居率は95%程度になるのが一般的です。

家賃に対する修繕費用が高い

地方物件は家賃に対する修繕費用が高いのが特徴です。

東京23区と比べると地方物件の家賃は低いです。

例えば地方だと3DK、60㎡のファミリータイプで家賃が5万円ということも珍しくありません。

この家賃は東京だと立川市や八王子市あたりの単身者用ワンルーム物件の家賃と同じくらいです。

東京23区だと単身者用ワンルームでも家賃は7万円以上します。

このように地方物件は部屋が広い割に家賃が低いです。

部屋が広いということは、修繕費用も高くなります。

空室になれば、部屋のクロスやクッションフロアを張り替える必要が出てきます。

これらの費用は床面積が広くなるほど高くなります。

そのため、同じ家賃でも、東京よりも地方の物件の方が圧倒的に修繕費用が高くなります。

地方の方が人件費が安いと思うかもしれませんが、実は逆です。

修繕費用の単価は東京と地方でほとんど変わりません。

東京のほうが職人さんの人件費は高いのですが、修繕を担当するリフォーム業者の数も多いです。

リフォーム業者同士の競争が激しいため、修繕費用は地方とそんなに変わりません。

むしろ特定のリフォーム業者が寡占状態であるような地方では、修繕費用が東京より高い場所もあります。

リフォーム業者の力が強い金沢市はその代表例です。

同じ家賃5万円の部屋の原状回復費用を東京と地方で比較してみましょう。

東京の場合は家賃5万円くらいの部屋だと20㎡以下のワンルームとなります。

退去の度に発生する原状回復費用は5万円くらいです。

クロスとクッションフロアを全て張り替えたとしても10万円もあれば十分です。

一方で地方の場合家賃5万円くらいの部屋は60㎡以上の3DKになります。

この場合、退去の度に発生する原状回復費用は最低でも15万円くらいかかります。

クロスとクッションフロアを全て取り替えるとなると見積もりが50万円を超えることも珍しくありません。

同じ家賃でも、地方の修繕費用は東京の3~5倍かかることになります。

建物維持コストが高い

地方物件は建物の維持コストも高いです。

建物の維持コストは次の3つあります。

  1. 清掃費用(草むしり含む)
  2. 固定資産税
  3. 大規模修繕費用

清掃費用(草むしり含む)

地方物件は土地が広いので、草むしりも馬鹿になりません。

駐車場付きファミリータイプの中規模マンション(3DK ✕ 10戸)の場合、プロの業者に頼むと50万円くらい費用がかかります。

費用が安いシルバー人材センターに発注しても10万円ほどかかります。

この草むしりは3ヶ月に一回程度必要になります。

また、土地が広い分、粗大ゴミの不法投棄も起こります。

そのため、粗大ごみの不法投棄も含めて清掃を業者に委託すると毎月3万円ほど清掃費がかかります。

固定資産税

また、地方物件は土地が広いため固定資産税が高い傾向にあります。

特に構造がRC(鉄筋コンクリート)になると高額になります。

駐車場付きの地方RCマンションの場合は、家賃の1ヶ月分と同等額の固定資産税が必要になります。

一方で東京の場合、土地が狭く、更に木造のアパートも多いため、家賃に対する固定資産税はそんなに高くありません。

僕が所有している山手線沿線の単身者用アパートの固定資産税は家賃の半月分以下です。

大規模修繕費用

東京に比べて地方の建物は大きくなります。

そのため、外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕工事の費用も高くなります。

東京だとワンルーム6部屋程度の木造アパートの大規模修繕費用は200万円程度ですが、地方のファミリータイプのRCマンションになると最低でも500万円以上します。

20世帯以上あるような大規模マンションになると大規模修繕費用だけで1,000万円以上必要になることも珍しくありません。

売却するのが難しい

地方物件は売却するのが難しいです。

日本中の投資家が投資物件を探している東京と違って、地方の物件を購入したいと考える投資家は地元の投資家か地主に限られます。

そのため、地方物件を売りに出しても、買い主が見つかるまでには非常に長い時間がかかることがほとんどです。

金融機関の融資が緩かった時代には、東京の投資家が地方物件を購入する場合にも積極的に融資を出していました。

しかし、融資が厳しい今は、東京の投資家が地方物件を購入しようと思っても融資を出してくれる金融機関がほとんどありません。

そのため、一昔前みたいに何も知らない東京の投資家が高値で購入してくれるようなことはありません。

地方で物件を売却する場合には、かなり価格を下げないと買い手を見つけるのが難しいことはしっかりと理解したほうが良いと思います。

地方と東京では手に入るキャッシュフローが違う

このように、地方物件は東京に比べて利回りは高いですが、様々なコストが高いことをご理解頂けたと思います。

ここで具体的に東京と地方でどのくらいコストが異なり、手残りのキャッシュフローに影響が出てくるかを計算してみたいと思います。

東京23区と地方でそれぞれ年間の家賃収入が500万円の物件を購入したと仮定します。

それぞれの物件のスペックは次の通りです。

エリア 東京23区 地方
建物構造 木造ワンルーム6部屋 RC造 3DK✕8部屋
築年数 10年 10年
物件価格 71,000,000円 42,000,000円
利回り 7% 12%
家賃 5,000,000円 5,000,000円
借入金額 64,000,000円 38,000,000円
利息 2.3% 3.9%
借入期間 30年 30年

東京は利回り7%なので物件価格は7,100万円。

地方の場合は利回りが12%なので、物件価格は4,200万円になります。

借入金額はそれぞれ物件価格の9割(1割を頭金として投入)だと仮定しています。

上記の物件を所有した時の年間キャッシュフローは次の通りになります。

エリア 東京23区 地方
満室時家賃収入 5,000,000 5,000,000
入居率 95% 80%
実質家賃収入 4,750,000 4,000,000
借入金の返済 2,970,000 2,120,000
原状回復費用 100,000 1,200,000
清掃費用 120000 360,000
固都税 200,000 500,000
手残り現金 1,360,000 -180,000

手残り現金(キャッシュフロー)を見ていただくと一目瞭然(りょうぜん)ですが、東京23区の場合は140万円近くの現金が残るのに対して、地方の場合は18万円の赤字です。

この違いが出てくる理由は次の2つです。

  • 地方の方が入居率が低い
  • 地方の方が維持コストが高い

まず入居率を比較してみます。

一年中入居ニーズが途切れない東京23区は入居率95%としています。

実際に僕は東京23区に4棟アパートを経営していますが、年間入居率は98%以上です。

退去があっても1ヶ月以内に新しい入居者が決まります。

一方で地方の入居率は80%に設定しています。

これは8部屋中3部屋が退去し、それぞれの空室期間が6ヶ月だと仮定しています。

次に維持コストです。

借入金の返済、原状回復費用、清掃費用、固定資産税全ての項目で地方の方が高くなっています。

まず地方物件の借入金の返済額が大きい理由は、金利が高いからです。

現在、ほとんどの地銀、信用金庫が地方の不動産投資向け融資から撤退しています。

そのため、現実問題として東京の投資家が地方の物件に融資を受けることのできる金融機関はノンバンクの三井住友トラストL&Fのみとなります。

三井住友トラストL&Fは全国の地方物件にも融資をしてくれますが、金利が3.9%と高いです。

しかも共同担保を必要とします。

一方で、東京の物件の場合は様々な金融機関を使うことができます。

ここでは初心者に対して一番積極的に融資を行っているオリックス銀行を使う想定にしており、金利は2.3%となっています。

原状回復費用、清掃費用、固定資産税については、先ほど説明した通り地方物件の方が延べ床面積が広いためコストを高く見積もっています。

原状回復費用は一部屋あたり40万円で、3部屋退去があることを想定しています。

この結果、同じ家賃収入であったとして地方と東京では手残り現金(キャッシュフロー)に大きな差が出てしまうことがご理解いただけると思います。

今回は地方物件の利回り12%で計算しましたが、この程度ですと年間の収支は赤字になります。

地方物件でキャッシュフローを稼ぐためには利回り15%以上は必要になります。

まとめ

このように東京に比べると地方物件は入居率が低く、様々なコストが高いです。

そのため、よほど高利回りで購入しないと現金が残りません。

このように考えると地方物件で利益を出せるのは、物件を安く購入でき、しかも入居付けのノウハウを持ったベテラン投資家だと言えます。

つまり初心者がいきなり地方物件を購入するのはリスクが高いと言わざるを得ません。

今後、日本の人口はますます減少していきます。

そして、都市部の人口集中は加速していきます。

このような状況を考えると、地方よりも都市部、特に東京で不動産投資を行うほうがリスクが圧倒的に低いと思います。

これから不動産投資を始めたいと考えている人は、まずは家賃も高く、入居ニーズの高い東京のような都市部で始め、ノウハウを積んでから高利回りの地方物件に挑戦するのが良いのではないでしょうか。

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