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地方物件は高利回りだが、難易度が高い理由を解説します!

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『不動産投資するのなら、利回りが高い地方物件のほうが大きく儲けることができるんじゃない?』

不動産投資を始める際に、誰しもが思うことだと思います。

実際に地方物件は都市部の物件に比べて利回りが高いです。

例えば東京23区ですと中古アパートの利回りは5~6%程度しかありません。

一方で、地方に行けば利回り10%超えも珍しくありません。

バス便の不便な立地にいけば利回り15%以上の物件も見つけることができます。

東京23区と比較すると利回りが3倍以上も高いです。

最初は東京のような都市部で収益物件を探していたのだけど、低い利回りに嫌気がさして、高利回りの地方物件に惹かれる方も多いです。

ただし、高利回りということは、それだけリスクが高いということを意味します。

儲かるけれど、低リスクという金融商品が存在しないのと同じですね。

『地方物件は儲かるけど、難易度が高い』というのが僕の意見です。

地方物件でも儲ける方法はありますが、難易度が高いため万人向きではありません。

今回は地方物件が難しい理由を初心者の方向けにわかりやすく説明したいと思います。

地方物件の難易度が高い理由

地方物件の難易度が高い理由は次の4つになります。

  • 繁忙期を逃すと空室期間が長期化する
  • 家賃に対する修繕費用が高い
  • 建物維持コストが高い
  • 売却するのが難しい

それぞれ説明していきます。

繁忙期を逃すと空室期間が長期化する

地方物件の場合は、2月,3月の繁忙期に入居需要が集中します。

逆に言うと繁忙期に入居者を見つけることができないと、次の繁忙期まで1年近く空室が続くことも珍しくありません。

そのため、地方物件を所有している場合、満室経営を行うことはかなり難しいと理解する必要があります。

地方物件に投資している大家さん仲間がいますが、だいたい次の入居率であることが多いです。

セミプロ大家(投資歴5年以上) 入居率90%
一般的な大家(投資歴3年未満) 入居率80%

かなりの経験もノウハウを持っているセミプロ大家さんですら入居率は90%程度です。

彼らは部屋のリフォームも手を抜かずに行いますし、仲介会社への広告料もしっかり支払っています。

JOJO
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広告料とは、大家が入居者獲得に応じて不動産仲介業者に支払う成功報酬のことです。東京だと広告料は家賃の1ヶ月分が相場です。

広告料は地域によって差がありますが、できるだけ早期に入居者をつけるためには2ヶ月以上支払っている人が多いです。

僕の大家仲間に静岡県で賃貸経営を行っている人がいますが、彼は空室が出ると必ず広告料3ヶ月分を提示するそうです。

広告料2ヶ月分だと、周りの大家さんとの競争に勝てないため差別化して3ヶ月支払っていると言っていました。

このようにしっかりとした入居対策を行っているセミプロ大家さんでも入居率は90%程度です。

地方物件を購入して入居募集を管理会社に任せっきりにする場合、入居率は80%程度まで落ち込むことも珍しくありません。

一方で東京23区の場合、一年中入居ニーズがあるため、入居率は高めに維持することが可能です。

広告料も家賃の1ヶ月分支払えば十分です。

僕の経験からいうと、家賃設定さえ間違えなければ入居率95%以上を実現するのも難しくありません。

入居付けの観点から比べると、東京のような都市部より地方の方が難しいといえます。

家賃に対する修繕費用が高い

地方物件は家賃に対する修繕費用が高いのが特徴です。

東京23区と比べると地方物件の家賃は低いです。

例えば地方だと3DK、60㎡のファミリータイプで家賃が5万円ということも珍しくありません。

この家賃は東京だと23区の外にある立川市や八王子市あたりの単身者用ワンルーム物件の家賃と同じくらいです。

東京23区だと単身者用ワンルームでも家賃は7万円以上します。

このように地方物件は部屋が広い割に家賃が低いです。

部屋が広いということは、修繕費用も高くなります。

空室になれば、部屋のクロスやクッションフロアを張り替える必要が出てきます。

これらの費用は床面積が広くなるほど高くなります。

また、部屋数が多くなればドアやクローゼットといった建具の数も多くなりますし、エアコンも複数台必要になります。

そのため、同じ家賃でも部屋が広い分、東京よりも地方の方が修繕費用が高くなります。

『地方は人件費が安いから、修繕費はそこまで高くないんじゃない?』と思うかもしれません。

実は逆です。

修繕費用の単価は東京と地方でほとんど変わりません。

東京のほうが職人さんの人件費は高いのですが、修繕を担当するリフォーム業者の数も多いです。

リフォーム業者同士の競争が激しいため、修繕費用は地方とそんなに変わりません。

むしろ特定のリフォーム業者が寡占状態であるような地方では、修繕費用が東京より高い場所もあります。

リフォーム業者の力が強い金沢市はその代表例です。

同じ家賃5万円の部屋の原状回復費用を東京と地方で比較してみましょう。

東京の場合は家賃5万円くらいの部屋だと20㎡以下のワンルームとなります。

退去の度に発生する原状回復費用は5万円くらいです。

クロスとクッションフロアを全て張り替えたとしても10万円もあれば十分です。

一方で地方の場合家賃5万円くらいの部屋は60㎡以上の3DKになります。

この場合、退去の度に発生する原状回復費用は最低でも15万円くらいかかります。

クロスとクッションフロアを全て取り替えるとなると見積もりが50万円を超えることも珍しくありません。

同じ家賃でも、地方の修繕費用は東京の3~5倍かかることになります。

建物維持コストが高い

地方物件は建物の維持コストも高いです。

建物の維持コストは次の3つあります。

  1. 清掃費用(草むしり含む)
  2. 固定資産税
  3. 大規模修繕費用

清掃費用(草むしり含む)

地方物件は土地が広いので、草むしりも馬鹿になりません。

駐車場付きファミリータイプの中規模マンション(3DK ✕ 10戸)の場合、プロの業者に頼むと30~50万円くらい費用がかかります。

費用が安いシルバー人材センターに発注しても10万円ほどかかります。

この草むしりは6ヶ月に一回程度は必要になります。

また、土地が広い分、粗大ゴミの不法投棄も起こります。

粗大ごみの不法投棄も含めて清掃を管理会社に委託すると毎月2~3万円ほど清掃費がかかります。

固定資産税

また、地方物件は土地が広いため物件価格に対して固定資産税が高い傾向にあります。

その上、建物構造がRC(鉄筋コンクリート)になると更に固定資産税が高くなります。

駐車場付きの地方RCマンションの場合は、家賃の1ヶ月分と同等額の固定資産税が必要になります。

一方で東京の場合、土地が狭いので、土地に対する固定資産税はそこまで高くありません。

また家賃水準も高いため、家賃収入に占める固定資産税の割合は小さくなります。

例えば僕が所有している山手線沿線の単身者用アパートの固定資産税は家賃の半月分以下です。

大規模修繕費用

東京に比べると地方の建物はサイズが大きいです。

その分、外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕工事の費用も高くなります。

東京だとワンルーム6部屋程度の木造アパートの大規模修繕費用は200万円程度ですが、地方のファミリータイプのRCマンションになると最低でも500万円以上します。

20世帯以上あるような大規模マンションになると大規模修繕費用だけで1,000万円以上必要になることも珍しくありません。

一方で地方は高い家賃が取れないため、大規模修繕工事が発生するとそれまでプールしていた家賃収入が全て吹き飛ぶことも珍しくありません。

売却するのが難しい

地方物件は売却するのが難しいです。

地方の物件を購入したいと考える投資家は地元の投資家か地主に限られます。

一方で東京の場合は、日本中のみならず、世界中の投資家が物件を購入してくれます。

そのため、地方物件を売りに出しても、買い主が見つかるまでには長い時間がかかることが一般的です。

金融機関の融資が緩かった時代には、東京の投資家が地方物件を購入する場合にも積極的に融資が出ていました。

しかし、融資が厳しい今は、東京の投資家が地方物件を購入しようと思っても融資を出してくれる金融機関がほとんどありません。

一昔前みたいに何も知らない東京の投資家が地方物件を高値で購入してくれるようなことは 望めません。

地方物件を購入しようと考える投資家層は限られるため、売却する際には買主を探すのに時間がかかります。

いざというときに物件を換金することが難しいことは理解しておいたほうがよいでしょう。

地方と東京では手に入るキャッシュフローが違う

このように、地方物件は東京に比べて利回りは高いですが、様々なコストが高いことをご理解頂けたと思います。

具体的に東京と地方でどのくらい運営コストが異なり、手残りのキャッシュフローに影響が出てくるかを計算してみたいと思います。

東京23区と地方でそれぞれ年間の家賃収入が500万円の物件を購入したと仮定します。

それぞれの物件のスペックは次の通りです。

エリア 東京23区 地方
建物構造 木造ワンルーム6部屋 RC造 3DK✕8部屋
築年数 10年 10年
物件価格 71,000,000円 42,000,000円
利回り 7% 12%
家賃 5,000,000円 5,000,000円
借入金額 64,000,000円 38,000,000円
利息 2.3% 3.9%
借入期間 30年 30年

東京は利回り7%なので物件価格は7,100万円。

地方の場合は利回りが12%なので、物件価格は4,200万円になります。

借入金額はそれぞれ物件価格の9割(1割を頭金として投入)だと仮定しています。

東京の物件の場合は、オリックス銀行が金利2.3%で融資してくれる前提です。

一方で東京に住んでいる人が遠方の地方物件を購入する場合、融資してくれる金融機関は限られます。

ここでは比較的地方にも積極的に融資をしてくれる金融機関である三井住友L&Fが金利3.9%で融資してくれる前提とします。

上記の物件を所有した時の年間キャッシュフローは次の通りになります。

エリア 東京23区 地方
満室時家賃収入 5,000,000円 5,000,000円
入居率 95% 80%
実質家賃収入 4,750,000円 4,000,000円
借入金の返済 2,970,000円 2,120,000円
原状回復費用 100,000円 1,200,000円
清掃費用 120,000円 360,000円
固都税 200,000円 500,000円
手残り現金 1,360,000円 -180,000円

手残り現金(キャッシュフロー)を見ていただくと一目瞭然(りょうぜん)ですが、東京23区の場合は140万円近くの現金が残るのに対して、地方の場合は18万円の赤字です。

この違いが出てくる理由は次の3つです。

  • 地方の方が金利が高い(都市部に住む投資家が地方物件を購入する場合)
  • 地方の方が入居率が低い
  • 地方の方が維持コストが高い

金利については東京の物件であれば、低利で融資をしてくれる金融機関は沢山あります。

一方で地方物件については先ほど述べたように融資をしてくれる金融機関が限られるためどうしても金利が高くなります。

次に入居率です。

一年中入居ニーズが途切れない東京23区は入居率95%としています。

実際に僕は東京23区でアパート4棟を経営していますが、年間入居率は98%以上です。

退去があっても1ヶ月以内に新しい入居者が決まります。

一方で地方の入居率は80%に設定しています。

理由は、地方の場合、繁忙期を逃すと空室が長引く傾向にあるからです。

次に維持コストです。

原状回復費用、清掃費用、固定資産税については、先ほど説明した通り地方物件の方が延べ床面積が大きいためコストが高くなります。

原状回復費用は一部屋あたり40万円で、年間3部屋退去があることを想定しています。

この結果、同じ家賃収入であったとして地方と東京では手残り現金(キャッシュフロー)に大きな差が出てしまうことがご理解いただけると思います。

今回は地方物件の利回り12%で計算しましたが、この程度ですと年間の収支は赤字になります。

地方物件で安定したキャッシュフローを稼ぐためには利回り15%以上は欲しいですね。

まとめ

このように東京に比べると地方物件は入居率が低く、様々なコストが高いです。

そのため、よほど高利回りで購入しないと現金が残りません。

このように考えると地方物件で高い利益を出せるのは、物件を相場よりも安く購入でき、地場の仲介業者にマメに営業ができ、更にDIYや分離発注で修繕費を抑えることができる投資家となります。

つまり、土地勘と地縁を持っている地元の投資家でないと儲けることが難しいといえます。

東京の投資家が何の土地勘も持っていない地方物件を買うのはかなりリスクが高いと思います。

今後、日本の人口はますます減少していきます。特に地方では人口減少のスピードは早いです。

一方で、都市部の人口集中は加速していきます。

コロナでテレワークが普及したため、東京を脱出し地方移住する人が増えるという意見もありましたが、実際は東京から近隣の神奈川、埼玉、千葉に移動する人が増えただけで地方移住はほとんど増えていません。

このような状況を考えると、都市部に住んでいる投資家の場合は、安易に利回りが高いからといって地方物件を選ぶよりも都市部で不動産投資を行うほうがリスクが低いといえます。

どうしても高利回りの地方物件に挑戦したい方は、まずは都市部で賃貸経営のノウハウを学んでからでも遅くないと思います。

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