こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。
『不動産投資のはじめの一歩を踏み出す勇気がでない』
『最初の収益不動産を購入するのが不安』
僕も最初の物件を購入するまでは様々な葛藤と不安に悩まされていました。
そのため、最初の物件購入に踏み切れない人の気持は良くわかります。
今回は、『なかなか初めての物件購入ができない』と悩んでいる方向けに、僕が一棟目のアパートを購入するまでの道のりを紹介したいと思います。
最初に検討したエリアは埼玉県
今でこそ投資対象エリアを東京23区に絞っている僕ですが、不動産投資を始める前は様々なエリアを検討していました。
その中でも本命は埼玉県でした。
理由は次の3つありました。
- 東京に比べて物件が安い
- 賃貸ニーズがそこそこ高い
- 妻の土地勘がある
僕は当時から東京に住んでいましたので、できれば土地勘がある東京で収益物件を購入したいと考えていました。
でも、東京の不動産は日本一高いです。
東京で収益物件のアパートやマンションを購入しようとしても、1億円以上の高価格帯の物件ばかりです。
当時手持ち資金が600万円しかなかったため、とても東京の不動産は購入できないと諦めていました。
そこで目につけたのが埼玉県です。
埼玉の不動産は東京ほど高くありません。
おまけに埼玉は東京に近いだけあって賃貸ニーズもそこそこ高いことを聞いていました。
実は僕の妻は埼玉県出身であり、義理の父親は埼玉で不動産会社を経営していました。
この義理の父は僕の不動産投資の師匠なのですが、彼から埼玉県でも十分に賃貸経営が可能なことを聞いていました。
また、妻は出身地である埼玉には土地勘があるため、妻に相談しながら物件を探せば、そうそうハズレを引くこともないだろうと考えていました。
このような理由から埼玉を中止に、3,000万円~5,000万円くらいの中古アパート・マンションを探していました。
当時は長男も小さかったので、毎週末、妻の実家に帰省していました。
その度に、近隣の収益物件を内見していたのを思い出します。
初めての購入申し込み
その後、楽待や健美家といった収益不動産ポータルサイトで検索を繰り返すうちに、気になる物件に巡り会いました。
- エリア:JR川越線 西川越駅徒歩10分
- 構造:軽量鉄骨アパート 2DK ✕ 10部屋
- 築年数:15年
- 価格:5,000万円
- 利回り:11%
- 入居率:80%(2部屋空室)
内見のために現地にいくと、まだ十分小綺麗な外観でした。
大手ハウスメーカーが建築したアパートですので、建物も頑丈そうです。
空室になっている部屋の中をみても、そんなに汚れた様子はありません。
天井に少しシミがありましたが、不動産会社の営業マンから『雨漏りにしてはシミが小さい。きっと屋根裏の湿気でシミができただけでしょう』という説明を受けて安心しました。
そのため、初めての購入申し込みを行うことにしました。
ただ、購入申込みをしたのは良いのですが、どこから融資を引けばよいか分かりません。
僕がこの物件を購入しようとしていたのは2011年のことです。
当時はリーマンショックの傷跡がまだ残っており、どの金融機関も不動産投資向けの融資には消極的でした。
また、僕自身にも融資に関する知識が不足していたこともあり、アパートに融資をしてくれる金融機関にまったく心当たりがなかったのです。
とりあえず義理の父親が付き合いのある埼玉県信用金庫に話を聞くことにしました。
ただ、埼玉県信用金庫からは速攻断られました。
埼玉県に住んでいる人でないと融資の対象にならないとのことです。
次に埼玉県を地盤にしている武蔵野銀行に融資の打診をしてみました。
そこでも同じように埼玉県に住民票がない人には基本的に融資は難しいとの回答を得ました。
また、万が一融資ができるとしても頭金として最低2割は入れてほしいと言われました。
物件価格5,000万円の2割というと1,000万円です。
当時の僕の貯金は600万円だったので、全然足りません。
そのため、残念ながらこの物件には融資をつけることができませんでした。
小規模なボロアパートに方針変換
その後、方針転換して、もう少し小規模な物件を検討することにしました。
金融機関からは頭金は最低2割以上必要だと言われたため、当時の自己資金600万円で購入できるのは最大で3,000万円の物件になります。
埼玉県で2,000~3,000万円ほどの少額の物件を探すと、だいたい木造の築古アパートになります。
しかも立地も都心からはかなり離れており、電車で都内まで1.5時間くらいかかる場所が多いです。
実際にこのような埼玉県奥地の築古アパートを見に行ったのですが、価格が安い物件というのはそれなりに問題を抱えていることが多いです。
敷地内に粗大ごみが放置されていたり、階段の塗装が剥げ落ちていたりします。
不動産投資の経験を積んだ今であれば、清掃やリフォームすれば物件を再生できることがわかりますが、当時は違います。
リフォームのやり方も分かりませんし、どのくらいの費用がかかるかも分かりません。
しかも、立地も不便な場所にあるため、リフォームをしたからといって確実に入居者が獲得できるかどうかも分かりません。
そのため、いざ郊外のボロ物件を目の前にすると、自分の手には負えないのではないかという恐怖心が湧き上がってきて購入に踏み切れませんでした。
東京・築浅アパートに方針転換
このように沢山の郊外のボロ物件を見た結果、当時の知識・経験・自己資金ではボロ物件を購入するには力不足だということがわかってきました。
やはり不動産投資を始めるのは簡単ではないなと実感していました。
それから1年ほど物件が購入できない期間が続きました。
半ば不動産投資を始めることを諦めかけていた頃、不動産会社から耳寄りな情報を聞くことができました。
それは、東京23区の築浅物件であればオリックス銀行が頭金1割で融資をしてくれるという情報です。
東京の不動産価格は埼玉よりも高いですが、頭金が1割で良いのであれば小ぶりのアパートなら購入できるかもしれません。
そのため、僕は次のような基準で物件を探すことにしました。
- エリアは東京23区(当時のオリックス銀行の融資エリア)
- 築浅(購入後しばらくは大規模なリフォームが不要)
- 6,000万円以下(頭金600万円で購入できる上限価格)
東京23区であれば入居ニーズが強いため、初心者の僕でも入居者を獲得するのが難しくないと判断しました。
また、築10年以内の築浅物件であれば、しばらくは外壁塗装のような大規模修繕は必要ありません。
あとは、東京23区で価格が6,000万円以下の物件があるかどうかです。
当時はリーマンショックの後で物件価格が今よりは安いとはいえ、なかなか東京23区で6,000万円以下の物件は出てきませんでした。
しかも築浅でないといけません。
それでも僕は諦めずに毎日、楽待や健美家をパトロールしていました。
すると、次の新着情報が飛び込んできました。
- エリア:山手線 巣鴨駅 徒歩10分
- 構造:木造2階建 1K ✕ 6部屋(ロフトつき)
- 築年数:7年
- 延床面積:93㎡
- 価格:6,500万円
- 利回り:8%
この立地では通常利回りは7%がせいぜいです。
それなのにこの物件は8%もあります。
また、価格も6,500万円と少し頑張れば手に届く価格です。
そのため、広告を出している不動産会社に速攻問い合わせをしました。
運が良いことに、僕が一番最初に問い合わせをしたようです。
広告掲載してから5分後の出来事だったようです。
そして、その日のうちに物件を見に行く約束を取り付けました。
不動産会社の営業マンと巣鴨駅で待ち合わせて、いざ物件を目指します。
巣鴨駅からは徒歩10分くらい歩くと物件が見えてきました。
物件はちょっと小ぶりだけど、とてもお洒落なアパートでした。
また、清掃も行き届いていて清潔感もありました。
この物件であれば、当面の間はリフォームが必要なさそうです。
僕はひと目でこの物件が気に入りました。
その後、不動産会社の事務所に言って、購入意思があることを伝えました。
幸運なことに、この物件は売主が売り急いでいる物件でした。
そのため、通常の相場よりも安い価格で売り出されていました。
ただ、問題は融資がつくかどうかです。
僕は貯金が600万円しかありません。
頭金が物件価格6,500万円の1割だとしても650万円必要になります。
しかも、頭金以外に仲介手数料等の諸費用分の現金を用意しないといけません。
そう考えると、自己資金として1,000万円近い現金がないとこの物件は購入できないはずでした。
ただ、更なる幸運の女神が僕に微笑みます。
まず、僕が問い合わせた不動産会社は元付け業者でした。
つまり、売主から直接販売を委託されている不動産会社です。
元付け業者自らが買い主を見つけた場合は、仲介手数料を売主からだけでなく、買主からも得ることができます(これを両手取引と言います)。
そのため、元付け業者であるこの不動産会社はなんとかして僕がこの物件を購入できるように頑張ってくれることになりました。
まず売主と交渉してくれて、この物件を押さえてくれました。
つまり、融資がつくかどうかも分からない僕と売主の間で先行して売買契約を締結する段取りをつけてくれました。
これで僕が融資を断れれない限り、他の人がこの物件を購入することはできません。
次に、不動産会社の社長自らオリックス銀行の本部長に連絡をしてくれて、本部審査を有利に進めてくれるようにお願いをしてくれました。
通常であれば、頭金として物件価格の1割の650万円が必要になります。
しかし僕は貯金が600万円しかありません。
仲介手数料や登記費用といった諸費用300万円を支払うと頭金に使える金額は300万円しかありません。
そこを特別に頭金300万円で審査を通してくれるように不動産会社の社長がオリックス銀行の本部長に掛け合ってくれたのです。
またラッキーなことに売主の借入先もオリックス銀行でした。
そのため、オリックス銀行としては一括返済されて他の銀行に乗り換えられるよりは、僕がオリックス銀行でそのまま融資を継続することにメリットを感じてくれたようです。
そのため、通常なら頭金として650万円必要なところを、300万円に下げてくれることになりました。
こうしてギリギリ融資審査をクリアすることができました。
僕が得られた融資条件は次の通りです。
金利 | 2.3%(固定3年) |
---|---|
融資期間 | 30年 |
融資総額 | 6,200万円。物件価格の95%(頭金はわずか5%) |
その後、無事に融資が実行されて僕は晴れて一棟アパートのオーナーになることができました。
毎月のキャッシュフローは次の通りです。
家賃収入 | 42万円 |
---|---|
返済 | 24万円(返済比率57%) |
管理費 | 2万円 |
キャッシュフロー | 16万円 |
この物件の弱点(マイナスポイント)
購入できたのは良かったのですが、実はこの物件には隠された弱点がありました。
知識・経験も不足していた僕は購入前にこの弱点に気がつくことができませんでした。
弱点とは以下の3点です。
- 担保価値が低い
- 管理コストが割高
- オリックス銀行の融資条件は割高
担保価値が低い
この物件は所有権なのですが、前面道路が私道です。
前面道路が私道の物件は公道に面している物件に比べて土地の担保価値が低くなります。
また、この物件は私道に対する持ち分が無いことが判明しました。
私道の持ち分がないと、土地の担保価値は一層低くなります。
一般的には私道に面している土地の所有者が複数人で私道を共有していることが多いのですが、僕が購入したこの物件は一人の所有者が私道の所有権を有していました。
僕は私道の持分をもっていないため、この私道の所有者から通行許可や掘削許可を得る必要があります。
幸いに無事に通行許可や掘削許可を得ることができましたが、将来的に建物を建て替える場合には、再度私道の所有者から通行許可と掘削許可を得る必要があります。
将来確実に許可を得られる保証がないため、金融機関は私道の持ち分を持たない土地を嫌います。
つまり担保評価をかなり低く見積もるのです。
オリックス銀行はこの状況をわかった上で融資してくれましたが、他の金融機関が同じように担保価値を認めてくれるとは限りません。
そのため、将来僕がこの物件を売却する際には、買い主に融資がつかない可能性があります。
管理コストが割高
この物件の管理は、売買を仲介してくれた不動産会社が担当していました。
そのため、僕も何の疑問も持たずにこの不動産会社に管理を委託していました。
ただ、実はこの不動産会社の管理費用は割高でした。
通常、都内の場合は入居募集にかかる費用(広告費)は家賃の1ヶ月分が相場ですが、この不動産会社は毎回家賃の2ヶ月分を要求してきました。
また、毎月の管理費用も家賃の5%でした。
最初の1年間は僕も知らずにこの不動産会社に管理を任せていましたが、その後もっと良い条件で管理ができることを大家仲間から教えてもらい管理会社を切り替えることにしました。
今の管理コストは入居募集費用は家賃の1ヶ月分、毎月の管理費用は家賃の1.5%となっています。
オリックス銀行の融資条件は割高
頭金が不足していた僕に融資をしてくれたオリックス銀行のマイナス面を言うのは正直心苦しいのですが、あえて紹介したいと想います。
- 融資手数料が高い
- 返済解約金が高い
- 金利がやや高い
融資手数料が高い
オリックス銀行から融資を受ける際には、融資総額の1%の融資手数料を取られます。
僕の場合、6,300万円の融資だったので、63万円の手数料がかかりました。
実はこの融資手数料は他の金融機関に比べるとかなり割高です。
地銀、信用金庫の場合は融資手数料はどこも金額に関わらず8万円前後であることが多いです。
返済解約金が高い
また、オリックス銀行の場合は返済に対して返済解約金(違約金)が発生します。
固定金利の場合は借入金額の2%もの返済解約金が必要になります。
僕の場合は3年固定でしたから、3年間は借り換えを行うことができませんでした。
ちなみに、変動金利の場合でも返済解約金が借入金額の0.5%かかります。
金利がやや高い
オリックス銀行の金利は通常2.3%です。
この金利は他の信用金庫・地銀と比べると少し割高です。
例えば信用金庫や地銀であれば1%台前半~中盤で借りることができます。
ただ、オリックス銀行の融資柔軟性を考えると、これくらいの金利差は許容範囲なのかもしれません。
まとめ
上記のような弱点はあるのですが、結論として僕はこの物件を購入して良かったと考えています。
理由は次の3点です。
- 難易度の低い物件から不動産投資を始めることができたので、無理なく知識・経験値を積むことができた。
- 毎月16万円のキャッシュフローが入ってきて、次の物件購入の資金になった。
- この物件で賃貸経営の実積を積むことで、金融機関からの評価が高くなり次の物件購入につながった。
もちろん100点満点の物件とは言えないのですが、最初の物件としては十分合格だと思っています。
僕が不動産投資を始めた2011年は今と同じように融資が厳しい時代でした。
ほとんどの金融機関が頭金2割以上を求めていました。
それでも、僕は少ない頭金で不動産投資を始めることができました。
もちろんいくつかの幸運が重なったおかげなのですが、一番の勝因は諦めずに物件を探し続けたことだと思っています。
なかなか物件が買えなくて苦労している人も多いと思いますが、諦めずに物件を探し続けてください。
必ず皆様にぴったりの物件に出会えると信じています。
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