こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。
『不動産投資を始めたいけど、どんな不動産会社から物件を買えば良いか分からない』
初心者の方からはこの質問をたくさん頂きます。
収益不動産は比較的手軽な区分マンションでも数百万円します。
一棟アパート・マンションになると1億円以上もする物件もゴロゴロしています。
そんな高額な買い物をするのですから、できるだけ信頼できる不動産会社から購入したいですよね。
残念ながら収益不動産を扱っている不動産会社の中には悪徳な業者がいるのも事実です。
特にスルガ銀行の不正融資問題では、不動産会社も不正に手を貸していたことが明らかになっています。
そして、そのような悪徳な業者が狙っているのは、知識や経験が不足している投資初心者です。
そのため、投資初心者の方ほど慎重に不動産会社を選択する必要があります。
今回は、初心者の方に向けに『信頼できる不動産会社の見極め方』を解説していきます。
まずは自分で不動産の相場を把握する
不動産会社を訪問する前に、ある程度の相場観を養うことが大切です。
例えば、東京23区の築10年くらいの単身者用区分マンションであれば、価格と利回りがどの程度なのかを頭の中にインプットしておく必要があります。
不動産会社に問い合わせると、確実に物件を紹介してきます。
ただ、紹介してもらう物件のほとんどは『儲からない物件』ですので注意が必要です。
不動産投資では有名な格言として、次のようなものがあります。
『向こうからくる物件は、全てクソ』
基本的に条件の良い物件は瞬間的に売れていきます。
お宝物件の場合は、個人投資家に紹介される前に、不動産業者が自社で購入しちゃいます。
そして、たっぷりと利益を載せてから個人投資家に販売します。
そのため、不動産会社の営業マンが積極的に勧めてくる物件の多くは、業者が売りたい物件であって、個人投資家が儲かる物件ではありません。
ただ、投資家自身にも相場観がないと、営業マンが勧めてくる物件の良し悪しが判断できません。
そのため、不動産会社を訪問する前に、ある程度の相場観を身につける必要があります。
相場観を身につけるためには、不動産投資専門のポータルサイトを活用するのが便利です。
まずは自分が対象とするエリアと物件種別(区分なのか、一棟モノなのか)を決めます。
その後、一定期間、売りに出される物件の価格と利回りをチェックします。
1ヶ月間ほど、新規に売り出される物件を見続けると、そのエリアの最新相場が理解できるようになります。
例えば、東京都新宿区、駅10分以内、築10年の区分マンションであれば、利回りは4-5%程度ということが分かってきます。
この不動産投資専門ポータルサイトの相場を基準として、不動産会社から紹介される物件の良し悪しを判断していきます。
ポイントは、不動産投資専門ポータルサイトで売り出されている価格は、『最高値』だということです。
売る側になればわかりますが、売主は少しでも高く売りたいと思っています。
また、不動産の売買において、価格交渉が来ることも想定しています。
そのため、ほとんどの売主は相場よりも高めの売出し価格を設定することが多いです。
不動産会社も売主から媒介契約を獲得するために、相場よりも少し高めの売却査定金額を定時することが一般的です。
その結果、不動産投資ポータルサイトで売り出されている物件の販売価格は実際の相場より少し高目であることを理解しましょう。
不動産会社から紹介される物件の利回りが、ポータルサイトの利回りと同程度、もしくは低ければ遠慮なく断ってOKです。
せっかく不動産会社から物件を紹介してもらうのであれば、ポータルサイトで販売されている物件よりも条件の良い物件を狙うべきです。
必ず複数社と面談する
一社だけだと、提案された物件が本当に良い物件か判断することができません。
不動産会社と面談すると、ほぼ全員が『これは良い物件です。スグに売れてしまうから、早めに決めたほうが良いですよ』と焦らせてきます。
ただ、基本的に営業マンが勧めてくる物件の大半は『クソ』ですから、慎重に見極める必要があります。
特に初心者の方は、営業マンに言いくるめられるリスクが高いので、どんなに良い物件だなと思っても即決しないほうが良いです。
最低でも3社、できれば5社以上の不動産会社と面談して、選択肢を増やしましょう。
選択肢が複数あれば、冷静に比較検討できます。
また、複数の不動産会社を面談すると、不動産会社によって得意な物件が異なることに気が付きます。
新築区分マンションを中心に勧めてくる業者もいれば、中古の戸建を専門に仲介している業者もいます。
不動産投資と一言で言っても様々な手法があります。
- 新築 × 中古
- 区分 × 一棟もの
- 都市部 × 地方
そして、不動産会社によっても得意・不得意の領域があります。
初心者の頃はまだ自分の投資手法を確立していない方も多いです。
そのため、最初はできるだけ多くの投資手法を知るためにも、複数の不動産会社と面談しましょう。
そして、面談を重ねていくうちに、不動産会社の営業マンの『ウソ』が見抜けるようになります。
そうなったら自分自身の知識レベルが上がって、物件購入の準備が整ったと判断して良いでしょう。
融資に強い不動産会社を見極める
現在、金融機関の不動産投資に対する融資は非常に厳しいです。
既に実績のある不動産投資家でも頭金2割以上を求められる時代です。
初心者の方だと、いくら自己資金が豊富でも、そもそも金融機関から相手にされない可能性が高いです。
僕も初心者の頃に手当たり次第に金融機関に飛び込み営業しましたけれども、ほとんど相手にされませんでした。
融資担当者は一応物件資料を受け取ってくれるのですが、返事すらくれない金融機関がほとんどでした。
そのため、初心者の方は自分で金融機関を開拓するよりも、不動産会社から紹介してもらうほうが融資の確度は高くなります。
金融機関は基本的に保守的です。
飛び込みの新規顧客よりも、既に取引のある業者や税理士からの紹介客の方が優遇されます。
そのため、不動産会社と面談する場合は、その不動産会社がどの金融機関とパイプを持っているかをヒアリングしましょう。
収益物件を多数取り扱っている不動産会社であれば、必ず懇意にしている金融機関があります。
それらの不動産会社から積極的に金融機関の担当者を紹介してもらいましょう。
結果としてその不動産会社から物件を購入しないとしても、金融機関の担当者とパイプを作ることができます。
そうすれば、別の物件が見つかった時に、スムーズに相談することができます。
実際に僕も最初の物件購入の際は、不動産会社から金融機関を紹介してもらって何とか融資を受けることができました。
不動産会社の社長がオリックス銀行の融資部長と懇意にしていたおかげで、通常だと頭金20%必要だったところを、頭金5%で融資を引き出すことができました。
築10年の木造アパートでしたが、融資期間も耐用年数超えの30年を獲得することができました。
最低10年分の収支シミュレーションを見せてもらう
初心者の頃は自分で収支シミュレーションを作るのにも苦労します。
そもそもどんなフォーマットで作れば良いかもよくわかりませんよね。
そんな場合は、不動産会社に依頼して収支シミュレーションを作成してもらいましょう。
もちろん不動産会社が作成する収支シミュレーションは甘めになっています。
買い主の購買意欲を刺激するのが目的ですからね。
そのため、不動産会社の収支シミュレーションをそのまま鵜呑みにはできないのですが、収支シミュレーションのやり方を学ぶことはできます。
そして、複数の不動産会社から収支シミュレーションを取り寄せましょう。
不動産会社によって微妙に収支シミュレーションの作り方が違います。
10年間まったく家賃が下落しないシミュレーションを出してくる業者もあれば、現実的に毎年家賃が下落するシミュレーションを出してくれる業者もあります。
また、リフォーム費用や空室期間を考慮するかどうかも異なりますね。
複数の不動産会社から収支シミュレーションを取り寄せていると、その会社がどこまで実際の賃貸経営に精通しているかどうかが判断できます。
僕の経験上、精緻なシミュレーションを作成してくれる不動産会社のほうが収益性の高い物件を紹介してくれる可能性が高いです。
しっかりとした収支シミュレーションを作成してくれる不動産会社を見極めましょう。
物件のデメリットをしっかりと説明してくれる会社を選ぶ
全ての点で完璧な物件は存在しません。
仮にそんな誰もが欲しがる優良物件があるとしても、不動産会社が自ら買い取ってしまうため、僕たちのような個人投資家に回ってくることはありません。
そのため、不動産会社が紹介してくる物件には良い点もあれば、悪い点もあるのが普通です。
信用できる不動産会社かどうかを見極めるポイントとしては、営業担当がきちんと物件の欠点を説明してくれるかどうかです。
不動産会社の営業担当は基本的に物件の長所しか説明しません。
そして、実際に契約締結時の重要事項説明の際に始めて欠点を話すところもあります。
そのため、物件を紹介してもらった場合には、『この物件のデメリットを教えてもらえませんか?』と必ず聞きましょう。
どんな物件にも1つや2つはデメリットが存在します。
それらのデメリットを正直に説明してくれる不動産会社の営業担当は信頼できると思って良いでしょう。
逆に『デメリットはまったくありませんよ。良い物件ですから買わないともったいないですよ』ととにかく購入を勧めてくる営業担当には要注意です。
まとめ
基本的に不動産を購入する際には、不動産会社に仲介をしてもらう必要があります。
正直、不動産会社の営業担当は玉石混交です。
こちらの要望通りの物件を紹介してくれて、更に指値まで通してくれる優秀な不動産会社もいれば、明らかに損をするようなダメ物件を無理やり売り込んでくる悪質な不動産会社もいます。
そのため、投資家自身がある程度の知識を身につけ、信頼できる不動産会社かどうかを見極める必要があります。
最初のうちは、この記事で取り上げた以下のポイントを抑えながら不動産会社と面談すると良いと思います。
- まずは自分で相場を把握する
- 必ず複数の不動産会社と面談する
- 融資に強い不動産会社を見極める
- 最低10年分の収支シミュレーションを見せてもらう
- 物件のデメリットをしっかりと説明してくれる会社を選ぶ
特に、『複数の不動産会社と実際に面談する』ことは大事です。
不動産会社はそれぞれ得意領域が異なります。
都市部の区分マンションが強い業者もいれば、新築アパート建設が得意な業者もいます。
そのため、複数の不動産会社と面談することによって、幅広いタイプの投資手法を学ぶことができます。
実際に、現場の最前線で活躍している不動産会社の営業担当から教えられることは多いです。
最新の不動産相場、融資状況、人気エリアなどといった情報を聞き出すことができます。
また、色んな営業担当と会ううちに、信頼できる営業と信頼できない営業の見分けがつくようになってきます。
一番良くないのは、初めて会う不動産会社の営業の話を信じて、いきなり物件を購入してしまうことです。
スルガ銀行の不正融資で騙された多くの人達は、不動産会社が主催するセミナーに出席して、勢いで物件を購入してしまった方です。
いくら最初の営業担当から良さそうな物件を紹介されたとしても、そのまま物件購入するのは危険です。
その場で決断せずに、一度持ち帰って検討しましょう。
必ず複数の不動産会社から話を聞いて、自分なりの判断基準を確立してから物件購入に進むことが大事です。
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