年収が900万円以上ある会社員の方は、かなり恵まれた属性だと言えます。
このような方がこれから不動産投資を始める場合、年収が低い方に比べて取りうる選択肢はかなり豊富です。
年収900万円以上ある会社員が取れる不動産投資手法
- 築古戸建投資
- 中古区分マンション投資
- 一棟アパート・マンション投資
ただ、選択肢が多い分、『どの投資手法が自分にとって最適なのか分からない』と悩んでなかなか不動産投資を始められない方もいます。
そんな方には不動産投資のゴールを明確にすることをオススメしています。
不動産投資で目指すべきゴールは人それぞれです。
- 給料に加えて副収入が欲しい
- 定年後、年金代わりの収入の柱が欲しい
- 家賃収入だけでセミリタイヤしたい(専業大家になりたい)
年収900万円以上ある方は、有名企業の管理職につかれている方が多いです。
年齢でいうと40代の方が多いんじゃないですかね。
そのような年収900万円の会社員の中には、『セカンドキャリアとして賃貸経営に取り組みたい』と考えている方も少なくありません。
40代で管理職ともなれば自分が会社でどの程度まで出世できるのかだんだん先が見えてきます。
また、そろそろ早期退職の対象になる年齢ですよね。
最近では朝日新聞社が最高6,000万円の退職金で早期退職を募集したことが話題に登りました。
業績の良い大手でも早期退職を募集する会社が増えてきましたね。
テクノロジーの進歩が早い今の世の中に適応するためには、社員の新陳代謝を図りたいと言うのが企業の本音のようです。
そのため、40代で管理職の方にもなれば、将来の自分の進退について考えることも多いのではないでしょうか。
そのせいか、年収900万円以上の会社員の中には『いずれは家賃収入だけでFIREしたい』と考えて不動産投資を始める方が多い印象です。
そして、もしこの記事を読んでいる皆様も『家賃収入だけでFIREしたい』と考えているのであれば、取るべき不動産投資手法は一つです。
最初から一棟アパート・マンションの購入を目指しましょう。
今回は、年収900万円ある会社員にふさわしい一棟アパート・マンションを活用した不動産投資戦略について具体的に解説していきます。
- 年収900万円ある会社員で、これから不動産投資を始めたい方
- 一棟アパート・マンション投資で勝てる方法を知りたい方
投資手法
年収900万円あって、将来はFIREを目指すならば最初から一棟アパート・マンション購入がベストです。
もちろん最初は経験を積むために区分マンションや戸建といった小規模な不動産投資を行うことも可能です。
まだ当分の間は会社員を継続しても良いと考えている方は、そのような小さな物件で賃貸経営の練習をするのも良いと思います。
一方で、『なんとしても数年以内にFIREしたい』と考えていのであれば、区分や戸建投資は時間がもったいないです。
リスクは増えますが、その分得られる収益インパクトが大きい一棟モノにチャレンジしちゃいましょう!
逆に言えば、融資が厳しい今は年収が低い方は最初から一棟アパートやマンションを購入することは難しいです。
せっかく持っている高い属性を最大限活用するという意味でも、年収900万円の方が一棟アパート・マンション購入から始めるのは理にかなっているのです。
ただ、一口に一棟アパート・マンション投資といっても、様々な種類があります。
- 新築 VS 中古
- 都会 VS 地方
僕が初心者の方にオススメするのは、都会の中古アパートです。
新築建売アパートは儲からない
アパート建売業者が販売している新築アパートは見た目は綺麗ですし、新築だから入居付もしやすいというメリットがあります。
ただ、本気でFIREを目指すのであれば新築建売アパートはオススメしません。
新築建売はアパート建売業者の利益がたっぷりと乗っているため、利回りが高くありません。
満室引き渡しをしてくれるアパート建売業者も多いので、最初の賃貸経営としては楽なのですが、正直あまり儲かりません。
家賃収入に対して物件価格が高いんですね。
それよりは割安な中古物件を購入したほうが利回りは高くなります。
また、新築建売アパートを購入しても不動産投資家としてのスキル・経験があまり身につきません。
ほとんどの業者は自分たちで入居者を見つけて満室にしてから販売します。
もしくは初回満室引き渡しを保証します。
そうした方が高く売れるからです。
一方で初心者が満室状態の新築アパートを購入すると、最初の入居者が退去するまでの2~3年間はほぼ手間がかかりません。
手間がかからないことは良いのですが、裏返すと賃貸経営のスキル・経験を積む機会を奪われているとも言えます。
将来的にFIREを目指すならば不動産投資家として様々な経験を積んでレベルアップしていく必要があります。
その点でも新築建売アパートはFIREを目指す投資家には不向きといえます。
大都市が安心
一方で立地に関しては、僕は地方よりも大都市、特に東京近郊をオススメしています。
地方の物件の方が利回りは高いです。
ただ、その分空室リスクも高くなります。
土地価値の下落スピードも早いです。
有名大家さんの中には、賃貸需要が少ない地方エリアで高利回りの物件を購入して、沢山のキャッシュフローを稼いでいる方も少なくありません。
ただ、誰でも地方物件に入居付ができるかというと、そうではありません。
地方では繁忙期である3月に賃貸ニーズが集中する傾向にあります。
特に大学生をターゲットにしている賃貸物件の場合、3月までに入居者を見つけることができなければ、次の3月まで空室が続くことは珍しくありません。
有名大家さんが地方でも満室経営できているのは、それなりの空室対策ノウハウ・経験を持っているからです。
何のスキルも経験もない初心者がいきなり地方の物件を購入すると、確実に空室を埋めるのに苦労します。
スルガ銀行が不動産投資向けにガンガン融資を出していた時期に、東京に住む高属性サラリーマンがこぞって地方の中古一棟マンションを購入しました。
その方の多くは空室が埋まらずにかなり苦労しています。
地方の賃貸経営をなめてはいけません。
一方で、東京のような大都市であれば一年中賃貸ニーズがあります。
もちろん3月の繁忙期には賃貸ニーズが高まるため、高い家賃で入居者を募集することが可能です。
ただ、繁忙期を逃してしまったとしても、家賃を少し下げれば確実に入居者を見つけることができます。
僕は実際に東京23区内で賃貸経営を行っていますが、退去から次の入居者が見つかるまで1ヶ月以上空くことはほとんどありません。
部屋探しをしている人は一年中いますから、賃料さえ相場並に設定していればほぼ満室経営をすることが可能です。
そのため、賃貸経営スキル・経験が不足している初心者の頃は、東京のような大都市で物件を購入されることをオススメしています。
融資戦略
東京近郊で中古の一棟アパートを購入しようとすると、小ぶりな物件でも5,000万円~1億円くらいします。
そのため、金融機関からの融資は必須となります。
年収900万円ある方であれば、融資を出してくれる金融機関の選択肢は広がります。
年収900万円の方が融資を受けられる可能性がある金融機関
- 信用金庫(信用組合)
- オリックス銀行
- 三井住友トラストL&F
まず相談すべきは信用金庫です。
上記2タイプの中では一番金利が低いです。
1.5%~2%程度になることが多いです。
ただし、信用金庫で融資を引くためには物件価格の2割の自己資金がマストです。
過去に取引実績のある投資家に対しては自己資金2割以下でも融資をしてくれる場合がありますが、初心者の方の場合は確実に2割以上の自己資金を求められます。
1億円の物件だと、2,000万円の自己資金を用意しないといけないことになります。
しかも仲介手数料等の諸費用は別途用意しないといけませんから合計で2,500万円もの現金を用意しないといけません。
年収900万円の方であっても、2,500万円もの大金を持っている方は少数派だと思います。
そんな場合は、オリックス銀行を使う方法があります。
オリックス銀行は年収800万円以上の方には今でもフルローンが出る可能性があります。
フルローンが出なかったとしても、自己資金1割入れれば融資OKとなることが多いです。
金利は2.3%と信用金庫より少し高いですが、許容範囲だと思います。
また、オリックス銀行の良いところは、中古物件に対しても借入期間を長く取ってくれるところです。
通常、借入期間は建物の残存法定耐用年数以内になります。
例えば木造の場合、法定耐用年数は22年です。
築10年の木造アパートの場合ですと、借入期間は22年-10年=12年となります。
地方銀行や信用金庫は上記のロジックで借入期間を設定するところが多いです。
ただしオリックス銀行は残存耐用年数に対して、+10年ほど借入年数を増やしてくれます。
例えば先ほどの築10年の木造アパートでも、借入期間を22年に設定してくれます。
場合によっては借入期間30年に延長してくれることもあります。
実際に僕が初めて中古アパートを購入した時にオリックス銀行が融資をしてくれたのですが、築10年の木造アパートに対して融資期間30年を設定してくれました。
そのため、高属性の会社員の方にとって、オリックス銀行はもっとも使い勝手の良い金融機関と言えます。
最後の選択肢としては、三井住友トラストL&Fがあります。
三井住友トラストL&Fは銀行ではなく、ノンバンクです。
金利は3.9%と一番高いです。
ただ、その分融資可能な物件の範囲は広いです。
オリックス銀行や信用金庫が概ね築10~15年くらいまでの築浅物件にしか融資を出してくれないのに対して、三井住友トラストL&Fは築30年超えの築古物件に対しても融資を出してくれます。
そのため、築年数が古いけど利回りが高い物件を購入する場合は、三井住友トラストL&Fを活用する価値があります。
ただ、築年数30年オーバーのような築古物件は購入した瞬間に大規模リフォームが必要なケースが多いです。
大規模リフォームには数百万円単位でお金が必要になりますから、資金に余裕のない初心者にはあまり向かないと思います。
また、三井住友トラストL&Fで融資を引くためには、共同担保を入れる必要があります。
不動産投資経験者であれば他の物件を共同担保に入れることもできますが、一棟も所有していない初心者の方が共同担保を用意するのはハードルが高いです。
そのため、総合的に考えるとオリックス銀行が一番使いやすいのではないでしょうか。
具体的な投資事例
それでは年収900万円の方の具体的な投資事例を見てみましょう。
収益不動産ポータルサイトから次のモデル物件を見つけてきました。
価格 | 7,400万円 |
---|---|
所在地 | 東京都板橋区 都営三田線 西高島平駅 徒歩3分 |
構造 | 木造2階建てアパート |
間取り | 1K x 8部屋(バス/トイレ別) |
築年数 | 築12年 |
利回り | 8% |
家賃(月収) | 49.5万円 |
満室時年収 | 594万円 |
次に、融資条件を考えます。
初心者でも融資が引きやすいオリックス銀行を使います。
ここでは物件価格に対してフルローンを引いて、諸費用(物件価格の5%)のみ自己資金(現金)を利用することを想定します。
借入期間については、残存耐用年数よりも長めの25年とします。
融資条件は次になります。
自己資金 | 400万円(仲介手数料等の諸費用) |
---|---|
融資金額 | 7,400万円(フルローン) |
融資期間 | 25年 |
金利 | 2.3% |
キャッシュフローは次の通りとなります。
家賃収入(月額) | 49.5万円 |
---|---|
借入金返済(月額) | ▲32万円 |
管理費(月額) | ▲1.5万円(管理費は家賃の3%) |
月額キャッシュフロー | 16万円 |
想定年間キャッシュフロー | 192万円 |
退去時の原状回復費用 | ▲20万円(1部屋あたり10万円。1年に2部屋退去前提) |
固都税 | ▲20万円 |
実質年間キャッシュフロー | 152万円 |
固定資産税と原状回復費用を支払っても実質年間キャッシュフローが152万円もあります。
この水準であれば、よほどのことがない限り安定した賃貸経営ができるでしょう。
拡大戦略
その後は入ってくるキャッシュフローを使わずに自己資金を貯めます。
そして、自己資金が貯まったら同じようなスペックの一棟アパートを購入します。
先ほどの中古アパートからのキャッシュフローは年間約150万円あります。
2年貯めれば300万円の現金が作れます。
年収900万円の方であれば2年で100万円貯金するのは難しくないでしょうから、合計で400万円の資金が貯まります。
そして、この資金を使って物件を買い増していけば、2年に一棟のペースで資産を拡大することが可能です。
そうすれば6年後には4棟のオーナーになり、合計キャッシュフローは年間600万円に達します。
年間600万円のキャッシュフローがあれば贅沢はできないかもしれませんがFIREすることも可能です。
まとめ
このように年収900万円以上ある方は、最初から一棟アパートにチャレンジすることができます。
一棟アパートは区分や戸建と違って収益規模が大きくなるため、将来的にFIREできるだけのキャッシュフローを稼ぎ出すことも夢ではありません。
最初から規模の大きい借金を背負うことに抵抗があるかもしれませんが、不動産投資はしっかりと勉強すれば高い確率で勝てる事業です。
実際に最初から一棟アパートを買い増し、数年でFIREする大家さんも多いです。
これから不動産投資を始めたいと考えている年収900万円の方は、勇気を出して一棟モノにチャレンジするだけの価値はあると思います。
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儲かる物件かどうかを判別するためには、自分自身で収支シミュレーションを行い、税金を支払った後に残るキャッシュフローの金額を正確に把握する必要があります。
ただ、初心者の方にとって賃貸経営において必要な運営経費を漏れなく計上するのはハードルが高いです。
また日本の税制は複雑なので、収益不動産を購入することによってどれだけ税金が増えるのかを計算するのは至難の技です。
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こんにちは。
いつも参考になる情報ありがとうございます。
質問があるのですが
・月額49.5万円
・管理費1.5万円
・固定資産税 20万円÷12ヶ月=1.7万円
となりますが、金利が8万円/月として
所得税を計算すると
(49.5-1.5-1.7-8)×所得税3.3%=15.3万円/月で
年間152万円の所得税になり、年間キャッシュフローは0になりませんでしょうか。
このため、この先には事業規模の5棟もしくは10部屋まで増やして経費が
使える範囲を広げるというストーリーが必要という感じでしょうか?