こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。
毎年恒例の賃貸人気設備ランキング(全国賃貸住宅新聞)が発表されました!
今年はコロナの感染拡大もあったので、人気設備が昨年までと結構違ってました。
この記事では最近どのような設備が人気なのかを実際の大家目線で詳しく解説していきます。
- 最近空室が埋まらず困っているので、最新の人気設備を知りたい
- 新築アパートを検討しているけど、どんな設備を付けたら賃料が上がるか知りたい
この設備があれば家賃が高くても決まる(単身者向け)
最初は単身者向け「これがあれば家賃が高くても決まる」設備ランキングです。
人気が上がった設備
今回順位を上げたのは、システムキッチン、TVモニター付きインターフォン、エレベーターでした。
コロナを機会に在宅勤務を始めた社会人やWeb授業を始めた大学生も多いと思います。
今までは日中は会社に行ったり、大学に行ったりしていましたが、コロナで在宅時間が大きく増えました。
その結果、家にいる時間を快適にするための設備が人気になっている印象です。
システムキッチン
在宅勤務を機会に自炊を始めた人も多くいます。
また、コロナの感染リスクを避けるために外食をできるだけ控えている人もいます。
自宅で料理するとなると、欲しくなるのはシステムキッチンですね。
単身者といえども一口コンロだとせいぜいカップラーメンのお湯を沸かすくらいしか使えません。
料理するとなればやっぱり二口コンロは必要になります。
中古物件のキッチンを入れ替えるとなると30万円以上するので、ちょっとためらいますが、これから新築を建てる場合は、二口コンロにしておくと良いと思います。
TVモニター付きインターフォン
コロナをきっかけにアマゾン、楽天といったECサイトの利用が増えています。
我が家でも一日何回も宅急便屋さんが荷物を届けに来てくれます。
そんな時、TVモニター付きインターフォンだと、相手の姿がわかるので安心ですよね。
特に女性入居者には必須のアイテムだと思います。
TVモニター付きインターフォンは施工費込で15,000円くらいで簡単に取り付けできるコスパ抜群の設備です。
普通のインターフォンしか導入していない大家さんは導入すると良いですよ。
人気が下がった設備
今回順位を下げたのは、ガレージ、ウォークインクローゼット、洗浄機能付き便座(ウォッシュレット)、IoT機器でした。
ガレージの人気が下がったのは、若者を中心にクルマ離れが起きているためでしょうね。
そこまでクルマにお金をかける人が減っているのだと思います。
ウォークインクローゼットの人気も下がりました。
この要因は2つあると思います。
1つ目はウォークインクローゼットよりもデスクスペースのニーズが高まった点です。
在宅勤務や在宅学習のためには、デスクスペースが必要です。
ウォークインクローゼットを設けるスペースがあれば、デスクスペースとして活用したいというニーズが高いのだと思います。
もう一つの要因は若者を中心にミニマリスト化しているからです。
最近はモノを極力持たないミニマリストが増えています。
ウォークインクローゼットは基本的に洋服をしまっておくスペースですが、保持している洋服の量が減っています。
今の20代、30代の間ではメルカリのようなシェアリングエコノミーが人気です。
昔は季節ごとの洋服を一通り保持しているのが当たり前でしたが、最近の若者は洋服をワンシーズン来たらすぐに売ってしまいます。
特にコートのようなかさばるアイテムは冬の間にメルカリで購入し、冬が終わったらまたメルカリで売ってしまう人が増えています。
そのため、昔ほど洋服をしまっておくスペースが必要なくなっています。
洗浄機能付き便座(ウォッシュレット)も順位が下がりましたが、こちらはニーズが下がったというより、あって当たり前の設備として認知されているため、「家賃があがる設備」ランキングではランクダウンしているのだと思います。
実際に「この設備がなければ決まらない」ランキングでは5位ですからね。
僕もしばらく前までは「他人が使った洗浄機能付き便座を使いたいと思う人はそんなに多くないはず」と思っていましたが、これだけ公共のトイレで洗浄機能付き便座が普及すると他人が使った設備を使うことに違和感を感じる人は減っているようです。
インターネット無料は不動の1位
インターネット無料は6年連続1位となり、入居者にとっては家賃が上がっても欲しい設備の代表です。
特に最近はコロナの影響でテレワークやオンライン講義を行う人が増えました。
パソコンを使ってインターネットを利用する場合、賃貸住宅でのネット回線はマストです。
またインターネット無料がついている部屋であれば、入居したその日からすぐにインターネットを利用できます。
煩わしい申込みや開通手続きが不要な点もメリットですね。
ただ、注意しないといけないのは、インターネット無料は不動の人気No.1設備ですが、一方で最もクレームが多い設備No.1でもあります。
仕事でweb会議をする場合、ネット速度が遅かったり、接続が不安定だと仕事になりません。
ほとんどのインターネット無料設備は一本のネット回線を複数の入居者でシェアする方式です。
そのため、複数の利用者が同時にネットを利用すると接続が不安定になる可能性もあります。
ただ、僕の経験上、1Gbps以上の光ファイバー回線を使ったインターネット無料設備の場合は接続速度が遅くなることはほとんどありません。
僕自身、4棟全ての物件に光ファイバー回線のインターネット無料設備を導入していますが、回線速度を100Mbpsから1Gbpsにアップグレードしてからは一度も速度に関してクレームをもらったことはないです。
どうしても速度が心配な方は、IPv6対応しているインターネット無料提供会社を選択すると良いと思います。
IPv6とは新しい通信方式で、従来のインターネット速度よりも混雑緩和をする仕組みが備わっているため、同じ通信速度でも接続が安定します。
特に多人数が一斉に利用する際に効果を発揮します。
インターネット無料について詳しく知りたい方は、次の記事もどうぞ。
この設備があれば家賃が高くても決まる(ファミリー向け)
次はファミリー向け「これがあれば家賃が高くても決まる」設備ランキングです。
人気が上がった設備
今回順位を上げたのは、宅配ボックス、防犯カメラ、ウォークインクローゼット、遮音性の高い窓等でした。
宅配ボックス
最近共働きの家庭も増えています。
そんな家庭は日中宅配便を受け取ることができませんから、宅配ボックスは便利ですね。
また、テレワークで在宅勤務しているとしても、宅配便が来た時に会議中なんてこともよくあります。
そのため、テレワーカーの人にとっても便利なアイテムであることは間違いありません。
それに宅配ボックスがあれば配達員の方とも顔を合わせる必要がありません。
コロナの感染防止にもなりますね。
防犯カメラ
小さなお子さんがいる家庭で防犯カメラがあると安心ですね。
防犯カメラがあるだけで犯罪の抑止効果もありますし。
あと、防犯カメラは大家にとっても大きなメリットがあります。
それは粗大ゴミの不法投棄の抑止効果があるからです。
特にファミリータイプの物件では毎回出されるゴミの量が多いです。
中には分別をしなかったり、粗大ゴミを不法投棄する人もいます。
僕も過去に粗大ゴミの不法投棄に悩まされました。
ひどい時はダンベルセットが捨ててありましたからね。
完全に犯罪です。
防犯カメラを設置することで不法投棄は嘘のようになくなりました。
ちなみに防犯カメラを設置する場合は、インターネット無料と一緒に導入するとコストが安くなります。
防犯カメラで録画した映像がインターネット回線を通じてサーバーで保存されている仕組みが多いからです。
遮音性の高い窓
遮音性の高い窓は今年始めてランクインしています。
「遮音性の高い窓」が求められている理由は、在宅勤務が増えて、昼間の騒音が気になる人が増えているからです。
僕もテレワークするからよく分かるのですが、web会議する場合には外からの騒音をできる限り遮断したいです。
会議中に自動車のクラクションの音とか鳴っていると気になりますからね。
また、集中して企画を練り上げる時は静かな環境の方が集中できます。
この設備がなければ決まらない(単身者向け)
次は単身者向け「これがなければ決まらない」設備ランキングです。
人気が上がった設備
今回順位を上げたのは、ガスコンロ(二口以上)、浴室換気乾燥機、システムキッチン、防犯カメラでした。
ガスコンロ(二口以上)、システムキッチン
ガスコンロ(二口以上)とシステムキッチンは、先ほど述べた通り在宅勤務で自炊する人が増えているためだと思います。
最近では一人暮らしの男性でも料理する人は珍しくありません。
僕の後輩(30歳、男性)はテレワークで増えた体重を落とすために、自炊を始めました。
外食だとどうしても炭水化物がメインになりますが、自炊だとタンパク質と野菜メインにすることも可能です。
自炊のおかげで体重がコロナ前に戻ったと喜んでます。
浴室換気乾燥機
浴室換気乾燥機はもはやマストアイテムですね。
一人暮らしの人はほとんど洗濯物を外に干しません。
洗濯物を外に干しっぱなしにして、外出している間に雨降ってきたら悲劇ですからね。
なのでほとんどの単身者が部屋干しです。
大家からすると浴室換気乾燥機をつけるよりも、室内洗濯物干しをつけるほうが安上がりです。
ただ、冬の季節に部屋干しすると乾くまで時間がかかります。
梅雨の季節だと生乾きになって嫌な匂いがしますし。
室内洗濯物干しだとどうしても限界があります。
その証拠に、今回「室内洗濯物干し」の順位は下がり、逆に浴室換気乾燥機が上がりました。
一度でも浴室換気乾燥機を使ったことのある入居者はこの設備がない部屋は選ばないと思います。
新築する場合、浴室換気乾燥機をオプションでつけても5万円ほどです。
そのため、これから新築する場合は絶対につけておいた方が良いですよ。
この設備がなければ決まらない(ファミリー向け)
次はファミリー向け「これがなければ決まらない」設備ランキングです。
人気が上がった設備
今回順位を上げたのは、備え付け照明、宅配ボックス、浴室換気乾燥機、ウォークインクローゼットでした。
宅配ボックスは在宅勤務が増えた現在、マストアイテムになりましたね。
浴室換気乾燥機も、共働き家庭が増えるに従いニーズが高まっています。
ウォークインクローゼットは単身者向けではランク外ですが、ファミリー向けではランキングに入ってきました。
モノを持たない人が増えているとはいえ、ファミリーでお子さんがいるとどうしても収納スペースは必要になります。
一度ウォークインクローゼットがある部屋に住んだことのあるファミリー層は、それだけモノを沢山所有している可能性があるので、次に住む部屋でもウォークインクローゼットは必須なのかもしれませんね。
一度増えたモノを減らすのは難しいですから。
まとめ
2020年はコロナの感染拡大によって住居ニーズが大きく変化した年でした。
人気設備ランキングにも大きな変動があり、住居ニーズの変化の大きさを裏付けています。
2020年に人気が高まった設備は次の3つにまとめることができます。
- 滞在時間が長くなったことで必要性が高まったもの
- システムキッチン、二口コンロ、浴室換気乾燥機、宅配ボックス
- テレワーク・オンライン講義で必要性が高まったもの
- インターネット無料、遮音性の高い窓
- セキュリティニーズの高まり
- TVモニター付きインターフォン、防犯カメラ
物件は毎年歳を取り、競争力は減っていきます。
何も対策を打たなければ空室が増え、家賃を下げざるをえなくなります。
一方で入居者ニーズの変化を敏感に捉え、入居者が求める最新の設備を導入すれば物件の価値そのものを上げることができます。
上手に設備投資して、満室経営していきましょう!
オススメnote(記事)
【首都圏】不動産投資向け金融機関 攻略マニュアル 2021年版
融資を制するものは不動産投資を制するといっても過言ではありません。首都圏にある金融機関の最新の融資条件を記事(23,500文字)にまとめました。
金融機関ごとに「借り手の属性、融資金額、金利、融資期間、相性の良い投資手法」を具体的に記載しています。
僕は今まで30行以上の金融機関で融資審査を申し込み、10行以上の金融機関から融資承諾を得てきました。その全ての経験と知識を記事に詰め込みました。
自信作ですので、ぜひ読んでみてください!
不動産投資向け融資が厳しい今でも、フルローンを引いている投資家の方々がいます。
しかも地主や富裕層ではなく、普通のサラリーマン投資家の方がです。
普通のサラリーマン投資家がフルローンを引くためにできる裏技を記事(4,192文字)にまとめました。
単なる交渉テクニックだけでなく、『銀行が投資家に何を期待しているのか』といった本質的な銀行の思考プロセスを解説しています。
銀行の本音を理解して、フルローンや金利低減を勝ち取りたい方に読んでほしいです。
僕が所有物件にインターネット無料を導入した時の費用と手順についてまとめています。
お金をかけずに実践的な不動産投資ノウハウを学ぶ方法を解説しています。
https://asoburo.info/realestate/how_to_start/3590/
アパートローンの最新情報を各金融機関からヒアリングしました。
初心者が不動産投資を始める前に読んでほしい記事をまとめています。