不動産市況

武蔵小杉のタワマンが浸水! 資産価値が落ちるかどうか不動産投資家が徹底解説!

こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

台風19号は関東と東北を中心に大きな被害をもたらしました。

その中でもひときわ大きなニュースになったのが『武蔵小杉(神奈川県川崎市)』。

そう、今回の台風で高級タワーマンションで有名な武蔵小杉駅近辺が浸水したのです。

しかも地上から1メートル以上も冠水したため、武蔵小杉駅近くの建物の大半が床上浸水することになりました。

僕の知人も武蔵小杉駅徒歩10分にある戸建に住んでいるのですが、1階が完全に水没してしまいました。

1階にある子供部屋には下水が押し寄せてきたため、家具や洋服が散乱し、泥を被ってドロドロになってしまいました。

また、1階にあるトイレは下水が逆流してきたため、使用不可能に。

逆流してくる下水をせき止めるために、無理やりトイレットペーパーを押し込んで対処していました。

浸水の原因には2種類あります。

洪水と内水(ないすい)です。

洪水は河川が氾らんし、川の水が堤防を乗り越えて住宅地に押し寄せてくることです。

一方で、内水とは大量の雨水を処理することができず、側溝や下水道から汚水が溢れ出る水害のことを指します。

今回、武蔵小杉で生じたのは内水被害でした。

つまり、浸水してきた水は下水。つまり汚水なわけです。

そのため、水が引いた後も、悪臭が残ってしまいます。

当然衛生状態も良くありません。

そのため、徹底的に消毒を行う必要があります。

また、木造住宅の場合、一度床上浸水した場合は、基礎を支える柱や床材も水を含んでしまっています。

そのため、床をめくって、床下に乾燥機を設置して、基礎や柱を乾燥させる必要があります。

このような補修費用は火災保険によって賄われることが多いですが、補修後に残る悪臭についてはなかなか取れません。

下水が溢れ出てしまう内水は、洪水以上にやっかいだと言えますね。

甚大な被害を被ったタワーマンション

そして、この浸水被害は、僕の知人のような戸建だけでなく、タワーマンションにも起こりました。

今回浸水被害を受けたのは、武蔵小杉駅に隣接している2棟のタワーマンションです。

溢れ出た下水がタワーマンションの地下駐車場に入り込みました。

そして、地下にある配電盤が壊れて、停電や断水が起きてしまったのです。

停電は部屋の中だけでなく、エレベーターにも影響します。

そのため、浸水したタワーマンションではしばらくの間エレベーターが使えませんでした。

地上47階建ての高層マンションでエレベーター無しの生活はキツイですよね。

特に、足腰の弱い高齢者や子供にとっては致命的です。

また、意外と知られていないのは、電気がやられると断水してしまうことです。

マンションのような高層建築物の場合は、上水道の圧力だけで上階に水を届けることができません。

そのため、電気で給水ポンプを動かして、1階の水を高層階にまで送っています。

停電になると当然、給水ポンプも作動しませんから、上層階に水を送ることができません。

その結果、停電だけでなく、断水被害も生じてしまうのです。

そのため、浸水被害にあったタワーマンションに住んでいる方の多くは近くのホテルに一時的に部屋を借りて住んでいるそうです。

当然ホテル代は自腹です。

踏んだり蹴ったりですね。

ただ、ニュースを見ていると当面の生活よりも、タワーマンションの資産価値が下落しないかどうかを心配している方が大勢いるようです。

武蔵小杉のタワーマンションといえば高級マンションの代名詞です。

高層階になると1億円以上で取引されている部屋も少なくありません。

東京都心を除けば、首都圏でも最高ランクの高級マンションと言えるでしょう。

当然、資産価値も相当なものになります。

そのため、今回の浸水被害によって、所有しているタワーマンションの資産価値が下落しないかどうか心配されるのも十分理解できます。

そこで、今回は、現役の不動産投資家であるJOJOが浸水したエリアにある不動産(タワーマンション含む)の資産価値がどのような影響を受けるかについて徹底解説したいと思います。

先に結論だけ言うと、次となります。

浸水から半年間は価格に大きな影響はない。

ただし、2~3年後には20%程度値下がりする可能性がある。

それでは、解説したいと思います!

浸水した物件は公開される

浸水した物件のオーナーは、浸水した事実をできれば隠しておきたいですよね。

ただ、実際は浸水した事実は告知しないといけません。

例えば浸水したマンションを売却するとします。

不動産の売買契約においては重要事項説明があります。

不動産の購入者や入居者にとって不利になるような重要な事項については、宅建士の資格を持っている不動産会社が契約時に口頭で説明する義務があります。

そして、台風による浸水は重要事項に該当します。

そのため、今後、浸水した不動産を売却したり、賃貸に出したりする際には、必ず浸水の事実を明らかにする必要があります。

『じゃあ、オーナーが不動産会社に浸水した事実を伝えなければ、説明されることもないんじゃない?』と思うかもしれません。

ただ、世の中そんなに甘くありません。

各自治体は浸水したエリアをホームページにて公開しています。

これを『浸水実績』と言います。

プロの不動産会社は物件の売却を依頼された際に、ほぼ確実に自治体の浸水実績を調べて、過去に浸水履歴がないかどうかを確認します。

万が一、売買契約が終了した後に浸水の事実が判明すると、売買を仲介した不動産会社にも損害賠償責任が出てきます。

そのため、不動産会社も損害賠償されるリスクを排除するために、事前に告知事項がないかどうかを調べます。

参考までに言うと、不動産会社は孤独死等の事故がないかも同様にチェックしています。

事故物件かどうかは『大島てる』というサイトをチェックすれば簡単に調べることができます。

そのため、浸水の被害にあった場合は、その物件を売却したり、賃貸に出す際には必ずその事実が伝わると考えた方が良いでしょう。

また、最近では家探しをする際に、事前に各自治体が公表しているハザードマップを確認する人も増えてきています。

ちなみに川崎市が公開しているハザードマップで武蔵小杉駅近辺を調べてみました。

真っ赤です。

武蔵小杉駅周辺の大半は3m以下の浸水リスクがあります。

1階は水没し、2階の床下まで水が来るということです。

特にJR横須賀線側の改札があるエリアは5m以下の浸水リスクがあります。

2階まで水没します。

今回は、地上から1mの高さまでしか浸水しませんでしたが、それ以上の高さにまで浸水する可能性があるということですね。

このように武蔵小杉駅近辺は最初から水害リスクが高いエリアということが分かっていた訳です。

それにも関わらず、利便性ばかりが注目されて武蔵小杉駅周辺の不動産価格は急上昇してきました。

能天気というか、なんというか。。

ただ、今回の台風被害をきっかけとして、ハザードマップを確認する人は確実に増えると思います。

そうすれば、浸水リスクのある土地の人気は落ちてくるかもしれませんね。

賃貸で住んでいる人に与える影響

僕の後輩が武蔵小杉の賃貸マンションに住んでいます。

今までは交通利便性の高い武蔵小杉、最高!と言っていたのですが、浸水被害にあってから引っ越しを考えているそうです。

彼の住んでいるマンションも1階は浸水しました。

もちろん1階に住んでいた住民たちは次々と他の物件に引っ越していきました。

彼は4階に住んでいたので浸水被害はなかったのですが、水が押し寄せてきて街中が水浸しになるのはとても怖かったそうです。

しかも、浸水があった翌日からしばらくの間は、駅の改札が超混雑しました。

駅の改札まで浸水が及び、武蔵小杉駅の改札は1つ以外全滅。

翌日は大勢の住民がたった一つの改札を利用するために、長蛇の列に。

家から電車に乗るまでに1時間以上かかったといいます。

このような経験をした僕の後輩は武蔵小杉を出て、他の街へ引っ越すことを検討しているようです。

武蔵小杉は確かに交通利便性は良いのですが、その分家賃も急騰しています。

ぶっちゃけ武蔵小杉の賃料が払えるのであれば、多摩川を越えて東京都の目黒区、品川区、大田区に余裕で住めます。

多摩川より東側の東京都は標高がぐっと高くなるため、まず多摩川氾濫の危険性はありません。

同じ家賃を払うのであれば、より安全性の高い東京都に住もうと考える人は増えるでしょう。

そのため、現在の高い賃料が維持されるのであれば、武蔵小杉で賃貸物件に住んでいる人は、今後次々と退去していく可能性があると思います。

一度退去してしまうと、浸水前のような高い家賃水準では入居者がつかないでしょう。

そのため、空室を埋めるために多くの大家さんは家賃を値下げせざるをえないと思います。

家賃の下落は、収益不動産の売却価格を押し下げます。

その結果、武蔵小杉近辺の収益不動産の価格は下落を始めると予想できます。

持ち家を保有している実需層への影響

まず武蔵小杉駅近辺で既に持ち家を保有している人のことを考えてみます。

持ち家を持っている人の中で、すぐに持ち家を売却して武蔵小杉を離れる人は少数はでしょう。

理由は2つります。

一つ目の理由は、武蔵小杉のタワーマンションや新しい戸建に住んでいる住民のほとんどが子育て世代です。

つまり既にお子様が武蔵小杉駅周辺の保育園、小学校に通っている家庭も多いと思います。

都心に通勤している大人であれば、比較的簡単に引っ越しをすることができますが、地域の学校に通っている小さなお子様がいる家庭は引っ越しをするのは難しいです。

そのため、今回の浸水被害で引っ越しをしたいと思っても、子供が大きくなるまではこのまま住み続ける方も多いのではないでしょうか?

2つ目の理由は、今すぐに持ち家を売却するのは不利だからです。

浸水被害が人々の記憶に鮮明に残っている間は、武蔵小杉の持ち家(マンション、戸建)を売りに出しても、買い手がつかないことが予想されます。

そのため、どうしても売却したい場合には、プロの不動産業者に相場よりも相当低い価格で引き取ってもらうしかありません。

武蔵小杉駅近辺のタワーマンションを保有している方のほとんどは武蔵小杉の地価が急上昇した後で持ち家を購入しています。

このように高値で購入している人も多いため、あえて安値で売却する人はいないでしょう。

というより、住宅ローンがたっぷり残っているので、安値で売却しようと思っても抵当権が外れないため、売却することができません。

そのため、ほとんどの人がしばらくは売却活動を控えると思います。

また、武蔵小杉のタワーマンションに住んでいるのは大手企業の会社員や医師、士業といった高所得の方が多いです。

住宅ローンが払えなくなって持ち家を売却しないといけなくなる人は稀です。

そのため、今回の浸水被害があったからといって、武蔵小杉駅近辺のマンション・戸建の売却が急に増えることにはならないでしょう。

もし売りに出されたとしても、売り急ぐ理由がありません。

そのため、中古マンション・戸建の販売価格は今までと同水準をキープすると予想されます。

投資用物件に対する影響

今回、一番影響を受けると予想されるのが投資用物件です。

つまり、自分が住むために不動産を購入する実需用途ではなく、他人に賃貸して家賃収入を得たり、転売して利益を得ることを目的に購入するケースです。

武蔵小杉のタワーマンションも高層階となると1億円クラスの物件が多くなります。

このような高額マンションは実需層が購入するには高すぎるため、主な買い手は投資家となります。

中でも中国人を中心とした外国人投資家は今でも高額マンションの主要な買い手になっています。

このような外国人投資家は地政学的リスクの少ない日本の不動産に魅力を感じて、わざわざ外国である日本に投資をしているわけです。

そのため、外国人投資家は今回の台風のような天災を非常に嫌います。

また、外国人投資家は数年間保有して売却する方がほとんどです。

浸水で多大な風評被害が出ているタワーマンションを売りに出したとしても、しばらくは買い手を見つけるのに苦労するでしょう。

つまり売却価格が下がってしまうため、外国人投資家は敬遠します。

そのため、高層階の高額価格帯のマンションほど、今回の浸水によって価格下落する可能性が高いと思います。

また、僕達、国内の不動産投資家も今回浸水したエリアを敬遠することになります。

僕の知り合いの投資家にも床上浸水したアパートを所有している方がいますけれども、一度浸水したアパートの復旧にはお金と労力がかかります。

建物の修繕に対しては火災保険から保険金が支払われますが、建物を修繕している間は賃料収入が途絶えてしまいます。

修繕工事が終了し、新しい入居者を募集しようとしてもなかなか見つかりません。

浸水した物件は、事前に入居者に浸水した事実を告知事項として説明する必要が出てきます。

しかも、一度浸水した部屋は水気を完全に除去することはできないため、臭いやカビという二次被害が発生する可能性が高いです。

そのため、不動産仲介会社の方も入居者からのクレームを恐れて、積極的に部屋を紹介しようとしません。

そのため、家賃を下げたり、広告料(大家から仲介会社に支払う手数料)を割増しないといけなくなります。

また、所有物件を売却する際にも、浸水履歴を告知する必要が出てきます。

当然ながらマイナス要因ですから、買い手から安く買い叩かれる可能性が高くなります。

そのため、外国人投資家、国内の投資家双方から今回浸水したエリアの投資用不動産は敬遠され、その結果価格の下落が進むでしょう。

震災で液状化した新浦安、海浜幕張のケース

今後、浸水したエリアの価格は下落していくと思います。

その不動産価格下落の動きを予想する上で、参考になるのが2011年の東日本大震災後の不動産価格の動きです。

東日本大震災では、首都圏の新浦安、海浜幕張といった湾岸エリアで激しい液状化が起こりました。

地中にあった上下水道管が破壊され、水道の供給はもちろん、トイレも流せなくなりました。

今回浸水した武蔵小杉の状況に似ていますね。

地震直後は新浦安、海浜幕張の中古マンション価格には大きな影響が見られませんでした。

先程述べた通り、実際に住んでいるファミリー層の方はすぐに売却には動かなかったからです。

ただ、震災から半年後に徐々に下落を始めます。

物件によりますが、2~3年で20~40%も売却価格が下がってしまいました。

その後、アベノミクスの開始に合わせ価格は復活してきましたが、アベノミクスがなければ今でも価格は低迷したままだったと思います。

結論

以上の考察を踏まえて、今後浸水したエリアの不動産価格(資産価値)は次のように推移すると予想します。

浸水から半年間は価格に大きな影響はない。

ただし、2~3年後には20%程度値下がりする可能性がある。

今回浸水した武蔵小杉だけでなく、大きな河川に隣接しているエリアやハザードマップ上で浸水リスクが指摘されたエリアでも同様に不動産価格が下落していく可能性があります。

特に投資用物件や高額なタワーマンションの価格が下がる可能性が高いです。

もちろん、5~10年という中期スパンで考えた場合、人々の浸水の記憶は薄れ徐々に不動産価格が持ち直していく可能性はあると思います。

ただ、ここ数年巨大台風やゲリア豪雨が頻発していることを考えると、今後もこのような浸水被害が生じる可能性は高いと考えたほうが良いでしょう。

今後、浸水被害が生じる度に、今回浸水した記憶は呼び起こされることになるため、そう簡単に風化しないかもしれません。

そう考えると残念ながら浸水したエリアの近くにある不動産の資産価値は下落するリスクがあると思います。

資産価値の下落が心配な方は、一度不動産の売却査定をしておくと良いでしょう。

ちなみに、売却査定をするならば、大手不動産会社6社が参加しているすまいValueがオススメです。

このすまいValueは、日本の大手不動産会社6社が共同で運営している不動産売却ポータルサイトです。

参加している不動産会社

  • 三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
  • 住友不動産販売
  • 三菱地所ハウスネット
  • 野村の仲介(野村不動産)
  • 東急リバブル
  • 小田急不動産

売却するなら、絶対に大手不動産会社に依頼したほうが良いです。

それは買い手の心理を考えるとわかります。

初心者の方が不動産を購入しようとしたら、まずは安心の大手不動産会社に行きますよね。

そして、不動産を一番高値で買ってくれるのは、このような初心者の方なので、結果として大手不動産会社に売却依頼したほうが高値で売れるのです。

また、大手不動産会社であれば、豊富な売却実績があるので、最新の顧客動向、金融機関の情勢を踏まえた売却価格を正確に算出することが可能です。

『自分の物件がいくらで売却することができるのか?』を把握しておくことは投資家にとって大切です。いざとなったら、すぐに売却に動けますからね。

そのため、僕はすぐに売却するつもりがない物件も定期的に査定に出しています。

すまいValueならたったの60秒で一括査定ができるので、とても便利です。

カンタン一括査定依頼する>>すまいValue

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いずれにせよ、不動産をお持ちの方は、今回をきっかけにハザードマップを確認することをオススメします。

武蔵小杉のように大規模河川に隣接している低地エリアだけでなく、標高が高いエリアでも意外と浸水のリスクが高い場所があります。

例えば東京都杉並区は武蔵野台地に立地し、海抜40-50mにある標高が高いエリアですが、それでも浸水リスクがあるエリアがあります。

今回のように急激な大雨が降ると下水処理が追いつかず、どんなエリアでも浸水する可能性があります。

浸水するエリアに不動産をお持ちの方は、火災保険を見直したり、近隣の避難所を確認していざという時に備えておきましょうね。

備えあれば憂いなし!

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