こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。
相場よりも割安なお宝物件を買いたい!
このように考えながら、毎日物件探しをしている方も多いと思います。
ただ、実際には僕たち個人投資家が割安なお宝物件を購入するのは難しいです。
本当に割安な物件は、売りに出された瞬間にプロの不動産業者がスグに買ってしまうからです。
プロの不動産業者には、物件の仕入れだけを担当している人がいて、そのような人は一日中パソコンの前に座っていて、新着物件が出ると片っ端から電話で問い合わせしています。
平日の昼間は仕事をしているサラリーマン投資家がプロと同じ土俵で戦っても絶対に勝てませんよね。
ただ、個人投資家でも相場よりも割安なお宝物件を購入する方法があります。
それは任意売却物件を購入するやり方です。
任意売却とは、住宅ローンなどの返済が滞ったとき、債権者である金融機関の合意を得た上で、残債以下の価格で不動産を売却する方法のことです。
略して任売(にんばい)とも呼ばれます。
この任意売却の物件は相場よりも1~2割ほど安く購入することが可能です。
そして、任意売却の物件はプロの不動産業者ではない一般の個人投資家も購入することが可能です。
今回は、僕たち個人投資家が任意売却物件を購入する方法について説明します。
任意売却とは
任意売却とは、借金の残債以下の金額で不動産を売却して、残債を大きく削減する方法です。
例をあげて分かりやすく説明しますね。
会社員Aさんは住宅ローン5,000万円を組んでマンションを購入しました。
住宅ローンの毎月の返済額は15万円です。
購入して数年間の間は順調に返済を行っていたのですが、会社の業績が悪くなりAさんはリストラされてしまいます。
仕事を失ったAさんは毎月15万円の住宅ローンを支払うことができなくなり、毎月の返済を滞納するようになりました。
困ったAさんは所有しているマンションを売却して住宅ローンを返済しようとしました。
Aさんには住宅ローンが4,000万円残っているので、4,000万円以上で売却しようとしました。
ところが、世の中の景気も落ち込んでいるために、Aさんの希望する4,000万円ではまったく買い手が見つかりません。
そのため、Aさんは住宅ローンの返済もできないし、所有する不動産を売却することもできないという八方塞がりの状況に陥りました。
そんなAさんの困った姿を見た友人が任意売却専門業者を紹介してくれました。
この任意売却業者が何をしてくれるかというと、次の2つを行ってくれます。
- 金融機関と交渉し、残債以下の金額で売却することに合意させる
- できるだけ高い価格で買ってくれる買い主を探す

まず、任意売却業者は債権者である金融機関と交渉します。
Aさんの残債は現在4,000万円。
『自分なら4,000万円は無理だけど、3,000万円でなら購入してくれる買い主を見つけることができる』
『金融機関がこの物件を仮に競売にかけた場合は2,000万円しか回収できないだろう』
『競売にかけて2,000万円しか回収できないより、自分達に販売を委託して3,000万円回収できた方が良いのではないか?』。
『3,000万円で購入してくれる買い主を見つけた場合は、抵当権を外して売却することに合意してほしい』と。
金融機関からすれば、マンションを競売にかけても2,000万円しか回収できません。
それでは、差し引き2,000万円の損失です。
一方で、任意売却業者に頼んだ場合、3,000万円回収できます。
しかも、債務者であるAさんは破産しないので、残る1,000万円の借金も将来的に返済してもらえる可能性があります。
それならば、任意売却業者に3,000万円で不動産を売却してもらったほうが金融機関にとっては得です。
そのため、金融機関は3,000万円で売却することに合意します。
金融機関の合意を取り付けた任意売却業者は、次に3,000万円で購入してくれる買い主を探します。
この物件は通常の相場では4,000万円で売り出されている物件です。
そのため、3,000万円で売りに出せば比較的簡単に買い手を見つけることができます。
そして、任意売却業者は不動産の買い手から仲介手数料を稼ぐことができます。
一方で、債務者であるAさんにとっても任意売却はメリットが大きいです。
Aさんがこのまま滞納を続ければ、金融機関は抵当権を実行してマンションを競売にかけます。
金融機関が抵当権を実行するということは、Aさんは破産に追い込まれるということです。
一方でマンションを任意売却すれば、破産を免れることができます。
借金は1,000万円残りますが、もともとの4,000万円から大きく減らすことができます。
4,000万円の返済は無理でも、1,000万円なら何とか返済を続けることもできるかもしれません。

このように、任意売却とは、債務者、金融機関(債権者)、任意売却業者、不動産の買い手の4者全員にとってメリットのある仕組みなのです。
各プレイヤーのメリット
債務者 | 借金を大きく減らすことができる |
---|---|
金融機関 | 競売にかけるよりも、債権回収額を大きくできる |
任意売却業者 | 売却手数料を稼ぐことができる |
不動産の買い手 | 相場より割安で不動産を購入できる |
任意売却物件の探し方
僕たち不動産投資家からすると、相場よりも割安な価格で購入できる任意売却はとてもオイシイです。
ただ、任意売却物件はネットでは売り出されていません。
任意売却物件は、『ローンが払えなくなり、このまま行けば競売になる物件』です。
そのため、スピードが命ですから任意売却業者は販売に時間のかかる一般個人向けに売り出しません。
だいたいのケースにおいて懇意にしている不動産会社に水面下で販売してしまいます。
そのため、通常であれば僕たち一般の個人投資家の目に触れることのないまま任意売却物件の売買が成立しています。
ただ、僕たち一般の個人投資家でも任意売却物件を購入する方法があります。
それは、任意売却業者に直接コンタクトを取ることです。
任意売却業者の探し方は簡単です。
googleやYahooなどの検索ポータルサイトで、『任意売却』と検索するだけです。
任意売却業者は自分たちの飯の種である『住宅ローンを支払えなくなった不動産オーナー』を探すために、検索ポータルサイトに広告を出しています。
そのため、『任意売却』というキーワードで検索するだけで、自然と検索上位に任意売却業者ばかりがでてきます。
後は、気になる任意売却業者に問い合わせて、『自分は不動産投資家なのですが、任意売却として売り出す予定の物件を紹介頂けないでしょうか?』とお願いするだけです。
安く購入できるだけじゃない! 任意売却のメリット
このように、任意売却は買い主にとっても『相場よりも割安な価格で購入できる』メリットがあります。
一般的に相場よりも1~2割ほど安く購入することが可能と言われています。
更に任意売却には別のメリットがあります。
それは売り主とリースバック契約を獲得できる可能性があることです。
リースバック契約とは、売り主から家を買い取り、そのまま家を売り主(元の住人)に貸し出すという契約です。
売り主にとってみれば、任意売却で自分の家を売却してしまうと住むところがなくなります。
別のところに引っ越すとしても引っ越し代がかかりますし、長年住み慣れた家を離れるのはつらいです。
ところが、リースバック契約を締結すると、売り主は元の家に住み続けることができます。
一方で買い主にとってもメリットがあります。
売り主は住み慣れた自分の家に住み続けることになるので、滅多なことでは退去しません。
つまり、ほぼ永続的に家賃収入を得ることができるわけです。
しかも修繕をせずに、そのままの状態で貸し出すので、リフォーム費用もかかりません。
更に将来的に売り主の経済状況が好転した際には、自分が買い取った価格以上の値段で、売り主に買い戻してもらうこともできます。
このように家賃収入というインカムゲインと売却時のキャピタルゲインの両方を得られるのが、リースバック契約の大きなメリットです。
任意売却物件を購入する際の注意点
任意売却業者は通常プロの不動産業者しか相手にしません。
任意売却はスピードが命ですから、何も言わずに現金でサッと購入してくれるプロの不動産業者が好まれます。
そのため、普通に不動産を購入する感覚で、任意売却業者に『融資してくれる金融機関を紹介してほしい』とか、『購入する前に測量図を作成してください』なんて要望をだそうものなら、『面倒な客だな』と思われておしまいです。
そのため、任意売却物件を購入するためには、あれこれ詮索せずにサッと購入できる実力が必要になります。
不動産業者に頼らずに自分で融資してくれる金融機関を見つける力が必要です。
ローン特約は基本的に使えないと思ってください。
また、任意売却の場合は、売り主の瑕疵担保責任が免除されることが多いです。
そのため、物件のリスクを一瞬で見極める能力が必要になります。
そのため、任意売却に取り組むのであれば、ある程度の不動産投資の経験を積んで中級レベル以上になってからにした方がベターです。
不動産投資初心者の方は、まずは小さな物件をコツコツ購入して、投資家レベルを上げていきましょう。
そうすれば将来的に任意売却物件でガッポリ儲けることができるかもしれません(*^-^)
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