こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。
『賃貸 VS 持ち家。どちらが良い?』
これは永遠のテーマですね。
時代の変化とともに、最適な選択肢は変わっていくとしか言いようがありません。
ただ、今後『僕ならどうするか?』というと、間違いなく賃貸を選びます。
誤解のないように説明しておくと、僕は持ち家(戸建)を持っています。
今の自宅は10年以上も前に購入しています。
『持ち家』に住んでいることで様々なメリットを感じてきました。
それでも『もし、今の僕が20代、30代で自宅を持っていなかったら、どうするだろうか?』と考えると、迷わず『これからの時代は賃貸がベスト』という結論になります。
今回は、持ち家に10年住んでみた僕の経験を元に、今後は賃貸派の方がベストだと考える理由を解説していきたいと思います。
賃貸派の人が増えている
オンラインメディアのNewspicksが『賃貸 vs 持ち家』についてtwitter上でアンケートを取りました。
\#TheUPDATE Liveアンケート🙌/
🎥6月4日(火)21時~22時 ライブ配信⚔本日決着⚔
Q 10年後、あなたは賃貸派?持ち家派?それとも?投票理由を #賃貸vs持ち家 でTweet🔥
📢奥井奈々@nana_okui が番組最後に結果を発表🙆♀️— NewsPicks Studios (@NewsPicksStudio) June 4, 2019
結果は賃貸派が57.4%と持ち家派の33.3%を大きく引き離しました。
Newspicksの読者はキャリア意識が高い20代、30代が中心ということもあるので、多少のバイアスはかかっていると思います。
ただ、それでも20代、30代が賃貸派が主流になりつつあることは間違いないでしょうね。
そして、僕も今20代、30代だったら間違いなく賃貸を選ぶと思います。
ではなぜ若手世代には賃貸派が増えているのでしょうか?
一生同じ職場で働く可能性はゼロ
自宅を購入する際には、『通勤に便利な場所』を選ぶ人が多いと思います。
実際に僕も当時勤務していた大崎駅から自転車で通える範囲で戸建を探しました。
通勤に時間が取られるのはアホらしいですからね。
ただ、職場の近くに家を購入したは良いけれども、その後職場が変わるということがよく起きます。
商社マンの間では、家を購入した直後に海外赴任の辞令が出るなんていうジンクスがあるくらいです。
僕も自宅を購入して3年後には職場が六本木に移転してしまい、自転車通勤ができなくなりました。
まだ、自宅から電車で30分くらいの場所に職場が移転したので良かったのですが、自宅から通えない場所に職場が移転する人もいます。
僕の知り合いの男性は大手電子機器メーカーに勤めており、当時埼玉県川越市にある工場で生産管理の仕事についていました。
奥さんはピアノの先生で、同じく川越駅近くのピアノ教室で働いていました。
そのため、埼玉県川越市に戸建を購入して長い間住んでいました。
ところが、勤務先のメーカーの業績が悪化し、川越にある工場が閉鎖されることになったのです。
幸いリストラの対象にはなりませんでしたが、次の勤務先は神奈川県川崎市にある本社になってしまいました。
埼玉県川越市から神奈川県川崎市までは70km以上離れています。
電車だと片道2時間です。
さすがに毎日通勤するのは無理です。
そのため、家族を自宅(川越)に残し、自分だけは川崎駅近くにワンルームを借りて単身赴任を余儀なくされてしまいました。
自宅の住宅ローンの支払いに加えて、ワンルームの賃料もかかるため生活が一気に苦しくなりました。
自宅を購入するということは、住む場所が固定されるということです。
一方で、職場は点々とするのが一般的です。
終身雇用なんてもはや公務員以外にはありえない時代です。
転職すれば、職場も変わります。
転職しなくても、僕の知り合いのように会社内での異動は珍しくないでしょう。
もし賃貸であれば、職場が変わる度に引っ越しをして、常に通勤に便利な場所に住むことができます。
一方で自宅を購入してしまった場合、職場が変わっても住む場所を買えるわけにはいきません。
長い時間をかけて新しい職場に通うことになるでしょう。
もしくは、僕の知り合いのように単身赴任を余儀なくされるかもしれません。
職場が変わることが珍しくない今の世の中で、住む場所が固定されてしまうのはリスクが高いといえます。
給料が右肩上がりである時代は終わった
自宅を購入する際に、ほとんどの人は住宅ローンを組むと思います。
住宅ローンは最長で35年間借りることができます。
僕もそうですが、多くの人が35年ローンを選択しています。
毎月の返済額が少ないほうが良いですからね。
ただ、この35年ローンは日本がバブル崩壊前の成長期に生まれた制度です。
今のように低成長が続く世の中には合っていません。
日本が成長していた時には、会社員の給料も右肩上がりで上昇していました。
そのため、多少無理をして住宅ローンを組んでも、そのうち給料が上がるため生活に余裕が出てくるという見込みを持つことができました。
また、終身雇用が一般的でしたので、定年時に住宅ローンが残っていたとしても退職金で一括返済することができました。
一方で、今の世の中、給料は右肩上がりでは上昇しません。
多くの大企業では役職定年制が設けられ、50代から給料は下がります。
また、昔と違って全員が管理職に出世できる時代でもありません。
2016年に厚生労働省が実施した調査によれば、50代の社員の中で67.8%が課長以上の管理職に就いていないことが判明しました。
今や管理職になれるのは社員の30%だけです。
年功序列がなくなりつつある今の時代、管理職に出世できなければ給料は頭打ちになります。
そのため、『いつから管理職に出世して、家族に楽をさせたい』と考えていても、大部分の人が管理職になれず、生活に余裕がないままです。
そんな中、住宅ローンの返済金額は基本的に変わりません。
子供が成長すれば、教育費もかかってきます。
家を購入する人の多くが子供がいないか、未就学児がいる30代の夫婦です。
子供が小さなうちは教育費は大したことはありませんが、中学、高校と進んでいくにつれて教育費は膨れ上がってきます。
我が家の例をお伝えすると、長男は私立中学に通い、次男は公立の小学校に通っています。
長男の毎月の学費が7万円、次男は中学受験用の塾に通っているため3万円、これ以外に空手を習っているので毎月2万円。
子供の教育費を合計すると、毎月12万円にもなります。吐きそうになりますね。
会社の給料は上がらないけれども、教育費が増えていくのであれば家計が逼迫(ひっぱく)するのも無理ありません。
実際に我が家の家計は火の車です。
まあ、僕の場合は幸いに家賃収入があるのでなんとか生活できてますけど。
そう考えると、30代で35年間の住宅ローンを組んで高額な自宅を購入するのは非常にリスクが高いといえます。
人生の可能性を狭める
家を買うと、いろいろなことに挑戦するのが難しくなります。
なぜならば、住宅ローンという固定費が毎月重くのしかかってくるからです。
賃貸ならば安い部屋に引っ越せばよいのですが、持ち家だと住宅ローンは減額できません。
そのため、住宅ローンを支払うためには今の会社の給料が必要になり、転職や起業といった新しい挑戦をしにくくなります。
本当は他社に転職したほうが自分のやりたいことができるのに、給料が下がってしまうという理由だけで転職を思いとどまってしまいます。
その他にも一念発起して『海外でMBAを取得したい』と思っても、留学中に自宅のローンを払い続ける責任があると思うと、新しい一歩を踏み出せませんよね。
また、住宅ローンんは起業やセミリタイヤの障害にもなります。
僕の場合は、住宅ローンが残っているため、なかなかセミリタイヤに踏み出せていません。
賃貸であれば、会社をセミリタイヤすると同時に家賃の低い田舎に引っ越すことができます。
実際に、僕の知り合いの投資家でもセミリタイヤを実現するために、あえて住居費の低い淡路島に引っ越した人もいます。
そうして、日々の生活コストを下げることで、セミリタイヤがグッと現実的になってきます。
一方で持ち家で住宅ローンを組んでいると、どうしても住宅ローンを返済するだけの十分な収入が必要になってきます。
そうなると、セミリタイヤ後に必要な生活費もかなり高いものになるため、セミリタイヤのハードルがグッと高くなります。
僕がいまだにセミリタイヤをしていないのは、都内に自宅を購入してしまったからとも言えます。
そう考えると、自宅は人生に安心感ももたらしてくれる代わりに、様々な選択肢を奪っていることに気が付きます。
マンション価格は既にピークアウト
『自宅は資産になるけど、賃貸は何も残らないじゃないか』
持ち家派の決めセリフです。
ただ、残念ながら『これから自宅を購入しても、資産にならない可能性が高い』です。
資産になるどころか、資産よりも負債(借金)が多い債務超過状態になる可能性が高いと思います。
つまり、持ち家を売却しようとしても、残債よりも低い価格でしか売れないという状況です。
2013年のアベノミクス以来、日本の不動産価格は右肩上がりで上昇してきました。
しかし最近になって不動産価格が頭打ちになってきました。
都心では新築マンションの平均価格が8,000万円を超えています。
もはや会社員が買える価格ではありません。
その証拠に、東京のマンション価格は2019年10月以降、2ヶ月連続で下落に転じました。
不動産価格は今後徐々に下落を続けていくと思います。
そして、次のリーマン・ショックが来た時に、ドーンと価格が下がるはずです。
今、間違いなく日本の不動産価格はピークです。
既にピークアウトしているかもしれません。
そのため、これから自宅を購入する場合は、価値が徐々に下落していくことを覚悟する必要があります。
多くの人がこれまで、無理をしてローンを組み、持ち家を買い求めてきた最大の理由は、土地の価格が右肩上がりで、若い頃に無理をしてでも購入しておけば、確実な資産形成になったからです。
不動産神話が続いていた時代ならともかく、市況がどんどん下がっている現状では、古くなった家はたとえ売れても残債が残る確率が極めて高いです。
そうなれば、自宅を売って、再び賃貸に移った後もローンを払い続けなければなりません。
今後値下がりする可能性のある高額な自宅を購入するのは経済合理性があるとは言えないでしょう。
天災リスク
地球温暖化の影響から最近、日本では大雨・洪水被害が多発しています。
2019年の台風19号による被害で武蔵小杉のタワーマンションが浸水したのは記憶に新しいですね。
1階部分に浸水したせいで、地下にある配電盤がショートし、停電や断水が起きてしまいました。
今でも地下にある駐車場は利用できないそうです。
武蔵小杉のタワーマンションは今回の浸水被害で大きく資産価値が下落したと言われています。
台風による浸水被害はマンションを賃貸したり、売却する際に必ず重要事項として説明する義務があります。
今後も大雨の度に、浸水しないかビクビクしないといけないようなマンションは相場よりも相当安くないと借り手や買い手が見つからないと思います。
世界規模で見れば、地球温暖化は今後も進行します。
そのため、大雨のリスクはより高まると言われています。
また、日本では常に地震のリスクと隣り合わせです。
万が一、地震で建物が倒壊したら甚大な被害が出てしまいます。
持ち家には地震保険をかけることができますが、建物が全壊した場合でも最大半分しか保険金を受け取ることができません。
それに地震保険は毎年値上がりしています。
このように天災リスクを考えると、持ち家より賃貸の方が気軽なのは間違いないですね。
まとめ
以上のように、自宅を購入することには、様々なデメリットがあります。
- 転職が当たり前の世の中であり、住む場所が変わる可能性が高い
- 給料が今後も増えない中、高額な住宅ローン返済は負担になる
- 人生の可能性を狭める
- マンション価格は既にピークアウトしているため、持ち家は資産にならない
- 天災リスクが高い
一方で、賃貸には次のようなメリットがあります。
- どこにでも気軽に引っ越すことができる
- 家賃の安い地域に引っ越すことで、生活コストを下げることができる
一言でいうと、賃貸のほうが人生の自由度が高いと言えます。
土地神話が崩壊した今、多大なリスクを抱えて僕たち庶民が持ち家を持つ選択をする必要性はほとんどないように思えます。
「自宅を持って初めて一人前」といった旧態依然とした価値観はこの先、どんどんなくなるでしょう。
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