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利回りが意味を持たない世界で生き抜く方法

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不動産投資で一番大切な指標って何だと思いますか。

『そりゃ、利回りに決まっているだろ!』

このように考える人も多いと思います。

実際に僕もそう思っていました。

もちろん、利回り以外にも積算価値や実勢土地値とかも気にします。

だけど、物件を評価するための一番大切な指標は何かと聞かれたら、やはり『利回り』をあげると思います。

今までは。

ところが、ここにきて利回りがあまり意味をもたない世界がやってきました。

別の言い方をすると、不動産投資というゲームのルールが変わってきたのですね。

今回はこちらを掘り下げていきます。

インフレがやってきた

日本はバブル崩壊してからずーっとデフレが続いていました。

それが、アベノミクスによって徐々にデフレの波が収まってきて、コロナの終息とともに完全にインフレに転換しました。

日本にとってインフレは最近のことなのですが、世界を見渡すとずーっとインフレなんですよね。

というより、資本主義を採用する以上、経済は成長し続けます。

もちろんリーマンショックみたいに一時的に景気が下降することはありますが、長期的に見ると経済は成長し続けます。

これは資本主義の宿命です。

経済が成長すると、物価は上がり、給料も上がります。

いわゆるインフレです。

コロナ終息をきっかけとして、日本もようやくインフレ時代に戻りました。

日銀が目指してきた年率2%の物価上昇も達成し、今では物価上昇率は2%後半となっています。

僕たちの身近なモノの値段も上がってますよね。

食料品や外食費にいたってはコロナ前に比べると30%くらい上がってる気がします。

コロナ前は生ビール一杯500円以下がスタンダートでしたが、今は生ビール一杯650円くらいしますよね。

ちょっと高級な居酒屋だと一杯800円くらいします。

不動産価格はもっと上がっている

モノの価格が上がると、不動産価格も上がります。

都市部では、モノの価格以上に不動産価格が上がってますよね。

代表例が東京のマンションです。

東京23区の中古マンション価格は直近5年間で35%値上がりしています。

都心のタワマンに限っていうと、直近5年間で2倍くらいに値上がりしてます。

区分マンション以外の一棟モノについても不動産価格は上がってます。

僕がメインの投資対象としている東京城南地区(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)では着実に一棟モノの価格が上がっています。

例えば僕が不動産投資を始めた2012年頃は城南地区のアパート・マンションの平均利回りは7-8%程度でした。

東急目黒線の武蔵小山駅徒歩5分で、築7年の木造アパートが利回り7%で売ってました。

こちらの物件を買おうとして銀行に融資を相談したところ、『こんな低い利回りの物件買ってどうするんですか?』と当時の支店長に怒られた記憶があります。

今の城南地区の一棟アパート・マンションの平均利回りは4-5%程度です。

土地が整形地で公道に面してたりすると、中古でも利回り3%台なんていうことも珍しくありません。

つまり、不動産価格はガンガン上がっているわけです。

10年前の武蔵小山、利回り7%アパートは支店長の反対を押し切ってでも買っておくべきでした。

金利は上昇

一方で、貸出金利は上昇し続けています。

2024年の3月に日銀がマイナス金利を解除しました。

それ以降、金利は順調に上昇しています。

金融機関も日銀の利上げにあわせて、僕たち不動産投資家向けへの貸し出し金利も上げてきています。

僕は現在3行とお付き合いがありますが、どの銀行も+0.15%分の金利を上げてきました。

日銀の利上げ前は、ある程度の実績がある不動産投資家ですと、地銀から金利1%以下で融資を調達できていましたが、今は難しいです。

今は地銀から借りるとしても、金利は1%中~後半になっています。

利回りが低くても、不動産が売れる理由

このように不動産の利回りは低下する一方で、金利は上昇しています。

そうなると、不動産投資でのキャッシュフローがどんどん少なくなってきます。

利回りが低下するということは物件価格に対して家賃が少ないことを意味します。

金利が上昇するということは、返済金額が増えます。

キャッシュフローは『家賃ー借入返済額』で求められるため、少なくなるのは当然です。

例えば、今都内城南地区で利回り4%の物件を買って、金利1.5%、借入期間30年でフルローン融資を受けると毎月のキャッシュフローはマイナスです。

『キャッシュフローがマイナスな物件なんて売れるはずがない』

そう思いますよね。

だって、満室で保有し続けても、毎月現金が減っていくわけですよ。

これで空室が出たり、リフォームしたらもっと現金が減ります。

賃貸経営はまったく成り立ちません。

僕もキャッシュフローがマイナスな物件なんてほしくありません。

そんな物件売れないですよね?

ところが、売れちゃってるのです。

売れているから利回りが低くなっているともいえます。

キャッシュフローがマイナスでも不動産が売れるのはなぜか?

それは、毎年不動産価格が上昇して、将来売却する時に多額のキャピタルゲインが得られるからなのですね。

例えば、今から10年前に都心に新築マンションを1億円で購入したとします。

10年間の間、賃貸に出して、利回り3%で回しました。

10年たった今、その物件を売却しようとすると2億円で売れます。

単純な売却益は1億円です。

一方で保有していた10年間の家賃収入は合計で3,000万円です。

売却益1億円と比較すると、家賃収入3,000万円はとても少なく見えますよね。

もっといえば、家賃収入がゼロでも10年後に売却益が1億円でるのなら投資としては成り立つと思いませんか。

インフレ時代では、モノ(不動産)の価格は上昇し続けます。

つまり、将来的に高値で売却して多くのキャピタルゲインを得ることができます。

インカムゲイン(家賃収入)はあくまでもオマケなのです。

これが、利回りが低くても不動産が売れる理由です。

みんな、将来のキャピタルゲインを期待して不動産を買うのです。

誰もインカムゲイン(家賃収入)を気にしなくなりました。

この傾向は世界中の主要都市で同じです。

例えばニューヨークのマンションの利回りは3%程度といわれています。

一方で金利は6%以上します。

つまり融資を受けてニューヨークのマンションを買うと毎月のキャッシュフローは大幅に赤字です。

毎月多額の持ち出しが発生します。

それでも、ニューヨークのマンションは売れています。

日本はまだ金利は1%台ですので、利回りが3%でも借入期間を35年に延ばせばキャッシュフローがトントンになることも可能です。

そう考えると、日本の不動産価格にはまだまだ上がる余地があるといえます。

不動産投資のルールが変わった

不動産価格の上昇ほどには、家賃は上がりません。

特に日本では借地借家法が存在するため、既存家賃を上げることは極めて困難です。

そのため、利回りは更に下がるでしょう。

一方で、インフレが続く限り、日銀は利上げを継続します。

すると貸し出し金利も上昇します。

キャッシュフローはますます減っていきます。

今後は、マイナスのキャッシュフローを抱えながら物件を保有することも珍しくなくなると思います。

実際に、都心の区分マンション投資では、毎月の持ち出しがあるのは当たり前になってますし。

このような状況になると、家賃収入(インカムゲイン)を狙った不動産投資はもはや成り立たなくなります。

特に東京や大阪といった都市部では絶対に成り立ちません。

では、どうすればよいか。

それは、売却益(キャピタルゲイン)を狙って不動産投資を行う必要がでてくるわけです。

今後はキャッシュフローギリギリで保有しつつ、物件の値上がりを待つ。

そしてある程度値上がりしたら、売却でキャピタルゲインを確保する。

都市部ではこのような儲け方が主流になると思います。

今までのような家賃収入(インカムゲイン)狙いの不動産投資を行いたければ、都市部を離れて地方に行く必要が出てくるでしょう。

ただし、地方は人口減少という大きな逆境を迎えます。

家賃は今以上に下落する可能性が高いです。

更に、建築費やリフォーム費用は上がり続けるので、運営コストは上がり続けます。

そのため、将来の家賃下落と運営コスト上昇を耐えれるくらい、物件を安く購入する必要があります。

これは地方に根ざして、地元不動産業者とコネクションを持つ投資家でないと厳しいでしょう。

僕のように東京に住みながら、見ず知らずの地方で割安な物件を購入することは難しいと思います。

売却で儲けることができる物件を選ぶ

都市部で不動産投資を行うのであれば、今後は家賃収入(インカムゲイン)よりも売却益(キャピタルゲイン)の比重が高くなります。

このキャピタルゲイン狙いの投資はインカムゲイン狙いに比べるとリスクとリターンが大きくなります。

難易度は各段に上がることを覚悟しないといけません。

それだけのリスクを取りたくない人は、このゲームに参加しないのも手だと思います。

景気には波はあるので、どこかでリーマンショックのように不動産価格が下落するタイミングが来ます。

そのような買い場が来るまでお休みするというのも、立派な戦略です。

一方で、やはりバッターボックスに立ち続けたいと思うのであれば、キャピタルゲインを狙っていくしかありません。

キャピタルゲイン狙いの投資は、不動産の買取再販業と同じです。

つまり、プロの不動産業者と対等に渡り合う必要が出てきます。

この動きを見越して、不動産投資家の中には宅建業者成りする人も増えてきました。

こうなると不動産投資家ではなく、不動産業者として戦うことになります。

当然、求められる知識や能力は桁違いに高くなります。

家賃収入(インカムゲイン)狙いという不動産投資ゲームを降りるのか、それともプロとしてバッターボックスに立ち続けてキャピタルゲインを狙うのか。

僕たち不動産投資家には厳しい判断が求められています。

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