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S銀行融資を受けて不動産投資する際の注意点

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昨今、アパートの空室率はあがっているけれども、地方銀行を中心として、アパートローンの残高は急激に増加している。アパートローンを取扱う地方銀行の中でもS銀行は非常に特色のある銀行として有名だ。今回はS銀行を使う時の注意点を述べていきたい。

S銀行の特色

まず、S銀行の特色を挙げてみたい。勉強家の多い読者のことだから、実名を出さなくても直ぐにどの銀行か分かるだろう。

  1. 法定耐用年数を超えて、長期の融資をしてくれる。70年ー築年数で計算してくれるため、例えば築20年の木造であっても、35年ローンが組めたりする。
  2. フルローンが可能なことが多い。諸費用さえ準備できればフルローンでも対応してくれることが多い。
  3. 対応エリアは関東・名古屋が中心。意外にも対応エリアは関東近郊や名古屋がメインとなっている。例外的に仙台や福岡といった地方主要都市での融資が認められることがあるが、フルローンは難しいことが多い。
  4. 金利が高い。これは有名だが4.5%くらいが平均的な金利水準である。
  5. 再建築不可は融資対象外。不動産投資にとても寛容なS銀行だが、さすがに再建築不可までは対象にしない。この場合、M&Fを使うしか無い。

S銀行を使うメリット

S銀行を使うメリットはズバリ、関東や名古屋近郊の築古物件に融資をしてくれる唯一無二の銀行ということだ。通常の地方銀行だと耐用年数以内でしか融資をしてくれないことが多い。信用金庫は耐用年数をオーバーしても融資してくれることがあるが、営業エリアが狭い。近所で物件を購入する場合は有効なのだが、遠方の物件を購入する際には使えない。例えば、ニーズの多い東京の投資家が栃木や群馬の物件を購入する際には信用金庫は無理で、どうしてもS銀行に頼らざるをえない。

また、S銀行は長期の融資を組んでくれる。築古でも30-35年くらい融資期間を設定してくれる。そのため、金利は高いけれどもキャッシュフローは比較的出ることが多い。キャッシュフローが出れば、賃貸経営はやりやすくなる。この点でも、初心者には有り難い存在だ。

S銀行を使うデメリット

まず、金利が高い!ことがあげられる。金利4.5%といえば、東京で言うと城南エリアの優良物件の利回りとほぼ同じだ。そのため、相当の高利回り物件でないとS銀行の金利負担に耐えることはできない。また、仮に4.5%の高金利を賄えるだけの高利回り物件を購入できたとしても、もう一つのリスクがある。それは債務超過だ。S銀行は独自の審査ルールを持っているため、不動産の物件価値を高く評価してくれる。ただ、他の都市銀行や地方銀行の審査ルールでみなすとS銀行で購入した地方高利回り物件は債務超過とみなされるリスクが非常に高い。そのため、一旦S銀行で物件を購入すると、他の銀行では債務超過とみなされて新規の借り入れができなくなる。つまり、規模を拡大するためにはS銀行を使い続けるしか無い。

また、高金利で借り入れ期間が長期ということは、元本の返済が進まないということだ。数年物件を所有してから、売却しようとしても残債が減っていないことが多い。そのため、売却できても売却益がほとんど出ないケースもありえる。その代わり、その分キャッシュフローが黒字になっているはずだから、しっかりと貯金しておく必要がある。

S銀行にまつわる都市伝説

よくある都市伝説というか、いい加減な不動産の営業マンが良く言うセールストークが次の通りだ。

  • S銀行で一旦借りて購入し、1年程度運営したら金利の安い地方銀行に借り換えできる
  • 借り換えしなくても、1年経てばS銀行と交渉すれば、金利が3%に引き下がる。

だから、多少金利が高くても、S銀行を使うメリットがあるのだと。

色んな大家仲間からヒアリングした経験からすると、まず、S銀行でローンを組んでからその後、地方銀行に借り換えできるケースはほとんど無い。S銀行のアパートローンは、独自の審査基準により他の金融機関よりもk評価額が高く、返済期間も長めに取れるため、借り換えできるケースはほとんど無いのが実情だ。

また、借り換えをちらつかせながら、S銀行と金利引下げ交渉を行っても失敗することが多い。S銀行のアパートローンは他の金融機関が容易のまねできない差別化された商品であり、金利は高い代わりに利便性が高く、独自性のある商品だ。S銀行も自行の優位性を嫌というほど認識している。借り換えできないのを良く知っているため、金利引下げには応じない。

ただ、念のため言うと、僕の大家仲間の中でもS銀行から地方銀行に借り換えを成功し、金利も4.5%から1.0%に引き下げた人も少数だがいる。ただ、そのような人は他に優良物件を保有して資産状況が良く、しかも高属性のサラリーマンであることがほとんどだ。年収が数百万円にしか満たない普通のサラリーマンが真似をしようとするとやけどする。

まとめ

S銀行にはメリットもデメリットもあるのが事実だ。僕自身はS銀行の融資モデルは良く考え抜かれた優れたものだと思っている。ただ、一般に考えられているように万人向けのローンではないというのが僕の感想だ。高い金利負担にも耐えられる高利回り物件を購入でき、更に債務超過にならないだけの金融資産を持っている人向けだと思う。上手に使っていきたいと思う。

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