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新築アパート建設ラッシュ 地方のほうが加速している

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皆良く知ってる通り、貸家、いわゆる新築アパートの建設ラッシュは健在だ。2016年の全国の新設住宅着工戸数によると、「貸家」は41万8543戸で、前年比10.5%増と大きく伸びた。貸家が40万戸を超えるのは実に8年ぶりのことだ。

いったい、いつまで貸家の増加は続くんだろうね。これだけ新築アパートの空室増加がニュースでも度々取り上げられているのに、貸家が増えているのは、正直わからない。それだけ、アパート建設会社の営業マンが優秀なのか? それとも、単に日本人は欲深いのか? まあ後者である可能性が高いと僕は見ている。

日本のどこで新築アパートが増えている?

さて、ここまでは良く知れ渡っている事実なのだが、僕は新たな事実を発見した。実は、貸家が伸びているエリアには偏りがあるのだ。

まず、広い範囲のエリアを比較してみよう。前年比では、首都圏が10.1%、中部圏で9.6%、近畿圏で9.5%と似たような伸び率を示している。これを見ると、それなりの経済規模をもっているエリアでは、どこも似たような増加率ということがわかる。では、経済規模が劣るその他の地方はどんな状況だろうか。

その他の地方:11.5%増

あれ、都市部よりも地方のほうがアパートが増えている? 地方のほうが人口減少は深刻なはずなのに。。

地方で爆発的に増える新築アパート

前年比で伸び率の高い順に紹介すると、長野(36.8%)、富山(36.7%)、徳島(32.4%)、福島(30.7%)、新潟(27.4%)となっている。福島は復興を目指す人達の入居ニーズがあるため、高くなっているのは分かる気もするが。ただ、福島以外にも同じ復興ニーズのある宮城県が入っていない。そのため、復興ニーズの影響とはシンプルに言えそうにない。ほかの県にいたっては基本的に人口が減少しているエリアである。貸家に住む若年層が増えているとは思えない。

銀行のせい?

では、どうして人口減少の進む地方のほうがアパート新築が進んでいるのだろうか。おそらくこの背後に不動産向け融資を積極化している銀行の存在があると思う。都市部では、元気な企業が存在するため、銀行は企業向け貸出で収益を上げることができる。しかし一方で地方では企業の活力が失われてきている。特に農業、漁業といった一次産業は後継者不足等を理由に、廃業が相次いでいる。地方ではどんどんと企業の数自体が少なくなっているため、銀行も貸出先を探すのに苦労している。そんな中、比較的簡単に融資できるのが、不動産である。地方にも地主はたくさんいるため、貸出先確保に苦労している地方銀行・信用金庫が退去として地主に営業攻勢をかけていると聞く。人間とは欲に弱いものだ。農地を保有していても、一円にもならないが、アパートを立てれば不労所得が入ってくる(と思わせる)。介護費用が急激に上昇している中、少しでも老後の収入を増やそうと考える多くの地主がいても不思議ではない。こうして、銀行に勧められるがままに地方の地主がアパートを建設しているのだ。

せめてリスクを把握してほしい

賃貸経営などしたことの無い地主(多くは歴代の農家)が、30年などの長期間一括借り上げといった建築メーカーの口車に乗せられず、しっかりと自分で収益計算をしてほしい。そして、リスクも理解してほしい。建物が古くなり、競争が激しくなれば空室が常態化し、家賃の引き下げや高額なリノベーション費用を求められる。それを拒めば一括借り上げの契約解除になるだけだ。それまで、管理会社に丸投げの大家はどうすれば賃貸経営を立て直せばよいかわからないだろう。い。賃貸経営は簡単には儲かりませんよ、と声を大にしていいたい。

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