首都圏のアパート空室率が30%を超えてから久しい。
もはや空室は郊外の物件だけに当てはまるものではない。
残念なことだが、日本の首都東京でも空室率は30%を超えている。
にも関わらずアパートの新設ラッシュはとどまることを知らない。
今回は、僕が身近に感じた空室率悪化の体験を報告したい。
都内城南エリアでも空室期間が長期化
僕の主要投資エリアであると共に居住エリアでもある武蔵小山。
最近駅前を大規模に再開発していることから、注目度が集まっている。
日本一長いパルム商店街があることからも、知っている人も多いだろう。
目黒から2駅5分と、都心からのアクセスが良い割に、昔ながらの商店街がしっかりと活気づいている。
土日にパルム商店街に足を運べば、ここは原宿か?と思えるほどに賑わいを見せている。
老若男女問わずだ。近隣には、都内屈指の大きさを誇る林試の森公園が立地し、ムサコの子供たちやお年寄りの憩いの場になっている。
そんな武蔵小山は東急目黒線沿線でも屈指の賃貸人気スポットである。
僕自身ムサコで賃貸業を営んでいるが、最近空室率が悪化してきているのを肌で感じる。
例えば、僕の物件近くの次のスペックのアパートを紹介しよう。
- 東急目黒線 武蔵小山駅徒歩5分
- 築10年の木造アパート
- 間取:1K(全て20m2超のバス・トイレ別)
- 日当たり良し。
これだけ見ると、競争力が相当高そうな物件に見える。
現に、5年ほど前まではこのアパートの空室を見かけることはほとんど無かった。
それが、ここ1年ほど2部屋が常に空室という状態だ(空室率20%)。
たまに、空室が埋まるのを見かけるが、平均して、6ヶ月間以上は空室であることが多い。
今も2部屋空いているのだが、そのうちの1部屋は1年以上空室を続けている。
賃貸物件検索サイトで見る限り、募集家賃もそれほど高くなく、部屋もアクセントクロス等を使用して、小奇麗にしている。
それでも空室が埋まらない。埋まっても、すぐに退去が出てしまう。
僕が空室率の悪化を体感しているのは、この物件だけではない。
近隣のアパートの空室率はざっと平均しても20%程度あると思う。
いずれも東急目黒線各駅の徒歩5分圏内の立地である。
地元の不動産管理会社に聞くところ、空室率は30%を超える物件も多いようだ。
城南エリアに物件を持っていても、満室経営は確実に難しくなってきている。
首都圏近郊では更に悪化
最近の利回り悪化に伴い、僕は最近、首都圏近郊でも物件を探している。
しかし、物件を観ればみるほど、購入するのにためらいが出てきた。
千葉県、京成沿線の八千代台駅。今後の人口増加予想が良く、成田空港も近い立地で注目しているため、八千代台を訪問した。
徒歩10分程度の物件に的を絞って5件ほど見学したのだが、一つも満室の物件は無かった。
平均して空室率は20%を超えている。
首都圏近郊の物件は、駅近の物件は少ない。
そのため、基本的に徒歩10分以内であれば、競争力は高いはずなのだが、それでも20%は空室だ。
最近、ハウスメーカーがアパートを乱立している駅徒歩20分圏内のエリアでは、古いアパートは軒並み空室率は50%程度をマークしている。
ライバルである新築アパートに如実に顧客を取られていることが分かる。
基本的に首都圏近郊は、都心に比べると2%程度利回りが良いが、それだけ土地の価格下落は激しい。
昨今の不動産上昇の影響から価格は一時的に横ばいをキープしているが、バブル崩壊からリーマンショック後まで一貫して土地の値段は下がり続けている。
今後、この好景気が終了した場合、下落率は一層激しいだろう。
これからの不動産賃貸業はどうすべきか?
このような空室率の未曾有の悪化の現状を踏まえ、僕たち不動産投資家はどのように対処していったらよいだろうか。
まず、賃貸経営が厳しいという現実を直視することが必要だ。
物件を所有していて、何の対策も取らなければ、東京であっても空室率が30%を超えてくる。
そのためには、経営努力が必要になる。
経営努力のやり方は色々とあるのだが、一番効果的且つ即効性のあるのは、やはり家賃の値下げである。
値下げなんて、誰でも思いつくわ、アホ!と叱られそうだが、これが一番だ。
僕自身、リフォーム、モデルルーム化、インターネット無料、仲介会社との飲み会と色々と経営努力をしてみたが、
やはり値下げほど即効性がある対策はない。
ただ、この値下げという対策はとれる人が限られる。
つまり、余裕のあるキャッシュフローを確保している投資家だけが実施できる対策となる。
キャッシュフローを潤沢に確保するためには、物件を安く購入するか、キャッシュを沢山入れて購入するしかない。
つまり、入り口がとても重要となる。
今後、家賃の下落は避けられない。
この好景気が終われば、大幅に下落するだろう。
その時にライバル達に先んじて、「家賃の値下げ」という手段を発動できるように、キャッシュフローの改善を進めていきたいと思う。
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