僕が所有している物件は全て住宅用(レジ)だ。商業テナント・ビルで成功している大家さんもいるので、いつかは僕も挑戦したいと思ったりもするが、やはり踏み切れずにいる。今回は、何故、僕が商業テナント・ビルを敬遠しているかの理由を説明したい。
本場アメリカのショッピングモールに人がこない
最近、アメリカでショッピングモールが格安で売られている。中には1万円で売りに出されているものもあると聞くので驚きだ。なぜ、そうなのかというと、ショッピングモールから退去するテナントが相次いでいるからだ。数年前まで、アメリカのショッピングモールに行けば、多くの家族連れ、カップルで大賑わいというのが当たり前だった。アメリカのショッピングモールは日本に比べて非常に規模が大きく、地図無しにはとても歩けない。まず、ショッピングモールを訪れて最初にすることはインフォメーションセンターに行って地図とクーポンをもらうことだ。それから、自分が見て回るルートを熟考する。とてもじゃないが一日で回り尽くすことはできない。それほど巨大なのだ。その巨大なモールが人で大勢賑わっているというのが当たり前だった。モール=レジャーだったのだ。それが、最近どのモールにいってもそんなに勢いが無い。お客さんが少ないのだ。確かにモールに人が来なくなっているらしい。
ネット通販の隆盛
では、何故モールに人が来なくなっているかというと、ネット通販で買い物を済ませてしまっている人が多くなっているのだ。アマゾンを代表とする大手ネット通販サイトに行けば、大抵のものは手に入る。わざわざモールにまで出かけなくてもワンクリックで商品を購入し、すぐに家に届けてもらえる。最近宅配サービスが充実化していることで、ネット通販の利便性が高まっている。それと同時に多くの消費者がリアル店舗での買い物から、ネット通販へと流れているのだ。そのため、衣料品のアパレル等が、今まではショッピングモールに出店していたのを次々と取りやめ、ネット通販に力を入れている。ネット通販であれば、家賃も必要ないし、店員もいらない。お客様のエリアを限定する必要もない。つまり格段に費用対効果が高いのだ。本田 直之さん流に言うと、レバレッジを効かせられるのだ。
日本の商業テナントニーズも減っている
ネット通販の隆盛状況は日本も同じだ。あまりにネット通販が流行っているため、配達員が不足し社会現象にまでなっているくらいだ。そんな中、多くの人はネットでの購買ですませてしまい、リアルな場所に買い物に行くという行為をしなくなっている。その結果、リアル店舗=テナントビルのニーズが減ってきているのだ。その代表例は本屋さんだ。昔はどんな小さな商店街にも本屋は数件あった。それが現在、本屋さんが無い商店街も珍しくない。アマゾンで書籍を購入するのが当たり前になった今、本屋さんの存在価値は相対的に低くなってきている。今後は、洋服屋さんやアパレル店舗も通販が主流になっていくと思う。現に、僕の周りの若者たちの間では、スーツから普段着まで全て通販で済ませるというのはもはや常識になっている。特に地方の若者の中でその動きが顕著だ。ネット通販であれば、最新の流行の洋服を地方でも手に入れることができる。よって、大部分の物販系のテナントニーズは今後大幅に縮小していくのではないか。
今後必要なのは、飲食店等のサービス業系のテナント
ただ、唯一無くならないテナントニーズもある。それはサービス業系のテナントだ。物販と違い、サービスは店舗でしか受けられないという特性を持っている。代表的なのが飲食店や美容院、整骨院だ。そのため、最近僕の住む街の商店街でも、空きテナントに入るのは飲食店、整骨院、歯医医院、美容院のどれかであることが多い。ただ、サービス業向けの店舗はそれなりのスペースが必要になる。こじんまりとした物販ができていたテナントの中には、サービス業が入れないとことも多いだろう。また、ラーメン等の重飲食ができる店舗は限られている。そのため、今後、商業テナント系の賃貸経営を行うのであれば、サービス業が入れる店舗というのが条件になるだろう。
まとめ
衣料品を代表とする物販系のテナントは今後は厳しい状況になると思う。ただ、商業系テナントの全てが難しいというわけではない。知り合いの大家さんでも商業系テナントで高い利回りを実現している人も少なくない。しっかりと市場ニーズの変化をつかむ努力を続けながら、引き続き商業系テナントも狙っていきたいと思う。
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