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首都圏の賃貸物件成約数(12月)、前年同月比10か月連続減。

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不動産情報サービスのアットホーム株式会社が2016年12月期の賃貸物件の成約数・成約賃料について発表した。いずれも不動産投資家にとっては厳しい内容になっている。順番に見ていこう。

成約数:東京23区は同10か月連続減

12月の首都圏の居住用賃貸物件成約数は合計16,603件となり、前年同月比5.3%減少し10か月連続のマイナスになった。新築アパートの建設はとどまるところをしらないが、賃貸マーケットは確実に厳しくなってきている。特に 東京23区が足をひっぱっており、マンション・アパートともに不調で同10か月連続減となっている。日本でもっとも人口の流入が多い東京都23区で、賃貸成約数が減少しているというのは変に思うかもしれないが、消費者の景気が悪くなりそもそもの住み替え・引越しをためらっているのかもしれない。埼玉県は同6か月連続減となっている。唯一神奈川では、アパートのニーズが高まり同1年2か月ぶりに増加に転じたようだ。神奈川と言えば、首都圏でも新築アパートの競争がし烈な地域である。新築アパートの増加にともない、新築を好む消費者が神奈川に移り住んだともとれる。そのため、成約数が上昇したのかもしれない。

 

マンションの1戸あたり平均賃料は、新築が同4か月連続下落、中古は同6か月連続下落したようだ。新築マンション・アパート建築ラッシュの影響が顕著になってきた。明らかに需要に対して供給が多く、賃貸市場では明らかに借り手優位な状況になっている。そのため、家賃も下落傾向にある。一般的に言えば、新築が増えれば、平均賃料は上昇する。中古よりも、新築の方が家賃が高いのが一般的だからだ。それが、最近は新築が増えているにも関わらず平均賃料が下落している。その理由は、家賃が中古よりも安い狭小マンション・アパートの供給が増えているからだ。新築時こそ、そこそこ高い値段で貸せても、中古になった瞬間に大幅な家賃下落は避けられない。そう考えると、将来的な平均賃料の下落は今後一層加速すると思われる。

まとめ

相変わらず賃貸マーケットの苦戦が続いている。今年の3月は、これまでにないほど大量の新築マンション・アパートの竣工が予定されている。大手のアパートメーカーも焦りを感じており、既に礼金・敷金ゼロの新築物件の募集が始まっている。中にはフリーレントをつけている新築物件もある。しっかりと賃貸マーケットの動きを見極めながら、現実的な募集条件を設定し、繁忙期を乗り切りたいと思う。

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