こんにちはJOJOです!
以前、NHKクローズアップ現代で、奨学金が返済できない若者が増えていることが取り上げられていました。
日本学生支援機構(奨学金の提供団体)では、132万人の奨学金返済者がいるそうです。
そのうち、24%の32万人の滞納者がいるとのこと。
通常のローンでは考えられない滞納者の割合ですね。
民間の事業者がローンを提供していたら、とっくにその会社は倒産しています。
滞納するの理由の多くは経済的に厳しいから
滞納する理由の多くは、経済的に返済するのが難しいから。
学生の時には、大学を卒業さえすれば安定的に給料が稼げて奨学金の返済ができると考える人も多いでしょう。
でも、実際は就職しても給料が少なかったり、非正規だったりするとそもそも生活が安定しないケースも多い。
奨学金の借入額は4年間の大学生活だと約400万円くらい。
そのため、毎月の返済金額は4万円超になるとのことです。
20代前半で毎月4万円の返済って厳しいですよね。
僕自身を振り返ってみても、大学卒業後、就職してから数年は経済的に余裕は無かったです。
まあ、毎日のように同僚や友達と飲み歩いていたのが悪いのですが(笑)、毎月の給料では生活費が賄えず、ボーナスで補てんしてました。
会社の寮に住んでいたので、家賃がかからず何とか生活できていましたが、これで毎月4万円も奨学金の返済があったとしたら、やっぱりやっていけないですね。
大家にとっても、奨学金の返済負担は大きな問題
奨学金の返済負担は大家業にも影響あるんですね。
世の中にある賃貸物件のほとんどが一人暮らしの若者をターゲットにしたもの。
つまり、奨学金を返済している若い社会人は大家にとって一番大切なお客様なんです。
当然、奨学金の返済負担がのしかかれば、入居者様の生活が苦しくなります。
食費を削るのは限界があるので、削るとしたらやっぱり家賃になります。
そのため、こうして若者の給料が増えず、奨学金の返済が増え続ければ、家賃の支払いだってきつくなりますよね。
生活が苦しい若者はより安い家賃を求めることになります。
つまり、大家にとっては家賃下落リスクが高まるということ。
そう考えると、奨学金問題は、大家としても見過ごせないですね。
奨学金を滞納すると、賃貸に住めない
しかも、奨学金の滞納は、借りている人の社会的信用を一気に毀損する可能性があります。
つまり、奨学金の返済が3ヵ月滞納すると、個人信用情報機関にデータが登録されちゃいます。
いわゆるブラックリストというやつですね。
このブラックリストは実は、金融機関の間では広く共有されています。
そのため、クレジットカードが作れなくなるだけでなく、賃貸の保証会社に加入もできなくなるんですね。
すると、保証人がいない人は賃貸物件に住むことすらできなくなる。
最近、保証人になるのを嫌がる人も多いので、これは本当に困ったことじゃないかな。
保証人も保証会社への加入もどちらもできない人は、格安シェアハウスや漫画喫茶に泊まるしかない。
大家にとってみれば、貴重なお客様が減るということ。
問題は、給料の高い仕事につくのが難しいということ
そもそも奨学金の滞納が増えている背景には、大学を卒業しても、安定して、かつ所得水準の高い仕事につける人が少なくなっていることがあります。
最近、ようやく人手不足で非正規社員の賃金が上がってきていますけど、それでも年収300万円くらいの仕事がゴロゴロあるわけです。
クローズアップ現代で取り上げられた保育士さんを例にあげると、卒業後保育士として働いていても、手取りで14万円程度とのこと。
これじゃあ、都内で一人暮らしするのは無理ですよね。
保育士さんってとてもハードなお仕事。
自分の子どもでも土日連続で面倒を見ていると疲れちゃうのに、他人の子どもを預かるわけです。
そんな保育士さんが年収300万円にもいかないというのは、やっぱりおかしい。
やっぱり社会全体として賃金を上げていくことが求められますね。
安倍政権が給与の上昇を目標に掲げていますが、本当に重要な課題。
安定して、十分なお金が稼げる仕事があって初めて人は住居にお金をかけるようになります。
大家にとっても雇用・給与問題はとても重要です。
家賃の低い格安物件を運営すれば良いんじゃね?とは思わない
経済的に困窮する入居者が増えくれば、格安シェアハウスや狭小アパート等の低価格・低スペック物件へのニーズが増えてきます。
いわゆる安かろう、悪かろう物件ですね。
大家業としては、社会の変化を見越して、そのような物件を積極的に運営することで、儲けることができるかもしれない。
でも、格安シェアハウスや狭小アパートが入居者に幸せをもたらすでしょうか?
僕もシェアハウスや狭小アパートを見学したことがあるのですが、一人当たりの住むスペースは本当に限られてます。
ベッドが置くスペースが無い物件も少なくないです(この場合、ロフトで寝れるようになってますが)。
そのような物件で仮に収益を上げることができたとしても、入居者様の幸せに繋がるのかなと。
これからの社会は、本質的な価値を提供できる事業者じゃないと生き残れないと思います。
なので、お客様が幸せを感じれない物件を提供しても、ゆくゆくは立ち行かなくなるんじゃないか。
大家にも担うべき社会的役割がある
大家も立派な仕事です。
ということは、やっぱり社会的に意義のある役割を担わないといけないのですね。
それは、入居者様に安全で、快適な住まいを提供すること。
そうやって社会に貢献することが大家の責務。
お金儲けだけを考える大家はいずれ淘汰されると思うんですね。
やっぱり、入居者に付加価値を提供しないといけない。
知り合いの大家さんは自分の物件に、図書スペースを用意しました。
入居者である学生が就職活動に必要な情報収集や、卒業論文の作成に使えることを目的としたらしい。
このように大家が単純に寝るところとしての住居を超えた付加価値を入居者様に提供することはとても大事。
もっと言えば、大家は入居者様の就職活動相談や、転職活動相談に乗ることもできるかもしれない。
実際に、僕は学生の入居者様からの就職活動の相談に乗ったことがあります。
その入居者様は就職が決まって、もっと条件の良い物件に移転していったけど、大家としては温かい気持ちで送り出すことができました。
単純に、入居者の方が幸せになってくれる姿を見るのは嬉しいですよね。
入居者様がより良い経済生活を送ることができるようにサポートするのも大家の仕事のうちだと感じます。
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