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土地から新築失敗談パート2 設計ミスが発覚!

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現在、新築アパート建築プロジェクトを進行しています。

建売の新築を購入するのではなく、自分で土地を見つけ、設計士にプランを入れてもらい、工務店に施工を発注するという『土地から新築』手法にチャレンジしております。

ただ、この『土地から新築』手法ではある程度のトラブルは覚悟しないといけません。

実際に僕の現在の新築プロジェクトではトラブルが頻発しています。

いくらドMの僕でも若干心が折れかかっております^^;

前回ブログでは建築確認中の仕様変更によって大きくコストが増えてしまった失敗談を紹介しました。

土地から新築の失敗談 建築費大幅に超過しちゃいました『土地から新築アパート・マンションに挑戦してみたい』 最近、不動産投資家の皆さんからこんな声をたくさん聞きます。 令和に入っ...

このコスト増に対しては何とか資金調達できる目処がついたので、ホッと胸を撫で下ろしていたのですが、先日再びトラブルに見舞われました。

今後はまさかの『設計ミス』です。

正直、プロの建築士に頼んでいるのに設計ミスがあるなんて想像もしてませんで。

それに検査機関がしっかりと建築確認まで完了しているのです。

それなのに設計ミスが潜んでいるとは夢にも思いませんでした。

今回は、僕が体験した新築アパートの設計ミスについて解説していきたいと思います。

今後、土地から新築にチャレンジしたいと考えている方に読んでもらい、僕と同じ失敗を避けてもらえると幸いです!

こんな人にオススメ
  • 土地から新築にチャレンジしたいと考えている方
  • 土地から新築のリスクについて勉強したい方

ユニットバスが入らない?

建築確認も無事に終了し、ようやく着工になった僕の新築プロジェクト。

建築確認申請の最中には、準耐火構造の仕様変更指示があり、45分耐火から1時間耐火構造に急遽変更を求められました。

外壁のサイディングのグレードアップや、石膏ボードを2枚張りに変更したりと追加コストが発生し、なんやかんやで500万円もコストアップしてしまいました。

コストアップ分の資金の目処もつき、ようやく無事着工しました。

順調に基礎の配筋とコンクリートの敷設が終わり、次はいよいよ上棟だと楽しみにしていたところでした。

そんな最中に工務店から僕の携帯に着信がありました。

なんだろう?と思いながら出てみると、施工担当者が慌てて次のように述べました。

『JOJOさん大変です。ユニットバスの仕様を確認してたら、思っていたサイズが入らないことが判明しました。

ユニットバスが入らない?

どゆこと?

施工担当者に詳しく話を聞いてみると、どうやらユニットバスを収めるのに必要な横幅が足りないようです。

僕は今回ユニットバスは単身者用としては少し大きめの1216サイズを選択していました。

間取りが1DKなので、ターゲットは少し金銭的に余裕のある社会人です。

労働の疲れを癒やすためにもお風呂はゆったりサイズが良いと考えて1216を選びました。

ちなみに1216とは120cm × 160cmのユニットバスのサイズのことです。

1216だと一人だとゆったり湯船に浸かれるサイズです。

ちょっと狭いですがカップルで一緒に浴槽に入ることも可能です。

なので、入居者さんの快適性を考えて1216を選んたのでした。

ところが、今回ユニットバスを入れるための幅が足りないと施工担当から連絡がありました。

設計士が作ってくれた図面通りだとどう考えてもユニットバスが収まらないと言います。

設計士が作成した図面を確認してみると、ユニットバスを設置するために170cm確保してあります。

僕が今回採用したハウステックの1216の横幅は165cmです。

ユニットバスを施工するためには約5cmの隙間が必要ですので170cm幅を取っておりました。

普通なら余裕でユニットバスが入るはずです。

施工担当によくよく聞いてみると、前回準耐火構造を45分耐火から1時間耐火に変更した際に石膏ボードが1枚張りから2枚張りに仕様が変更になりました。

ユニットバスは耐力壁と耐力壁の間に挟まれて位置しています。

そのため、石膏ボードが増えた分だけ壁厚が増えてしまいました。

具体的には石膏ボード1枚分で約2.5cm壁厚が増えます。

今回の間取りではユニットバスは両方の壁に囲まれているので合計で5cm壁が厚くなってしまいました。

その結果、もともと170cm確保していたユニットバス用の幅が165cmに減少してしまいました。

ハウステック1216の横幅は165cmです。

ただし施工するためにはクリアランス(余裕)が5cm必要なため、このままだと施工することができません。

なんで今更こんな状態になっているのか、僕は設計士のY先生に確認しました。

すると驚くべき事実が判明しました。

準耐火構造を45分耐火から1時間耐火に仕様変更した際に、本来ならばユニットバス用の横幅を拡張するために壁の位置を変更すべきだったのですが、設計変更し忘れていたのです!

建築確認申請中に検査機関から指摘されて急に45分耐火から1時間耐火に変更したため、Y先生が設計変更の必要性に気づくことができませんでした。

ここで僕は一つ学びました。

プロの一級建築士でも全然間違えることがあるし、建築確認が通っても安心してはいけないと。

正直、それまでは設計士のY先生を全面的に信頼していました。

設計のプロとしてまさかこんな初歩的なミスを犯すことはないだろうと。

ただ、それは間違いでした。

設計士といえども人間です。

しかもY先生は一人で建築事務所を行っています。

大手企業のようにダブルチェック機能が働かなかったのだと思います。

正直ショックでした。

ただ、いまさら壁の位置を変更するとなると確認申請をやり直す必要が出てきます。

それにすでに基礎コンクリートは完成しています。

耐力壁の位置を踏まえて基礎コンクリートの形状ができているため、もし耐力壁をずらすとなると基礎を一からやり直す必要があります。

せっかく作った基礎コンクリートを解体し、敷設し直すとなると膨大な追加費用が発生します。

そのため、やむなく壁の位置を変更することは諦めました。

そしてユニットバスのサイズを一つ小さな1014タイプに変更する決断をしました。

ユニットバスのサイズが小さくなることで物件の競争力が減ることになります。

施主として苦渋の決断でした。

玄関入った瞬間に落下する?

ユニットバスのサイズ変更が決まり意気消沈していたところに、更に追い打ちをかけるように施工担当者から連絡が入りました。

設計通りだと、玄関ドアと玄関フロアの間に15cmの段差が生じます。このままだと玄関を入った瞬間に15cm落下するため危険です

玄関ドアの下部分と玄関フロアの高さを同じになるのは当たり前です。

玄関入った瞬間に15cmも下に段差があれば足を踏み外してしまう危険性もあります。

なんとしてもそのような事態は避けなければいけません。

施工担当者になぜ玄関を15cmも高くしなければいけないのか理由を聞いてみました。

玄関ドアの位置が15cmも高くなっている理由は、玄関が面している共用廊下に雨仕舞のための勾配を作る必要がでてきたからです。

共用廊下は普段気づかない事が多いですが微妙な勾配がついています。

雨が降ってきた時に、廊下脇の側溝に水が流れるように勾配がついているのです。

玄関側から逆方向に向かって水が流れるようにするために玄関側が少し高い位置に付けられることが一般的です。

廊下と居室部分の断面図

ただ、Y先生が作成した設計図では共用廊下に勾配がついてないため、玄関の高さも低いままでした。

そのままだと雨が降った時に雨水が玄関に侵入してくる危険性があります。

そのため、施工担当としては玄関の位置を15cm上げて勾配を作る必要があると考えたようでした。

話を聞くと設計よりも施工担当者の判断のほうが正しいと感じました。

次に設計士のY先生に聞いてみると、なんとこちらも設計ミスだったことが判明しました。

元々この共用廊下は外気に触れない内廊下の仕様でした。

それが建築確認申請の際に、共用廊下は災害時には外に脱出できる開口部がある外廊下にすべきとの指導がありました。

そのため、急遽外側の壁に開口部を設けて内廊下から外廊下に変更するようになった経緯があります。

内廊下であれば共用廊下に水が貯まることはありえないため雨仕舞いのための勾配は必要ありません。

しかし外廊下だと雨が降り注ぐ可能性があるため、勾配を付けて雨水を側溝に逃がす必要があります。

つまり廊下に勾配を付ける必要があります。

本来であれば外廊下に変更になった段階で共用廊下に勾配を設け、玄関位置を上げる必要がありました。

そして柱や梁といった構造体の位置もそれに合わせて変更すべきでした。

ただ、設計士のY先生は外廊下になったにも関わらず玄関の位置を変更することを忘れていました。

そのため、設計図面に従うと玄関に雨が侵入する危険性がある仕様になっていました。

残された方法は施工担当者が言うように玄関を15cm上げるしかありません。

ただ、そうすると玄関フロアと玄関ドアの間に15cmの段差が生じて、玄関ドアをまたいだ瞬間に15cm落下することになります。

さすがにそんな危険な玄関にするわけにはいかないので、対策を検討しました。

その結果、床部分全体を15cm底上げすることで、玄関ドアとの段差を解消することにしました。

ただ、この対策には2つデメリットがあります。

一つは床を上げる分だけ天井高が15cm低くなることです。

もともと天井高は2m30cmを確保していましたが、床上げによって2m15cmになります。

建築基準法では天井高は2m以上であれば許可されていますが、空間に圧迫感が出てしまうことは否めません。

もう一つのデメリットは床上げをするということはその分の部材と作業費が追加で必要になるということです。

既に建物の仕様変更とウッドショックの材料費値上げにより900万円も建築費が増加しています。

これ以上の費用増加はなんとしてでも避ける必要があります。

この費用増加の原因は設計段階で玄関の位置を上げなかったことです。

つまりこちらも設計ミスとなります。

設計士と費用負担について協議

さすがに施主が床上げの費用増加分を負担するのはおかしな話ですので、Y先生と相談し、Y先生に床上げ費用は負担していただくことになりました。

正確にいうと残りの設計費の支払いの中から床上げ費用分だけ減額してもらうことにしました。

正直言うと、希望するユニットバスが入らなかったことと、天井高が15cm下がることによるデメリット分についても設計士であるY先生に更に損害賠償を求めたい気持ちはありました。

ただ、これから施工完了までは中間検査と検査済証発行のための完了検査があります。

建物の引き渡しが完了するまではY先生の力を借りる必要があります。

そのため、もしY先生に対して損害賠償請求を行えば、先生のモチベーションを大きく低下させる可能性が高いと考えました。

先生のモチベーションが下がって更にトラブルが起きることだけは何としてでも避けなければいけません。

また、Y先生も今回の設計ミスに対しては真摯に反省をしていますので、これ以上の責任追求は控えるべきだと考えました。

そのため、損害賠償請求を行いたい気持ちをぐっと抑えて、床上げ費用のみY先生に負担いただくことで合意しました。

過去の過ちを責めても何も生まれません。

それよりは前を向いてこれ以上施工ミスが生じないようにチーム一丸となって竣工に向けて動いた方がメリットが大きいと気持ちを切り替えることにしました

今回の学び

僕は今までプロの設計士がまさか設計ミスを行うとは予想もしませんでした。

設計士が作成した設計図はたしかに確認申請を通す分には問題ありません。

しかし、一方で実際に施工作業を行うまではその設計図面が本当に正しいかどうかはわかりません。

設計が完了した段階で、理想をいえば施工管理者に施工上問題がないかどうか事前に確認してもらうべきだったと思います。

そして、施工管理者が問題ないと判断して始めて着工開始すべきでした。

設計士は設計のプロですけど、施工のプロではありませんからね。

そういう意味では、今回のミスは設計と施工をまとめて工務店に発注していれば防げたのかもしれません。

もし設計、施工もまとめて工務店に頼んでいれば、工務店の社内で事前に設計部門と施工部門ですり合わせを行い、事前に設計ミスに気づけていた可能性があるからです。

今回僕は設計は設計士へ、施工は工務店に別々に分離発注する方法を採用しました。

分離発注には、自分と相性の良い設計士と組んでデザイン性の高い建築物を作れますし、設計費用が安くなるというメリットがあります(工務店が設計費用にマージンを載せないため)。

ただし、今回のように設計ミスが発覚した場合、施工会社は一切責任がないため、設計士にしか責任追求することができません。

全体の建築費にしめる設計費の割合は5~10%程度なので、設計士に責任追求したところで設計費の範囲内でしか補償を受けることができません。

設計ミスをカバーするために高額な費用がかかる場合は施主負担となります。

この点が分離発注のデメリットだと感じました。

そのため、設計と施工の分離発注を行うのであれば施主自らがプロジェクトマネジメント業務を行い、設計士と施工会社を上手に連携させる必要があると思います。

そのためには施主側にも最低限の建築の知識・ノウハウが必要になります。

僕みたいに設計士に任せきりだと思わぬところで足元をすくわれる可能性があります。

もし自分にプロジェクトマネジメント能力がないと思うのであれば、多少費用がかかっても工務店に設計・施工をまとめて発注した方が良いのかもしれません。

今回の新築アパートはトラブルが頻発して正直キツと感じる時も少なくありません。

ただ、失敗も含めて全て自分が選んだ道です

そして、失敗を経験することによって、不動産投資家としてレベルアップできたことも事実です。

今回から学んだことは次のプロジェクトに活かせると信じて前に進んでいきたいと思います。

失敗は成功にたどり着くための必要なプロセスでしかないですからね!

一緒に頑張りましょう!

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