不動産投資

成功できる不動産投資家は限られている あまり語られない不都合な真実

最近ずいぶんと不動産投資という言葉が一般化してきている。

理由は、いわゆるメガ大家と言われる大規模に賃貸経営を行っている不動産投資家が度々テレビ番組に登場しているからかもしれない。

彼らはサラリーマンをしながらここ数年で一気に投資規模を拡大している人が多い。

資金が足りなければ、銀行が積極的に貸し出してくれる。

テレビに度々登場するそんなメガ大家さん達を見て、自分もなれるかも?と思う人も多いと思う。

まあ、僕自身、彼らの姿を見ていると、ひょっとして僕も。。なんて思っちゃうときはある。

ただ、不動産投資は誰もが成功し、規模を拡大できるほど甘い商売ではない。この事実はあまり語られることがない。

今回は、その事実を少し説明したい。

サラリーマンが不動産投資できる時代がやってきた

一昔前まで、不動産投資と言えば地主や会社経営者等の資産家に独占されてきた。

資本が無い一般のサラリーマンが不動産投資をするなんて夢のまた夢だった。

それが、ある一冊の本をきっかけに日本でブームを巻き起こすことになる。

有名な、2000年発売のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著)だ。

この本が発表された時代は、ちょうどバブル経済が崩壊し、日本企業の成長神話が無くなった頃だ。

自分の身は自分で守らないといけないという意識が芽生えたサラリーマンを中心に、不動産投資で資産形成をしようという機運が高まる。

リーマンショック後に一時的にトーンダウンしたが、日銀の金融緩和をきっかけにまた再燃した。

一部で「バブル」の声も聞かれるほどの活況が今も続いているのは、ご存知のとおりだ。

日銀の異次元金融緩和の結果、金融機関は企業への貸し出しや住宅ローンだけでは利益を出せなくなった。

利息が低すぎるのだ。

その結果、比較的利息の高い不動産投資向けの融資を急拡大し始めた。こうして、一般のサラリーマンでも不動産投資を始める土壌が整ってきた。

続々とメガ大家、ギガ大家といった、一気に規模を拡大して成功した不動産投資家が登場し、彼らが度々メディアに登場することで、不動産投資熱はますます加熱してきている。

ただ、6年間不動産投資を行ってきた僕自身の経験から言うと、不動産投資で成功できるのは限られた人たちであるのは間違いないと思う。

フルローン全盛のなか、元手がなくても、誰でもできると思われがちな不動産投資だが、実際はそれほど甘くはない。

成功している不動産投資家が語りたがらない秘密

成功してる大家さんが開くセミナーに行くと、いとも簡単に規模を拡大できるかのように錯覚を覚える。

簡単に銀行から億単位の融資を引っ張り、年間何本も買い付けを入れていく。

しかも、ほとんどフルローン・オーバーローンでの決済だ。そんな著名不動産投資家の真似をすれば、誰でも不動産投資で規模を拡大できるかのように思える。

ただ、セミナーや著書では語られない不都合な事実がある。

それは、一気に規模を拡大している不動産投資家達は実は以下のアドバンテージをもっていることが多い。

  • 膨大な金融資産

セミナーでは、元で無しでフルローンをいとも簡単に引いている実績をアピールする不動産投資家も多い。

だが、実際は膨大な現金や株式といった金融資産を最初から所有しているケースが多い。

それも1千万程度ではなく、1億以上もっていたというケースも多い。

億単位のフルローンを借りても、現金を沢山持っているので、バランスシートは健全を保つことができる。

そもそも自己資金が厚いのだ。

  • 非常に高いサラリーマン属性

成功した不動産投資家も元々サラリーマンであった方も多い。

ただ、よくよく聞くと、とても高い属性だったりする。

年収も1千万程度ではなく、3~5千万円ほどもらっていた外資系金融機関出身の方が多い。

これだけ年収があれば、億単位の借り入れがあっても、いざとなれば給料からの補填が可能なので破綻するリスクが低くなる。

その背景があるため、金融機関はフルローン融資をするのだ。

上記の不都合な事実は一般の人々には明らかにされない。

何故かと言うと、再現性が低いからである。

セミナーで講演を行う不動産投資家は、自分と同じやり方をすれば成功間違いなしだと聴衆を納得させる必要がある。

最初から、現金1億円ないと融資引けませんよ、なんて言われたら誰も話を聞きたがらないだろう。

そのため、このような超ハイスペックなアドバンテージは語られることは無い。

このような話は、セミナーの後、個人的に仲良くなってから教えてくれることが多い。

誰でも簡単に融資が引ける地方物件

では、著名な不動産投資家の話を信じでもフルローンを組んで規模を拡大できないのだろうか?

実はそうではない。比較的簡単に融資が引ける物件の条件がある。

それが、地方の積算評価が高いRC物件だ。

あまり知られていないが、銀行が融資額を決める際に行う「積算評価」は画一的だ。

建物の規模や築年数などが同じなら、都心にあろうが地方にあろうが評価額はほぼ同じだ。

一方で、土地については、都心であれば市場価格と固定資産税評価額に大きな乖離が生じているため、都心のほうが圧倒的に積算価格が低くなる。

都心で融資が引きにくい理由はそのためだ。よって、地方の広い土地に建つ、大きな建物は実際の取引価格以上に評価され、銀行から過大な融資を引き出すことが可能となる。

そのため、著名な不動産投資家たちはこぞって、地方の高積算物件を購入することを勧める。

このやり方であれば再現性があるからだ。

ただ、実際に著名な不動産投資家の人たちが現在行っているのは資産の組み換えである。

つまり地方の不動産を売却し、低利回りな都心の物件を買っているのだ。

しかし、当然ながらこの事実も語られることはない。

リスクが高い地方物件

このような地方の高積算物件は表面上お得に見える。

主要都市に比べると利回りも高いし、銀行の融資は引きやすい。

しかも、フルローンで引ける可能性が高い。

ただし、利回りが高いということは、それだけリスクが高いことを意味する。

投資のセオリーだ。つまり、地方の高利回り物件は当然ながら賃貸経営が難しい。

一度空室が出れば、繁忙期まで1年近く埋まらないことも多いと聞く。

年度末の繁忙期を逃すとそれこそ、空室が数年に渡り続くことも珍しくない。

著名不動産投資家は地方でも満室経営できることをアピールするため、安易に誰でも満室にできると思ってしまう。

ただ、地方で満室経営を行うのは実際にとてもハードだ。

ノウハウの無い地主系の大家には勝てると楽観的に考える初心者も多い。

ただ、地主系の大家さんは借り入れが少ない、もしくは無借金なので、いざとなったら家賃を大幅に下げるという勝負に出ることができる。

そうなったら、フルローンのサラリーマン投資家は勝つことは難しくなる。

また、地方の高積算物件に融資を出してくれる銀行は実は限られている。

S銀行が有名だ。この銀行は耐用年数オーバーでも長期の返済期間を設定してくれる。

その代わり金利は4.5%だ。よく、最初はS銀行で借りておいて、もっと金利の安い銀行に借り換えすれば良いとアドバイスする不動産投資家もいるが、実際は難しい。

S銀行のビジネスモデルはよく考えられた独特のものだ。積極的にリスクを取る代わりに、高い金利収入を目指すというモデルだ。

そのため、一般の銀行が二の足を踏むような物件にも独自の審査基準でもって融資を出してくれる。

とてもユニークなビジネスモデルだ。

そのため、そもそも一般の銀行とは考え方が違う。

そのため、一般の銀行に借り換えを打診しても、ほとんどのケースで断られる。

S銀行も自行の強みを知っているので、安易に金利引下げ交渉にも乗ってくれない。

S銀行で借りる場合は、その高い金利でも十分に返済ができるだけの利回りの物件を選定することが絶対に必要だ。

これからリスクは増大する

最近、金融機関の姿勢が変化している。

実際に半年前だったら2億円、3億円をフルローンで簡単に貸してくれた銀行が、頭金を2,3割要求してきたという話も良く聞く。

審査が厳しくなってきているのだ。普通の資産・属性の人でも次々と融資を受けられ、物件価格が上昇している状況下なら、短期間に物件購入・売却を繰り返すことで、総資産額を増やすことができるかもしれない。

だが、金融機関からの新規借り入れができなくなり、空室が生まれ、さらに物件価格が下落し始めたらどうなるだろう?

所有物件を売りたいと思っても、残債を下回る価格でしか売却できないとしたら、銀行は抵当権を外してくれない。

つまり売れないのだ。そうなると、給料から補填して、マイナスのキャッシュフローを埋めていくしか無い。それができなくなったら競売にかけられる可能性が高い。

このように不動産投資を取り巻く環境はリスクを増してきている。

これから不動産投資を始めようと考えている人は良くこの事実を理解した上で、踏み込んできてほしいと思う。

一方でまだまだ成功できる可能性があるのも事実

と、不動産投資の難しさばかりを述べてきたが、一方で、まだまだ不動産投資で成功できる可能性が高いと考えている。

飲食店を始めるといった通常の事業に比べると、不動産投資はリスクが低いのも事実だし、競争も緩やかだ。

利益を残せる可能性は高い。ただ、安易に勝てる商売ではないと言いたいだけだ。現に僕自身はまだまだ不動産投資で勝負していきたいと考えている。

この記事を読んだ上でも不動産投資を志そうとする人たちには、ぜひ一緒に頑張ろう!と声をかけたい。

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