以前の記事で三菱地所を筆頭に続々と大手不動産ディベロッパーが投資用ワンルームマンション事業に進出したことを述べた。
それに引き続き、建売住宅メーカー大手であるオープンハウスまで投資用マンション事業に進出することになったようだ。この背景を探りたい。
ファミリータイプマンションは既にニーズが減少
ファミリータイプのマンションでは価格が高くなりすぎて、実需向けの消費者が追いつけなくなっている。
そのため、2016年からは軒並みマンションの契約率は好不調の節目である70%を継続して割り込んでいる。
もはや新築ファミリータイプのマンション需要はピークアウトしたというのは業界の公然の秘密である。
戸建ても同じくピークアウト
では、戸建てはどうかというと、こちらも芳しくない。
一時期、価格が高くなりすぎた新築マンションから戸建にシフトしてきた消費者もいたが、その影響か戸建の価格も高止まりしている。
その理由は土地だけでなく、建築費も高騰しているからだ。
僕自身が8年前に自分自身の戸建てを建てた際には、建売メーカー品質の2階建ての戸建てであれば建築費は1,200万円程度だった。
それが今は1,500万円以上はする。8年前に比べると20%以上上昇していることになる。そのため、消費者はマンション同様に、戸建ての価格上昇にもついていけない。
建売メーカーの新規受注は軒並み苦戦していると聞く。
投資用マンションに活路を見出す建売メーカー
そんな中、(株)オープンハウス・ディベロップメントは品川と日暮里で投資用の新築分譲マンションを売り出す。
投資用とは敢えて明言していないが、間取りは1K~1LDK中心。広さも専有面積31.98~42.45平方メートルとなっている。
単身者向けの物件だ。販売価格は3,788万~5,183万円となり、竣工は2018年4月下旬を予定しているという。
相続税見直しによる富裕層の節税ニーズという特需は一旦は落ち着きを見せているが、それでもまだまだ投資用マンション事業のニーズは高い。
特に品川等の海外観光客にも人気の立地はホテルとの奪い合いになっており、既に一般向けマンションでは採算が合わないレベルにまで土地値が上がっている。
そのため、1戸あたりの間取りを小さくすることで、賃料を上昇させて投資用マンションとしての魅力を高めている。
まとめ
このように、猫も杓子も投資用マンション事業に参入する状況となっている。国交省が毎月発表している貸家の新規住宅着工件数はいまだに高い水準を維持している。
これからもまだまだ新築マンション・アパートの建築は進んでいくだろう。
このままいけば、確実に賃貸住宅の供給過剰になり、賃貸市場自体が崩壊する可能性がある。
明らかに需要と供給のバランスがおかしい。儲かる市場に自由に企業が集中するというのが資本主義の性ではあるが、やはり何らかの規制は必要なのではないかと思う。
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