大東建託が2月度の月次業績速報を発表した。
受注高が前年同月比10.6%減の527億3800万円となり、5カ月連続で前年実績を下回っている。
昨年は、相続税法改正の影響で、相続対策を急ぐ富裕層のニーズを取り込んで新築アパート建築が絶好調だったが、どうやらここにきて新築アパートの勢いも落ちてきたようだ。
株価は既に大幅下落している
大東建託の異変を鋭く感じ取っているのが株式を中心とした投資家達だ。
大東建託の株価は昨年のピークを皮切りに、今年に入ってから既に20%以上下落している。

今回の2月受注高の減少は、5ヶ月連続の前年同期比割れである。
以前、大東建託は営業マンが安易なリピート顧客への営業に満足し、新規獲得を怠ったため、一時的に新規受注が落ち込んでいると説明していた。
そのため、午前中の2時間は新規獲得業務に集中する方針を示していた。
しかし、既に5ヶ月連続の減少である。営業マンの努力ではどうにもならない状況に市場環境が変化してきていると思う。
地主がアパートが飽和してきていることに気づき始めた
新築アパート建築が減速している理由は、明確だ。
大東建託がターゲットとしている相続税対策が必要な全国の富裕層が新築アパート建築は既に相続対策として意味を成さないということに理解し始めたからだ。
それは、既に全国に新築アパートが乱立し、新築であっても入居者を確保するのが難しくなっているという現状だ。
特に、大東建託を始めとする地主系のアパート会社は都心の好立地というよりは、郊外の農地をアパートに転用する場合が多い。
つまり、そもそも入居者ニーズの少ない立地であることが多い。
そのため、アパートが飽和すると、急激に空室率が増加し、長きにわたって改善しない可能性が高い。
新築アパート建設は減少していくのか
大東建託は毎月の受注高を発表しているため、いち早く業績の影響を判断することができた。
これが、同業他社のアパート建築会社でも同様の減速を示しているわけではない。
ただ、業界最大手の減速は業界全体のダウントレンド入りを示唆している可能性が高い。
2017年の3月はリーマンショック以降、最大のアパート竣工数を記録する予定だ。
一方で、入居者ニーズは増えていないので、入居者獲得競争は激化するのは必至だ。
もし、この繁忙期でも埋まらない新築アパートが増加し続けるようであれば、新築アパート建設は減少していく可能性が高いと思う。
既に新築マンションはピークアウトの兆候が表れている。
ここにきて、新築アパートもピークアウトしたとなると、いよいよ不動産市場全体がダウントレンド入りしている可能性が高まってきた。
引き続きウォッチしていきたい。
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