こんにちはJOJOです! 東京都内で3棟20部屋のアパートを経営しています。
レオパレス不良施工問題が世間を騒がしています。
屋根裏の界壁(かいへき)や外壁が防火基準を満たしていないことが判明して、レオパレスは今まで建築してきたアパート全棟の調査を行っています。
レオパレスの建物は全国で39,085棟もあります。
そのうち14,040棟の調査が完了していますが、実に8割以上の11,243棟で不良が発覚しています。
最終的には違法建築と認定される建物がどこまで増えるのかは未知数です。
おかげで不動産業界はちょっとしたお祭り騒ぎ状態です。
僕もいつになく興奮気味です(^-^;)
なぜなら、このレオパレス不良施工問題は不動産業界だけの問題ではないからです。
実は、地方の信用金庫・地銀を沈没させるインパクトがあると考えています。
それぐらい大きな問題なんです。
恐らく数年後には、姉歯事件やリーマンショックと肩を並べるほど大きな問題として語り継がれると思います。
正直、スルガ銀行の不正融資問題なんかよりもインパクトが大きいです。
今回は、レオパレス不良施工問題がどのようにして地方の金融機関の破綻にまで発展していくのかをわかりやすく説明したいと思います。
次々と退去するレオパレスの入居者達
現在、レオパレスのアパートのうち、1,895棟は国交省により違法建築だと認定されています。
そのため、レオパレス側は入居者7,700人以上に対して強制退去を求めています。
退去を求められた入居者の中には、就職活動中の学生もいるそうで、ニュースでは就職活動に集中できないと嘆いていました。
単身者とはいえ、引っ越しをするのはかなり時間と労力がかかりますからね。
このように強制退去させられている人以外にも、自主的にレオパレス物件を退去する人が増えています。
レオパレスの入居者の多くは法人契約の派遣社員や学生です。
そのうち法人契約は6割を占めます。
実は、レオパレスと契約していた法人(企業)が次々と解約し始めています。
現在日本は空前の人手不足です。
社員寮として借り上げたアパートが不良施工のレオパレスであれば、採用にも悪影響が出てしまいます。
第一、既に住んでいる社員から大きなクレームが来るでしょう。
そのため、多くの法人顧客はどんどんとレオパレスとの契約打ち切りを進めています。
そのおかげで、レオパレスを退去した人たちが慌てて近くの他のアパートへと転居する動きが出ています。
周りのアパートオーナーからしてみると、ちょっとしたレオパレス・バブルですね。
また、レオパレスに住んでいる学生にも退去の動きがあります。
自分が親だったら、大切な子供を火災の危険性がある違法建築アパートには住まわせておきたくないですよね。
このようにレオパレス物件から急速に退去が増えている結果、レオパレスの入居率は急激に悪化しています。
レオパレスのビジネスモデルは、オーナーからアパート一棟まるごと借り上げて、空室に関わらず毎月定額のサブリース料金をオーナーに支払うものです。
このサブリース事業の損益分岐点は入居率80%と言われています。
現在入居率は85%。あと5%入居率が下がればレオパレスの賃貸事業は赤字に転落します。
そして、今後更に入居率が低下することはほぼ確実と言われています。
次々と新たな問題が発覚し、レオパレスのブランドイメージが悪化し続けているからです。
3/18には、外部の弁護士で構成される第三者委員会が中間報告を出しました。
その中では、今回の施工不良はレオパレスの前社長(創業者)の指示であったことが判明しています。
真っ黒ですね。。
レオパレス社内では不良施工が公然と行われながら、ずっと隠蔽してきたわけです。
このような違法建築を行う企業が公然と東証一部に上場していること自体が問題ですよね。
レオパレス物件の空室募集を停止する不動産会社も現れた
不動産仲介会社の中には、不良施工問題が解決されるまでは、レオパレスの物件の空室募集を停止する会社も現れました。
ミニミニからレオパレスのアパートは安全確認が取れるまで空室募集を止めるというお手紙が来た。(´;ω;`) pic.twitter.com/CFFjoIU3eQ
— どエンド君 (@mikumo_hk) 2018年12月17日
ミニミニといえば、不動産仲介業者の中でも最大手の一角です。
他の大手不動産会社もミニミニに追随すると思われます。
万が一、不良施工の物件を紹介して事故が起きてしまったら、仲介店舗の責任にもなりますからね。
それに宅建業法では重要事項説明の際に、入居者に不利な事項は必ず説明する義務があると定められています。
そのため、物件紹介の際には、必ず『不良施工の可能性があるレオパレスのアパートです。火災が起きた場合は、類焼のリスクがあります』と入居希望者に伝えないといけないわけです。
こんな風な説明を受けてまで、入居する人はほとんどいなのではないでしょうか。
僕だったら、絶対に入居しません。
そう考えると、施工不良が解決されるまでは、レオパレスへの新規入居はかなり少なくなると思われます。
レオパレス側はサブリース料金を値下げしないと表明
このような入居率の悪化を受けて、不安になるのはオーナーの皆様です。
過去にレオパレスは会社の業績が悪くなると、オーナーに支払うサブリース料金を容赦なく値下げしてきた経緯があります。
当然、オーナーの中には、今回の不良施工問題で空室率が悪化すれば、再びサブリース料金の値下げが行われるのではないかと心配する人が増えてきました。
中には、サブリース料金を値下げされることを見越して、レオパレスとのサブリース契約の解除に向けて動き出すオーナーも現れました。
この事態を受けてレオパレス側からは、『今後2年間はオーナーへのサブリース料金は値下げしない』と表明しました。
このレオパレス側の声明は一見オーナーにとっては良いことのように見えますが、実は逆です。
なぜならば、入居率が下がっているのに、オーナーへのサブリース支払い金額を維持し続ければレオパレスの経営体力が低下するからです。
レオパレスには現在892億円の現金がありますが、この現金を削ってオーナーへの支払いを継続することになります。
つまり、オーナーはレオパレス自体の経営を圧迫し、破綻への可能性を高めているとも言えます。
実際にレオパレスの経営安全性は高くありません。
現在の手持ち現金892億円に対して、一年以内に返済をしなければいけない短期借入金(流動負債)は1,250億円もあります。
つまり、このままいくと一年以内に現金が底をつき、金融機関への借り入れを返済できなくなる可能性があるということです。
返済が滞れば金融機関との取引が停止してしまいますから、事実上の破綻です。
もしもレオパレスが破綻したらオーナーは苦境に
もしもレオパレスが破綻したら、一番困るのはオーナー自身です。
万が一、不良施工の改修工事が終わる途中でレオパレスが破綻してしまえば、残ったアパートは誰も改修してくれません。
つまり、不良施工が放置されてしまうわけです。
オーナーは自らの資金によって、不良施工の改修工事を行わないといけなくなります。
ただ、この不良施工の改修工事は非常に高額です。
テレビ東京の『ガイアの夜明け』では、レオパレスオーナーが自ら工務店に改修工事の見積もりを依頼していましたが、でてきた金額は4,000万円。
いくら賃貸アパートを経営しているからといって、4,000万円もの大金を捻出できるオーナーはそう多くないでしょう。
レオパレス物件の大半な地方にあります。
レオパレスの営業マンが地方の農家を口説いて、あまった田畑にアパートを建てるというのが王道のパターンでした。
都心部と違って、地方の土地の価格は低いです。
一棟のアパートに対して、土地:建物の金額割合は2:8くらいになることが多いです。
東京だと逆で、土地:建物=6:4くらいになるんですけどね。
地主の場合、土地はタダですので、建物代金だけを金融機関から借り入れてアパートを建築することが多いです。
つまり総額1億円のアパートに対して、8,000万円もの借金があるわけです。
この建物代金8,000万円の借金が残った状態で、不良施工が判明しています。
不良施工がある建物の価値は多く見積もっても4,000万円程度でしょう。
すると既にオーナーは4,000万円の赤字を抱えているわけです。
アパートを売却しようとしても、土地代2,000万円+不良施工のある建物代金4,000万円=6,000万円にしかなりません。
残債は8,000万円あるわけですから、売却したいと思ってもできません。
金融機関が抵当権を外してくれませんからね。
となると、オーナーに残された道は、賃貸経営を継続して借金を返済していくしかありません。
レオパレスオーナーに経営能力はあるのか
ただ、今までレオパレスに賃貸経営を丸投げしていたオーナーが、突然ある日サブリースを打ち切られたらどうなるでしょうか?
恐らく多くの方が途方に暮れるのではないでしょうか。
レオパレスが破綻して、サブリース契約が打ち切られれば、オーナーは自分で入居者を獲得しないといけません。
もちろん通常の不動産会社に入居者募集や管理を委託することはできますが、何のノウハウもないオーナーが賃貸経営するのは結構大変です。
一般的にレオパレスに委託しているオーナーの多くが、自分の物件がいくらで賃貸に出されているのか知らされていません。
オーナーには毎月サブリース料金の支払いはありますが、それは家賃収入からレオパレスが運営費を抜いた後の金額です。
そのため、自分の物件の家賃をいくらに設定すれば良いかすらわからない状態と言えます。
また、空室が出れば、その度に原状回復工事を行う必要があります。
また、築年数が古くなれば、外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕工事も自分で手配しないといけません。
そのため賃貸経営については素人同然のオーナーが、ある日突然独力で賃貸経営するのはハードルが高いと言えます。
また、レオパレスの物件は、家具・家電・水道光熱費・ネット代が全て部屋代にコミコミというユニークな条件で入居募集されています。
入居者がレオパレスに支払うのは『部屋利用料』。家賃ではありません。
この入居者がカバン一つで入居できる条件が揃っているはレオパレスが家具・家電・水道光熱・ネット無料を全て一括で提供しているからです。
レオパレス抜きで、このような全部コミコミの入居サービスをオーナー単独の力で行うことは簡単ではありません。
特に今まで賃貸経営をレオパレスに丸投げしていたオーナーの方にとってはハードルが高いでしょう。
それならば、据え付けの家具・家電は一切やめて、部屋だけを貸し出す通常の一般賃貸経営をすれば良いかと思うかもしれません。
ただ、残念ながらレオパレス物件の多くは家具・家電無しの一般賃貸には向きません。
先ほども申し上げた通り、レオパレスの物件の6割は法人契約。
つまり、地方に立地する工場で働く派遣労働者の方の社員寮として活用されています。
工場を経営する企業は、少しでも多くの人材を集めるために、すぐに引っ越して勤務可能な家具・家電付きのサービスアパートを社員料として希望しています。
そのため、レオパレスと相性が良いのですね。
ただ、レオパレスとの契約を打ち切って、オーナー自らが家具・家電無しの一般賃貸に切り替えたらどうでしょうか?
少なくとも派遣労働者の社員寮を探している企業のニーズからは外れてしまいます。
すると、工場で働く派遣労働者以外の方を入居者ターゲットにしないといけません。
ただ、このようなレオパレス物件の多くは工場の近くに立地しています。
そして、工場の他には、めぼしい施設や学校がないところが多いのです。
そのため、工場で働く派遣労働者をターゲットにできなくなると、とたんに入居者募集が困難になるケースが多いのです。
このように、レオパレスが破綻して、サブリース契約を打ち切られてしまえば、賃貸経営に行き詰まるオーナーが大量に発生するでしょう。
オーナーの多くが建物代は金融機関からの融資を受けているでしょうから、金融機関への返済ができなくなる方も増えると思われます。
地方の信用金庫・地銀もふきとぶ
レオパレスオーナーである地方の地主に建築資金を貸し付けているのは、地方の信用金庫と地銀です。
仮にレオパレスに続き、オーナーの破綻も増えてくれば、地方の信用金庫・地銀の多くは不良債権を抱えることになります。
オーナーが破綻するところまでいかないとしても、違法建築が発覚したアパートに対しては貸し倒れ引当金(損失)を計上しないといけません。
もともと8,000万円の価値がある建物に不良施工が発覚し、建物価値が4,000万円に下がったとします。
もし金融機関が建築費8,000万円をオーナーに貸し付けていた場合、金融機関はその差分の4,000万円の貸し倒れ引当金を計上しないといけません。
貸し倒れ引当金は費用計上しないといけないですから、多くの地方金融機関が赤字を計上することになるでしょう。
ちなみに、現在地方の信用金庫・地銀の多くは低金利による利ざやの縮小により経営環境は厳しいです。
実際に2018年4~12月期決算はスルガ銀行、武蔵野銀行、栃木銀行の3行が最終赤字に転落しました。
赤字銀行がゼロだった1年前から一気に3行も増えたわけです。
3行が赤字転落したのはリーマンショック直後の2013年3月期以来となります。
そのため、もし仮にレオパレスショックの余波でオーナーの破綻が大量発生すれば、地方の信用金庫・地銀の経営を更に圧迫します。
中には、経営破綻して金融庁の支援を仰がないといけない金融機関もでてくるでしょう。
不動産向け融資の更なる厳格化
そして信用金庫・地銀の経営環境が悪化すれば、不動産向け融資は更に厳しくなると思われます。
現在、既にりそな銀行を除く都市銀行は不動産投資向けの融資からは事実上撤退しています。
貸出先がアパート融資くらいしかない信用金庫や地銀だけがまだ不動産投資向けの融資を出しています。
それでも、フルローンなんて全然無理で、頭金2-3割出せる投資家でギリギリ融資OKがでるくらい融資環境は厳しいです。
それが、レオパレスオーナーに対する不良債権が増えてくれば、信用金庫や地銀も融資を絞らざるを得ないでしょう。
破綻するオーナーが増えてくれば、金融庁も不動産投資向けの融資をますます問題視し、金融機関向けの監視の目を厳しくすると思われます。
このようにして完全に融資がストップしてしまえば、国内の不動産価格はより一層下落していく可能性が高いと思います。
また、破綻するオーナーが増えれば、抵当権が実行されて競売にかけられる物件も増えてきます。
すなわち安値の売り物件が増えて、これまた相場の下落圧力になるのです。
もし不動産の売却を検討している方がいれば、急いほうが良いでしょう。
特にレオパレス物件が多い地方の収益不動産価格は大幅に下落すると思われます。
ちなみに売却査定をするならば、大手不動産会社6社が参加しているすまいValueに依頼することをオススメします。
このすまいValueは、日本の大手不動産会社6社が共同で運営している不動産売却ポータルサイトです。
参加している不動産会社
- 三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
- 住友不動産販売
- 三菱地所ハウスネット
- 野村の仲介(野村不動産)
- 東急リバブル
- 小田急不動産
大手不動産会社には初心者の方が多く問い合わせてくるので、高値で売却できる可能性が高いです。
すまいValueならたったの60秒で一括査定ができるので、とても便利です。
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まとめ
ここまでネガティブなことばかり書いてきましたが、ピンチはチャンスです。
過去にも〇〇ショックなどで相場が下落した時は、絶好の仕込み時期でした。
バブル崩壊、姉歯事件、リーマンショック。
これらの不動産価格が下落したタイミングで仕込めていた人の多くは、現在大きな含み益を得ています。
僕も含めて不動産投資歴の長い人たちは、そのチャンスを虎視眈々(こしたんたん)と狙っています。
次なるチャンスに備えて、今のうちにしっかりと資金を貯めて、知識を磨いておきましょう。
僕はこれから絶好の買い場がやってくると考えています。
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