こんにちはJOJOです!
株式相場とは対照的に、J-REITの調子が悪い。
日経平均とJ-REITの上昇率を比較したのが次のグラフだ。
赤字:日経平均
青字:東証REIT指数
2016年末から日経平均が大きく上昇しているのに対して、J-REITが伸び悩んでいるのが一目で分かる。J-REITに何が起きているのだろうか。
上昇してきた株式市場
2016年末から、トランプ大統領の財政出動や減税への期待からアメリカ株式だけでなく、日本の株式も買われてきた。
その結果、大きく日経平均も上昇している。日経平均はトランプ大統領が決定するまで、しばらく不調だったため、安堵している株式投資家も多いと思う。
不調になってきたREIT
その一方で、不調になってきているのが、REITである。
安定した毎月の配当収入を重視している高齢者を中心とした投資家に人気を博してきた。
日銀がマイナス金利を発表してから、銀行の定期預金の利息はほとんどなくなってしまった。
年金収入が主な高齢者にとっては、厳しい状況だ。
私の知り合いに金融資産が1億円以上の高齢者夫婦がいるが、いくら貯金を持っていても、使うことができないと言っていた。
いくら貯金が多くても、安定した収入が無いと怖くてお金が使えないと言う。医療が発達した現代においては、人間いつまで生きるか分からないからだ。
こうした高齢者のニーズを満たしてきたのがREITである。
年利3-5%の安定した配当をうたっており、毎月分配型も多い。このニーズを反映した成果、ここ2,3年、J-REITファンドは大きく資金を増やしてきた。
潮目の変化
しかし、トランプ大統領が誕生して資金の流れが変わりだした。
資金は今までの債券から、株式市場に流れだした。金融緩和頼みから、積極的な財政出動へと方針が変わったからだ。
財政出動というのは、簡単に言うと、国が様々な事業に投資を行い、景気刺激をするということだ。
分かりやすい例としては、高速道路や、工業団地等のインフラ設備を行う。
インフラ工事は建設会社に発注されることになるから、建設会社は潤うことになる。
儲かったお金は従業員や株主にも還元されるから、みんなお金を使うようになる。そうして、景気を良くしようとするのが財政政策だ。
トランプはこの財政政策を積極的に行うと明言している。
この財政出動は一つ問題がある。それは国の財政を圧迫させるからだ。
アメリカは基本的に赤字国家である。税金等の歳入だけでは国の出費を賄えない。
そのため、財政出動を増やすと借金が増えることになる。借金とはつまり国債のことだ。
借金が増えれば、それだけ、借金が返済できなくなるリスクは増大する。
その結果、借金をするためのコストが上昇する。つまり、借入金利=アメリカ国債の利息が増えるということだ。
国債の利回り上昇
国債の利回り上昇(価格は下落)は、国債を主な運用手段としている投資家にとっては安定収入が増えることになる。
今まで、利息が減って国債から、REITに資金を振り替えていた投資家が、ここにきてアメリカ国債に資金を戻し始めている。
その結果、REITの価格が下がってきているのだ。
日本の10年国債もアメリカに釣られて、利回りが上昇している。
以前はマイナス金利だったものが、現在0.1%まで回復してきた。
これにともなって、J-REITからも資金が流出している。
毎月の配当金こそ大きく減らしていないJ-REITが多いが、資金の流出が続いているため、基準価格は下がってきている。
また、REITにとっては、借入金利が上昇することになるため、収益を圧迫する。こちらもREITの資金流出を加速させている二つ目の理由だ。
REIT価格が下落が意味すること
REITの価格が下がるということは、不動産への資金流入が減るということである。
今までは、REITファンドが主体となって、国内のマンション、物流施設を買いあさってきた。その結果、大きく国内の不動産価格は上昇してきた。
その流れがここにきて明確に変わり始めた。
首都圏では、既に2017年に入ってから物件の購入が明らかに減っているという。
特に今までファンドが購入してきた都心の高額物件の動きが悪いという。
2018年は不動産価格は下落を始めるのではないかと考えている。我々不動産投資家はしっかりとマーケットのトレンドをウオッチしていきたい。
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