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世界一斉に金融緩和終了へ 日本の不動産価格が値下がりする理由

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こんにちはJOJOです!

相変わらず日本の不動産は高いですね。先日不動産投資サイトを観ていたら、5年前に売りに出されていたのと同じアパートが売りに出されていました。恐らく前に買ったオーナーが売り出しているのだと思います。

  • 東京都大田区の軽量鉄骨アパート(1K×10戸、築10年)
  • 5年前の売値:1億円 利回り8%
  • 2017年現在の売値:1.3億円 利回り5.5%

驚くべきことに価格は3割も上昇していました! 東京の城南地区という好立地ではありますが、最近の不動産価格の高騰は恐るべきものがあります。

この背景には土地と建物両方が同時に値上がりしてきたことがあります。リーマンショックの後、日銀だけでなく、世界中の中央銀行が金融緩和を一斉に始めました。おまけにヨーロッパと日本はマイナス金利政策まで行っています。

国債の市中金利を大幅に下げることで、国債の魅力を低減し、余剰資金を株式や不動産へのリスクマネーへと向かわせて、物価の情報を狙ってきました。

その結果として、大量のカネ余り現象が起きました。その大量のマネーが世界中の不動産を高騰させ、日本の不動産もその影響を受けて大幅に値上がりしているのです。

史上最高値を更新し続けるアメリカ株式市場

金融緩和は世界中の経済を好転させるのに成功しましたが、最も成功しているのがアメリカ経済です。

リーマンショックの後、2009年3月に景気の底を打ったアメリカ経済は8年以上に渡って景気が拡大しています。特に株式市場の上昇はもの凄い勢いで、リーマンショック後の安値から約2.5倍以上に値上がりしています。そして、毎日のようにダウ平均は史上最高値を更新し続けています。

一部の投資家の間では、今回の景気回復が、1991年3月~2001年3月まで120カ月続いた過去最長の景気拡張期を超えるのではと予想する声もあります。景気の回復は永久に続くわけではないのは皆理解しているのですが、目先に関して楽観的な見方が多いようです。

金融緩和終了へと動き出した欧米

そんな景気拡大を受けて、アメリカは既に金融緩和終了へと舵を切りました。リーマンショックの後利下げを続けてきたのですが、既に利下げは終了し、現在では4回も利上げを行っています。

更に、早ければ9月にも、アメリカの中央銀行であるFRBはバランスシートの縮小を開始し、ヨーロッパの中央銀行であるECBも量的緩和の段階的縮小に関する発表を行うと予想されています。

中央銀行がバランスシートを縮小するとはどういうことでしょうか。今まで金融緩和時代には、各国の中央銀行は市中にある国債を大量に買い入れました。その結果、国債の値段は上昇し、その代わりに金利は低下し続けました。

その結果、FRBのバランスシートは危機発生前の9000億ドル程度の規模から4.5兆ドルにまで増加しました。日銀も大量に国債を購入していますが、アメリカだって負けていないほど自国の国債を購入しています。

今回、中央銀行がバランスシートを縮小するとは、この沢山買い込んだ国債を市場で売却することを意味します。

国債を売却すると、当然国債の価格は下落します。そして、国債の利回りは上昇します。その結果として、国債の魅力が高まり、今まで株式市場に流れ込んでいた資金が国債に向かうようになります。こうして、もはやバブルと言われているアメリカの株式市場の高騰を沈静化させるのが目的です。

また、中央銀行が金融緩和を終了させることの目的はもう一つあります。世界経済に変調が起きた時に備えて、金融緩和策を進める余地を確保しておきたいからです。

金融緩和は政策は利下げや量的緩和を通してバブル発生の原因=カネ余りを生み出します。そこに投資家の過度な欲望が加わり、市場の成長を楽観視することで、バブルが膨張します。

このバブルは必ず弾けます。それは18世紀のオランダのチューリップ・バブル崩壊からずっと世界中で繰り返されてきた資本主義経済の悪しき慣習です。

そうした際に、中央銀行は再び金融緩和策を取れるように、好景気のうちにバランスシートを縮小し、金利を上げるのです。

欧米の金融緩和が終了すると日本の不動産価格はどうなるのか

では、欧米の金融緩和が終了すると日本の不動産価格はどうなるのでしょうか。

欧米と違って、日銀はまだまだ金融緩和を継続する方針を打ち出しています。

先日も、黒田総裁が金融緩和の出口政策の議論をすべきではないと釘を刺していました。

ただ、日本が金融緩和を継続するからといって、日本の株式市場や不動産価格が今後も高値を維持できるというのは早計です。

まず、欧米で金融緩和が終了=国債の利回り上昇すると、マネーが株式市場や不動産と言ったリスクマーケットから国債に一斉に向かいます。

現時点でアメリカの10年国債の利回りは2.2%程度です。一方で、REIT(不動産投資投資信託)の平均利回りは3.5%程度と言われています。

これが、アメリカ国債の利回りが3.5%に値上がりしたらどうなるでしょうか? 国債は満期まで保有すれば元本が保証されます。一方でREITは元本は保証されず、値下がりして元本割れするリスクがあります。となれば、誰もがREITではなく、アメリカ国債を購入することになります。

つまり、今まで、不動産に投資してきた世界中のリスクマネーが米国債に流入しだすということです。

米国債は世界最大の債権市場。アメリカ国内の投資家はもちろんのこと、世界中の投資家のマネーが米国債に向かいます。そうなると、世界中の株式市場、不動産価格が下落することになります。

また、国債の利回りが上昇するということは、国債の価格が下がるということです。

日本の政府だけでなく、金融機関も大量に米国債を保有しています。米国債が値下がりすれば、日本の金融機関も損失を計上することになります。すると金融機関の経営状況が悪化し、融資が引き締まることが予想されます。

第一、金融緩和終了によって、不動産価格が下落するのですから、不動産投資向けの融資も真っ先に絞られると考えたほうが良いでしょう。

その結果としてますます日本の不動産価格は下落します。

まとめ

9月にも欧米で一斉に金融緩和終了へ向かうと予想されています。それと同時に世界中の不動産価格は下落に向かうでしょう。残念ながら日本の不動産も確実に下落します。その下落幅はどこまで大きくなるかはわかりません。緩やかに下落するだけかもしれませんし、一気にリスクマネーが逆回転し急落となるかもしれません。

僕たち投資家はどのような事態が起きても耐えられるように、過剰なリスク資産を整理して、手持ちの現金を厚めに持っておくことが重要だと思います。

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POSTED COMMENT

  1. しま猫 より:

    ついに、そうなってきましたね。
    本日発売の日経ヴェリタス、巻頭特集は「不動産もう上がらない 忍び寄る資産デフレの影」です。
    港区にいたときにも、感じていましたが
    そーへー様の読みどおりになってきた感じです。

    • asoburo より:

      しま猫様

      コメントありがとうございます! 毎月の不動産販売の数字を見ていると7月はマンションは契約率が70%を回復しましたが、戸建販売は不振だったようです。そのため、現在は強弱が混ざり合うまだら模様と言った感じでしょうか。また、動きがあれば当ブログで報告しますね。日経ヴェリタスの記事面白そうですね。是非読ませていただきます。貴重な情報ありがとうございます!

  2. 東天紅 より:

    上の記事を読んだだけですが、以下の文章の意味が分かりません。

    >日銀はまだまだ金融緩和を継続する方針を打ち出しているので、当分の間、金融緩和は行わないでしょう。

    >国債が値上がりするということは、国債の価格が値下がりするということです。

    • asoburo より:

      コメントありがとうございます!
      上記、確かに論理破綻してますね(汗)
      文章を修正させていただきました。

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