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不動産投資では木造、鉄骨、RCどれを選べば良い? 建物構造別の投資戦略を解説!

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不動産投資を始めたいけど、どの建物構造を選べば良いかわからない。木造、鉄骨、RCどれが一番儲かるの?

不動産投資を始める時に一番最初に悩むのが、建物の構造。

収益物件には大まかに言って木造、鉄骨、RCという構造の違いがありますが、構造によって大きく投資スタイルが変わります。

具体的にいうと収益性や規模拡大のスピードが全然違います。

例えば規模拡大を優先したいのであればRCや鉄骨が適しています。

一方で収益性を重視するならば木造が最適です。

よく初心者の方から『どの構造が一番良いと思いますか?』と聞かれるのですが、ぶっちゃけ全てにおいて万能な建物構造は存在しません。

それぞれ必ずメリットとデメリットがあります。

大切なことは構造ごとのメリット・デメリットを正確に理解した上で、自分の投資スタイルにあった構造を選ぶことです。

今回は不動産投資の観点から建物構造ごとの特徴、メリット、デメリットをわかりやすく解説します。

その上で、構造ごとに最適な投資戦略を紹介したいと思います。

この記事でわかること
  • 建物構造の種類とキホン
  • 投資家目線での構造の違い(融資、賃貸競争力、収益性、維持費用、換金性)
  • 建物構造別の投資戦略
こんな人にオススメ
  •  建物構造の違いがどのように不動産投資に影響するか知りたい方
  • これから一棟モノの収益物件を購入したいと考えている方
  • どの建物構造を選べば良いか迷っている方

建物構造のキホン

木造、鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)の概要をまずは解説します。

木造

木造は柱や梁など、建物の主要構造部に木材を使用している建物構造のことです。

戸建やアパートの主要材料として使われます。

木造建築物の最大の特徴は低層ということです。

基本的に3階までの建物しか建てることができません。

その代わりに建築にかかる費用が一番低くなります。

そのため、広い土地が確保できる場所ではほとんどの建築物は木造となります。

また、在来工法(梁と柱を組み合わせて建てる方法)であればデザインの自由度が高いです。

そのため、旗竿地や変形地のような癖のある土地に合わせた形状の建物を建てることが可能です。

鉄骨

鉄骨造とは、柱や梁など、建物の主要構造部に鋼材を使用している建物構造のことです。

鋼材の厚みによって重量鉄骨と軽量鉄骨に分けられます。

  • 鋼材6mm未満:軽量鉄骨
  • 鋼材6mm以上:重量鉄骨

軽量鉄骨はほとんど木造と特徴が変わらないので、この記事では鉄骨=重量鉄骨として話を進めていきます。

壁はALCと呼ばれる気泡を含むコンクリートパネルを使います。

ALCは木造の壁よりも遮音性能は高いのですが、RCのようなコンクリートよりも劣ります。

鉄骨造のメリットとして高層建築が可能になります。

つまり木造では建築できない4階建て以上の建物を建築することが可能です。

また、鉄骨造は建築基準法上の耐火建築物となります。

商業地のような住宅密集エリアは防火地域に指定されていることが多いのですが、この防火地域には耐火建築物でないと建物を建てることができません。

鉄骨造であれば防火地域にも建築可能になります。

デメリットとしては建築費が木造よりも高額になります。

以前はRCよりも割安に建築できましたが、最近では鋼材が値上がりしているため建築費自体はRCとそれほど変わりません。

RC(鉄筋コンクリート)

柱や梁、床や壁といった構造体が全て鉄筋が組み込まれたコンクリートで作られた建物のことをいいます。

大規模なビルやマンションの多くがRCで建築されています。

鉄筋コンクリートは非常に頑丈な建材のため、建物自体とても堅牢です。

遮音性、断熱性、耐震性、耐火性どれをとってもナンバーワンです。

さらに壁式工法であれば構造形態を自由に設定できるため、変形地でも建てることができます(鉄骨造の場合は長方形型の建物しか建てることができない)。

ただし、建築費用も一番高いです。

建物費用自体は鉄骨造とそんなに変わらないのですが、地盤補強工事費用が高くなります。

鉄骨造に比べてRCの建物は自重が重いです。

そのため、地盤が弱いエリアでは地中深くに基礎杭を埋め込む必要があり、地盤補強工事費用が莫大な金額になります。

その結果、最も建築コストが高い構造となります。

融資のつきやすさ

物件を購入する時の融資のつきやすさを比較してみます。

融資のつきやすさは、借入年数と融資金額に比例します。

つまり、できるだけ長く、できるだけ多くの金額を借りることができる方が融資面では有利となります。

借入年数

物件を購入する立場からすれば、長い借入年数を設定できる方が毎月の返済額が減り、キャッシュフローが増えます。

そのため、長い借入年数を設定できる構造の方が有利といえます。

金融機関の借入年数は建物の法定耐用年数に比例します。

建物の構造別の耐用年数は次の通りです。

参考:建物構造別の法定耐用年数

木造 22年
重量鉄骨 34年
鉄筋コンクリート(RC) 47年

金融機関が借入年数を設定する場合は、法定耐用年数ー経過年数を上限とします。

つまり築10年の木造アパートの場合、借入年数は以下となります。

法定耐用年数22年ー経過年数10年=12年

一方で築20年のRCの場合は次になります。

法定耐用年数47年ー経過年数20年=27年

つまり木造 < 鉄骨 < RCの順番で借入年数が長くなります。

融資金額

金融機関が融資金額を算定する際の根拠にしているのが積算価格です。

基本的に積算価格以上の融資金額を設定することは困難です(土地の積算価格と実売価格に大きな乖離がある都市部を除く)。

そのため、基本的に積算価格=融資金額になることが多いです。

積算価格は次の計算式で求めます。

積算価格 = 土地の価格 + 建物の価格

建物の積算価格は次の計算式で求めます。

建物の積算価格 = 再調達価格 ✕ 延べ床面積 ✕ (残存耐用年数 ÷ 法定耐用年数)

再調達価格とは、建物を新たに新築した場合の価格のことです。

構造によって次のように異なります。

  • 木造/軽量鉄骨・・・・・・・15万円/㎡
  • 重要鉄骨・・・・・・・・・18万円/㎡
  • 鉄筋コンクリート(RC)・・20万円/㎡

木造 < 鉄骨 < RCの順番で再調達価格が高くなります。

つまり建物の積算価格も木造 < 鉄骨 < RCの順番で大きくなります。

このように借入年数と融資金額の両方において木造 < 鉄骨 < RCの順番で有利となります。

そのため、融資のつきやすさという観点でいうと、木造 < 鉄骨 < RCの順番となります。

賃貸競争力

賃貸の競争力を決めるのは次の3つのポイントです。

  • 住みやすさ(遮音性、耐火性、耐震性)
  • 賃料
  • 入居者の属性

それぞれ構造別に比較します。

住みやすさ

部屋の間取りや設備を除外すれば、部屋の住みやすさは遮音性、耐火性、耐震性によって決まります。

  • 遮音性:隣の部屋から音漏れしないかどうか
  • 耐火性:火事になった時にもらい火しないかどうか
  • 耐震性:地震がきても安心かどうか

上記3つの全ての観点で優れているのはRCです。

主要構造部が全て頑丈な鉄筋コンクリートで作られているため、優れた遮音性、耐火性、耐震性を誇ります。

次に優れているのは鉄骨造です。

鉄骨造は骨組みが頑丈な鋼材で作られているためRC並に耐震性に優れています。

また、外壁もALC(軽量気泡コンクリート)で覆われていることが多く、耐火性能が優れています。

部屋と部屋の間の壁にもALCが使われていることが多いのですが、ALCはコンクリートほどの遮音性能はありません。

そのため、遮音性という観点では鉄骨はRCより劣り、木造と大差ありません。

最後に木造ですが、こちらは木材で主要構造部が作られているため残念ながら遮音性、耐火性、耐震性すべての観点でRC/鉄骨に劣ります。

木造アパートよりマンションの方がなんとなく住みやすいイメージがあると思いますが、その通りとなります。

住みやすさの観点でいうと、木造 < 鉄骨 < RCの順番となります。

賃料

賃料は住みやすさに比例します。

そのため、木造 < 鉄骨 < RCの順番で高い家賃を取ることができます。

木造に対して鉄骨・RCは10%程度高い家賃が取れるイメージです。

例えば都内のワンルームでいえば、木造アパートは家賃8万円だけど、鉄骨・RCのマンションの場合は家賃9万円という感じです。

鉄骨とRCの間ではほとんど賃料の差はありません。

どちらも賃貸募集する際にマンションと表示することが可能ですし、一般の入居者さんで鉄骨とRCの違いを理解している人は少数派だからです。

入居者の属性

賃貸経営する上で入居者の属性というのはとても大事です。

入居者の属性が低くなればなるほど、騒音トラブルを起こしたり、家賃を滞納する可能性が高まります。

そのため、入居者の属性が高い物件の方が管理は楽です。

入居者の属性は家賃の高さに比例します。

高い家賃を支払える入居者は大手企業に勤務していたり公務員だったりします。

常識をわきまえている人が多くめったにトラブルは起こしません。

一方で低い家賃しか払えない入居者は安定した職についてなかったり、生活保護を受けているケースもあります。

そのような方の中には隣人とトラブルを起こしたり、家賃を滞納してしまう方も少なくありません(生活保護に関しては行政から直接家賃を振り込んでもらえるので滞納リスクはない)。

そのため、低家賃の物件の方が管理に手間がかかります。

そう考えると木造よりも高い家賃が取れるRC/鉄骨の方が入居者の属性が良くなり、管理も楽にできる傾向にあります。

収益性(利回り)

不動産投資家にとって一番大切な指標の一つに収益性(利回り)があります。

利回りも構造によって異なります。

利回りはRC < 鉄骨 < 木造の順番で高くなります。

利回りに違いが出る最大の理由として建物の建築コストがあります。

『建物構造のキホン』の箇所でも説明したとおり、建物の建築費は木造が一番低く、次に鉄骨、そしてRCが一番高くなります。

建築費の目安を指す指標に建築坪単価というものがあります。

これは施工面積一坪(3.3㎡)あたりの建築単価のことをいいます。

建築の坪単価は地域によっても異なりますが、都内ですとおおよそ次のとおりです。

建築坪単価(税抜)の目安

木造 60~80万円
鉄骨 100~130万円
RC 110~140万円

特に鋼材とセメントは世界的に価格が上昇しているため、鉄骨とRCの建築単価は上昇し続けています。

2015年くらいまではRCの坪単価が100万円を超えると『高い』という印象でしたが、今は坪100万円で請け負ってくれる建築会社はほとんどいないと思います。

都内ですとRCの建築単価は平均して坪130-140万円(税抜)くらいです。

ここ5年の間に30%程度値上がりしていることになります。

都内の新築マンションの値段が上がるわけですね。

一方で木造の建築単価はRCや鉄骨ほどは上がっていません。

木造では一時期ウッドショックが起きて木材の価格が跳ね上がりました。

そのため、木造の建築費も若干上昇しています。

ただし、木造建築費における木材プレカット費用はせいぜい全体の10%程度です。

仮に木材価格が20%上がったとしても、建築費全体から見れば2%程度しか増加していないことになります。

そのため、世間で騒がれているほどウッドショックによる値上げは大きくないと思います。

現在は既に木材の先物価格がウッドショック前の水準に値下がりしています。

そのため、将来的には木材価格も落ち着いてくると思われます。

そのため、木造はRCや鉄骨と比べるとまだまだ建築費が安い構造といえます。

木造の建築単価はRCの約半分ですからね。

一方でRCで取れる家賃は木造に比べてせいぜい10%増くらいです。

つまりRCは建築費の高さを家賃の値上げでカバーできないわけです。

その結果、利回りについては建築単価の高いRCが一番低く、建築単価の低い木造が高くなります。

維持費用

不動産の維持費用には大きくわけて2種類あります。

  1. 大規模修繕費用
  2. 固定資産税

それぞれ構造別の特徴を見てみましょう。

大規模修繕費用

建築費用が高いのはRC/鉄骨でしたが、大規模修繕費用が高いのもRC/鉄骨となります。

構造を問わず必要になる大規模修繕工事は外壁・屋根(屋上防水)のメンテナンスです。

この外壁・屋根(屋上防水)のメンテナンス費用は構造によって差があります。

木造アパートの外壁のほとんどはサイディングです。

屋根はスレート屋根という瓦よりも軽い素材でできていることが多いです。

これらのサイディングやスレートの修繕は基本的に上から塗料を塗る作業になります。

塗り直すためには職人さんが作業をしやすいように足場を組む必要がありますが、この足場費用が意外と高額です。

外壁・屋根を塗装するのに必要な総費用のうち約1/3くらいは足場代になります。

木造アパートの多くは2階建てです。高くても3階建てなので足場の高さはそこまで高くありません。

一方で鉄骨・RCマンションになると4階建て以上の建物も珍しくありません。

当然ながら足場も階数が多くなれば同じように多く設置する必要があります。

足場が高くなればそれだけ落下防止や防風対策をしっかりする必要があるため、設置費用が増えていきます。

そのため、一般的に低層アパートよりも高層マンションのほうが足場代、塗装代が高くなる傾向にあります。

また、高層マンションの場合は、増圧給水ポンプやエレベーター設備があることも珍しくありません。

高層マンションの場合、上階まで給水させるためには水道管からの水圧だけでは足りないため、増圧給水ポンプを設置してモーターの力で給水圧を高めています。

この給水ポンプの耐用年数は10~15年といわれており、少なくとも15年に一度は新品に交換する必要があります。

給水ポンプの交換費用は150~300万円程度かかります。

また、ポンプのメンテナンス費用が毎年かかります。

エレベーターが設置されているマンションの場合は、エレベーターの保守点検費用が毎月かかります。

おおよそエレベーター1台あたり毎月2~5万円ほどかかります。

しかもエレベーターもいずれは交換する必要があります。

エレベーターの耐用年数は20~25年くらいです。

実際は30年を目処に交換されることが多いようです。

エレベーターを1基交換するとなると1,000~1,500万円の費用がかかります。

恐ろしい金額ですよね。

このようにマンションは、外壁や屋根の補修費用が高い上に、給水ポンプやエレベーターの補修・交換費用が発生します。

そのため、大規模修繕工事費用は木造アパートに比べて鉄骨・RCマンションの方が高くなります。

固定資産税

固定資産税(都市計画税含む)は土地と建物の両方で必要になります。

そして建物の構造によって固定資産税の金額は異なります。

基本的に木造 < 鉄骨 < RCの順番で固定資産税評価額は高くなります。

つまり建物の寿命が長いRCの固定資産税が一番高くなります。

固定資産税評価額は毎年建物を減価償却するのに合わせて減っていきますが、RCの場合耐用年数が47年もあるため、毎年の減額幅は木造よりも小さくなります。

そのため、RCの固定資産税は木造よりもかなり高額になります。

例えば固定資産税はRCマンションの場合、家賃の約1ヶ月分ほどかかります。

一方で木造の場合は家賃の半月分以下に抑えられることが多いです。

キャッシュフロー

賃貸経営を行う上で、一番大切な指標はキャッシュフローといっても過言ではないと思います。

キャッシュフローが不足すれば資金が底をついて賃貸経営を続けられなくなってしまうからです。

構造によってキャッシュフローは大きく異なります。

一般的に木造 < 鉄骨 < RCの順番で毎月のキャッシュフローの額は大きくなります。

毎月のキャッシュフローは大雑把にいうと次の式で求められます。

家賃収入 ー 借入金の返済金額 = キャッシュフロー

例えば次の2種類の物件があるとします。

  1. 木造アパート:価格5,000万円、築10年、利回り10%
  2. RCマンション:価格5,000万円、築10年、利回り8%

どちらも価格と築年数は同じです。

利回りは木造アパートが10%とRCマンションよりも2%高く設定しています。

これは先ほど説明した通り建築単価の低い木造アパートの方が利回りが高くなるからです。

そのため、木造アパートの家賃収入は年500万円、月約42万円となります。

一方でRCマンションの家賃収入は年400万円、月約33万円となります。

次に月々の返済金額を求めてみましょう。

木造アパートの場合、築10年ですので借入年数は法定耐用年数22年から10年マイナスした12年間となります。

その場合、毎月の返済額は39万円となります。

RCマンションの場合、築10年ですので借入年数は法定耐用年数47年から10年マイナスした37年間となります。

その場合、毎月の返済額は16万円となります。

そしてそれぞれ、家賃収入から借入金の返済額を引いた残りがキャッシュフローとなります。

RC 木造
家賃 330,000円 420,000円
返済額 160,000円 390,000円
キャッシュフロー 170,000円 30,000円

木造の方が家賃収入は多いですが、借入期間が短い分だけ毎月の返済金額が大きくなります。

その結果、キャッシュフローについては木造よりもRCの方が毎月14万円も多くなります。

その差は5.6倍にもなります。

このようにキャッシュフローの観点だけでいうと、RCマンションの方が木造よりも大きくなる傾向にあります。

<注意点>

ここでは理解しやすいようにあえてキャッシュフローの計算において大規模修繕費用、税金(固定資産税、所得税等)を考慮していません。

売却のしやすさ(換金性)

収益不動産は売却して初めて利益が確定します。

一方で、株や債券と違って不動産には公設市場がないので、売りたいと思ってもすぐに買主が見つかるわけではありません。

そのため、売却したいと思ったら、すぐに買主が見つかる物件というのは価値が高いことになります。

木造 < 鉄骨 < RCの順番で物件は売りやすくなります(換金性が高い)。

理由はRCは借入年数が長いため、買主が融資をつけやすいからです。

いくら利回りが高くても築30年とかの木造アパートだと融資期間が短くなります。

すると家賃収入を返済金額が上回ってしまいマイナスのキャッシュフローになることも珍しくありません。

転売狙いの業者ならまだしも初心者の投資家はそんなキャッシュフローがマイナスの物件を買いません。

そのため、借入年数が長く、キャッシュフローが多く取れるRC物件は買主を見つけやすい(売却しやすい)といえます。

都心の新築RCが投資熟練者や富裕層に人気が高いのは、換金性が非常に高いからです。

ただ、木造でも1,000万円を切るようなアパートや300万円以下の戸建になると現金で購入できる投資家も増えてきます。

そのため、小ぶりな物件であれば木造でも換金性は高いといえます。

構造別の投資スタイル

最後に、各構造別に最適な投資スタイルを紹介します。

木造アパート

木造アパートの投資スタイルには2通りあります。

  1. 築古アパート
  2. 新築アパート

築古アパート

基本的に高利回りな築古物件を高金利な金融機関を使って購入するやり方です。

ほとんどの地銀・信金は建物の法定耐用年数以内でしか融資をしないため、築古木造アパートには融資がでずらいです。

ただ、世の中には静岡銀行、三井住友L&Fといった耐用年数をオーバーした物件にも融資をしてくれる金融機関が存在しています。

これらの金融機関はリスクを取って築古物件に融資を出す代わりに、高めの金利(3-4%台)を要求してきます。

そのため、高い金利を支払ってもキャッシュフローが出るような高利回りの物件を狙っていきます。

この種の築古物件は修繕トラブルが多発するので、賃貸経営に比較的時間が割ける方にオススメです。

修繕トラブルを経験すればするほど大家力が上がりますので、はやく成長したい方にもよいでしょう。

また築古アパートは値段も抑えられているため、規模が小さな物件から始めたい初心者の方にも向いているといえます。

新築アパート

新築アパートの基本戦略は利回りが低めですが、その代わり30年以上の長期融資を引いてキャッシュフローを出していくやり方です。

木造の場合、借入年数は基本的に耐用年数と同じ22年になりますが、新築で劣化等級2級以上を取得すれば融資を30年以上引くことも可能です。

また、新築に融資を出してくれる金融機関は多いため、地銀や信金といった比較的金利が低い金融機関を使うことができます(金利1-2%程度)。

新築のメリットは竣工後10年間はほぼ修繕が発生せず、賃貸競争力も高いため、運営が楽な点です。

そのため、忙しい高属性サラリーマン投資家に向いている投資手法といえます。

注意点はできるだけ立地の良い場所の物件を購入することです。

建売業者がよく郊外の立地が悪い場所の新築アパートを相場よりも少し高い利回りで売り出してますが、これらはあまりオススメしません。

新築の間は入居者がつきますが、一回退去があると大幅に家賃を下げないと入居者が決まらないことが多いです。

そのため、利回りは高くても明らかに賃貸需要が低そうなエリアの新築には手を出さないほうがよいでしょう。

RCマンションの投資スタイル

RCマンション投資は長期間融資を組めるため、キャッシュフローが出やすい投資手法といえます。

一方で物件の規模が大きくなりますので、最低でも5,000万円。高くなると数億円の投資になります。

そのため、まとまった頭金が用意できて、大規模な融資が引ける属性の良い方に向いています。

RCマンション投資の王道は築25年くらいまでの中古のRCを購入し、5年ほど運用して売却するというものです。

築20-25年くらいまでの中古RCであれば既に家賃が落ち着いていますし、建物もまだ比較的若いため大規模修繕リスクも高くないです。

このような中古RCに30年ローンを組んで購入します。

そして、5年間保有した後は売却を視野にいれます。

築25年で購入して5年保有した場合、売却時には築30年です。

築30年のRCでしたら残存耐用年数が17年あるため、次の購入者が20年超の融資を引くことができます。つまり次の買手が見つかりやすいのです。

もちろんそのまま保有し続けるという選択肢もあるのですが、都市部の好立地RC以外ではあまりオススメしません。

RCは建築費が高額な分、修繕費、そして更地にする場合の解体費も莫大な金額になります。

そのため、築年数が経過すればするほどメンテナンス費用はかさむし、最後に解体する時期が近づいてきます。

最後に資産価値の高い土地が残る立地の場合は良いでしょうが、それ以外の郊外立地の場合は土地の価値よりも解体費の方が高くなるケースも珍しくありません。

このようなケースでは価格をゼロにしても買手を見つけることができません。

そうならないうちに売却してしまう方が安全と言えます。

次にRCの新築マンション投資手法を紹介します。

完成済みの新築RCマンションは換金性が良い代わりに利回りが非常に低いです。

都心エリアですと新築RCマンションの利回りは3-4%程度です。

相続税対策のために現金で購入するような資産家向けと言えます。

投資家が新築RCマンション投資で儲ける方法としては、自分で土地を探してRCの建物を建築するという手法があります。

一人ディベロッパーというやり方です。

都心で利回り6%の物件を仕込んで、利回り4%で富裕層に売却するイメージです。

ただ、これはもはや不動産投資というより不動産開発業です。

規模は違ってもやっていることはプロのディベロッパーと大差ありません。

そのため、相当なノウハウが必要とされます。

またRCは建築するのに2年弱の期間がかかります。

その間に不動産市況が暴落して想定していた価格で売却できないリスクもあります。

しっかりと不動産投資のノウハウを身につけてから土地から新築RCに挑戦することをオススメします。

重量鉄骨マンションの投資スタイル

鉄骨マンションの投資スタイルもRCと似ています。

木造に比べて建物の耐用年数が長いため、長期のローンを引くことができます。

理想的なパターンは築15年くらいまでの中古の鉄骨マンションを購入し、5年ほど運用して売却するというものです。

築15年であれば残存耐用年数が19年あります。

つまり最低でも借入年数を19年以上で設定することが可能です。

金融機関によっては25年、30年の融資も可能でしょう。

これだけ長期のローンが組めればキャッシュフローが出て安定した賃貸経営ができると思います。

そしてRCと同じく5年保有して売却します。

5年後は築20年になります。残存耐用年数は14年です。

次に買う方も15年~25年ほどの借入期間を設定することができるため、買いやすくなります。

そのため、売却もスムーズに進むことが想定されます。

ただし、売り出されている中古物件をチェックすると気が付きますが、市場に出ている鉄骨造の中古マンションのほとんどは築30年以上経過しているものばかりです。

これらの鉄骨マンションを耐用年数オーバーでも融資してくれる静岡銀行や三井住友L&Fを使って購入することもできますが、あまりオススメしません。

そもそも静岡銀行や三井住友L&Fは3%を超える高金利ですので、よほど利回りが高くないとキャッシュフローが出ません。

仮に表面上利回りが高いとしても築30年経過しているマンションは外壁や配管が傷んでいることも珍しくありません。

そのため、買ってすぐに大規模修繕工事が必要になるケースも多々あります。

また、築30年の鉄骨マンションを購入し、5年間保有したとすれば残存耐用年数はゼロになります。

つまり、売却しようとしても、融資をしてくれる金融機関が限られるため買手を見つけるのが非常に困難です。

実際の購入先としては、建物を壊して更地として販売を見込んでいる不動産業者になるのではないでしょうか。

業者は現金やローン特約ナシで購入してくれますがその分大幅に値段が下がります。

そのため、出口を考えると築30年以上の築古鉄骨マンションは避けたほうが無難です。

もし買うとしても最終的には自分で建物を解体し、更地にして戸建て業者に販売するくらいの覚悟が必要になります。

まとめ

不動産投資において、どの建物構造が優れているとは一概にはいえません。

どの構造にもメリット・デメリットが存在するからです。

そのため、建物構造を検討する前に、自分が不動産投資を通して何を勝ち取りたいのかを明確にすることが大切です。

  • リスクを抑えながらゆっくりとしたペースで着実に資産を増やしていきたいのか
  • 多少のリスクを取ってでも、規模拡大のスピードを早めたいのか

自分が目指すゴールによって、最適な建物構造は変わります。

ぜひ皆様も自分自身の目的を達成するために最適な建物構造、投資スタイルを見つけてみてください。

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不動産投資で最も大切なことは『儲かる』物件を購入することです。

ただ、物件の利回りや価格だけを見ていても、本当に儲かる物件かどうかは判別できません。

例えば一見、立地が良くて、価格も手頃なので儲かりそうに見えたけど、実際に購入した後に運営経費や税金を考慮すると手残りキャッシュフローが赤字になってしまう物件もあります。

ぶっちゃけネットで検索すると収益不動産は山のように出てきますが、残念ながらほとんどの物件は儲かりません。

儲かる物件かどうかを判別するためには、自分自身で収支シミュレーションを行い、税金を支払った後に残るキャッシュフローの金額を正確に把握する必要があります。

ただ、初心者の方にとって賃貸経営において必要な運営経費を漏れなく計上するのはハードルが高いです。

また日本の税制は複雑なので、収益不動産を購入することによってどれだけ税金が増えるのかを計算するのは至難の技です。

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