不動産投資の始め方 PR

都市部 vs 地方における不動産投資の特徴をそれぞれ解説します!

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こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

都市部と地方のどちらで不動産投資を始めた方が良いでしょうか?

この質問は本当にたくさんの初心者の方から頂きます。

最初は対象エリアが絞れずに悩みますよね。

僕も最初の頃は、エリアが絞りきれずに日本全国の物件を検索して疲れ果てていました(^-^;)

不動産投資といっても、都市部と地方ではその手法が全く異なります。

都市部では賃貸ニーズは高く入居者獲得は簡単なのですが、物件価格が高く利回りは低いです。

地方では物件価格が低く利回りは高いのですが、空室リスクが高いです。

どちらが自分に相応しいか悩みますよね。

そこで今回は、初心者の方向けに都市部と地方での不動産投資の違いについてわかりやすく解説したいと思います。

皆様が対象エリアを絞り込む際の参考になれば幸いです。

東京の利回5%と地方の利回り10%どっちが良い?

政府・日銀の金融緩和以来、ずーっと不動産価格の高騰が続いています。

スルガ銀行の不正融資が発覚してから不動産投資向けの融資を絞る金融機関も増えてきたため、収益不動産の価格も下がるかと思っていましたが、全然下がりませんでしたね。

むしろコロナで金融緩和が始まって、不動産価格は上昇を続けています。

特に人気の都市部では、不動産価格は高値を維持しています。

利回りも低いままですね。

世の中にはお金を持っている自営業や資産家の方が沢山います。

このような層は現金をたっぷり持っているので、金融機関の融資に頼らなくても不動産を購入できます。

そのため、都市部の不動産価格は右肩上がりで上昇しています。

例えば僕の投資エリアである東京23区(目黒、品川、大田区)で言うと、利回りは中古でも5%前後。新築だと4%台も珍しくありません。

このくらいの利回りですと、頭金をかなり入れないとキャッシュフローが出てきません。

そのため、多くの投資家が利回りが低い都心を見限り、より高い利回りを求めて地方に進出しています。

地方の物件を求める人も増えているため、地方の収益物件の価格も高値を維持しています。

数年前の不動産投資ブーム最盛期ほど高くはありませんが、それでもまだ高いです。

例えば僕が不動産投資を始めた2011年には栃木県宇都宮市の一棟中古マンションだと利回りは15%くらいありました。

今は利回りは少し上がったとはいえ、10%程度です。

ただ、それでも東京の利回りに比べて2倍ほど高い利回りになります。

そのため、高い利回りに惹かれて、地方物件を購入する人も大勢います。

一見すると、地方のほうが利回りが高く、儲かるように見えます。

ただ、地方物件は都市部に比べて様々な費用が多くかかるため、手残りはそこまで多くないことに気をつける必要があります。

家賃に対する経費率が高い地方

地方では、次の2つの経費率が高くなります。

  1. 修繕費(原状回復工事)
  2. 入居者獲得費用

修繕費

地方では家賃が安いにも関わらず、都市部とほぼ同じ額の修繕費がかかります。

なぜならば、原材料費や人件費は東京も地方もそんなに変わらないからです。

もちろん職人さんの人件費は東京のほうが高いのですが、東京の業者は人件費の高さを見積もりに反映してきません。

東京では業者同士の競争が激しいので、価格を上げることが難しいからです。

そのため、東京での修繕費は意外と地方と同額か、少し安いです。

一方で地方は割高になるケースが多いです。

地方では業者の競争が少なく、特定の一社が修繕工事を独占しているエリアも多いです。

その場合、業者を選ぶことができないため、修繕費が高くなるケースがあります。

例えば、北陸新幹線が開通して有名な金沢などは、地場の管理会社や工務店の競争が少ないので、修繕費は東京よりも高いです。

入居者獲得費用

地方では一度空室となると次の入居者が決まるまで時間がかかります。

東京だと年中家探しをしている人がいるので、一年中安定して入居者を獲得できますが、地方だと3月の繁忙期を逃すと1年間空室が出てしまうなんてことはザラです。

そのため、地方の大家さんの多くは早く入居者を獲得するために、仲介会社に『広告料』を多めに支払っています。

広告料とは、大家が仲介会社に支払う仲介手数料のことです。

東京だと広告料は家賃の1ヶ月が相場ですが、地方だと広告料として3ヶ月分くらい必要なことは珍しくありません。

競争の激しい札幌なんかだと、決まらない物件は広告費6ヶ月分も請求されることがあるそうです。

そのため、地方では一度空室が生じると、入居者獲得コストが多めにかかるということを理解しましょう。

かかるコストを何ヶ月分の家賃で回収できるのか?

一度退去があった場合にかかるコストを何ヶ月分の家賃で回収できるのかどうかを地方と東京で比較してみたいと思います。

単身者用のワンルーム物件を例にあげて計算してみます。

地方のケース

地方だと単身者用のワンルーム家賃は3万円程度です。

札幌や福岡のように競争が激しいエリアだと家賃2万円という場所もあるので、3万円は結構高めの金額になります。

家賃 3万円

一方で、退去があった場合に必要なコストは次の通りです。

原状回復工事 10万円
広告料 9万円(家賃の3ヶ月分)
合計 19万円

退去があった場合に必要なコストを何ヶ月分の家賃で回収できるか計算すると、次のようになります。

総費用19万円÷家賃3万円=約6.3カ月分

東京のケース

東京だと単身者用のワンルーム家賃は8万円程度です。

六本木や恵比寿のような人気エリアになると家賃10万円を超える物件も多いのですが、東京23区の平均的な家賃ということで8万円にしておきます。

家賃 8万円

一方で、退去があった場合に必要なコストは次の通りです。

原状回復工事 10万円(地方と変わらず)
広告料 8万円(家賃の1ヶ月分)
合計 18万円

退去があった場合に必要なコストを何ヶ月分の家賃で回収できるか計算すると、次のようになります。

総費用18万円÷家賃8万円=約2.3カ月分

地方ではコストを家賃で回収するのに6.3ヶ月かかるので、東京は約1/3の期間で投資回収できることになります。

実際は地方物件のほうが空室期間が長くなるため、空室期間の家賃ロスを考慮すると退去に関わるコストは更に大きくなります。

地方物件は一見高利回りに見えるのですが、実際に運営をしてみると意外と運営コストが高いことがわかります。

地方物件は売却に苦労する

次に、売却という観点で都市部と地方を比較してみたいと思います。

収益不動産を長年持ち続けると、ある時期を境(さかい)にキャッシュフローが急減します。

建物の築年数がまだ法定耐用年数よりも若い間は減価償却費を計上できます。

しかし耐用年数を過ぎると減価償却は終了します。

そうなると、計上できる費用が急減して、その分利益額が大きくなります。

利益が大きくなると収める税金の額も増えてくるため、キャッシュフローが急に減少します。

どのくらい税金の額が大きいかというと、ざっくり利益の30%程度になります(法人、個人問わず最低これだけはかかります)。

個人で不動産を所有して、給与収入が1,000万円以上ある人は更に税率が上がります。

また、借金の返済が進んでいくと、返済金額の中に占める利息の割合も減っていきます。

そうなると返済金額の大部分は元金となります。

元金のの返済分は費用計上できないので、利益が増えて税金の額が増えていきます。

こうして、いわゆるデットクロスと呼ばれる状態に近づいていきます。

JOJO
JOJO
デットクロスを解説します。建物の減価償却期間が終わると利益が増えて税金が一気に増えます。そうすると借金の元本返済よりもキャッシュ・フローのほうが少なくなります。こうしてキャッシュフローで借金を返済できなくなる状態のことがデットクロスと呼ばれています。

このようなデットクロスを回避するためには、減価償却期間が終了した古い物件を売却して、償却期間が残っている新しい物件に資産を入れ替えることが有効です。

ただ、地方の物件だと、売りたいのに売れないという状況に陥るケースが少なくありません。

売却しにくい理由は2つあります。

1つ目の理由は、「そもそも購入希望者の数が少ない」ことです。

地方の投資家の数は東京のような都市部に比べると圧倒的に少ないです。

地方では会社員の賃金水準が低いため、東京のようなサラリーマン投資家がほとんどいません。

そのため、地方の物件を購入できるのは基本的に地元の地主や自営業者となります。

2つ目の理由は、地方物件は不動産価値の下落スピードが早いため、売却価格が想像以上に低くなってしまうことです。

東京のような都市部では建物に占める土地の割合が高いです。

新築物件だと土地:建物=7:3です。

一方で、地方の場合は土地が安いので、土地:建物=2:8くらいです。

築年数が経過すると建物の価値はゼロに近づきます。

一方で、土地の価値は変わりません。

地方では建物に占める土地の割合が低いため、築年数が古くなると物件の価格が急激に下がっていきます。

そのため、いざ売却しようと思っても、残債を下回る価格でしか売れないことも多いです。

残債を下回る価格で売却しようとしても、金融機関が抵当権を外してくれないため、売ることができません。

旧スルガ銀行でフルローンの融資を受けて地方のRC物件を購入した方の中にはこのように物件を売るに売れない状態になって苦しんでいる人が大勢います。

買える物件より売れる物件のほうが大事

収益不動産を購入する場合は、ほとんど方が融資を使います。

そのため、買う時も売る時も融資がつくかどうかがポイントになります。

物件を選ぶ際には、「自分が売却する時に、次の買い手が融資を引けるかどうか」の観点でチェックすることが大切です。

では、次の買い手が購入しやすい(融資を引きやすい)物件とはどんな物件でしょうか?

それは一定期間保有しても、担保価値が下がりにくい物件です

担保価値は土地と建物の合計で計算されます。

つまり、土地と建物の両方の観点で担保価値が下がりにくい物件ほど、売却しやすい(次の購入者が融資を引きやすい)と言えます。

土地の価値が高いエリア

土地の価値が高いエリアとは、ずばり将来的に人口が増え続けると予想されているエリアです。

今後人口が増え続けると予想されている代表的な都市は沖縄と東京ですね。

意外にも日本で一番人口増加率が高いのが沖縄です。

出生率が高いことが最大の要因ですが、最近では大量の外国人観光客が訪れるようになって、観光地としての人気も急上昇しています。

そのため、今後も観光産業が発展し、就労人口も増えていくと予想されています。

東京については2025年まで人口が増え続けます。約1400万人まで増えると予想されています。

東京はいうまでもなく政治・経済の中心地であり、観光資源も豊富にあるため外国人観光客数も増え続けていました。

今はコロナで一時的に外国人観光客がゼロになっていますが、そのうちコロナが落ち着けば観光客は必ず戻ってきます。

実際にアフターコロナの観光需要復活を見越して、既に大手不動産ディベロッパーやホテル業者が東京のホテル用地を探し始めています。

コロナが収束して生活が元に戻ることを考えると、東京の地価が下がることは考えにくいですね。

担保価値が落ちにくい建物種別

次に重要なのは建物の種別です。

建物の種別には鉄筋コンクリート(RC)、重量鉄骨、木造と大まかに3種類がありますが、それぞれ耐用年数が違います。

参考:建物構造別の法定耐用年数

木造・軽量鉄骨 22年
重量鉄骨 34年
鉄筋コンクリート(RC) 47年

銀行は基本的に耐用年数以内でないと融資をしてくれません。

そのため、耐用年数が47年と一番長いRCが最も融資を引きやすい建物構造と言えます。

また、築年数が浅いほど融資は出やすいです。

それは、融資期間を長く設定できるからです。

新築のRCの場合ですと理論上は耐用年数と同じ期間である47年間の融資を受けることが可能です(実際は、多くの金融機関は最大融資年数を35年以内としていますが)。

こう考えると、新築RCが一番融資がつきやすい(=売却しやすい)と言えます。

実際に洗練された不動産投資家の多くは新築RC物件を手がけています。

新築RCは利回りは高くありませんが、非常に売却しやすいです。

つまり換金性に優れているのです。

将来の売却まで視野にいれると、東京のような土地価格が下がりにくいエリアで新築のRCを建てるのが一番確実な方法と言えます。

儲かるかどうかは、売却するまで分からない

不動産投資の成否は、売却して始めて確定します。

つまり、きちんと売り抜けて、利益を残せるかどうかが重要です。

キャッシュフローがプラスの収益不動産を購入すると、毎月定期的に現金が手に入ります。

一棟マンションを複数所有していると、キャッシュフローの総額がサラリーマンの給料を超えることも難しくありません。

そのため、給料の額以上にキャッシュフローが得られるようになると、お金持ちになったという錯覚を覚えます。

そして、一気にサラリーマンを卒業したくなります(*^-^)。

ただ、実はキャッシュフローが出ている物件を持っているからといって不動産投資が成功かどうかというと、それはわかりません。

なぜかと言うと、不動産投資の成否は物件を売却して始めて決まるからです。

最終的に売却し、税金も払った後にいくら残るのかが大切なのです。

保有期間中のキャッシュフローが多く出ても、売却時に値下がりして損失が出るのでは意味がありません。

最悪の場合は残債以下の価格でしか売れないケースです。

この場合売却したくても、売却できません。

売却しても残債が完済できないので、銀行が抵当権を外してくれないからです。

出口戦略を描きながら物件を購入することが大事

物件を購入する際には、あまり売却のことまで検討しません。

しかし、不動産投資は売却と購入を繰り返したほうが資産効率が良くなります。

そのため、高値で手早く売却できるかどうかが、不動産投資の成否を分けることになります。

ただ、誤解しないでほしいのが、僕は地方の物件がダメだと言っているわけではないということです。

地方には、高利回りという最強の武器があり、保有している間の月々のキャッシュフローは低利回りの都市部物件を遥かにしのぎます。

そのため、これから規模を拡大していきたいと考えている不動産投資家にとっては、地方物件をキャシュフローを貯めるマシーンと割り切って活用する方法もあります。

ただ、上に述べてきたように地方物件の価格下落のスピードはかなり早いです。

そのため、ある程度保有して、キャッシュフローを稼いだら早めに売却したほうが良いと思います。

まとめ

地方と都市部の物件の特徴をまとめると次のようになります。

地方物件 高利回りのため保有期間中のキャッシュフローは大きくなる。ただし、運営コストも高め。物件価格の下落スピードが早いため、売却する際には不利
都市部物件 低利回りのため保有期間中のキャッシュフローは少ない。ただし、資産価値が維持されるため、売却時には高値で売却できる可能性が高い。

このように地方と都市部の物件では特徴が異なります。

それぞれの特徴をしっかり理解した上で、最適なエリア戦略を立てて行きたいですね。

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