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東京のマンション価格が2ヶ月連続で下落 不動産投資家がその理由を徹底解説!

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こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

いよいよ東京のマンション価格が下落し始めました

2019年12月に東京カンテイが出したレポートが不動産業界で大きな話題となりました。

とうとう東京都のマンション価格が2ヵ月連続で下落したのです。

出典:東京カンテイ 2019年11月度 中古マンション価格天気図

東京のマンション市況がここまで悪化したのは2013年7月以来の実に6年4ヵ月ぶりです。

東京カンテイは『⾧らく続いたトレンドに変化の兆しが現れている』と分析しています。

東京のマンション価格はアベノミクスが開始した2014年以降凄まじい勢いで上昇してきました。

出典:一般財団法人 日本不動産研究所

リーマンショック直後の2009年に新築マンションを購入した方が10年後に売却する場合、買った値段の25%も高く売れることになります。

5,000万円で新築マンションを購入した方は、10年間タダで住めた上に1,250万円の売却益が出るという計算になります。

実際に僕の友人は2010年に品川駅港南口の新築マンションを当時6,000万円で購入したのですが、2019年に9,000万円で売り抜けました。

売却益3,000万円とかヤバいですね。。

ちなみに僕の友人は自分の家族が住むために買ったのであって、投資家ではありません。

投資家の僕以上に売却益を上げています。

JOJO
JOJO
なんてこった・・・

もはやプロの転売業者並みの利益です。

このように10年前に東京でマンションを買った方の多くが20~30%の含み益が出ていると思います。

ただ、冒頭で伝えたとおり、東京のマンション価格はとうとう下落し始めたようです。

そして、僕は今後、マンション価格の下落は続くと予測しています。

今回は、マンション価格が下落していく理由を不動産投資家の観点から解説していきたいと思います。

会社員が買えない値段に上昇した

東京カンテイによれば、東京都の2018年の新築マンション(70㎡)平均価格は7,688万円でした。

マンション価格が平均年収の何倍にあたるかを示す『新築マンション年収倍率』では、東京都は13.3倍。

年収倍率が8倍を超えると購入できる層ば激減すると言われていますから、この13.3倍というのは途方も無い倍率です。

確かに東京23区に限定すれば、3LDK以上の新築ファミリーマンションは8,000万円以上します。

冷静に考えると会社員に手の届く価格ではないですね。

仮に8,000万円のマンションを全額ローン(金利0.7%、借入期間35年)で購入したとすると、毎月の返済金額は次の通りです。

214,817円

もはや若手社員の月収並みの金額です。

住宅ローンの返済は毎月の給料の1/4以内に抑えるのが安心と言われていますから、ざっと月収80万円以上ないといけないわけです。

月収80万円えようと思ったら、会社員だと総合商社や大手金融機関に勤めて、更に管理職にならないと厳しいですね。

医師でも、勤務医だと結構苦しいんじゃないでしょうか。

というわけで、今の東京の新築マンションは普通の会社員には手が届かない価格水準になっています。

その証拠に、買う人が激減しているんですね。

東京カンテイによれば、首都圏の新築マンションの契約率は次の通り低迷しています。

9月 56.8%
10月 42.6%
11月 55.2%

販売の好・不調の境(さかい)が契約率70%と言われていますから、契約率50%台は超絶不調というわけです。

売出し中の新築マンションの半分が売れ残っていることになりますからね。

一方で会社員の給料上昇も頭打ちになってきました。

また、2020年1月から年収850万円以上の会社員の所得税が増税になりました。

そのため、ますます都内の新築マンションを購入できる層が少なくなっています。

それでも

『新築マンションは富裕層が相続対策で購入してくれるから、高くても売れる』

と考える人もいるでしょう。

ただ、実際は富裕層のマンション購入熱も低下してきているのです。

タワマン節税が国税局から否認された!

今まで、マンション、特に都内の高額なタワーマンションは富裕層の節税商品として人気が高くなっていました。

その理由は、タワーマンションの相続税評価額が実勢価格よりも低く、現金で置いているよりもタワーマンションを購入したほうが、相続税の評価の上では圧倒的にお得になるからです。

現金で2億円持っていると、相続税として3,500万円ほど取られます。

ただ、現金でタワーマンションを購入すると相続税評価額は8,000万円までに圧縮されます。

その結果、相続税を500万円に減らすことができました。

借金で2億円のタワーマンションを購入した場合はその節税効果はもっと大きくなります。

例えば、2億円のタワーマンションをフルローンで購入した場合、資産と負債のバランスは次の通りとなります。

  • 資産(タワマン)の評価額:8,000万円
  • 負債の評価額:2億円

相続税評価としては資産(タワマン)よりも負債の方が大きいため、評価はマイナス1.2億円となります。

そのため、タワマンには一切相続税がかかりません。

しかも、更に節税効果があります。

この人は現金を1.2億円持っていたと仮定します。

するとタワマンの相続税評価額はマイナス1.2億円ですから、現金の1.2億円を相殺することができます。

つまり、1.2億円も現金をもっているのに、相続税がまったくかからないのです。

その後、その方が亡くなり、現金とタワマンが相続されます。

相続した人はタワマンを売却します。

都内の好立地にあるタワマンはほとんど値下がりしないので、2億円で売ることができ、借金を完済することができます。

そして手元には相続した現金1.2億円が無傷で残るというわけです。

このようなタワーマンションを活用した節税スキームが富裕層の間でブームになりました。

ところが!

このタワマン節税スキームが国税庁から否認される事例がでてきました。

この事例ではある資産家が東京都内のタワーマンション(30階部分)を約3億円で購入しました。

相続税の評価額は約5,800万円になり、購入価格の80%も評価を下げることができました。

その後、資産家が亡くなり、タワマンを相続した人はほぼ同じ金額の3億円でタワーマンションを売却しました。

その結果、大幅に相続税を圧縮することができたのです。

ただし、国税局も黙ってはいません。

明らかに相続対策として亡くなる直前に購入したタワーマンションの価値は通常の評価方式ではなく、取得価格(時価)で評価すべきだと主張したのです。

裁判の結果、結局このタワマンは購入時の3億円で評価されるのが妥当との審判が下り、3億円に対する相続税の支払い義務が発生しました。

この事例は平成23年の判決ですが、この結果を踏まえて、国税庁は過度なタワマン節税に対するチェックを厳しくする方針を平成27年に発表しました。

また、最近では2019年11月に、相続対策として購入したアパートの土地価値は『路線価で評価するのは適当ではない、時価で評価すべし』との判決も出ています。

JOJO
JOJO
土地の相続税評価額は国税庁が発表している路線価に基づいて基本的に評価されます。東京のような土地の高いエリアでは、実勢価格よりも路線価が低く設定されているため、土地の相続税評価額は低くなる傾向にあります。

このように不動産を利用した相続税の節税スキームに対しては年々国税庁の監視が厳しくなっています。

その結果として、節税対策としてのマンション購入ニーズは確実に減少しています。

中国人のタワマン爆買いが終了

中国人の富裕層が都内のタワマンを爆買いしているニュースをご存知の方も多いと思います。

中国では不動産の所有権が認められていません。

そのため、外国人にも不動産の所有権が認められている日本の不動産を購入するのが中国人富裕層の間でブームになりました。

また、収益性の観点でも日本の不動産は優れています。

北京、上海、香港、台北などのアジア主要都市のマンション利回りは1%程度と言われています。

それほどアジアの主要都市では既に不動産価格が高騰しているのです。

一方で、東京の都心のマンションの利回りは3%程度あります。

北京、上海に比べると利回りは3倍もあるわけです。

この収益性の高さも日本のマンションの魅力になっていました。

ところが、米中貿易摩擦が続いた結果、中国人富裕層の購入意欲が衰えています。

香港ではデモが長期化し、香港の富裕層の投資活動も停滞しています。

その結果として、中華系のマンション爆買いニーズが減少してしまいました。

数年前に日本のマンションを購入した中国人投資家たちは、現在売却に動いています。

華僑の人達は投資の達人であり、相場を熟知しています。

東京の不動産はオリンピックの期待が高まっている今の時期に一番高く売れることを良く知っています。

また、中国人投資家が東京の不動産を買い始めたのは、オリンピックが決まった2014年からです。

税金の観点からも、5年たった今が売りどきを迎えています。

マンションの売却で利益がでると税金がかかるわけですが、その税率はマンションの所有期間(5年以下か5年超か)で変わります。

物件を5年超保有した後に売却した場合は「長期譲渡」。

5年以内に売却した場合は「短期譲渡」となります。

JOJO
JOJO
所有期間のカウント方法は実際の引渡し日ではなく、あくまで”売却する年の1月1日”が基準になります。

5年超え(長期譲渡)の場合:合計税率 22.1%

  • 所得税:譲渡所得×15%
  • 復興特別所得税:上記所得税額×2.1%
  • 住民税額:譲渡所得×5%

5年以下(短期譲渡)の場合:合計税率 41.1%

  • 所得税:譲渡所得×30%
  • 復興特別所得税:上記所得税額×2.1%
  • 住民税:譲渡所得×9%

保有期間が5年以下か5年超かで、税率が2倍変わるわけです。

中国人投資家が日本のマンションを爆買し始めたのはオリンピック開催が決まった2014年ですから、5年後の2019年以降には長期譲渡になるわけです。

つまり、税率が安くなることを契機に、日本のマンションを売却して利益確定する動きがでてきています。

日本での投資に慣れている中国人投資家はそれらの区分マンションを売却したお金で、都内の一棟マンション・アパート・ホテルを購入し始めています。

タワマンのような区分マンションだと利回りはせいぜい3%程度ですが、一棟マンション・アパートであれば利回り5%以上を狙えます。

ホテルの場合は利回り10%を狙うことも可能です。

そのため、長年日本に投資している中国人投資家の間では、区分マンションを売却して、一棟モノ・ホテル購入へとシフトしている方が増えています。

消費税還付が封じられた

一般の方がマンションを購入する場合は当たり前のように消費税を支払いますよね。

ただ、投資用にマンションを購入する場合には、消費税を支払わなくて良い方法があるのです。

それが消費税還付スキームです。

投資用にマンションを購入した場合は、賃貸に出します。

家賃収入は消費税が非課税です。

一方で、購入したマンションには消費税が課税されています。

そのため、投資家自身が課税事業者になることで、マンション購入時に支払った消費税分を還付することが可能なわけです。

1億円のマンションのうち、建物部分が8,000万円だとします。

その場合、およそ800万円の消費税がかかります。

この消費税がそのまま還付されるわけですから、投資家は一般の購入者よりも800万円も安くマンションを購入しているのと同じになります。

JOJO
JOJO
課税事業者になるためには、課税売上げを作る必要があります。不動産投資家の間では金の売買を繰り返すことで課税売上を作るやり方が流行りました。

しかし、2020年の税制改正大綱で住宅用不動産に対する消費税の仕入れ控除が認められなくなりました(2020年10月引き渡しから有効)。

つまり、どんな方法をとっても消費税還付ができなくなってしまったのです。

この消費税還付がなくなることによって、投資用マンション購入ニーズは確実に減少することになります。

オリンピック後に不動産価格が暴落するは嘘

このように東京のマンション価格が将来的に下落していく話をしていると、よく話題になるのが『東京オリンピック後に不動産価格が暴落する』というものです。

ただ、『東京オリンピック後に不動産価格が暴落する』は嘘(デマ)です。

マンションが暴落するというネタは話題性があるので、多くのメディアがオリンピック暴落説を吹聴していますが、正しくありません。

それは、過去のオリンピック開催国の不動産価格の推移を見ればわかります。

出展:みずほ総合研究所 不動産市場は転換点にあるのか?

これによると、ロンドン大会前の4大会においては、オリンピック後に、住宅価格が急落するという現象は見られません。

前回の東京オリンピック(1964年開催)のときの高度成長期の日本のような新興国や経済規模が小さい国の場合、オリンピックによるインフラ建設特需の影響は大きいです。

その分、オリンピック終了後の落ち込みが予測されます。

ただ、現在の日本のような先進国、経済大国では、オリンピックによる建設特需等というのは不動産マーケット全体から見ると、その影響は限定的だと言えるでしょう。

それよりは、世界経済の景気動向に左右されるんじゃないですかね。

まとめ

以上、様々な角度から今後の東京マンション価格に影響を与える要素を見てきました。

  • 東京のマンションは会社員が買えない値段に上昇している
  • タワマン節税が国税局から否認されたため、相続対策ニーズが減少
  • 短期譲渡期間が終了し、中国人のタワマン爆買い終了
  • 消費税還付が封じられたため、マンションの投資利回りが減少

これらの要素を冷静に分析すると、今後東京のマンション価格は緩やかに下落していくと予測できます。

メディアが吹聴するようにオリンピック後にすぐに不動産価格が暴落することはありませんが、着実にマンション価格は下落していくでしょう。

そして、次のリーマンショックのような経済危機が来たタイミングで急落すると思われます。

いずれにせよ東京のマンション価格のピークは過ぎたと思います。

マンション売却を希望されている方は、そろそろ売却を視野に入れても良いかもしれません。

自分の物件がいくらで売れるか把握してますか?

不動産の売却を検討しているのであれば、まず最初にすることが「査定に出す」ことです。

自分の収益物件や自宅がおおよそどの程度の価格が付くのか分からないと、住宅ローン返済や住み替えなど計画が立てられません。

不動産会社に査定を依頼する時のポイントは次の2つあります。

  1. まず複数の会社に査定依頼して「比較」をすること。
  2. 大手不動産会社に査定依頼すること。

まず、査定依頼は必ず複数の不動産会社に出しましょう。

不動産会社によって査定価格にバラツキがあることも多いです。

僕が収益不動産の売却査定した時には、6,000万円~7,000万円の間で1,000万円も査定価格に差が出ました。

なので、それを並べて比較することで相場感が見えてきます。

最低でも4社以上には査定してもらいましょう。

そして、高く売却するならば、大手不動産会社に査定依頼することが大切です。

それは買い手の心理を考えるとわかります。

初心者の方が不動産を購入しようとしたら、まずは安心の大手不動産会社に行きますよね。

そして、不動産を一番高値で買ってくれるのは、このような初心者の方なので、結果として大手不動産会社に売却依頼したほうが高値で売れるのです。

また、大手不動産会社であれば、豊富な売却実績があるので、最新の顧客動向、金融機関の情勢を踏まえた売却価格を正確に算出することが可能です。

『自分の物件をいくらで売却することができるのか?』を事前に把握しておくことは大切です。

売りたい時になったら、すぐに売却に動けますからね。

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