こんにちはJOJOです!
どの不動産仲介会社の営業マンにヒアリングしても、『今どき、古い3点ユニットバスのワンルームなんて人気ないっすよ~』と言われます。
実際に、古い3点ユニット物件への投資を避けて、バス・トイレ別&独立洗面台付きの新築アパートに移行する投資家の皆さんも多いです。
でも、僕自身はむしろこれから3点ユニットのワンルームタイプの需要は増えるのではないかと思っているんですね。
今回は、その理由を見ていきたいと思います。
都内では狭小ワンルーム規制条例が存在する!
実は東京23区ではすべての区にワンルーム建築に関する条例や指導要綱が存在しています。
規制の大半は最低限の専有面積を定めるもので、東京都区部ではほとんどが25㎡以上を基準としています。
これは2006年に定められた「住生活基本計画」において、単身者の「最低居住面積水準」が25㎡とされていることがベースになっていると思われます。
つまり、バブル時代に大量に建てられた狭小のワンルームマンションは、もはや新規で供給できないんです。
つまり、希少性が高まっているってことです。
一方で需要は拡大中
一方で3点ユニット物件の需要は拡大しています。
その主な理由としては、安いけれども遮音性の高いマンションに住みたいというニーズがあるからです。
低所得化した若者のニーズが高い
最近の若者は贅沢になれているから、3点ユニットのワンルームなんて誰も借りてくれないだろう?という意見は実は若者の実態を見誤っています。
まず、不動産投資家のボリュームゾーンである40代、50代には想像もできないかもしれませんが、若者の生活は年々厳しくなっています。
実際に、20代の若者の50%近くは契約社員や派遣社員で働いています。
もちろん、将来の夢を実現するために時間的拘束の少ない契約社員をあえて選択する若者もいるでしょう。
僕自身、派遣社員や契約社員という雇用形態については肯定も否定意見も持っていません。
働き手と経営者の両方の立場でニーズがあるから、このような雇用形態が増えているだけですから。
ただ、いずれにせよ、派遣社員や契約社員の若者の賃金は200万円~300万円程度と低く抑えられているのは事実です。
賃金が伸びず、家賃にかけるお金を節約したい層にとって、3点ユニットの狭小のワンルームマンションは、根強いニーズがあります。
特に相場よりも少し家賃が低い中古ワンルームマンションは、新築よりも決まるのが早い場合も多々あります。
ワンルームマンションの家賃は東京23区では5万円~10万円が平均的な価格帯ですが、バス・トイレ別で20平米以上の築浅物件になると、家賃が10万円に近づいていきます。
築20-30年程度の3点ユニットで、15平米前後の物件にすれば、6万円前後でも都心で駅近の物件を見つけることも難しくありません。
もちろん木造アパートで3点ユニットであれば、もっと安い家賃のものもあります。
でも、遮音性はぜんぜんRCや鉄骨のマンションには敵いません。
賃貸アパートの不満なポイントNo.1は『隣の人の生活音が気になる』ですから、遮音性の高いマンションがそれだけで優位なことが分かると思います。
職場に少しでも近い物件に住みたい人が増えている
また、最近の若者は職場に近い場所に住む傾向にあります。
親世代が郊外から2時間近く満員電車で通勤し疲弊している姿を見てきているからでしょうか、とにかく通勤時間を減らしたいという若者が増えています。
- 家にかける費用は少なくしたい
- 更に職場に近い都心に住みたい
この2つのニーズを持つ若者が増えてきています。
このような若者には3点ユニットワンルームは悪くない選択肢なのです。
外国人労働者には3点ユニットが人気
これは僕自身が千葉県にある勝田台駅のアパートの購入を検討した時に肌で感じたことです。
勝田台駅近くには大手メーカーの工場が沢山あります。
外国人労働者は工場の貴重な労働力であり、勝田台駅近辺には沢山の南米系の外国人が住んでいます。
そんな彼らは元々3点ユニットで生まれ育っているため、日本の3点ユニットアパートに対してまったくマイナスイメージがありません。
むしろ掃除が楽だという意見のほうが多いです。
また、彼ら外国人労働者は車を持っていないケースが多いため、バスに乗って、工場まで通勤します。
バスは駅出発となっていることが多いため、古くても良いので駅近の物件が好まれます。
そのため、外国人労働者にとっては古くて、3点ユニットだけど、駅近にある狭小アパートの需要だとても高いのです。
日本は徐々に若者人口が減少してきており、今後ますます外国人労働者の数は増えてくるでしょう。
高齢の単身者の賃貸ニーズが高まっている
意外なところでは、高齢者による中古ワンルームへの賃貸ニーズが高まっています。
高齢者の中にはパートナーと離別して、一人暮らしをしている人も少なくありません。
また、親世代が地方に住んでいるが、子供が東京等の大都市で定住しているというパターンも多いです。
親世代が元気な時は問題ないのですが、介護が必要な年齢になってくると、どうしても子供の側に住む必要が出てきます。
子供も仕事の関係があるので、簡単に大都市から地方へと引っ越すわけにはいきません。
そのため、親が高齢になってきたため、子どもが住んでいる大都市に呼び寄せるケースが増えています。
ただ、東京のような大都市では、戸建てよりもマンションに住んでいる人のほうが多いので、親と同居できるだけの余分な部屋はないですよね。
そのため、親を自宅近くの賃貸アパートに済ませるケースが増えてきています。
高齢者の多くは年金暮らしのため、東京の高額な家賃を支払える人は多くありません。
そのため、東京でも比較的家賃の安い3点ユニット物件に住みたい高齢者が増えてきているのです。
まとめ
築年数が古い3点ユニットのワンルームマンションは、一見、客付けが難しそうに見えます。
でも、立地が良い大都市では、根強い人気があります。
東京では、家賃を少し下げれば、確実に入居者を決めることができます。
投資する側からみても、築古ワンルームマンションは価格も手頃なので、出口も取りやすいです。
現金で買える層が多いからです。
実際に、立地が良い築古ワンルーム物件は、メーリングリストで投資家に紹介すると、あっという間に買い付けが入るほど人気と聞きます。
今後、東京23区では、狭い間取りのワンルームマンションは建設できないので、このような中古の狭いけど安い家賃のワンルームマンションの人気はますます高まりそうです。
規制が生んだ思わぬお宝物件になる可能性もあります。
数年後には市場から、築古の狭小物件がなくなっているかもしれませんね。
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