こんにちはJOJOです!
さて、前回のつづきです。マンション購入を完全にあきらめた僕たちは、仕方なく戸建を探す旅に出ることになりました。
でも、マンションを買って妻の実家から勘当されるのは、とんでもないですよね。
この時ばかりは、妻の実家が不動産会社ということを恨みましたが、数年後には義理のお父さん(古狸師匠)の影響を受けて僕自身が大家を始めるのですから人生わからないものですね(笑)。
戸建を探しに不動産会社を訪問
さて、新築マンションを探していた時には、スーモとかのマンション雑誌に掲載されている大手不動産会社に問い合わせれば良かったのですが、戸建は広告が乗っていません。
つまり、戸建の場合は、新築マンションと違って大規模なディベロッパーから購入することはできないわけですね。
そのため、自分の足で、自分が買いたいと思うエリアの地場の不動産会社や建売業者に直接問い合わせるしかない。
都内城南エリアで探すことに
マンションの時には妻の実家(埼玉)と僕の職場(品川区)の中間地点ということで、池袋あたりを考えていましたが、どうせ戸建を買うんならとエリアを変えることになりました。
僕が独身時代から新婚時代まで住んでいた城南エリアをターゲットに、東急沿線で物件を探し始めることにしました。
しかし、現実は厳しい!
僕たちが当初想定していた予算は5000万円(これでもマンションの時より頑張って1000万増やしました)。でも、東急沿線の城南エリアでは5000万円で買える家はほとんどありません。
買えたとしても、いわゆるペンシルハウスで、地震が来たら折れるんじゃないか?と思えるくらい細ーい家。45㎡くらいの狭小敷地に三階建が立つタイプ。
このペンシルタイプは田舎育ちの僕には衝撃的でしたね。だって、田舎では庭付きの戸建が当たり前なんですから。おばあちゃんの家には庭に鯉が泳いでいる池までありましたから(笑)。
そんなこんなで、あまりに狭小住宅は僕たちには受け入れられませんでした。
掘り出しもの物件を発見!
そんなある日、洗足池近辺で立て看板を発見しました。
- 未公開物件 洗足池駅10分 土地80m2 3LDK 新築 5200万円
土地が広い割には価格が安い! これくらい土地があれば頑丈な家も建てられそうだ。しかも僕の好きな洗足池からわずか徒歩10分。これはオトクだ!
僕たちは掘り出し物を見つけられたと喜んで、立て看板に書いてある電話番号にドキドキしながら発信。
業者「もしもし。 A不動産です」
僕「あのう、立て看板を見て電話してるのですが、洗足池10分 5200万円の物件まだ購入できますか?」
業者「まだ売れてはないですけど、すでに何件も問い合わせをもらっています。買うんなら、急いだほうが良いですよ。」
なにー、既に問い合わせが入っているだと! やっぱりこの物件は人気なんだと再認識。せっかくの掘り出し物を逃してはなるものかと僕は焦った。
僕「ご案内頂く事はできますか? 今からすぐに訪問することも可能です。なるべく早く見てみたいです。」
すると、たまたま業者が近くにいたらしく、今から案内してくれることになりました。やった―。気に入ったら速攻買おう!
僕の想像を超えた物件
僕たちは業者と待ち合わせると、ドキドキしながら現地まで歩いて行った。
現地に到着すると、前面の道路から大きく凹んだ斜面の土地が現れました。まだ家は建設されていなかったが、1F部分はまるまる地下に埋まる感じ。ちょうど道路から2Fの窓が見える位置にある。
これじゃあ、1F部分は全然陽が当たらないし、2Fだって、通行人の視線が気になる。やっぱりいわくつきの土地でした。
一方で、5200万円で80m2の土地付新築は当時の相場を考えてもほとんどありえない。リーマンショック直後の当時でも6500万円くらいはした。土地や建設費が高騰している現在では7000万円は超えるだろう。
僕たちの不安そうな顔を見た業者はこう売り込んできた「この土地は我々が古くから知り合いの地主さんから特別に譲ってもらったもので、とてもお買い得だと思いますよ。」
僕がもし将来自宅を売ることになった場合、このような窪地の戸建は買い手が見つかりにくいのではないですか?と質問すると。
業者「私ならこの物件なら、10年後も同じ価格で売る自信があります。何せ未完成の今でも問い合わせが非常に多いんです。完成したら確実に数日で決まると思いますよ。それだけお買い得ということです」
僕にとっては憧れの洗足池。当時一人暮らしの時からこの近くに住んでいたが、特別なお金持ちでもない限りこのエリアでは戸建は買えないと思っていた。洗足池の周りには閑静な住宅街が広がっており、瀟洒な家々が立ち並んでいた。賃貸アパートに住みながら、いつもあこがれながら散歩していたのを思い出す。
確かに窪地という部分は気になるけど、これを逃すと一生、洗足池には住めないかも。
申込することを決心!
僕の中で昔からの夢が勝ち、申込みをすることに決めました。
手付金が必要とのことなので、明日銀行から100万円下ろして、直接持っていきますと業者に答えました。
それから家に帰る途中、妻といろいろ話をしているうちに、ふと、もう一度土地を見てみようという話になった。
業者と話している時は熱くなっていましたが、しばらくして冷静になると「窪地」というのがどうしても気になったからです。ひょっとしてヘタな物件を掴まされているのではないか。。
途中で車を引き返し、薄暗くなっている中、僕たち家族はもう一度例の土地を見に行ってみた。
薄暗い中で見る窪地は、断崖絶壁のように見えました。そして、同時にこの変形地を取得することに対する恐怖が襲ってきた。正直、この窪地に経った家で僕たち家族が暮らして、幸せになるイメージがどうしても持てなかったのだ。
やっぱりキャンセルすることに
結局、僕たちは自分達の感性に従ってこの物件はパスすることにしました。業者に断りの電話を入れると、「こんなチャンスは10年に一回ですよ!」と煽られたが、僕たちの決心は硬かった。結果的にはこの僕たちの判断は間違っていませんでした。
それから1年後、たまたまその土地の前を通りかかったが、その土地はまだ売れ残っていました。しかも価格が500万円も下がっていました。
業者の「この土地は掘り出し物です。すぐに売れますよ」という言葉は嘘だったのです。
本当にこの物件を購入しなくても良かったと感じてます。大家として経験を積んだ今だからわかりますが、土地の値段はその形状や道路付けによって大きく値段が変わります。道路付けの良い長方形の土地に比べて、このような変形地は2/3くらいの価格にまで低くなることはよくあることです。
後に古狸師匠にこのことを話すと、窪地や敷地延長の土地は大よそ、長方形の土地の半値近くの値段で流通することが多いそうだ。
変形地の値段が低い理由
理由としては、まず銀行の評価が非常に低いことがあげられます。個人向け住宅として販売する場合は、住宅ローンとして審査してもらうことになります。この場合、土地の形状は実はあまり関係ありません。
ただ、将来的にこの土地に収益物件を建てようとすると、賃借人がつく可能性が低くなる。そのため銀行の土地に対する評価が大きく下がることになる。すると、融資がつかないので、大幅に値段を下げないと売れないことになる。
一般の整形地に比べて土地の値段が半値ということを考えると、建物込でも5200万円という価格はかなり高い。
それだけ業者の利益がたっぷりと乗っていたということ。
収益物件の場合、敷地延長(いわゆる旗竿地)や窪地をあえて安い価格で仕入れて貸し出すというやり方もあります。十分に安ければ、十分な収益が見込めるからです。賃借人がついてさえいれば、収益物件として販売する際にもそんなに問題ありません。
ただ、この土地は80㎡なので、収益アパート用の土地としては狭すぎます。そのため、やはりこの土地は戸建用に売るしかありません。戸建は日当たりや道路付けなどが重要視されるため、一般の顧客に売るのはなかなか難しいです。
一般の方は(当時の僕も含めて)、土地の価値がこのように、色んな要素で大きく変動することを理解していないことが多いです。そのため、安い!という理由だけで安易に購入しないことが重要です。
整形地以外のクセのある土地を検討する場合は、すくなくとも不動産に詳しい第三者に相談して、十分にデメリットを理解した上で購入を決断するほうが良いです。
関連記事
初心者が区分マンション投資をする際の注意点をわかりやすく説明しています。
融資が厳しい今でもできる不動産投資手法を解説しています。
初心者が不動産投資を始める前に読んでほしい記事をまとめています。