こんにちはJOJOです!
トランプ大統領が当選してから上がり続けてきた株式ですが、2018年に入ってから頭打ち感が出てきましたね。
2018年の1月に日経平均も24,000円をつけて以来、下がり基調です。
また、不動産投資も株価と同じくして、いたるところで不調の兆しがでてきました。
かぼちゃの馬車のサブリース破綻をきっかけとして、銀行の不動産投資に向ける融資姿勢が厳しくなり始めました。
その後、スルガ銀行の不正融資が発覚すると、その傾向はますます加速しています。
現金で不動産を購入する人はほとんどいませんから、融資が厳しくなると不動産投資自体も冷え込みます。
幸いまだ収益不動産価格は下落していませんが、時間の問題かと思います。
購入できる人がどんどん減ってますからね。
実は、この景気が過熱した後で、融資が徐々に厳しくなっているという状況は、リーマンショック前の2007年に似ているのです。
リーマンショック直前、2007年当時の風景
僕の尊敬する「加藤ひろゆき」さんの著書の「激安不動産を入手シテ 豊かに暮らす方法 ローンを組まずにお宝物件を見つける」の中に、リーマンショック直前の様子が詳しく書かれているので、そのまま引用しますね。
2007年12月頃から、融資がアヤしくなり、新築のマンションの価格が下落。
2008年10月の、世界同時株安以降、更に悪化。
ワタクシも、2006年8月から、2008年1月まで、一棟も物件を購入しなかった。
厳密にいうと、買えなかった。あきらかに、市場が過熱していた。
まだ大家さんになれる財力と心構えがナイ人も、参入しはじめた。
ROI(投資収益率)の重要性や、フル・ローンを奨励する人もいた。
たった数ヶ月で、状況が激変シタ
いかがでしょうか?
なんか、今の状況と似ていると思いませんか。
今の市況がリーマンショック直前と似ている2つの点
僕が、今の市況がリーマンショック直前に似ていると思うのは、次の理由からです。
フルローン・オーバーローンが当たり前だった
2017年までは、収益不動産を購入するのに、フルローン・オーバーローンが当たり前でした。
大家の会に参加しても、フルローン・オーバーローンを引いたことを自慢する人ばかりでした。
僕は今まで2割以上頭金をいれて物件を購入してきたのですが、頭金をいれて投資していることを言うのが恥ずかしかったくらいです。
『収益不動産を購入するために、貴重な現金使うなんてバカだな~』なんて思われるからです。
また、周りの人達はものすごい勢いで投資規模を加速させていました。
中には、1年間で5棟もマンションを購入する人もいました。
一年で資産5億円が増えるわけです。
かなりスゴイですよね。
不動産投資に参入する人が急激に増えた
銀行の融資が緩くなっていたため、現金を持っていない初心者の方でも、不動産投資を始めることができるようになりました。
まあ、実際には自分の保有資産を水増しして銀行に開示して、不正に融資を受けていた人も多かったようですけど(業界用語で、『ふかし』と呼びます)。
この実態は、スルガ銀行の不正融資でかなり明るみになりましたよね。
それだけ、現金を持たずに不動産投資を始めた方が多かったということです。
また、ここ最近で不動産投資を始められた方の傾向として、あまり十分な知識を持たずに参入している人が多いです。
ほとんど不動産投資に関する本も読まずに、無料の不動産投資セミナーに参加。
セミナーで知り合った不動産業者に勧められるがままに、高額な地方の一棟マンションを購入する。
地方の物件は、都市部の物件に比べて利回りは高いですが、それだけ運営が難しいです。
簡単に言うと、物件を借りてくれる人を見つけるのが難しいんですね。
そのような事実すら知らずに地方マンションを購入する人が跡を絶ちませんでした。
しかも、こういったセミナーで販売されていた物件は、不動産会社が間に入って、たっぷりと利益を載せて転売しているものばかりですので、相場より高いケースがほとんどです。
そのため、購入したは良いけど、その後、空室が埋まらずに賃貸経営に苦しんでいる人がたくさんいます。
まさに、『まだ大家さんになれる財力と心構えがナイ』投資家がたくさん参入してきていました。
リーマンショックの後、不動産投資に起きたこと
次に、リーマンショックの直後、不動産投資環境がどのように変化したかを見ていきましょう。
2008年10月、世界同時株安が発生しました。
日経平均は10月27日に7,162円の安値を付けました。
今、日経平均が22,000円以上あることを考えると、ちょっと想像できないくらい下がってますよね。
そして、ちょうどその半年後くらいから、不動産の投げ売りが始まりました。
リーマンショック直前まで収益物件に積極的に融資していた銀行も、一斉に貝のように融資の口を閉じました。
フルローンなんてもってのほかで、頭金を3割入れても購入できない時代に突入しました。
当然、不動産の価格も下がりました。
収益物件の価格が下がるだけでなく、家賃も下がりました。
多くの大企業がリストラを実施し、職を失うサラリーマンやOLが続出したからです。
職を失った方は、賃貸マンションを引き払って、実家に帰ります。
当然、賃貸ニーズは激減しました。
当時僕の友人が住んでいた目黒駅の1Kマンションの賃料はリーマンショックで20%も下落しました。
そのため、リーマンショック直前に高値で物件を購入していた投資家の中には、賃貸経営に行き詰まり、撤退する人が増えました。
つまり、任意売却、競売で多くの物件が放出されたんですね。
そのため、利回りは急速に上昇。
不動産市場が一番冷え込んでいた2008年には、都内築浅のRCの利回りが8%超えてました。
それでも、なかなか買い手がつかず、そんな好条件?の物件がインターネット上に野ざらしにされていました。
今思い出してもとても厳しい時代でした。
融資が厳しくなりつつある今、不動産投資家が取るべき戦略は?
暴落はいつ訪れるか誰も予想できません。
リーマンショックの際も、つい半年前までは誰も予見できていなかったのです。
実際に、経済動向を誰も予測できないことを示す、有名な逸話があります。
2008年11月、イギリスのエリザベス女王が、ロンドン大学経済政治学院(イギリスで一番有名な経済学部)の開所式で、次のような質問をしました。
どうして、リーマンショック危機が起こることを誰も分からなかったのですか?
そこにいた、ノーベル賞受賞者も含む著名な経済学者たちが誰一人として回答できなかったそうです。
ノーベル賞取るような優秀な経済学者でも、経済動向を予測することができないんです。
僕たち不動産投資家が予測できないのは当たり前ですね。
ただ、予測できないからといって、何の対策も行っていないと、暴落に見舞われた時に途中退場させられてしまいます。
そのため、景気が加熱している一方で、銀行融資に陰りが見えてきた今こそ、戦略的に動くべきだと思います。
今、不動産投資家が取るべき戦略は次の3つだと考えています。
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- 競争力の無い物件は売却する
- 大家さん主催のセミナーや大家の会に出席して、情報収集する
- 現金をしっかりと貯める
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競争力の無い物件は売却する
冒頭で紹介した通り、不動産投資に対する金融機関の融資は日に日に厳しさを増しています。
スルガ銀行の不正融資をきっかけに金融庁も本格的に不動産投資向けの融資実態の調査に乗り出しています。
2018年7月に金融庁長官が森さんから遠藤さんに変わりましたよね。
長官が変わったことも、金融庁の引き締めが厳しくなったことに影響を与えています。
前の長官だった森さんは、収益性がずば抜けて高かったスルガ銀行を地銀の雄と褒め称えていました。
それが、今や不正融資問題でボロボロです。
森さんがまだ長官であれば、ここまでスルガ銀行への取り締まりは厳しくなかったんじゃないですかね。
それが、長官が変わったことで、現在の遠藤さんは全力でスルガ銀行の査察を行っています。
前任者のウミを出すことは、新任者の実績になりますからね。。
しかも、最近になってスルガ銀行だけでなく、都銀、地銀まで査察の対象に含めています。
そのため、都銀の一部の銀行は、自主的に不正融資がなかったかどうか過去3年以内に貸し付けた全ての不動産投資家にヒアリングしているほどです。
そのため、今後融資情勢は厳しくなることはあっても、緩まることはないでしょう。
融資が厳しくなると、不動産投資家の取る対策は次の2通りです。
- 融資が出るうちに、物件を買い増しておこう
- 融資が出るうちに、物件を売却してしまおう
僕の不動産投資仲間では、どちらかというと後者の動きをしている方が多いです。
なので、売却をしたいな~と考えている方は、急いだほうが良いです。
売却をしたほうが良い人は次の条件に当てはまる人です。
- 地方に築古物件を所有している
- 家賃が下落して物件の競争力が減っている
今まで地方物件に積極的に融資してきたスルガ銀行の動きが事実上ストップしている現在、地方物件に融資を出す金融機関は非常に限られています。
まだ可能性があるのは、日本政策金融公庫くらいじゃないでしょうか。
物件所在地に本店がある地銀や信金もかろうじて融資をしてくれますが、その地域に住んでいないとNGです。
つまり、東京に住んでいた方が、地方物件を購入するのはとても難しくなっています。
また、金融機関が厳密に耐用年数以内での融資しかしなくなりました。
そのため、築古で、耐用年数オーバーの物件だと、どんなに立地が良くても先程の公庫か、三井住友L&F等のノンバンクで融資を受けるしかありません。
比較的融資基準がゆるい、三井住友L&Fですら、最近は頭金2割もしくは、共同担保が必要なようです。
なので、地方で、築古物件を所有している方は、よほどキャッシュフローに余裕がある方以外は売却してしまったほうが良いと思います。
2,3年前に地方物件を購入した方は、今なら購入価格から10%マイナスくらいで売却が可能です。
残債も減っているでしょうから、収支はなんとかプラスマイナスゼロにできるのではないでしょうか?
また、都市部の物件であっても、物件の競争力が極端に下がっている場合も売却を急いだほうが良いです。
なぜならば、ここ数年の間に、首都圏でも新築アパートがものすごい勢いで増えています。
そのため、新築でも空室が埋まらない物件も珍しくありません。
都心ですとさすがに埋まっていますが、少し都心から離れた横浜や千葉ですと竣工後空室で苦しんでいる大家さんが大勢います。
その方たちが、あまりに空室が埋まらないため、どんどん家賃を下げています。
新築の物件がです。
そのため、新築アパートが周りに経っている地域の家賃水準がどんどんと下落しています。
基本的に中古物件は、設備面では新築アパートに勝てないので、一層家賃を下げるしかありません。
よって、競争が激しい地域でも物件の売却を急いだほうが良いでしょう。
大家さん主催のセミナーや大家の会に出席して、情報収集する
現在、融資情勢は日に日に変化しています。
基本的に新聞に載っている情報は周回遅れであることが多いので、常に最新の情報を入手するようにしましょう。
そうしないと、皆が一斉に売却に動いている中で、自分ひとりだけ購入に動いて、高値を掴んでしまうなんてことになりかねません。
そのため、先輩不動産投資家が主催しているセミナーや大家の会に入って、常に最新情報を入手できるパスを作っておいたほうが良いです。
不動産会社が主催するセミナーは無料のものが多いですが、大家さん主催のセミナーや大家の会は有料であることが多いです。
ただ、最新でしかも正しい情報を仕入れたいと思ったならば、お金を払ってでも大家さん主催のセミナーや大家の会に参加することをオススメします。
不動産会社が主催しているセミナーの目的は物件を販売することですから、販売に不利になる情報は教えてくれません。
一方で、大家さん主催のセミナーや会合は基本的にお互いに勉強したり、人脈を築くことを目的に開催されています。
そのため、不動産投資家の目線で最新の情報が集まってきます。
僕のオススメは、女性メガ大家の内本智子さんが主催されている内本塾です。
こちらは、会費制ではなく、勉強会に出席する度に参加費を支払うタイプです。
毎回著名な不動産投資家の方がゲストとして講演してくださいます。
その後、ランチ会がセットになっているので、不動産投資家同士の親睦も深めることができます。
参加者の半数以上が女性なので、大家の会の中では、華やかな方だと思いますw
僕も時間があれば参加していますので、お会いしたときはよろしくお願いします!
現金をしっかりと貯める
つい半年前までは、銀行からフルローン、オーバーローンの融資が引けてました。
そのため、『不動産投資を始めるためには頭金が必要』という当たり前のことが、当たり前ではありませんでした。
ここ2年ほどの間で不動産投資を始められた方のほとんどが頭金なしで物件を購入しています。
ぶっちゃけ、保有資産の改ざんまでしている人は少数派ですが、二重契約を締結してフルローンを引っ張っている人はたくさんいます。
今でこそ、新聞等で問題として取り上げられていますけど、もう数年前から公然の秘密でしたからね。。
二重契約について、詳しく知りたい方は次の記事もどうぞ
それが、いよいよ金融庁の監督が厳しくなり、多くの金融機関がこのような二重契約を厳しくチェックするようになっています。
その結果、現時点ではどの銀行もフルローンを出さなくなりました。
そのため、これからは頭金を持っている人だけが不動産を購入できる時代です。
ちょうどアベノミクス前に戻った感じですね。
なので、これから不動産を買い増したいと考えている人は、しっかりと現金を貯めましょう。
僕の周りには不動産収入だけで1億円以上あるメガ大家さんがたくさんいますけど、ほとんどの方は最初は節約して頭金を貯めるところからスタートしています。
頭金を効率的に貯めるコツは、積立投資を活用することです。
銀行に定期積立しても良いですが、金利は雀の涙ほどです。
僕も付き合いで銀行に1,00万円定期預金していますけど、利息は年0.01%です。
年間利息はたったの1,000円。
これじゃあ、いくらなんでも資金効率が悪すぎますよね。
そのため、運用手数料の低いインデックス型の投資信託を活用した積立投資を行うのがベターです。
インデックス型の投資信託でも年間利回り5%くらいなら十分に狙えます。
例えば、毎月10万円、ボーナス時に60万円積み立てれば、2年後には502万円になります。
500万円あれば、頭金1割入れて5,000万円くらいの物件が購入できます。
5,000万円あれば、都内で中古のアパートを購入することが十分可能です。
そして、何年か運営した後で売却し、より大きな現金を手に入れます。
そして、この現金を再投資し、さらに大きな物件を購入します。
こうやって、購入と売却を繰り返すことで、確実に規模を増やしていくことができます。
まずは積立投資で500万円作るところからスタートしましょう。
積立投資の具体的なやり方については、こちらの記事をどうぞ
まとめ
いかがでしたでしょうか?
僕自身もこの先、リーマンショック級の暴落がやってくるかどうかは正直わかりません。
でも、融資が徐々に厳しくなり、不動産投資にとって逆風が吹いてくるのは間違いないと思います。
ただ、逆に言えば、これはチャンスでもあるんですね。
不動産投資環境が厳しくなれば、物件価格も下がります。
つまり、情報収集を怠らず、コツコツと頭金を貯めることができる人には優良な物件を安く購入できるチャンスがやってくることを意味します。
先行き不透明な今こそ、しっかりと足元を固めてチャンスを待ちたいと思います。
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