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不動産投資で絶対に失敗しないための収益計算のやり方。たったの3ステップでOK!

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こんにちはJOJOです!

初心者の頃は、不動産投資を始める前はわからないことが多いですよね。

『この収益物件を購入しても、本当に儲かるのかどうかわからない』

『不動産会社の営業マンは良い物件だって言うけど、本当だろうか?』

特に、一番大切な収益計算については不動産関連本を読んでも詳しく書かれていないことがほとんどです。

初心者の方に多いのが、とにかく毎月のキャッシュフローが黒字になれば投資して良いと考えている方。

それは大きな間違いです!

もちろん月間のキャッシュフローがプラスになることは大事ですが、トータルの収支では大きくマイナスになることも多々あります。

それは、不動産投資の収支は、物件を売却するまでわからないからです。

不動産投資のトータル収支は次の式で計算することができます。

  1. 税引き後の年間キャッシュフローの保有期間分の合計
  2. 物件を売却した後に残ったキャッシュフロー
  3. 物件を購入する時に支払った初期投資額から、上記1,2を引いた額

上記3がプラスになって、初めて儲け(プラス)が出ることになります。

上記3は、金融用語ではROI(リターン オブ インベストメント)とも呼ばれます。

つまり、自分が投資した資金のうち、儲けの割合を表したものになります。

今回は、初心者の方向けに、不動産投資の収支計算の方法を具体例を上げながら、わかりやすく説明していきたいと思います。

この収支計算を理解すれば、絶対に失敗しない物件を見極めることができるようになりますよ!

具体例にあげる物件

具体的に僕の知人が購入した新築アパートを例に上げて説明したいと思います。

物件のスペック

所在地 千葉県松戸市 新京成線 八柱駅 徒歩10分
構造 木造2階建てアパート 1K × 9部屋
築年数 新築
物件価格 7,360万円(建物4,764万円、土地2,596万円)
諸費用 363万円(物件価格の約5%)
表面利回り 8.6%

購入条件

購入時頭金 363万円(諸費用分のみ用意)
借入金 7,360万円(フルローン)
借入年数 30年
金利 1.3%

この物件の所在地は千葉県松戸市(人口約50万人)という東京のベッドタウンにあります。

東京駅から電車で約30分の距離にあります。ベッドタウンにしては近いほうですよね。

その中でも、比較的乗降客数が多い新京成線の八柱駅(45,360人/日)から徒歩10分の場所にあります。

首都圏で不動産投資をする場合、平均的な立地だと思います。

特別良くもないですが、悪くもないという立地。

僕の知人は、アパート販売会社からフルローンで新築木造アパートを購入しました。

融資は千葉銀行から借入期間30年、金利1.3%、フルローンという良い条件で引くことができました。

上記をすべて考慮すると、首都圏でアパート投資をするなら、まずます良い条件だと思います。

さて、この物件はどのくらい儲かるのでしょうか?

具体的に見ていきたいと思います。

税引き後キャッシュフローを計算する

まず、基本中の基本である年間キャッシュフローを計算します。

この物件は、5年間保有した後、売却する想定でいます。

そのため、年間キャッシュフローは5年分作成します。

ポイントは、税引き後のキャッシュフローを計算するということ。

ネットを見ていると様々な収支計算アプリやサイトがありますけど、税前のキャッシュフローしか算出しないことがほとんどです。

ただ、実際に自分の手元に残るのは、税金を支払った後です。

しっかりと税引き後のキャッシュフローまで計算することが大切です。

まず、税引前キャッシュフローを計算します。

税引前キャッシュフロー

満室時家賃収入(年間) 6,324,000円
現実的な家賃収入(年間) 5,533,500円
借入金返済(年間) 2,964,063円
管理費 276,675円
広告費 173,910円
修繕費 445,500円
固定資産税等 316,200円
税引前キャッシュフロー 1,357,152円

それぞれ、個別に説明しますね。

現実的な家賃収入 :553万円

まず、家賃収入ですが、不動産会社が提示する満室想定の家賃をそのまま計算してはダメです。

新築でも建物が完成してすぐに満室になることはほとんどありません。

それに、竣工と同時に入居してくれた人も、1年以内に退去してしまうこともあります。

そのため、シミュレーション上は、満室想定家賃ではなくて、実際の空室期間を加味した現実的な家賃収入を使うことが大事です。

松戸近辺の賃貸需要だと、稼働率は87.5%くらいを想定するのが現実的です。

稼働率87.5%という数字は、10部屋の賃貸物件のうち、3部屋(30%)が毎年退去し、新しい入居者が見つかるまでの空室期間が5ヶ月間を想定しています。

この稼働率は厳しすぎるように思うかもしれませんが、僕の実際の知人の経営成績とほぼ同じです。

知人の新築アパートは竣工後半年を過ぎても部屋が半分も埋まりませんでした。

また、空室が出ると、次の入居者が見つかるまで5,6ヶ月かかっています。

松戸近辺ですと年2回の繁忙期(9月、3月)以外はあまり入居ニーズもないので、一度退去が出ると、次の繁忙期まで空室が続くことが多いです。

そのため、この稼働率87.5%という数字は結構現実的だと思います。

現実的な家賃年収は、満室想定の家賃年収にこの稼働率87.5%をかけて求めます。

管理費:28万円

管理費は家賃の5%を想定しています。

都内のように一部屋あたりの家賃が高い場所ですと、管理費も3-4%に減額してくれますが、松戸近辺ですと標準的な5%の管理費が必要となります。

ちなみに、知人はエイブルに管理を頼んでいますが、管理費は5%です。

広告費(客付け費用):17万円

広告費とは、入居者を見つけるために仲介会社に支払う手数料のことです。

一般的に仲介会社は、入居者から仲介手数料を家賃の1ヶ月分もらいます。

更に、客付けを依頼されている大家からも広告費を1ヶ月分もらいます。

仲介会社としては、自分の店舗で客付けをすれば、家賃の2ヶ月分の収入があるわけですね。

入居者から礼金(家賃の1ヶ月分)がもらえる都心エリアであれば、大家はこの礼金をそのまま広告費として仲介会社に渡して持ち出しゼロにできます。

ただ、松戸市は賃貸ニーズが都心ほど高くないため、礼金はもらえません。

そのため、広告費は大家が負担しないといけません。

この場合、9部屋中、毎年3部屋の退去がある前提ですので、家賃の3ヶ月分が年間の広告費として必要になります。

修繕費:45万円

退去があると、修繕費が必要になります。

修繕費として必ず必要になるのが、クリーニング費用です。

一部屋あたり5万円くらいですね。

こちらは敷金と相殺されることも多いので、大家は負担しなくて良いです。

ただ、それ以外にエアコン清掃と鍵の交換費用は大家が負担しないといけません。

合わせて3万円くらいですね。

しかも、それ以外に経年劣化以外の理由で傷んだ部分は、大家が負担しないといけません。

よくあるのがクロスやクッションフロアの張替えです。

新築からしばらくの間は、修繕費なんてたいしたことないのでは?と思うかもしれませんが、意外と修繕費は発生するものです。

例えば、僕の新築の物件では、新築から半年で窓ガラスが割れました。

入居者の過失で割れたのであれば、入居者に請求できるのですが、僕のケースは、外気と室内の気温差からくるヒビ割れでしたので、大家負担となりました。

そのため、ちょっと多めですが一部屋あたり15万円くらい修繕費を見込んでおきます。

固定資産税等:32万円

これは、建物が竣工した後で、毎年地方自治体から請求が来ます。

この物件の場合は、一か月分の家賃のだいたい4割くらいですね。

木造ですので、このくらいですが、RC(鉄筋コンクリート)になると一か月分以上の家賃になることも珍しくありません。

税引前キャッシュフロー:136万円

現実的な家賃年収から、上記で見てきた様々な出費(キャッシュアウト)を差し引くと、税引前キャッシュフローを計算することができます。

でも、これで終わりではありません!

利益が出れば税金を支払わないといけませんから。

では、次に、税引き後キャッシュフローを計算したいと思います。

経常利益:121万円

税引き後キャッシュフローを算定するためには、納める税金の額を算出する必要があります。

そして、税額を求めるためには会計上の経常利益を求める必要があります。

経常利益は次の式で求めることができます。

経常利益=現実的な家賃年収ー(返済利息、管理費、広告費、修繕費、固定資産税等、減価償却費)

先程の税引前キャッシュフローとの違いは、次の2点です。

  • 借入金の返済元本は費用に含まれない
  • 減価償却費を費用計上できる

その結果、計算すると、経常利益は121万円となります。

税金の額:28万円

ここでは、わかりやすくするために、法人で物件を取得した場合の税金を計算していきます。

個人ですと、サラリーマン収入の額によって、収める所得税が違ってくるからです。

税金には国税と地方税の2つがあります。

国税は法人税

地方税には、事業税と住民税があります。

課税所得(利益額とほぼイコール)が年800万円までであれば、税率はおよそ次の通りです。

法人税 15%
地方税 8%
合計 23%

先程の経常利益に上記の税率をかけることで、納める税金の額が求められます。

121万円 × 0.23(23%) = 28万円

税引き後キャッシュフロー:108万円

税引き前キャッシュフローから税金を差し引くことによって、税引き後キャッシュフローを算出することができます。

136万円 ー 28万円 = 108万円(年間税引き後キャッシュフロー)

5年間のトータルキャッシュフローは540万円です。

さて、フルローンで、年間108万円もキャッシュフローが出たら良いんじゃない?と思ってませんか?

本番はこれからです。

最初に言ったとおり、不動産投資の成否は物件を売却するまでわかりません。

それでは、いよいよ物件売却時のシミュレーションをしていきたいと思います。

売却時のキャッシュフロー

売却時のキャッシュフローを求めるためには、売価を算定しないといけません。

『購入価格よりは安くしないと売れないだろうけど、一体いくらで売れるんだろうか?』

売却を経験したことのない初心者の方には難しいですよね。

実は、今までは、比較的この計算は簡単にできました。

なぜならば、不動産価格が上昇傾向にあったため、5年間保有した後でも、購入時と同じ価格か、それ以上の価格で売却できることも珍しくなかったからです。

ただ、これからは違います。

スルガ問題を契機に、金融機関の不動産投資向けの融資はどんどん閉まっています。

そのため、収益不動産を購入できる層がかなり限られてきています。

これから不動産投資を始めようとされる方は、それなりの頭金が必要になってきます。

となると、物件価格は下落していきます。

ただ、時間が経つにつれて、収益不動産の価格が下落していくのは当たり前なんですけどね。

建物は時間が経つにつれて価値が少なくなっていきますから。

そのために、会計上、減価償却が認められているわけです。

また、これからは土地の値段も下がっていくと思われます。

日本全国で見れば、人口は減少時代に入っています。

2025年まで人口が減らないと言われている東京都であっても、安心できません。

人口は減りませんが、賃貸物件の主要ターゲットである20-50代の労働人口は減少するからです。

そのため、東京であっても長期的には不動産の価格は下落していくでしょう。

そのため、売却時のシミュレーションをする際には、きちんとこの建物と土地の価値下落分を考慮して、売却価格を決めないといけないんですね。

それでは、具体的にその方法を見ていきましょう。

まず、収益不動産の売却価格は、建物と土地で分けて計算します。

5年後の建物価格:3,681万円

建物については、毎年減価償却費と同じ金額だけ、価値が減額すると考えるのが合理的です。

5年間分の減価償却額の累計は次の通りとなります。

1年分の減価償却費216万円 × 5年間 = 1,083万円

購入時の建物価格は4,764万円ですから、5年後の建物価格は次の通りとなります。

4,764万円 ー 1,083万円 = 3,681万円

5年後の土地価格:1,859万円

土地の価格は建物と違って、減価償却がありません。

そのため、購入時と同じ価格で売却できると考えがちです。

でも、実際には、同じ価格では売れません。

なぜならば、購入した時の土地価格には、アパート販売会社の利益が載っているからです。

そのため、売却可能な土地価格は実勢価格をベースに算定し直す必要があります。

まず、土地の相場を調べます。

土地の相場は、スーモの土地価格相場で簡単に調べることが可能です。

この物件がある八柱駅全体の土地価格相場は、53万円/坪でした。

土地面積は136.19㎡(約41.3坪)ですので、土地の実勢価格は次の通りとなります。

41.3 × 53万円 = 2,187万円

ただ、実際には、この価格で売れることはほぼありません。

なぜならば、スーモに掲載されている土地価格はあくまでも売り出し価格です。

皆さんが収益物件を購入する時に価格交渉をするように、土地を売却する場合には売り出し価格に値引き交渉が入ることが一般的です。

ここでは、確実に売れる値段として、売り出し価格の85%を想定します。

売り出し価格と、実際の成約価格には約15%の差があるのが一般的だからです。

参考記事

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すると、この土地の売却可能価格は次の通りとなります。

売り出し価格2,187万円 × 0.85 = 1,859万円

5年後の土地建物売却可能価格

上記の建物と土地の価格を合算すれば、5年後の売却可能価格が算定できます。

建物3,681万円 + 土地1,859万円 = 5,540万円

ここで、購入時の価格と比較してみましょう。

購入価格 7,360万円
5年後売却価格 5,540万円
差額 ▲1,820万円

5年間で価格は1,820万円も下がりますね。

今までの上げ相場しかしらない方からすると、この5年後の売却価格は低すぎると思うかもしれません。

ただ、すでに融資が閉まった(平常化した)ことを考えると、この計算は現実的だと思います。

逆に言うと、購入価格が高すぎたとも言えます。

ちなみに、売却時の利回りは11%です。

購入時の利回りが8.6%でしたから利回りも5年で2.4%上げないと売れないということです。

売却時の残債

一方で、5年後の残債は6,324万円です。

5年後売却価格 5,540万円
残債 6,324万円
差額 ▲784万円

これが不動産投資の本当の怖さです。

いざ売却しようとしても、売却可能価格よりも、残債のほうが高いため、売却することができません。

どうしても売却したい場合は、差額の784万円を金融機関に支払わないといけません。

つまり、売却時のキャッシュフローはマイナス784万円になります。

合計収支

ここで、ようやくこの物件を5年間保有した場合の合計収支がでました。

購入時投資額(自己資金) ▲363万円
5年間トータルキャッシュフロー +540万円
売却時のキャッシュフロー ▲784万円
5年間合計収支 ▲607万円

607万円のマイナスです。

つまり、投資失敗です。

厳しいですが、これが不動産投資の現実です。

この物件をフルローンで購入するためには、最低利回りが10%以上ないとダメでした。

まとめ

いかがでしょうか?

年間キャッシュフローがプラスだからといって、投資に成功するかどうかはわからないことがご理解いただけたと思います。

この事例は5年間の合計収支がマイナスになってしまいましたが、もちろんプラスの収支にできる物件もたくさんあります。

要するに、売却後のトータル収支がプラスになる物件を購入すれば良いのです。

もちろん、そのような条件の良い物件がたくさんあるわけではありません。

毎日毎日、不動産ポータルサイトをチェックして、更に売り主と厳しい価格交渉した上で、初めて儲かる物件が購入できるわけです。

生き残っている先輩大家さん達は、そうやって努力しているんですね。

これから不動産投資を始められる方は、収益計算する方法をしっかりと身につけて、失敗しない収益物件を購入していただけたらと思います。

もっと本格的に収益計算を学びたいという方には、次の書籍もオススメです。

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