こんにちはJOJOです!
初めて不動産を購入する時に、売出し価格が相場より高いのか、低いのかを判断するのは難しいですよね。
何度も不動産を購入した人であれば、過去に自分で買った物件を比較して、『高い・安い』の判断ができるかもしれませんが、初めての方はそれすらできません。
そのため、初心者の方は相場よりも高値で物件を買ってしまいがちです。
偉そうに言ってますが、僕自身も初めての物件は相場よりも高く購入しています。
当時の僕は、収益物件専門のポータルサイトに掲載されている物件を、何の疑問も持たずに不動産屋の言い値で購入しました。
たまたまリーマンショック直後の不動産価格が下がっていた時期だっただめ、大きな損をせずにすみました。
でも、最近のように不動産価格が高止まりしている状況で、相場より高値で買ってしまうとダメージが大きいです。
では、相場より高いかどうかはどうやって判断すれば良いのでしょうか?
不動産価格の相場を調べる方法
実は、相場の価格というのは、インターネットが発達した現在カンタンに調べることができます。
それは、収益物件を建物と土地の価格に分解して、それぞれの時価を算出することで求めることができます。
物件価格は次のように分解することができます。
物件価格 = 建物価格(時価) + 土地価格(時価)
『そんなの当たり前だろ』と思うかもしれませんが、世の中に売りに出ているほとんどの物件が次の状態になっています。
物件価格 > 建物価格(時価) + 土地価格(時価)
具体例を上げながら詳しく見ていきましょう。
相場より高い具体例
大手収益不動産ポータルサイトでは、次の物件が掲載されていました。
所在地 | 神奈川県横浜市 東急東横線 菊名駅 徒歩7分 |
---|---|
価格 | 8,480万円 |
利回り | 7.37% |
建物構造 | 木造2階建 総戸数8戸(ワンルーム×8) |
築年数 | 12年 |
建物面積 | 147.21m² |
土地面積 | 161.48m²【48.84坪】 |
ほとんどの方が、物件の所在地、利回りだけを見て、高いか安いかを判断していると思います。
ネットに掲載されている似たような条件の物件と比較して、少し利回りが良ければ『良い物件じゃん!』と思うかもしれません。
過去の僕がそうでしたから。
でも、物件の価格は利回りでは決まらないんですね。
冒頭で説明したとおり、物件の価格は『建物と土地の時価の合計』にしかなりません。
そして、物件が高いか、安いかは、『建物と土地の時価の合計』を基準にして判断するのが正しいやり方です。
では、『建物と土地の時価』の算出の仕方を説明します。
建物の時価の算出の仕方
建物の価値は新築の時が一番高いです。
そして、年数を経るに従って建物の価値が減少していきます。
そのため、中古の建物の時価は次のように求めることができます。
新築時の建物価格 ー 経過年数による価値減少分
まずこの建物の新築時の価格を求めましょう。
この建物は木造2階建てです。
現在、木造の建設コストは、坪70-90万円くらいです。
この物件は147.21m²(44.6坪)なので、坪単価90万円だとすると、合計で4,014万円になります。
ただ、この建物はすでに築12年のため、経過年数による価値減少分を加味する必要があります。
経過年数による価値減少分は、減価償却の考え方を参考にします。
年間の減価償却額(価値が減少する額)は、基本的に建物価格と建物の耐用年数を元に算出します。
木造の場合、耐用年数が22年ですので、毎年建物価格の1/22が減少することになります。
今回は築12年ですから、価値減少分は次の通り求めることが可能です。
新築時建物価格4,014万円 × 12/22 = 2,189万円
そして、築12年が経過したこの物件の建物価格は次の通りとなります。
新築時建物価格4,014万円 ー 価値減少分2,189万円=1,825万円
土地の時価の算出の仕方
次の土地の時価を算出します。
土地の時価の算出方法はずっと簡単です。
まず、大手不動産ポータルサイトで土地の平均価格を算出します。
今回は、スーモを使って調べてみました。

菊名駅の土地平均価格は101.3万円/坪だということが1分でわかります。
この物件の土地面積は161.48m²【48.84坪】なので、土地価格は次の通りとなります。
48.84坪 × 平均坪単価101.3万円 = 4,957万円
実際の物件価格と比較してみる
これで、この物件の建物と土地の時価の合計金額がわかりました。
つまり、これがこの物件の相場(時価)となります。
物件の相場 = 建物時価1,825万円 + 土地時価4,957万円 = 6,782万円
実際の販売価格と比較してみると。
販売価格8,480万円 > 物件の相場6,782万円
販売価格は1,700万円ほど相場より高いことがわかりますね。
実に、販売価格の20%分も高いことになります。
ぶっちゃけのところ、売出し価格はそれくらい高値で出してあるのが一般的です。
売り主は少しでも高く売りたいですからね。売出し価格は、売り手側の最高金額なんです。
そして、初心者の方が売り出し価格をそのまま信じて購入してしまうと、相場より高値を掴んでしまうことになります。
そして、多くの初心者の方がその後の賃貸経営で苦労することになります。
ちなみに、不動産には、売出し価格の他に、成約価格が存在しています。
実際に買い手が購入した金額です。
そして、一般的に成約価格は売り出し価格よりも15%も低いです。
つまり、指値が15%通るということ。
なので、不動産は価格交渉して当たり前だと考えましょう。
このあたりは事情は次の記事に詳しくまとめていますので、読んでみてください。

僕だったら、この物件は相場より20%高いので、その分の指値をして、買い付けを入れます。
単純に20%引いてくれと言っても売り主は納得しないと思いますので、しっかりと上記のように建物と土地の時価(相場)を説明します。
こうやって、相場を正確に算出できるようになると、高値を掴むことはほぼ無くなるでしょう。
それでは、皆さん一緒に頑張りましょう!
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