こんにちはJOJOです!
シェアハウスへの不正融資が明るみになり、最近話題のスルガ銀行。
とうとう一般の中古マンション融資についても、不正があったことが朝日新聞の記事になりましたね。
中古マンション投資でも不正が相次いでいることがわかった。
会社員らがマンション1棟を買う際、不動産業者に託した融資書類が改ざんされ、融資条件に合うように見せかけられていた。
不正がわかったのは、地方の中古マンション1棟を丸ごと買う投資。
全国で多くの不動産業者が、自己資金ゼロで購入できる、と会社員や医師らを勧誘した。
1棟あたり1億~2億円台の購入資金は、スルガ銀が年利4%前後、約30年のローンで貸す例が多い。
出典元:朝日新聞デジタル
予想はしていましたけれど、融資書類の改ざんが行われていたのは、シェアハウスだけなわけないですよね。
スルガ銀行にとっては、シェアハウスは不動産向け融資のごく一部。
大多数は地方のRCマンション一棟モノですから。
シェアハウスで融資書類の改ざんが行われていたのなら、マンション一棟向け融資でも改ざんが行われていたと考えるのは普通でしょう。
ただ、この改ざんはスルガ銀行全体が後押ししていたわけではないと思うんですね。
だって、融資書類の改ざん=適性な融資審査が行われないといのは、スルガ銀行にとって損失でしかありません。
適切な融資審査が行われないと、本来貸してはいけない信用リスクの高い個人に融資が行われます。
その結果として、貸倒れが発生して、銀行の収益を下げることになるのです。
そのため、この改ざんは恐らく、融資案件を獲得することしか考えていない営業部門の暴走によって巻き起こされたと見るべきでしょう。
シェアハウス問題だけの時は、不正は横浜の一部の支店だけの問題と見られていましたが、残念ながら幅広い支店・営業所でも不正が行われていたのかもしれません。
僕個人的には、スルガ銀行が不動産投資業界に対して行ってきた貢献は非常に大きいと考えているので、早く立ち直って欲しいと考えています。
今回は、スルガ銀行問題が、不動産投資全体にどのような影響を与えるのかを掘り下げていきたいと思います。
スルガ銀行は多くの不動産投資家に支持されている
さて、今回の不正はスルガ銀行自体の業績にも貸倒れの増加という形で業績を与えると思いますが、それ以上に不動産投資業界自体に与える影響のほうが大きいでしょう。
僕の知る限り、一棟モノを扱うサラリーマン不動産投資家のうち、かなりの方がスルガ銀行にお世話になっています。
スルガ銀行の報道を見ると、不動産投資初心者のサラリーマンがスルガ銀行と不動産会社の口車に載せられて、シェアハウスや中古マンションを購入したと言われています。
でも、僕の知り合いを見る限り、不動産投資の経験をそれなりに積んでいる玄人投資家の中にもスルガ銀行を利用している方は大勢います。
もちろん、中間省略業者が開催している不動産投資セミナーで、何も知らないままに数億円もする中古マンションを購入してしまった方もいると思います。
ただ、実際は、しっかりと自分で不動産投資の勉強を行い、スルガ銀行のメリットとデメリットをしっかりと見極めた上で、スルガ銀行から融資を受けている投資家が多いという印象です。
そのような投資家の方は、スルガ銀行の4%という高い金利でも十分に賃貸経営ができる高利回りの物件を探し出して、不動産投資に挑戦しています。
スルガ銀行というと、悪徳高利貸しのようなイメージがついていますが、そんなことはありません。
スルガ銀行を使って収益性が高い物件を購入すれば、自己資金無しで大きな収入を得ることができます。
実際に、投資の初期ステージで、スルガ銀行のお世話になった投資家は沢山います。
そして、スルガ銀行で購入した物件から生じるキャッシュフローを貯めながら頭金を作り、信用金庫や地方銀行でもっと低い金利でも融資を受けられるようになるのです。
そういう意味では、不動産投資業界の中で、スルガ銀行はしっかりとした役割を担っていたと言えます。
スルガ銀行問題の影響はこれから出てくる
そんなスルガ銀行が不正騒ぎで揺れています。
残念ながら今後、確実にスルガ銀行の不動産投資向け融資は厳しくなっていくでしょう。
そうなると、スルガ銀行を使っていた多くのサラリーマン投資家の方に影響が出てきます。
スルガ銀行でフルローンで中古マンションを購入する
↓
キャッシュフローを貯めつつ、より高値で売却する
↓
売却益を活用して、更に規模の大きなマンションを購入する
1,2年不動産を保有すれば、自分が買った以上の値段で売却できるという前提があったからこそ、高い金利でもスルガ銀行で融資を受けて物件を購入してきたわけです。
今後は、スルガ銀行が使えなくなると、中古マンションの買い手がいなくなります。
つまり、売却することができなくなるわけです。
売却ができなくなった投資家は、物件を保持し続けるしかありません。
ただ、昨今の不動産バブルで規模を拡大してきた投資家の方は、基本的に短期での売却を前提として物件を購入しています。
つまり、キャッシュフローには余裕のない状態で購入しているため、大規模修繕等のキャッシュアウトにそもそも耐えられる体力の無い方が多いです。
残念ながら、そのような投資家は、物件のメンテナンスにお金をかけることができないので、物件の価値はどんどん下がっていきます。
それに連れて、空室も増えていくため、最終的には賃貸経営そのものに行き詰まってしまう可能性があります。
そうなると、任意売却や競売という形で、不動産が放出されることになり、不動産価格が大きく下落することになります。
不動産投資ブームは終わるけれども、まだまだチャンスはある
今までリーマンショックの後、一貫して登り続けてきた不動産価格が下落に転じると、当然ながら不動産投資に参入しようとする方は減っていきます。
また、不動産価格が下落することで、保有資産が大きく減少し、不動産投資から撤退する投資家も増えてくるでしょう。
ただ、僕個人としては、今までが過剰な不動産投資ブームであって、これから適正化していくのだと考えています。
年収800万円程度の普通のサラリーマンが1円も自己資金を使わずに、フルローンで数億円もの物件を購入するのは、やっぱり普通じゃないですよね。
今後は、頭金を2,3割は入れながら、物件を購入するのが当たり前になると思います。
そして、それぐらい余裕を持って物件を買わないと、賃貸経営を長く続けていくことはできません。
今までのように、短期で売買を繰り返し、キャピタルゲインをドーンと稼ぐということはできなくなりますが、コツコツと家賃収入を稼ぐという賃貸経営本来のスタイルはまだまだ可能です。
無理な不動産の買い方をして、失敗する人が減り、その代りに堅実な不動産投資からの収益で、少し余裕のある生活を楽しめる人が増えることを祈っています。
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