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東京の不動産価格は上昇しているにも関わらず空室が増えている謎に迫る!

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『不動産価格高くて買えないぜっ!特に東京の不動産は異次元の高さだ』という不動産投資家の皆様の嘆きや悲しみの声が聞こえてきます。

いや、マジで不動産価格高すぎですよね。

特に東京の不動産価格は超高い。

地方の方はピンと来ないかもしれないので、念のため我らがレインズ様から拝借したデータをお見せすると。。。

なんと2021年6月は前年比18%も値上がりしているのだっ!

東京の不動産価格はコロナが始まってからずーっと右肩上がりで上昇中。

不動産コンサルタントの長島先生が、これだけ金融緩和したらバブルが来るよって警告されておりましたが、まさにその通りの状況でございます。

コロナで人口過密地帯の東京から人が逃げ出して、不動産価格が下がるなんて希望的観測は見事に外れております。

ただ、全ての不動産マーケットが絶好調かというと、実は違うんです。

不動産には売買と賃貸という2つの大きなマーケットがあります。

売買マーケットの方は、先ほど紹介した通り絶好調な状況です。

一方で、賃貸マーケットの方はというと、超盛り下がってるんですね。

同じ不動産屋でも売買担当の方は『売物件どんどんもってこい! どんな物件も俺が売っちゃる』なんて強気なのですが、賃貸担当は『いやいや部屋探ししてる人減ってるし。特に東京からは単身者がどんどん出ていってるから、空室だらけで嫌になっちゃう』という感じ。

まさに、売買と賃貸ではマーケットの反応が全然違うのです。

売物件と賃貸在庫を比較してみた

その証拠に首都圏における売物件と賃貸物件の在庫数の変化をグラフにまとめてみました。

不動産価格が上がっている事実を裏付けるように、売物件の在庫は減ってます。

まあ、あれだけ価格高騰してるってことは、在庫も少ないってことですね。納得。

一方で賃貸物件の在庫はなぜか増えているんです。

つまり空室のお部屋がたくさん増えて空室率が上がっているということ。

つまり、売買と賃貸では市況が全然違うのですね。

東京の不動産価格は上昇しているにも関わらず空室が増えている。

これは一体何が起きているのか?

今回は名(迷)探偵JOJOがその謎に迫りたいと思います!

賃貸経営の現場より

まず最初に東京の賃貸マーケットで何が起きているかを深堀りしていきます。

僕は東京23区を中心として大家をしております。

そんな東京大家の僕が痛感しているのは、コロナになってから退去がめちゃくちゃ増えていること。

そして、一回退去すると次の入居者がなかなか決まらないという悪夢のような状態です。

東京の大家業って、コロナ前は超楽勝だったんですよ。

コロナ前は景気も良かったから学生も社会人もみーんな東京に住もうと必死でした。

おまけに世は空前のインバウンドブーム。

世界中から観光客がどんどん東京に押し寄せ、ホテル相場が急上昇していました。

ビジネスホテルまで値上がりしちゃったので、地方から東京に出張でくるビジネスマンが東京のホテルに泊まれないなんていう事態でした。

多くの会社では国内の宿泊費の上限は高くても1万円だと思いますが、東京のビジネスホテルは軒並み1泊1万円以上してましたからねー。

今は東京駅近くのビジネスホテルでも1泊3,000円で朝食無料バイキングがついてますが。

そんな宿泊需要真っ盛りの状況ですから、東京の大家さんも退去がある度に自分の賃貸物件をどんどんと民泊に転用してボロ儲けしてました。

僕の知り合い大家の多くも都内の物件を民泊に切り替えてましたけど、普通の賃料の3~4倍くらいの宿泊料が取れてウハウハ状態でした。

なので、駅近の立地の良い賃貸マンションはどんどんインバウンド用の民泊に切り替わってしまい、東京では普通賃貸の絶対数そのものが減少。

その結果、東京では家賃の値上げが当然のように行われてました。

僕の持っている東京のアパートも退去がある度に1000円~2,000円くらい値上げしたのですが、それでもサクッと次の入居者が決まっておりました。

今考えると東京の大家天国の時代でしたな~(遠い目)。

それがコロナ大魔王がやってくると事態は一変!

コロナがやってきた数ヶ月くらいは実は賃貸マーケットは無風でした。

とりあえず感染者は増えてましたが、今後会社や学校がどのような勤務・就学スタイルになるかどうか見えていませんでした。

そのため、コロナが問題になった2020年3月から8月くらいまでは一件も退去がなかったのを覚えています。

しかし2020年9月以降から退去が相次ぎます。

過去1年間で僕の持っている32部屋の中から退去の申し出があったのがなんと10件!

約1/3の入居者が出ていってしまったのです。

僕は退去の理由を聞くようにしているのですが、ほぼコロナ絡みの退去でした。

主要な退去理由を紹介すると次のようになります。

  • 完全テレワーク・オンライン授業に切り替わったので、実家に戻る。
  • 狭いワンルーム(泣)じゃテレワークできないから、郊外のもっと広い部屋に移る。
  • コロナで会社の業績が悪化し、社宅借り上げ制度がなくなる(家賃補助がなくなる)ため、もっと家賃が安い部屋に引っ越す。

僕が持っているアパートのほとんどが単身者用のワンルームです。

ワンルームに住んでいる人は当然ながら一人暮らしなので、自分の意志で気軽に引っ越しができちゃいます。

その結果、コロナ禍でライフスタイルが変わった単身者が一気に退去してしまったのでした。

そのような単身者がどこに引っ越すかというと、東京の隣の埼玉、千葉、神奈川です。

僕は大手の賃貸仲介会社に管理を委託しているのですが、支店長さんいわく『単身者に限って言うと東京の賃貸成約はさっぱりです。その代わり、埼玉、千葉、神奈川に人が流れているせいか、東京近郊のエリアでは賃貸成約数が上がっています』とのこと。

確かに僕も一人暮らしで完全にテレワークだったら都内の狭いワンルームを引き払って郊外の1LDKにでも住むだろうなと思います。

僕は幸いに戸建に住んでいてテレワーク用の仕事部屋が小さいながらもあります。

また、家族と住んでいるのでそこまで孤独を感じることはありません。

でも今一人暮らしで完全テレワークだと結構メンタル的に厳しいですよね。

僕のもっている狭いワンルームから退去してより広い部屋に引っ越したり、実家に戻るのはいたしかたありませぬ。。

ただ、意外とファミリー層の賃貸需要は悪くないようです。

ファミリーだと自分の都合だけで気軽に引っ越すわけには行きませんからね。

旦那さんがテレワークだとしても、奥さんもテレワークとは限りません。

また、子供がいたら学校の問題があります。

引っ越して子供を転校させるのはそう簡単ではありません。

また、そもそも東京の賃貸市場は圧倒的に単身者用のワンルームが多く、ファミリー用の物件は少数です。

そのため、ファミリーに関しては多少需要が減ったとしても、そもそも供給が不足していたのであまり影響はないようです。

まあ、僕も含めてほとんどの東京の大家さんが所有している物件はワンルームタイプでしょうから、東京の賃貸マーケット全体で見ると苦戦していることに変わりはないのですが。

売買の現場より

単身者を中心に東京を離れる人が増えて賃貸物件の空室が増える一方で、東京の不動産人気の方はまったく衰えていません。

というより、前述したとおり、東京の不動産価格は爆上がりしてるのです。

それは、ファミリー層、特に持家を持ちたいと考えている世帯にとっては東京で家を買いたいというニーズが依然として高いためです。

なぜ東京で家(マンション)を持ちたいのか?

答えはズバリ資産価値があるからです。

正直、居住の快適性や生活費のコスパだけを考えると東京は全然魅力的じゃありません。

コロナで在宅ワークが広がったといっても相変わらず山手線や地下鉄は大混雑。

首都高や幹線道路はいつも渋滞しているし。

スーパーで売っている食材の価格だって、地方に比べたら東京は割高です。

しかも不動産価格が超高いため、購入した場合は高額のローン返済に苦しむことになります。

今東京で新築のファミリータイプのマンションを購入しようとすれば平気で1億円くらいします。

1億円のマンションを全額住宅ローン組んで買った場合、月々の返済は毎月28万円(金利0.5%、借入年数35年前提)。

いくら東京都民の平均年収が全国ナンバーワンの620万円だとしても、毎月28万円もローン返済はそう簡単ではありません。というより無理。

都民の平均月収は額面40万円と言われていますから、家族がいる人でも手取りは35万円程度でしょう。

ローン返済に28万円も使ってしまっては残りは7万円。絶対生活できません。

では、なぜそうしてまでも、皆東京の不動産を買おうとするのか?

それは東京の不動産はアベノミクス以来ずーっと上昇をし続けているからなのですね。

10~5年ほど前に東京にマンションを購入した方は、ほぼ全員買った値段よりも高い値段で売れると思います。

それくらい東京のマンション価格は上昇し続けています。

1年前と比べてるだけでも前述したとおり18%も値上がりしてるわけですからね。

つまり、東京で持家を買って生活がカツカツになったとしても、将来的に資産が増えることを考えたら損しないと考える人が多いということです。

基本的に日本は人口が減り続けます。

一方で日本には住宅の総量規制という考え方はないため、新築は無限に増え続けます。

そうなると基本的には空き家がどんどんと増えていくことになります。

空き家が増えるということは家の資産価値がどんどん下落することを意味します。

つまり何も考えずに家を買ってしまうと、将来的に資産とならないことを意味します。

その点、東京の不動産は鉄板です。

ここ10年間の間で3~5割近く価格が上昇しています。

同じ持家でも、30年後には資産価値がほぼゼロになるエリアで買うのか、それとも30年後には価格が倍になるエリアで買うのか?

誰しも価格が倍になるエリアで家を買いたいに決まっています。

東京の不動産価格がこれからも上昇を続けるのか僕は知りませんが、少なくともほとんどの人は『大都会東京の不動産価格はまだまだ上がるぜっ!』と強気のようです。

つまり、今東京で不動産を購入する人の大半はほぼ投資なのです。

高額な住宅ローンはキツイが、コンクリ貯金していると思えば我慢できるようです。

収益物件の現場より

東京の収益物件の値上がりも実需用のマンションに負けておりません!

楽待や健美家で東京23区の収益物件を検索してもらえばわかりますが、利回り4%台の物件がゴロゴロしとります。

新築・築浅だと利回り4-5%もあればサクッと売れていく感じでしょうか。

築30年超えの鉄骨マンションでようやく利回り5-6%の間という感じ。

収益シミュレーションをしてみればわかりますが、頭金20%入れても利回りが7%以上ないと返済比率が60%を超えてしまいます。

返済比率60%を超えてくると、管理費、修繕費、税金を支払うとほとんど手元に残らない水準です。

少し前の東京であれば家賃さえ適正水準にしていれば満室経営も難しくなかったのですが、今は前述した通り賃貸経営冬の時代。空室率が高くなっています。

そんな状況で、返済比率60%以上の条件で物件を購入するのは自殺行為ですね。

なので、今東京で収益物件を購入している人のほとんどは資産価値の保持がメインでキャッシュフローを当てにしない資産家の方だと思います。

僕のように規模拡大を優先するフェーズの投資家だと、今の東京の相場は高くて買えません。

ちなみに僕が不動産投資を始めた10年前は山手線駅徒歩10分の築浅アパートが利回り8%で普通に売れ残っていた状況でした。

10年前とは隔世の感がありますね。。

投資用に不動産は売れているけど、入居者が減っている

今東京で不動産を購入する方の大半の目的は投資もしくは相続税対策です。

実際にマンションを買ってそこに住む人もいるのですが、前述した通り純粋に住環境だけを考えて東京にマンションを買うというより投資としての側面が強いと思います。

ただ、この記事で取り上げた通り東京の賃貸市場は悪化しています。

単身者はどんどんと東京を離れているせいで、東京の空室率は上がり続けています。

都心のオフィスビルの空室率もコロナ前と比べると急増していますね。

不動産投資というのは入居者が家賃を支払ってくれて始めて成り立つ事業です。

それなのに今は入居者がいない状態です。普通だったら投資が成り立たなくなり、価格が下る局面だと思います。

しかし現実は真逆。

実際の賃貸マーケットで空室率が上がろうが、投資熱はまったく下がらない状態です。

投資熱が下がらない理由は、やはり未曾有の規模の金融緩和でしょうね。

政府も中央銀行もお金をバラマキ過ぎました。

確かにコロナで生活が苦しくなっている飲食業や旅行業の人もいるのですが、その他の分野では増収の企業も少なくないわけです(例えばIT、製造業、ゲーム)。

その証拠に、2020年度の税収は60兆8216億円で過去最高でした。

それらの生活に困っていない人達の手元にもお金はばらまかれています。

また、コロナの活動自粛の影響で、旅行に行ったり飲みに行ったりすることもできなくなりました。

その結果、お金の使い道がなくなって投資に流れ込んでいるのだと思います。

これってまさにバブルじゃないですかね?

不動産は高値でバンバン売れているけど、実際は空室だらけで住んでいる人がいない。

この記事を書きながら、僕はある映画を思い出していました。

ブラッド・ピットがプロデューサーを努めた『マネー・ショート』というアメリカ映画です。

この映画の主人公は小さなヘッジファンドを率いる社長なのですが、あることから住宅ローンの破綻件数が徐々に増加しているという事実を知ります。

そして、事実を確かめるために仲間とともにフロリダの郊外にまで出かけて、実際に住宅販売の現場を確かめます。

フロリダ郊外では、ローン破産して売りだされている多数の空き家がありました。

その一方で、新築住宅がドンドンと建設され、価格は上昇を続けていました。

主人公たちは住宅ローンの破綻が増えているにも関わらず、不動産価格が上昇をし続けている市場に違和感を覚え、全力で株を空売りします。

そしてその後リーマンショックがやってきて、主人公たちは大儲けすることになります。

映画『マネー・ショート』について詳しく知りたい方は次の記事を見てください。

景気が過熱している今だからこそ、リーマンショックを学ぶ価値は大きいこんにちはJOJOです! 連日のようにアメリカの株式指標であるダウ平均は最高値を更新していますね。新車販売台数等の経済指標も良いみ...

話を戻します。

入居者が減って家賃収入が減少しているにもかかわらず、価格だけが上昇している東京の不動産市場はやはり何かが歪んでいます。

まあ、この歪みに気がついている人は『マネー・ショート』の主人公と同じ用に空売りのポジションを既に取っているのかもしれません。

僕にはそんな才覚もないので、ただ単に高すぎる東京の不動産相場を眺めるだけしかできません。

でもやっぱり今の市場には違和感を感じるんですよね。

なので、今の市況では無理に買おうとは思いません。

常に物件を探し続けていますけど、ちょっと冷めた目で見ながら物件検索しています。

そして無理な指値を入れつつ、不動産会社の営業マンに『そんな価格で買えるんなら、僕が買ってますよ』と半ば呆れられています。

ひょっとしたら東京の不動産価格は今後もまだまだ上昇し続けるのかもしれません。

今、都内で利回り5%の新築RCを仕込めば、2年後には数千万円の売却益を得てハワイで女の子達を侍らせながら豪遊できるのかもしれません。

ただ、ちょっとそこまでリスクを取る気持ちがわかないのですね。

今の市況は少し引き気味で望むくらいがちょうど良い気がしてます。

オススメnote(記事)

融資を制するものは不動産投資を制するといっても過言ではありません。首都圏にある金融機関の最新の融資条件を記事(23,500文字)にまとめました。

金融機関ごとに「借り手の属性、融資金額、金利、融資期間、相性の良い投資手法」を具体的に記載しています。

僕は今まで30行以上の金融機関で融資審査を申し込み、10行以上の金融機関から融資承諾を得てきました。その全ての経験と知識を記事に詰め込みました。

自信作ですので、ぜひ読んでみてください!

noteを読む>> 【首都圏】不動産投資向け金融機関 攻略マニュアル 2021年版

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しかも地主や富裕層ではなく、普通のサラリーマン投資家の方がです。

普通のサラリーマン投資家がフルローンを引くためにできる裏技を記事(4,192文字)にまとめました。

単なる交渉テクニックだけでなく、『銀行が投資家に何を期待しているのか』といった本質的な銀行の思考プロセスを解説しています。

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