経済トレンド

新型コロナで景気悪化しているのに、なぜ株価は上昇しているの? 不動産投資家が理由を徹底解説

こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

新型コロナの感染拡大で、世界中の大都市がロックダウンされています。

日本でも2020年4月7日に緊急事態宣言が出されました。

世界中の飲食業、サービス業が休業を余儀なくされており、一部のオンラインショッピングを除いて多くの企業の業績が悪化しています。

IMF(国際通貨基金)は新型コロナの影響で2020年の世界経済成長率はマイナス3.0%に落ち込むと予想を出しました。

リーマンショックの時である2009年の成長率はマイナス0.1%程度でしたので、今回のコロナ騒動はリーマンショックよりも遥かに深刻なダメージを経済に与えると言われています。

IMFは今回の危機は「1930年代の大恐慌以来の経済悪化になる可能性が高い」と警告しています。

それにもかかわらず、世界中の株価は堅調に推移しています。

アメリカのダウ平均は2020年3月23日に18,056ドルの年初来底値をつけた後で大きく反発。

30%以上も上昇して、24,000ドル台を回復しています。

日経平均もほぼ同じ状況でして、2020年3月19日に16,544円の年初来底値をつけた後に大きく反発し、現在は約20,000円にまで回復しています。

実体経済が悪化しているのに、どうして株価は上昇しているの?

このような疑問を持つ方も少なくないと思います。

基本的には株価は経済の先行指標だと言われています。

今後経済が悪化することが予想される場合に、株価は大きく下がります。

新型コロナの感染拡大は1~2年は継続すると言われていますから、今後経済が悪化するのはほぼ確実です。IMFも予想していますね。

それにも関わらず株価だけが大きく回復しているのです。

経済が悪化すれば、株価も下がるのは資本主義の基本原則です。

今起きている株価トレンドは明らかにこの基本原則とは逆行しています。

今回は、『今後、新型コロナで景気悪化していくのに、株価だけが上昇している理由』を詳しく解説したいと思います。

結論から先にいうと、世界中の中央銀行が史上最大規模の金融緩和を行ったため、通貨の価値が大幅に下がっています。

その結果、株価が急上昇しているように見えています。

ただ、実際の企業価値はそこまで上昇していません。

そして、通貨価値の下落により、今後は強烈な資産バブル及びインフレが世界を襲います。

それでは、詳しく見ていきましょう!

世界中の中央銀行が大量に資金供給

まず世界最大の経済大国であるアメリカの金融緩和を見ていきましょう。

アメリカの金融政策

米連邦準備理事会(FRB)は2020年3月15日に1.0%の大幅な利下げに踏み切りました。

その結果、政策金利は0~0.25%となり、08年のリーマン危機以来のゼロ金利政策を復活しました。

金融機関は実質的にゼロ金利でFRBから資金調達できますので、民間企業への融資額を増やして収益を最大化しようとします。

その結果、資金繰りが厳しくなった民間企業も潤沢な資金を確保できるようになります。

ただ、その後も株価下落に歯止めが効かなかったことから、FRBな更なる緊急資金供給策を実施しました。

FRBは最大2.3兆ドル(約250兆円)を拠出し、信用格付けが「投資不適格」に陥った企業の社債を購入することを発表しました。

いわゆるハイイールド債(ジャンク債)といわれる社債のことです。

ハイイールド債は、格付けが低くデフォルト(債務不履行)の可能性が比較的高い債券のことです。

信用リスクが高いため、利回りが高く、ハイリスクハイリターンの金融商品です。

ちなみに日本企業だとソフトバンクがハイイールド債に位置づけられています。

実はFRBが企業の社債を直接買い入れるのは歴史上初めてです。

リーマンショックの際にも社債の買い入れは行われませんでした。

しかも投資適格級の社債だけでなく、投資不適格のハイイールド債まで購入します。

まさにFRBが持てる力を100%出し尽くして企業を救済しようとしていると言えます。

FRBがハイイールド債の買い入れまで対象を広げた背景として、トランプ政権発足時から続く資産バブルによってハイイールド債の発行額が急増していることです。

特にアメリカの石油産業を支えるシェールオイル関連企業の多くはハイイールド債によって資金調達しています。

また、コロナショック以降、多くの大企業の格付けが下がり、投資不適格にランクダウンしました。

例えば、自動車大手のフォード、航空大手のデルタ航空、百貨店のメイシーズの格付けが次々と投資不適格級に引き下げられました。

特にフォードの社債(2025年満期)の利回りは、2019年末の3%台から一時10%近くまで上昇。

もはや自社で社債を発行して資金調達することができなくなりました。

このような投資不適格級に陥った企業を救済するためには、FRBは投資不適格級の企業の社債であるハイイールド債を買い入れるという発表をせざるを得ませんでした。

このFRBによる追加の資金供給策の発表により、アメリカのダウ平均株価は急反発しました。

日本の金融政策

次に日本の金融政策を簡単にまとめます。

日銀はコロナ危機の前からずーっとマイナス金利政策をとっています。

現在、短期金利はマイナス0.1%となっています。

そのため、すでに金融機関は民間企業への貸し出し増加を日銀や政府から強制されている状況と言えます。

それでも今回のコロナ危機で金融機関の貸し渋りが発生すると予想した日銀はさらなる金融支援策を発動しました。

アメリカのFRBと同じで、日銀も企業の社債やCP(企業が発行する短期の約束手形)の買い入れ額の増額を発表しました。

今まで日銀は合計で5兆円の買い入れ額を設定していたのですが、上限を2兆円増やして、合計で7兆円の買い入れが可能になりました。

また、日銀は今までもETFの購入を通じて、上場企業の株式を購入し、株価を下支えしてきました。

今回ETFの買い入れ額を年間6兆円から12兆円に引き上げました。

これによって日銀は東証1部の時価総額の6%を保有することになります。

今まで日本株の最大株主は年金(GPIF)でしたが、日銀が年金を上回ってNo.1になります。

日銀は民間企業の株価が下がらないように株を買いますし、潰れそうな企業には社債買い入れを通じてほぼ無制限に運転資金を供給します。

日銀はもはや資本主義のルールをガン無視して、なりふり構わず企業を救済しようとしていますね。

また、日銀が株や社債を買い入れるのは上場企業だけですが、上場していない中小企業への資金支援策も充実してきました。

日本政策金融公庫は新型コロナウイルス感染症特別貸付を行っており、前年よりも5%売上が減少した中小企業に対しては無担保で最高3億円融資をしてくれます。

売上が20%以上減少していれば、実質的に無利子で融資を受けることができます。

現在、民間企業は絶対に倒産しない状況

このように世界中の中央銀行や政府がありとあらゆる手を使って、市場に資金を大量に投入しています。

もはや、民間企業は絶対に倒産しない状態だといえます。

民間企業はコロナ危機で売り上げが減少し、資金繰りが厳しくなっても、中央銀行や政府系の金融機関が潤沢な資金を無利子で貸し付けてくれます。

無制限に借金することができるため、運転資金が枯渇して倒産することは事実上ありえません。

いわば、全ての民間企業に政府補償がついたようなものです。

企業が絶対に潰れないことを知った投資家は安心して株式市場に戻ってきました。

そして、再び大量に株式を買い入れるようになったのです。

これが景気が悪化しているにも関わらず、株価が上昇しているカラクリです。

実際の企業価値は増加していない

株価が上昇している点だけを考えると、現在の金融政策は上手く機能しているように見えます。

ところが、現在の株価上昇はフェイク(まぼろし)です。

なぜかというと、株価は上昇していますが、通貨の価値は減少しているからです。

つまり企業の株価が変わらないとしても、通貨の価値が下がれば、実際の企業価値は減少していることになります。

通貨価値の変動を知るためには、金価格と比較するのが一番カンタンです。

地球上にある金の量は増減しないため、金の価値は一定だとされます。

そのため、金価格と通貨を比較すれば、通貨価値が変動しているかどうかを簡単に確かめることができます。

次のチャートは2020年1月以降の金価格(米ドル換算)の推移を示しています。

新型コロナの感染拡大が本格化した3月以降、金価格は米ドルに対して20%も上昇しています。

逆に言うと、米ドルの通貨価値が20%も下落したことを意味しています。

冒頭で3月以降アメリカのダウ平均株価は30%上昇していることを説明しましたが、米ドルの価値が20%下落しているので、実質的には10%しか上昇していないことになります。

日本円も米ドルと同様に金に対して大きく値下がりしています。

次のチャートは金価格(日本円)の推移を表していますが、3月以降、金価格は15%も値上がりしています。

出典:田中貴金属工業ホームページ

これは逆にいうと、日本円の通貨価値が15%値下がりしていることを意味します。

そのため、日経平均株価が多少回復したとしても、日本円の通貨価値が値下がりしているため、単純に喜ぶことはできないのです。

今後、インフレが加速する

今後も世界中の中央銀行は企業へ資金を投下し続けるでしょう。

再戦を目指すアメリカのトランプ大統領は11月の大統領選まで株価を下げるわけにはいけません。

株高が政党支持率につながってきた日本の安倍政権も同様に株価を下げないために必死になるでしょう。

そう考えると今の金融緩和政策が当分続くことが予想できます。

有り余るほど資金が投入される結果、企業の破綻は最小限に抑えることができます。

それによって、株価も上昇基調を保つでしょう。

ただ、それと引き換えに通貨価値は確実に下がり続けます。

通貨の価値が下がる未来に起こることは、強烈なインフレです。

つまり、株や不動産といった資産価値も急上昇しますが、それ以上にありとあらゆる物価も上昇します。

株や不動産を持たない庶民の生活は非常に苦しいものになるでしょう。

ただ、僕自身は中央銀行や政府が行っている大幅な金融緩和には賛成です。

飲食業、観光業のように売上の大半を失ってしまった産業にとって一番大切なことは、止血です。

将来に大きなツケを残してしまうことになりますが、それよりも今を生き抜くことが大切です。

もし新型コロナで経済がストップしている現在、金融緩和をストップすれば数多くの企業が破綻し、世界中に失業者が溢(あふ)れかえるでしょう。

そうなると、新型コロナで命を失う人よりも、経済状況の悪化によって命を失う人の数のほうが大きくなってしまいます。

そのため、将来のインフレを招くとしても、金融緩和を続けざるを得ないと考えています。

不動産投資家が取るべき対策

コロナの感染収束が見える(=ワクチンが開発される)までは、経済活動の本格再開は無理でしょう。

ニューヨークのクオモ州知事によればワクチンが開発される1年半後まで続くとのことです。

実態経済が予想以上に悪化した場合は、金融緩和策にも関わらず、再度株価が二番底を探る可能性もあるかもしれません。

ただ、株価が下がる度に中央銀行はお金を刷り続け、大量のマネーを市場に供給し続けるでしょう。

中央銀行だけでなく、各国の政府も様々な手段を通じてマネーを国民に配布し始めています。

ちょうど日本も国民一人当たりに10万円配布することが決定しましたね。

経済が成長していないのに、国がお金を無制限に配り続ければ、お金の価値が下がることは容易に想像できると思います。

なぜならば、モノや資産が増えないのに、流通するお金だけが増えればお金の価値は薄まりますからね。

そのため、新型コロナが収束し、経済が正常化した瞬間に、世界は一気に資産バブルの階段を上り始めます。

大量に市場に投入されたマネーは再び株や不動産に向かうでしょう。

そして、様々な物価が上がるインフレが起こります。

今回の世界各国が取っている財政政策、金融政策が未曾有の規模であるのと同じように、次のインフレも未曾有の規模になるでしょう。

いわゆるハイパーインフレです。

ハイパーインフレに対抗するためには、資産を現金ではなく、株や不動産で所有しておくことが大切です。

新型コロナで実体経済がダメージを受けることで、不動産に対する需要が減り、短期的には不動産価格は下落するでしょう。

ただ、中長期的な視点で見ると、不動産価格は上昇していく可能性が高いです。

そのため、次の買い場に向けてしっかりと現金を貯めておきたいと思います。

そして、新型コロナ収束が見え、資産バブルの兆候が見え始めたら、全力で不動産を買い進めていきたいと思います。

不動産を所有することが、ハイパーインフレから自分の身を守ることになります。

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