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区分マンション vs 一棟モノ 初心者はどちらを最初に選ぶべきか? それぞれのメリット・デメリットを解説!

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初心者の方からはよく次の質問をいただきます。

不動産投資を始めるにあたって、区分マンションと一棟モノのどちらが良いでしょうか?

この質問は、年代、性別を問わず一番多い質問です。

この質問をする人の気持は、よーく分かります。

僕もはじめて収益物件を購入する前には、さんざん悩みましたから。

本屋さんにある不動産投資関連の書籍を手にとって見ても、区分マンションを勧める投資家もいれば、一棟モノばかり勧める投資家もいます。

しかも、どちらの手法の著者もみんな成功しているとアピールしています^^;

これでは、初心者の方は悩んでしまいますよね。

僕の回答を最初にお伝えすると、

『自己資金が豊富にありリスクを負うことができる人は最初から一棟モノに挑戦した方が早く規模拡大できる。自己資金が少なくリスクを小さくしたい人は融資が出やすい区分マンションから始めて経験を積む』

となります。

投資家さんの資産背景と、どこまでリスクを取れるのかによって適切な戦略は変わります。

例えば僕は一棟モノから不動産投資始めました。

僕が始めた2012年当時は今よりも融資環境が良く、自己資金が少ない初心者にも一棟モノの融資がついていました。

不動産会社からの紹介によりほぼフルローンの条件で一棟アパートを購入できました。

ただ、今は初心者の方が一棟モノを購入しようとすると2割近い頭金を要求されます。

5,000万円のアパートの2割だとすると頭金として1,000万円を入れる必要があります。

仲介手数料や抵当権設定費用等の諸費用を加味すると1,300万円くらい手元資金が必要になります。

普通の会社員にとっては、1,300万円って相当な大金ですよね。

僕は最初の一棟アパートを購入する時は自己資金500万円しかなかったので、今だったらアパート購入を断念していたと思います。

もし大企業や外資系企業でバリバリ稼いで2,000万円くらい潤沢な頭金があればいきなり一棟モノに挑戦するのもありです。

一方で自己資金が少ない方は最初は融資が比較的つきやすい区分マンションから始めるという作戦もアリだと思います。

要は区分マンション、一棟モノの特徴をしっかり把握した上で、自分に合った投資手法を選ぶことが大切です。

ぶっちゃけ自分にあったやり方であればどちらでも成功することは可能です。

今回は、区分マンション、一棟モノそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

初心者の方が最初の投資スタイルを決める参考になれば幸いです!

こんな人にオススメ
  • どんな収益物件を購入すればよいか迷っている初心者の方
  • 区分マンション、一棟モノのメリット・デメリットの基本を理解したい方

区分マンションのメリット

区分マンションのメリットには、次のポイントがあります。

  • 立地が良いものが多く、賃貸客付けしやすい
  • 規模が小さいので、万が一失敗しても、ダメージが少ない
  • 購入希望者が多いので、いつでも売却可能
  • 投資用と実需用の価格ギャップを利用して、売却益を狙える

それぞれ順番に見ていきましょう!

立地が良いものが多く、賃貸客付けしやすい

区分マンションは、新築も中古も立地が良いものがほとんどです。つまりほとんどが駅近なんですね。

なぜかというと、区分マンションは不動産ディベロッパーが市場調査を綿密に行った上で、建設されているからです。

当然ながら不動産ディベロッパーは区分用のマンション建設を企画する際に社内稟議を通す必要があります。

大企業である不動産ディベロッパーの社内稟議を通すためには、担当者はマンション建設予定地の人口推移から賃貸需要まで幅広いマーケティング・リサーチを行います。

その結果、長期的に賃貸需要が強い駅近エリアに区分マンションが建設されることがほとんどです。

不動産投資では、一番大切なのはやっぱり立地なんですね。

建物はリノベーションしていくらでも改善できるますけど、立地だけは修正することができません。

一方で、アパートはあまり立地が良くない場所にもドンドン建設されます。

数十~数百戸を販売しないといけない区分マンションと違って、一棟アパートは一人の投資家に買ってもらえればOKです。

アパート建設会社の中には、立地が悪い場所に格安で新築アパートを建設するところがあります。

新築の間は立地が悪くても何とか入居付けができるからです。

もし入居付けに苦戦しても、膨大な広告料を支払って無理矢理満室にします。

そして、満室になったところで何も知らない初心者に売り切ってしまいます。

このような駅から遠い立地のアパートを買った投資家は後々確実に苦労します。

ぶっちゃけ、駅から15分以上離れたアパートの客付けは非常に苦しいです。

実際に神奈川県では駅から離れた場所に新築アパートが乱立していますが、どこも沢山の空室を抱えています。

その結果、首都圏の中で神奈川県のアパート空室率は37%と突出して高くなっています。

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売り出されている物件を見ると区分マンションより一棟アパートのようが利回りが高いものが多いですが、それは立地が悪いものが多く紛れ込んでいるからです。

賃貸物件の主要ターゲットである単身者や若いカップルは、通勤時間や通学時間を短縮するために、駅近の物件を好むようになってきています。

もちろん建物をリノベーションしたり、仲介店舗への営業を強化したりと立地が悪いアパートでも満室にすることは可能です。

ただ、それなりの大家スキルと労力が必要になるため初心者の方にはハードルが高いです。

そのため、入居付に不安を覚える初心者の方は、立地が良く入居付けに苦労しない区分マンションで賃貸経営のトレーニングを行うというのも一つの方法だと思います。

規模が小さいので、万が一失敗しても、ダメージが少ない

不動産投資は他の投資に比べると勝率の高いゲームです。

ただ、それでも毎年一定数の退場者が出ているのも事実です。

不動産投資の失敗談は誰も他人に語りたがらないので情報が表に出てくることは少ないですけど。

退場する方のほとんどが、自分の器以上の借金を背負ってしまい、返済できなくなるパターンです。

よくあるのが、高利回りに目がくらんで、地方のRCをフルローンで購入したが、予想以上に空室が埋まらなくて借金返済できなくなるというパターン。

地方のRCだと1億円以上するケースが多いので、平気で数千万円規模で含み損を抱えることも珍しくありません。

正直、5,000万円以上の損失を抱えてしまうと、リカバリーは困難です。

毎年250万円ずつ損失穴埋めしても、50年かかるわけです。

普通のサラリーマンしていたら、毎年250万円も給料から補填するの難しいですよね。

一棟モノのマンションだと5,000万円以上の損失を抱えてしまうケースは珍しくありません。

その点、区分マンションは規模が小さいです。

都心のような超優良立地にある区分マンションでも2,000万円あれば購入できます。

築古なら1,000万円くらいから購入できます。

都内の区分マンションであれば、3割値下げすれば、どんな物件でも速攻で売却できます。

そのため、万が一失敗しても損失は300万円に抑えることができます。

300万円だったら、毎月10万円ずつ返済すれば、3年以内に返済可能ですよね。

なので、区分マンションでは、万が一失敗してもリカバリが比較的簡単だと言えます。

購入希望者が多いので、いつでも売却可能

一棟マンション、アパート、戸建、区分マンションと色んな形態の不動産投資がありますが、一番購入希望者が多いのが区分マンションです。

つまり、マーケットが大きいんですね。

しかも、区分マンションは投資家だけでなく、自分が住むところを探している実需層もターゲットにすることができます。

そのため、一度不動産投資を始めて、『やっぱり自分には向いていないな』と感じた時に、サクッと売却できます。

実は、不動産って売却が一番難しいです。

買う時は、値段がついたものに対して買い付けを入れます。

でも売る時は、自分で適正な値段をつけないといけないわけです。

もちろん不動産会社に売却を依頼すれば売却可能金額を査定してくれます。

ただ、不動産屋さんは売って仲介手数料もらうのが仕事ですから、売りやすいように相場より低い売値に誘導しようとしてきます。

だからといって不動産屋さんの意見を無視して、高い売却価格を設定すると、今度は一切反響がありません。

半年間ほどポータルサイトに野ざらしになっている売却物件も珍しくありません。

僕も実家が抱えている地方アパートを売却したことがありますが、売りに出してから3年してようやく買い手が見つかりました。しかも売値から30%OFFでやっと売却。

売却は想像以上に難しいというのが実感ですね。

そのため、『いざ、売ろう!』と思った時に、売りやすい物件であるかどうかはとても大事なんですね。

その点、区分マンションは、購入希望者が一番多いため売却が簡単です。

規模も小さいので現金でサッと購入する富裕層の方もいます。

融資のハードルも低いため、正社員ではない自営業の人や契約社員の方でも融資を引くことができます。

投資用と実需用の価格ギャップを利用して、売却益を狙える

投資用に購入しようとする投資家層と、自分が住むために家探ししている実需層では価格に対する考え方が大きく異なります。

簡単にいうと、実需層のほうが、投資家層より高く買ってくれます。

実需層が求める価格 > 投資家層が求める価格

なんでかというと、投資家は、投資利回りを基準に物件を購入するので、どんなに素敵な物件でも一定の利回り以下(逆に言うと、一定の価格以上)の物件は買わないんですね。

でも、実需層は違います。

実需層は多少価格が高くても気に入ったら購入してくれます。利回りじゃないんですね。

一棟モノだと投資家相手にしか販売することができませんが、区分マンションだと投資家と実需層の両方に販売することができます。

ここで、勘の良い人は思いついたかもしれません。

投資家から収益物件を買って、実需層に転売したら、利益でるんじゃないか?と。

その通りです!

このように投資家からオーナーチェンジで安く区分マンションを購入し、しばらく賃貸で回した後で、実需層向けに高く販売する手法を取っている方も大勢います。

もう少し具体的に言うと、投資家から収益物件を買う場合は、基本的に賃借人付きの状態で購入することになります。

そのままだと、賃借人がいるので、自分が住む家を探している実需層には売れません。

そのため、賃借人が退去するまで待つのです。

待っている間は当然、家賃収入があるので、苦になりませんよね。

そして、賃借人が退去したら、今度は実需層に向けて販売するわけです。

一般的には、投資家向けの価格と、実需向けの価格では2割くらい差があります。

そのため、2,000万円の収益物件を投資家から購入すれば、2,400万円で実需層に向けて売却できるわけです。実に400万円の儲けですね。

このやり方は、賃借人が退去するのを待たないといけない=転売するまで時間がかかるというデメリットはありますが、確実に儲けることができます。

そのため、できる限り不動産投資で失敗したくないという初心者の方には、ぴったりだと思います。

転売するまで時間がかかるので、プロの不動産会社はこのような物件を購入しませんしね。

ちなみに、実需層への転売を狙うなら、広めの間取りがベターです。

ファミリー向けや1LDKだとかなり需要があります。

区分マンションのデメリット

区分マンションのデメリットには、次のポイントがあります。

  • 実質利回りが高くない
  • 購入する手間は一棟モノも区分も変わらない
  • 共用部分のバリューアップができない

それぞれ順番に見ていきましょう!

実質利回りが高くない

ぶっちゃけ言うと区分マンションではボロ儲けはできません!

なんでかというと、高利回りのお宝物件は市場に出回らないからです。

区分マンションのメリットのところで書きましたけど、区分マンションは規模が小さいので購入できる層が多いんです。

つまりライバルが多いということ。

首都圏には2-3千万くらいのマンションだったら、現金でサクッと購入できる人は山のようにいるわけなんですね。

そして、お宝物件はそのような融資付けなんて面倒なこと言わずに、サクッと現金ニコニコ払いで購入できる投資家に流れてしまうんです。

もしくは、プロの不動産会社が転売用に購入しますね。

なので、融資を使って購入する僕たち普通の投資家にはそのようなお宝物件は回ってきません。

そのため、利回りが比較的マシな物件を拾っていくしかないのです。

しかも、区分マンションの実質利回りを下げるポイントがもう一つあります。

それは、マンションの管理費と修繕積立金です。

マンションにお住まいの方はご存知の方が多いと思いますが、投資用区分マンションも同様に管理組合に管理費と修繕積立金を収めないといけません。

都内の2,000万円くらいの物件ですと、毎月1.5万円くらいの出費ですね。

利回り6%で計算すると月の家賃収入は10万円くらい。

管理費・修繕積立金の割合は家賃収入に対して15%。結構大きいですよね。

しかも、それから更にローンの返済を行う必要があります。

そのため、利回り6%くらいの都内区分マンション(それでも今の高騰相場だと割安な部類だと思いますが)を頭金1割くらい入れて購入しても毎月の手残りキャッシュフローは2.5万円ほどしか残りません。

なので、そんなにボロ儲けできないのはお分かり頂けると思います。

購入する手間は一棟モノも区分も変わらない

そんな大きくは儲けることのできない区分マンションですが、購入するための手間は一棟モノと代わりません。

物件を内見する時も、一棟モノと区分マンションでかかる手間と時間は同じです。

結局現地にいって、部屋を見るわけですから。

いざ購入するとして、銀行に融資の打診をします。

その時には、建物の図面や間取り、登記簿、3年分の源泉徴収票なんかを銀行に提出しないといけませんが、この手間も同じ。

不動産会社と売買契約締結する手間も同じ。

一棟モノも区分マンションも同じだけ時間と手間がかかるんですね。

そのため、最初は区分マンションからスタートしたのだけど、効率を重視して徐々に一棟モノにシフトする先輩大家さんが多いです。

共用部分のバリューアップができない

一棟モノだと、外壁塗装して見た目を綺麗にしたり、インターネット無料を導入するなど、一棟まるごとバリューアップすることが可能です。

でも、区分マンションは自分の専有部分しか手を加えることができません。

例を上げると、部屋の中は好きにリフォームできるんですけど、外壁やドアは共用部分なんで変更できないんですね。

そのため、自分の部屋をリノベーションして、キラッキラに仕上げても、外見はオンボロなマンションのまま、なんてことがあるわけです。

部屋の中だけでなく、建物全体をリノベーションしてバリューアップしたいという方には向かないかもしれません。

一棟モノ(マンション/アパート)のメリット

次は一棟モノのメリット・デメリットを見ていきましょう。

一棟モノのメリットには、次のポイントがあります。

  • 規模のメリットを活かして、大きく儲けることができる
  • 一棟まるごとリノベーションして、大きくバリューアップすることができる
  • 管理会社から優遇される

それぞれ順番に見ていきましょう!

規模のメリットを活かして、大きく儲けることができる

一棟モノの最大のメリットは、その規模の大きさです。

アパートでも6部屋~10部屋くらい、大規模マンションなんかになると30戸を超えるものもあります。

これらの戸数を一気に手に入れることができるため、区分マンションと比べると入ってくる家賃収入も桁違いに大きくなります。

まあ、その分借金も大きいんですけどね^^;

将来、何が何でも家賃収入だけで生きていくんだ!と強い意思をお持ちの方は一棟モノにチャレンジする方が多いです。

家賃収入だけで生活するためには、最低でもキャッシュフローで毎月100万円以上は欲しいです。

区分マンションだけで毎月100万円を達成しようとすると、都内のマンションでも20戸以上は必要になります。

20回も購入を繰り返すのは、さすがにしんどいですよね。

それが一棟モノであれば3億くらいのRCマンション(一棟モノ)を購入すれば月額キャッシュフロー100万円をいきなり手に入ることも夢ではありません。

なので、一気にドカンと儲けたいという方には、一棟モノがオススメです。

一棟まるごとリノベーションして、大きくバリューアップすることができる

一棟モノは、建物まるごと自分の所有物です。

そのため、部屋の中をリフォームするだけでなく、外壁塗装や外構工事を行って、建物全体をまるごとリノベーションすることが可能です。

最近のリノベーション技術はすごく進歩しているので、築30年のマンションでも、お金をかけて大規模リノベーションを行えば、新築と見間違うほど綺麗に、かつオシャレに変身します。

僕も築20年の木造アパートの外壁塗装をしましたけど、ピッカピカの建物にバリューアップさせることができました。

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そして、そこまでしっかりとバリューアップさせてあげれば、家賃も新築並に上げることが可能です。

家賃収入が上がれば、売却する時の利回りも上昇することになるので、高値で売却することもできます。

実際に、築古の一棟モノのマンション・アパートを買い取り、一棟まるごとリノベーションを施して投資家に良い値段で販売するプロの不動産会社も多いです。

埼玉が地盤の武蔵コーポレーションが有名ですね。

個人でも同じやり方を行うことで、短期間で巨額の売却利益を得ることも可能です。

ただ、初心者の方がいきなりボロ物件を買ってリノベするのは無理なので、経験を積んでからになるでしょう。

管理会社が客付けを優遇してくれる

区分マンションでも、一棟モノでも、賃貸の客付けは管理会社に依頼することになります。

管理会社にとってみれば、一部屋しか区分マンション持っていない投資家よりも、10戸あるアパートの管理を全て頼んでくれる投資家のほうが良いお客さんですよね。

なので、一棟モノをもっている投資家は管理会社から大事にされます。

実際にどの管理会社でも一棟モノの大家さんの部屋は一番優先順位を高くして客付けしています。

そして一棟モノの大家さんの所有物件が埋まると、次に区分マンションの大家さんの物件を案内することになります。

賃貸物件を探しに街の不動産屋さんに行くと分かりますが、一回の訪問で営業マンから紹介を受ける物件はだいたい3物件ですよね。

そのうち2物件はわざと条件的にあまり良くない物件を見せ球として用意しておき、本命物件に誘導するようにします。

つまり、本命物件に選ばれない限り、永久に客付けしてもらえないわけです。

より多くの物件の管理を委託していたほうが、管理会社も早く埋めようと必死に営業してくれます。

そのため客付けに関しては一棟モノの大家さんのほうが有利になります。

一棟モノのデメリット

一棟モノのデメリットには、次のポイントがあります。

  • 客付けが難しい立地の物件も多々紛れ込んでいる
  • 一回の失敗が致命傷になり得る
  • 売却する時に時間がかかる

それぞれ順番に見ていきましょう!

客付けが難しい立地の物件も多々紛れ込んでいる

区分マンションは、不動産ディベロッパーが分譲することを目的に建てるため、基本的に利便性が高い立地にあることが多いです。

つまり、街の中心部にあったり、駅近である可能性が高いわけです。

そのため、賃貸客付けで苦戦することはあまりありません。

一方で、一棟モノのマンション・アパートの中には、賃貸需要がまったくない不利な立地にあるものも少なくありません。

なぜかと言うと、ほとんどの一棟モノのマンション・アパートは地主さんが建てたものです。

つまり、賃貸需要があるから、収益物件を建てるのではなく、元々持っている土地を何とか活用するために、収益物件を建てるんです。

土地を選んで建物を建てるわけではないので、なんでこんな辺鄙な場所に建てたの?というような物件もゴロゴロしています。

特に、地方に行くとそんな物件が空室だらけで放置されています。

そのような不利な立地に立っている物件は、一見高利回りで販売されています。

そして、その高利回りに目がくらんで購入したは良いけれども、実際に空室を埋めることができず苦しむ投資家も後を絶ちません。

とくに最近では、不動産会社が空室保証を付けて販売することも多いです。

ただし空室保証があるからと安心して物件を購入してしまうのは危険です。

不動産会社がつけてくれる空室保証はだいたい半年程度、長くても1年のところが多いです。

空室保証期間が過ぎてしまうと、自分の力で客付けをしていかないといけません。

こういう難易度の高い物件にチャレンジするのは、しっかりと客付けノウハウを身につけてからにしたほうが良いと思います。

一回の失敗が致命傷になり得る

一棟モノは小さな木造アパートでも2~3千万円、大きなRCマンションになると3億円程度の規模になります。

その分、収入も加速度的に増えるのですが、借金の規模も増えていきます。

特に少し前までは、地方RCマンションにフルローンを出す銀行も多かったために、購入と同時に債務超過(資産より負債が多いこと)に陥る投資家も少なくなかったです。

不動産が上昇相場では、多少賃貸経営で失敗しても、売却すれば損失をリカバリーすることができます。

しかし、徐々に銀行の融資が厳しくなり始めました。

特に地方の物件へ融資してくれる銀行が激減しましたから、価格が下がっている地方物件も見かけるようになりました。

そのため、物件のエリアによっては、買った値段よりも安い価格でしか売れないケースもあると思います。

空室が多くて人気のない一棟モノを売却する場合には、数千万円からヘタすると1億円以上の損失を計上することも珍しくありません。

ぶっちゃけ、普通の700万円前後のサラリーマン収入しかないのに、数千万円の借金だけが残ったら生活はかなり厳しいですよね。

恐らく一生かけて借金を返済していくことになります。当然、不動産投資の世界からは退場することになります。

つまり、一度の失敗が、致命傷になりかねないわけです。

売却する時に時間がかかる

一棟モノは購入できる層が限られてきます。

最近ではスルガ銀行の問題もあり銀行の融資が絞られてきました。

区分マンションだと、規模が小さいので、銀行も融資をつけやすいですが、一棟モノのハードルは確実に上がってきています。

そのため、一昔みたいに初心者がフルローンで数億円の物件を購入できる時代ではありません。

つまり、いざ物件を売却しようとしても売れないのです。

物件が売れなければ、売値を下げるしかありません。

ただ、売値を下げると言っても、残債以下の値段まで下げてしまうと、今度は銀行が抵当権を外してくれません。

つまり、売ることすら許されなくなるのです。

そうなると、投資家は、サラリーマンの収入から延々と毎月のキャッシュフローの赤字を補填することを余儀なくされます。

それじゃあ、なんのために不動産投資を始めたのか分かりませんよね。

そのため、『自分には不動産投資が向かないな』と思った時に、すぐに適切な値段で売却できることはとても大切なのです。

地方の一棟モノは都心の区分マンションに比べて高利回りです。

でも、それは、そこまで高利回りにみせないと(価格を下げないと)、売れないってことですね。

ぶっちゃけ一棟モノの最大の欠点はこの流動性の低さだと思います

賃貸経営をやめたいと思った時に、すぐに売却できない。

特に融資が厳しくなり物件価格が下落している今のような時代には売却は一層難しくなっています

一棟モノを購入するならば、長期間賃貸経営し続ける覚悟が必要になります。

初心者にぴったりなのは?

ここまで、区分と一棟モノのメリット・デメリットを見てきました。

ぶっちゃけ、区分でも、一棟モノのどちらを選んだとしても、不動産投資で成功することは可能です

よく区分マンションは儲からないなんて言う人もいますが、それは間違いです。

著名不動産投資家である「けーちゃん」こと寺尾恵介さんや吉川英一さんなんかも区分マンションを購入して成功されています。

賃貸需要のあるエリアの区分マンションを適性な値段で購入すれば区分でもセミリタイヤが可能です。

ただ、一棟モノ大家の一人として言えることは、一棟モノのほうが規模の拡大スピードは早いです。

そのため、初心者の方へオススメの方法は冒頭で説明したとおり、

『自己資金が豊富にありリスクを負うことができる人は最初から一棟モノに挑戦して規模拡大を優先する。自己資金が少なくリスクを小さくしたい人は融資が出やすい区分マンションから始めて経験を積む』

となります。

ストレスを感じない規模が最適

長年、不動産投資を経験して思うことは、「ストレスを感じない」ことが一番大事です。

賃貸経営をしていく中では、いくら頑張っても空室が埋まらない時期や、立て続けにエアコンや給湯器が壊れて、想定外にお金が出ていく時期があります。

ぶっちゃけそんな時は、結構なストレスを感じます。

キャッシュフローがカツカツの状態で賃貸経営していて、給料から持ち出しなんてことがあると正直かなりヘコみます。

初心者でも、いきなりフルローンで数億円もするRCマンション一棟を購入する方がいますが、相当メンタル強くないと厳しいと思います。

なので、自分のストレス耐性と相談して無理のない範囲で規模を拡大していくのが良いと思います。

僕も不動産投資の師匠から「枕を高くして寝れないような物件は絶対に買ってはいけない」とアドバイスをもらいました。

物件を購入する前は物件が欲しくて仕方ないので、「そんなものかな?」と思っていましたが、実際に賃貸経営を始めるとそのアドバイスが腹に落ちました。

人によって、ストレスを感じる規模は異なります。

ご自身の性格と持っている経営資源(属性、資金)を冷静に把握した上で、自分に最適な投資手法を無理のない範囲で選んでいただくのが良いと思います。

収支計算ツールのご紹介

不動産投資で最も大切なことは『儲かる』物件を購入することです。

ただ、物件の利回りや価格だけを見ていても、本当に儲かる物件かどうかは判別できません。

例えば一見、立地が良くて、価格も手頃なので儲かりそうに見えたけど、実際に購入した後に運営経費や税金を考慮すると手残りキャッシュフローが赤字になってしまう物件もあります。

ぶっちゃけネットで検索すると収益不動産は山のように出てきますが、残念ながらほとんどの物件は儲かりません。

儲かる物件かどうかを判別するためには、自分自身で収支シミュレーションを行い、税金を支払った後に残るキャッシュフローの金額を正確に把握する必要があります。

ただ、初心者の方にとって賃貸経営において必要な運営経費を漏れなく計上するのはハードルが高いです。

また日本の税制は複雑なので、正確に税金を計算するのは至難の技です。

そのため、税金を考慮せずに収益不動産を購入した結果、想像以上の税金を支払うハメになり期待していたキャッシュフローが得られないことも多々あります。

そこで、初心者の方でもカンタンに税引き後のキャッシュフローを計算できるツールを作りました!

Excelを使うことができる方であれば誰でもOKです。

不動産業者から手に入れる販売図面から必要な項目をExcelにインプットするだけで、35年分の税引き後キャッシュフロー及び、売却後の手残り金額が自動計算されます

印刷すればそのまま銀行に提出できる事業計画書にもなります。

手間をかけずに融資が引ける事業計画書を作りたいという方にオススメです!

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オススメnote(記事)

融資を制するものは不動産投資を制するといっても過言ではありません。首都圏にある金融機関の最新の融資条件を記事(23,500文字)にまとめました。

金融機関ごとに「借り手の属性、融資金額、金利、融資期間、相性の良い投資手法」を具体的に記載しています。

僕は今まで30行以上の金融機関で融資審査を申し込み、10行以上の金融機関から融資承諾を得てきました。その全ての経験と知識を記事に詰め込みました。

自信作ですので、ぜひ読んでみてください!

noteを読む>> 【首都圏】不動産投資向け金融機関 攻略マニュアル 2021年版

不動産投資向け融資が厳しい今でも、フルローンを引いている投資家の方々がいます。

しかも地主や富裕層ではなく、普通のサラリーマン投資家の方がです。

普通のサラリーマン投資家がフルローンを引くためにできる裏技を記事(4,192文字)にまとめました。

単なる交渉テクニックだけでなく、『銀行が投資家に何を期待しているのか』といった本質的な銀行の思考プロセスを解説しています。

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