不動産市況

【体験談】東京の賃貸経営がピンチ! コロナによる退去が急増中

こんにちはJOJOです! 東京23区でアパート4棟32部屋の大家をしています。

コロナの感染拡大が開始してから、不動産市場には様々な影響が起こりました。

まず最初に影響を受けたのは飲食店やカラオケ店が入居する商業ビルオーナーです。

コロナの感染予防による自粛が広がる中、都市部の飲食店やカラオケ店は利用客が激減しました。

売上がほぼゼロの店舗も多く、経営が立ち行かない店舗からビルオーナーに対して家賃の賃料減額や免除のリクエストが多く寄せられました。

中には廃業するテナントも少なくなく、空室が増えた商業ビルも多いです。

一方で、僕も含めて住居系の賃貸住宅についてはほぼ影響はありませんでした。

コロナの感染拡大が広がり外出する機会が減ったとしても、住居が不要になるわけではないので、退去が増えるということもありませんでした。

むしろ引っ越しを延期したり、キャンセル人が増えたため、退去が減っていた印象です。

実際に僕の所有物件32部屋は3月の緊急事態宣言後もずーっと満室が続いていました。

飲食店等のテナントから家賃減免を求められている商業ビルオーナーの話を聞きながら、『ビルオーナーは大変だなあ。やっぱり住居系は安定しているね』なんて余裕の顔してました。

ところが!

ここに来て、立て続けにコロナを原因とする賃貸アパートの退去ラッシュが始まったのです。

結論から言うと、次のパターンによる退去が増えてきました。

  1. 勤務している会社の業績が悪化し、実家に戻るパターン
  2. テレワーク勤務が恒久化し、実家に戻るパターン
  3. テレワーク勤務が恒久化し、より広い部屋へ引っ越すパターン

全てのパターンに共通化する入居者の属性は「東京23区在住、単身者、社会人、年収400万円前後」です。

つまり、東京23区に住んでいる年収400万円前後の単身社会人の退去が急増していることになります。

管理会社にヒアリングしたところ、同じような条件に当てはまる入居者の退去が急増しているとのことです。

東京における単身者用賃貸ニーズが激変していることが判明しました

今回は、僕の所有物件で起きたコロナ退去の事例を元に、東京における賃貸ニーズの変化点を解説していきます。

勤務している会社の業績が悪化し、実家に戻るパターン

緊急事態宣言が明けた6月になって、僕の元に解約通知が来ました。

入居者さんの属性は次のとおりです。

  • 性別:女性
  • 年齢:24歳
  • 勤務先:大手アパレル会社
  • 年収:350万円

一方で、解約があった僕の賃貸アパートのスペックは次のとおりです。

  • 住所:東京都品川区 東急目黒線徒歩7分
  • 部屋の間取り:1K (23㎡)
  • 築年数:18年
  • 家賃:80,000円

解約通知書の解約理由には『仕事のため』と記載してありました。

退去後は、実家にある東京都小平市に引っ越すようです。

僕は気になったので、入居者さんに電話して詳しい事情をヒアリングしました。

すると、勤務していた大手アパレル会社の業績が悪化し、ボーナスが減る見込みのため、生活防衛のため実家に戻ることが判明しました。

今回のコロナによってアパレル各社の業績が急速に悪化しています。

レナウンは民事再生手続き中ですし、オンワードグループは営業赤字に陥っています。

婦人服ブランド「組曲」などを展開するオンワードホールディングスが10日発表した2020年3~5月期の連結決算は、最終損益が24億円の赤字(前年同期は16億円の黒字)だった。同期間として最終赤字は14年ぶり。新型コロナウイルスのまん延を受けた店舗の臨時休業が響く。休業した店舗の人件費などを特別損失として計上した。

売上高は35%減の422億円、営業損益は21億円の赤字(前年同期は29億円の黒字)。主力販路である百貨店の店舗が最大で9割以上が休業したのが響いた。生活雑貨や食品を扱うライフスタイル事業も営業利益が85%減と落ち込んだ。

出典:日経新聞 2020年7月10日

この入居者さんが勤務しているアパレル会社も全国展開している大手ですが、やはり業績悪化は相当深刻なようです。

緊急事態宣言が発せられた3-5月の間は、店舗に洋服を買いに来る客は激減し、売上が急減したようです。

その後、緊急事態宣言が解除されて客数は回復傾向にあるのですが、それでも前年の水準には全然戻っていないようです。

そのせいか、6月に支給されたボーナスも前年から大きくダウンしたようです。

この入居者さんは、大学卒業して大手アパレル会社に入社するタイミングで僕のアパートに入居してきました。

ご実家は小平市なので、都心に通勤しようとすればできない距離ではないのですが、社会人になったことだし一人暮らしをすることを選択したとのことです。

社会人としてちょうど1年が経とうとしていたタイミングでコロナが襲ってきました。

大手とはいえ、20代の彼女の年収は350万円程度です。

僕のアパートの家賃8万円を支払うのは結構大変だったと思います。

ただ、大手会社なので、給料は順調に上がっていくことを期待して、新人社会人にしてはちょっと贅沢な僕のアパートに住んでくれたのだと思います。

それが、今回のコロナで勤務先の業績が大幅に悪化しました。

給料が増えるどころか、レナウンのように会社そのものが破綻してしまう可能性もあります。

単身アパートを引き払って、実家に戻るという彼女の選択肢はとても理にかなっていると僕は思います。

今回のコロナ騒動で業績が悪化した会社は膨大な数に上ります。

政府が打ち出した雇用調整助成金があるため、人員削減を表明している会社はそんなに増えていません。

雇用調整助成金を活用すれば、国が企業に代わって休業中の社員の給料全額を支払ってくれます(上限一人一日1.5万円)。

そのため、売上が減少している企業でも、とりあえず社員の雇用を維持しているところが多いからです。

ただ、雇用調整助成金もいつまでももらえるわけではありません。

助成金の期間が終了すれば、給与カットしたり、人員削減をする企業が増えるでしょう。

そうなると、コロナで業績が悪化した会社に勤務している人の退去が今後一気に増える可能性が高いと考えています。

テレワーク勤務が常態化し、実家に戻るパターン

コロナをキッカケとしてテレワークが一気に浸透しました。

僕自身もその恩恵を受けている一人であり、コロナの感染拡大が判明した2月からずっとテレワーク勤務を継続しています。

会社には一回も出社していません。

緊急事態宣言が終わるのと同時に、テレワークから通常の出社勤務に戻った人もいますが、ITや大手企業を中心に未だにテレワーク勤務を継続している会社も多く存在します。

なかにはトヨタ、日立製作所、富士通、カルビーのようにテレワークによって生産性がむしろ上がったとして、テレワーク勤務を恒久化する企業も増えてきました。

テレワークが恒久化すると、今までのように会社の近くに住む必要がなくなります。

完全テレワーク可の方は世界中どこに住んでも仕事ができるようになります。

実際に僕の知り合いは勤務先が完全テレワークに切り替わったのをキッカケに、生活費が安く、教育水準も高いマレーシアに引越してしまいました。

高い家賃払って職場がある東京に住む必要性がなくなるわけです。

そんな中、僕の入居者の一人がテレワーク勤務を理由に退去することになりました。

入居者さんの属性は次のとおりです。

  • 性別:男性
  • 年齢:25歳
  • 勤務先:ITベンチャー
  • 年収:400万円

一方で、解約があった僕の賃貸アパートは最初の例と同じ物件です。

  • 住所:東京都品川区 東急目黒線徒歩7分
  • 部屋の間取り:1K (23㎡)
  • 築年数:18年
  • 家賃:80,000円

この入居者さんはIT系ベンチャー企業に勤務していました。

この方の会社はコロナ感染拡大と同時に全社員テレワークに踏み切り、最近、希望者にはテレワーク勤務を恒久化するという通達が来たようです。

この方の職種はwebサイト制作エンジニアであり、在宅でも支障がなく仕事を進めることができます。

そのため、東京にある賃貸アパートを引き払って、実家がある熊本県に引っ越す決心をされたようです。

この方は今後は、熊本県にある実家でテレワークを行います。

そして、どうしても東京にある会社に出社しないといけない場合は、出張扱いで上京するとのことでした。

勤務している会社は既に今のオフィスを解約し、床面積を大幅に減らした小規模なオフィスに引っ越すようです。

IT系の仕事はパソコンさえあればどこででも行うことができるため、テレワークとはとても相性が良いです。

そのため、このように社員は基本テレワーク勤務とし、オフィスを縮小、または廃止する企業も増えてくることでしょう。

そして、この入居者さんと同じ用に、職場近くに住む理由がなくなり、職場近くの賃貸アパートを解約する方も増えてくると予想できます。

テレワーク勤務が常態化し、より広い部屋へ引っ越すパターン

3つ目の退去パターンは、テレワーク勤務を快適に行えるより広い部屋への引っ越しを決意した入居者さんの事例です。

入居者さんの属性は次のとおりです。

  • 性別:男性
  • 年齢:28歳
  • 勤務先:大手IT企業
  • 年収:500万円

一方で、解約があった僕の賃貸アパートは次の物件です。

  • 住所:東京都品川区 東急池上線徒歩5分
  • 部屋の間取り:1K (20㎡)
  • 築年数:1年
  • 家賃:90,000円

この入居者さんが勤務している会社は大手IT企業です。

僕の所有しているアパートの最寄り駅からは勤務先まで電車一本で行けるため、入居を決めていただきました。

この方の会社は大手IT企業であり、テレワーク勤務をいち早く導入しました。

そして、コロナが収束した後も、テレワークを恒久化することが決定されました。

この方の解約理由は、『テレワーク勤務に便利な、二部屋以上ある間取りの物件に引っ越したい』でした。

僕の所有アパートはワンルームタイプなので、当然居住スペースは一部屋しかありません。

しかも専有面積が20㎡なので、テレワーク用の机を置くとなるとちょっと手狭です。

また、Zoomを使ってテレビ会議を行う場合は、生活感あふれる部屋が背景として写ってしまいます。

もちろんZoomやTeamsといったweb会議アプリでは、背景をぼかしたり、別の写真に差し替える機能はあるのですが、時々設定変更するのを忘れて部屋の中が他の参加者に丸見えになるというハプニングも多々起きます。

この入居者さんも同じ用な経験をしたらしく、居住スペースと仕事スペースを明確に分けることができるIDKもしくは1LDKの間取りの部屋に引っ越したいと決意したそうです。

この方は営業職のため、週に1,2回は出社したり、客先に出向くために都心に出る必要があるようです。

そのため、引越し先はいざとなったら都心に通える範囲内で探したようです。

この方の場合は、神奈川県の平塚にある1LDKのマンションに引っ越すとのことです。

平塚駅は人気の湘南エリアに近く住みやすい街です。

都心からもそんなに離れていなくて、平塚駅から東京駅まで電車でちょうど1時間です。

その上、家賃は東京に比べると随分と安いです。

この入居者さんが住んでくれていた僕の所有アパート(間取り1K)の家賃は9万円ですが、平塚駅であれば余裕で1LDKに住むことが可能です。

ちょっと調べたら平塚駅徒歩10分にある新築マンション1LDKの家賃が8万円でした。

そりゃ、平塚に引っ越しますよね^^;

このように、テレワーク勤務のために二部屋以上ある広めの間取りに引っ越すというニーズが今後も増えてくると思われます。

都内8~9万円のワンルームは要注意

このように3つの退去事例を見てきたのですが、この3つのパターンに共通しているのが次の点です。

  1. 都心近郊の住宅地
  2. ワンルームタイプ
  3. 家賃8-9万円

この条件の物件に住む人の属性はだいたい次の通りです。

  1. 20代~30代前半
  2. 年収400-500万円の正社員
  3. 一人暮らし

これらの人達は独身ですので、気軽に引っ越しができます。

また、年収400-500万円で家賃に8-9万円支払う場合、そんなに生活に余裕はないと想像できます。

別の言い方をすれば、『職場近くに住むため仕方なく高めの家賃を支払っている層』とも言えます。

このような属性の方は経済環境が悪化したり、東京に通う必要性が少なくなれば東京以外の場所に引っ越してしまう可能性が高い人達です。

最初の入居者さんの例のように、勤務先の業績が悪くなり、給料がカットされる可能性が出れくればすぐに実家に戻る選択をします。

また、テレワークで東京に住む必要性が少なくなれば、気軽にもっと家賃が安い地域に引っ越しをしてしまう層とも言えます。

このように考えると『ちょっと無理して東京に住んでいる人達』をターゲットにしている賃貸住宅では、退去者が増えてくるのではないかと考えています。

今後コロナによって経済条件は悪化するのは確実ですし、テレワークを恒久化する企業も増えることでしょう。

そうすれば、ここで上げたようなパターンの退去が増えてくることは容易に想像がつきます。

そのため、僕のように『都内8~9万円のワンルーム』を所有している大家さんにとっては厳しい時代がくると考えています。

一方で、東京でも家賃が7万円以下のワンルームについては、今後もニーズは減らないと考えています。

実際に僕が所有している豊島区の家賃7万円以下のワンルームについては、退去の連絡は一切ありません。

これは、住んでいる入居者のターゲットが違うからだと考えています。

東京でも家賃7万円以下のワンルームに住むのは、もう少し給与水準が低い方が多いです。

具体的に言うと、都内の飲食店、小売店、美容室に勤務している社会人の方々です。

このような方はテレワークで仕事を行うことができないため、今までと変わらず出勤が必要になります。

また、このような業種では夜遅くまで勤務する人も多いため、職場に近い場所に住みたいというニーズは大きいです。

もちろんコロナの影響で給料が減少する人達もいるでしょうけど、実家が近くにある人以外は都内に住むという他に選択肢がありません。

そのため、このような低価格帯の賃貸ニーズは根強いものがあると思います。

まとめ

今後、コロナによって確実に賃貸ニーズは変化していきます。

今回取り上げたように、都内に立地するの賃8-9万円のワンルームのニーズは減少する一方で、少し郊外にある1LDKのニーズが増えるかもしれません。

また、同じ都内でも家賃7万円以下の低価格帯であれば、そんなにニーズは減少しない可能性もあります。

大事なことは、僕たち不動産投資家は賃貸ニーズの変化を敏感に察知し、新しいニーズに適合できるように自らを進化させることです。

僕自身でいうと、今までは都内の高価格帯ワンルームに狙いを定めて物件取得したり、土地から新築を建てたりしていました。

今後はターゲットを変えて、都内であればより価格帯の低いワンルームにシフトしたり、都心から少し離れた場所にある1LDKの間取りを投資対象にしていきたいと考えています。

これから不動産投資も激動の時代を迎えますが、一緒に頑張りましょう!

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